マンション投資で「税金が還ってくる」のワナ

公開日2019/02/11
更新日2022/12/03

「マンションを購入すると税金が戻ってきます」「サラリーマンでも節税になりますよ」
といった話を聞いたことはありますか?
 
マンション投資など不動産投資を行う上で、節税に関する知識を身につけることは重要です。
 
ここではそんな節税の真実をちょっとだけお話します。

 

なぜ「マンション投資は節税対策になる」のか?

サラリーマンの場合、毎月の給与から所得税を天引きされています。
 
ところが不動産投資をすると会社からの給与と不動産からの収入を合算して確定申告することになります。
 
その際に赤字だった分を「損益通算」することで、不動産所得の赤字分をサラリーマンの給与所得と合算することができるため、課税所得を減らすことが可能になります。
 
課税所得が減ることで、毎月源泉徴収されている所得税の一部が戻ってくるという仕組みになります。

税金のイラスト

年々減少していく節税効果

初年度は購入時にかかる費用(登記費用、ローン諸費用など)の他、不動産取得税などを経費として申告できますが、もちろん2年目以降はこれらの経費は申告できません。
 
さらに、減価償却費、ローンの金利は年々減少していきますので、申告できる経費は年々減少していくため節税額も減少していきます。
 
年々節税効果が薄れていくことを購入時に教えてもらえなかったことでトラブルになるケースも多く、実際の還付金よりも多く税金が還ってくるかのような説明を受けて購入してしまったと話されるかたも多いです。
 
節税できるといっても、源泉徴収された所得税額以上に税金が戻ってくることはありません。
 
もし節税を目的とするのであれば、かなりの高額納税者ぐらいでしょう。
 
不動産営業マンのこうした話は鵜呑みにしないようにしましょう。

 

節税はマンション投資のおまけ!

マンション投資は家賃を得て収入を上げる投資です。
 
節税効果はあくまでもおまけでしかなく、節税目的のみで投資をするのはおすすめできません。
 
特に節税だけを勧めてくる業者は注意が必要です。
 
赤字を出して節税する仕組みを逆手に取り、収支バランスが悪い物件を勧めるための営業トークに使っているからです。
 
節税効果を得るためだけのマンション投資をしようとすると物件選びも本来の不動産投資から外れてしまいます。
 
「マンション投資で節税できる」という言葉はウソではありません。
 
しかし、表面的な節税メリットばかりではなく、真実を理解する必要があります。
 
甘い言葉に誘われ、気づかぬうちに赤字物件を手にしてしまった、なんてことにならないためには、投資先として優れているかどうかを目利きする力とそういった物件を紹介してくれる業者を選びましょう。

このコラムを書いている人

渡邉 幸也

渡邉 幸也

1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士

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