ホントに必要?ガン団信特約~不動産投資コラム~

公開日2020/08/18
更新日2023/01/26

こんにちは、或いはこんばんは。
 
FGHの髙松です。
 
唐突な話ですが・・
 
不動産投資をはじめる「目的」や「理由」ってなんでしょう?
 
なにいってだ!投資なんだから目的は投資に決まってるだろう!
 
と、仰る方もいるのではないでしょうか。その通りです。
 
本来投資なんですから投資の為、お金を増やす為にしている「手段」が不動産投資です。
 
しかし不思議なもので、本来お金を増やす手段であるはずの不動産投資ですがあれこれと理由をつけて販売されていたりするのです。
 
先に結論だけ書いてしまうと、不動産投資における投資以外の要因はあくまでオプションであってそれ自体に大きな理由を求めてしまうことは浪費に繋がります。

 

車のエクステリア・・

例えばエアロパーツ(ちょっとゴツくなるやつ)ですとかリアスポイラー(後ろについてる羽)のような、と言ったら伝わるでしょうか。

趣味や嗜好で所有する車なら別ですが、多くは「移動の手段」として車を所有しているはずです。
 
パワーユニット(エンジンやモーター)や駆動系(動力をタイヤへ伝える部品)のように「移動の手段」という目的に直結する要素ではないのです。



生命保険の代わりに不動産投資?

この「理由」で不動産投資をはじめる方って多い気がします。
 
不動産投資をはじめる際、多くの人はローンを利用しますよね。
 
不動産投資ローンを利用する場合、その殆どが団体信用生命保険(以下、団信)という死亡時、高度障害時にローン支払いを免除してくれる保険に加入します。
 
「もしもの時はローンの無い不動産が残せます」というオプションなわけです。
 
つい最近では、ガンと診断されたら団信が適応されますよ、という特約のついたローンもあります。
 
種類は様々で・・
 
金利0.3%UPで付帯できるガン特約で特定のガン以外の診断を受けたらローンの支払いが免除されるもの、金利負担なしでガンと告知されたら残債の50%を免除してもらえる商品もあります。
 
このように書いてみるとすごい保険の代わりになりそう、と思えてきます。
 
・・ですが!
若年で疾患しそうで生存率の高い大腸がん、子宮頸がん、乳がん等は
ガン団信特約が適応されない場合が殆どですのでご注意下さい。

 

そして、あくまで残債にかけられた保険であるため、返済が進むにつれて相対的に保険金額は下がってしまいますし、そしてローンを組める年齢は最終返済が79歳までです。

 

日本人の平均寿命は・・

女性 87.45歳

男性 81.41歳

 

ちなみに75歳まで生き残る割合は現在・・

女性 88.2%

男性 75.8%

 

長寿です。完済までに団信が下りる可能性が低いのは勿論ですが、団信が下りるころには残債もかなり減っている場合がほとんどなのです。
 
生命保険や入院保険と不動産投資を比較させることで”保険なんだから損が出てもそれは人生の必要経費”という概念を生み出すわけですが生命保険や入院保険に全く加入していないということでなければ、”長生き”する場合がほとんどなので”長生き”した際の対策を考えておくほうが賢明に思います。

不動産投資は将来の資産を築く手段

節税が目的で・・というお話も多く伺いますが長くなってしまうのでまたの機会に。
 
不動産投資とはその名の通り”投資”であって、お金を増やす為の手段です。
 
そして働けているうちに将来の資産を形成する事が本来の目的のはずです。
 
ローンの支払いで毎月の収支がマイナスになってしまうなら目的は達成できていません。
 
無理のない、ゆとりある資金計画で投資していくべきです。
 
できるならなるべく早く繰り上げ返済をして自己資本比率を増やしましょう。
 
そして自分自身が働くことの出来なくなった際の収入源を作っていくのです。
 
不動産投資におけるガン団信特約(生命保険替わり)はあくまでオプションであり、恩恵にあやかる可能性も極稀なので金利に上乗せまでして付帯するメリットはありません。
 
どうしても心配なのであれば・・その金利上昇分の現金をストックして繰り上げ返済に充てることをオススメします。
 
不動産投資には空室や賃料下落、物件の修補費などのリスクを含んでいるわけですからそれに見合ったリターンが見込めないといけないのです。

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このコラムを書いている人

高松 大樹

高松 大樹

営業三部部長・執行役員 1986年生まれ 埼玉県育ち 2010年2月よりフォースグループで投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。中古ワンルームを中心に800件に迫る成約実績。 イレギュラー案件の交通整理も得意。実体験からモアベターな選択を提案致します。 保有資格:宅地建物取引士

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