不動産運用における注意点・失敗しないための心つもり

公開日2019/09/25
更新日2023/01/24

不動産運用とは?

不動産運用という言葉を耳にすることもあるでしょう。

では、不動産運用はどのようなことでしょうか?
 
資産の代表的なものというと不動産、お金、金融商品がありますが、不動産運用とは不動産を利用してメリットを金銭的に獲得することです。
 
不動産運用の代表的なものとしては、オーナーとして他の人に不動産を賃貸し、儲けを続けて獲得することです。
 
しかし、実際には、不動産運用はこれ以外に相続対策のときもあり、広くいうと「不動産を売却して儲けを獲得すること」も一つの不動産運用です。
 
さらに、自分の資産をどのように運用するかが大切です。
 
不動産を売却したお金を、株式や証券などの不動産ではないもので運用するのも得策でしょう。
 
このような不動産運用の中において、購入物件が値上がりして売却することや、オーナーとしてアパートやマンションを賃貸して賃料収入を続けて獲得することは、割合身近なことであるため、株式などに比較してイメージしやすいでしょう。
 
しかし、リスクが不動産運用にはつきものです。
 
不動産をせっかく賃貸しても、赤字からなかなか抜け出せないということも良く耳にします。
 
そのため、十分に不動産運用について学習してからスタートしましょう。

不動産運用で儲ける方法とは?

ここでは、不動産運用で儲ける方法についてご紹介します。
 
不動産を賃貸して賃料収入を獲得するアパートやマンションを賃貸して、現金を賃料収入として獲得することを重要視する方法です。
 
上手くこの方法がいくと、賃料収入が継続して獲得できるというメリットがあります。
 
不動産運用のときは、入居している人がいつまでも入居してくれると空室になるときもなく、一旦決定した賃料はそれほど変わらないので安定した賃料収入額になるでしょう。
 
一方、不動産運用のときは賃料収入を安定して獲得することが非常に困難であり、時間もかかることがデメリットになります。
 
空室率はこれから非常に高くなってきます。
 
どのオーナーも賃料収入を必死になって獲得するため、賃料は低下していくし、賃料を低下しても満室は困難になるでしょう。
 
長期間入居してくれる借主を探すためには、時間が今からの時代はかかるでしょう。
 

不動産を売却して売却益を狙う

アパートやマンションを売却して、現金を獲得することを重要視する方法です。
 
売却といえば一発勝負になるので心配になる方もいるでしょうが、今からの時代を考慮すれば、オーナーになるよりは方法として確実なものともいえます。
 
また、時間が経つほど、戸建てやマンションの価値は下がっていきます。
 
そのため、売却するときは、早めに割り切って動く方が儲けは獲得しやすいでしょう。
 

不動産を売却したお金を使って運用益を獲得する

不動産を売却したお金を、株式・投資信託・債権・外貨などに変更して、分配金や配当金などの収入を続けて獲得する方法です。
 
資産をこのように運用して儲けを獲得するときの運用益は、インカムゲインになります。
 
この方法は、不動産を持っているリスクが少なくなることがメリットです。
 
資産を分散して投資すると、リスクをさらに少なくすることができます。
 
不動産経営も不動産売却も恐ろしいのであれば、この方法がむしろ適しているでしょう。

不動産運用のメリットとは?

ここでは、不動産運用のメリットについてご紹介します。
 

利回りが高い

例えば、マンションを3,000万円で買って、毎月5万円の賃料収入を獲得すると、年間の賃料収入は60万円になります。
 
そのため、利回りとしては、年間の賃料収入の60万円をマンションを買った3,000万円で割ると2%になります。
 
現代は金利が低いため、利回りとしては高いレベルであることがわかります。
 
余裕が資金にあれば、不動産運用を検討してみましょう。
 

私的な年金の代わりになる

不動産を買ったときのローンを完済すると、賃料収入から必要経費の修繕費などを差し引きした分を、収入としてそのまま獲得することができます。
 
例えば、不動産運用を30歳でスタートして、賃貸しながらローンを20年で完済すると、50歳からは安定して一定の収入が獲得できます。
 
充実した老後の生活費を確保するために、不動産運用を私的な年金代わりに検討してみるのもいいでしょう。
 

税制面のメリットがある

給与所得とは別に、不動産運用によって獲得した所得は申告する必要があります。
 
赤字に不動産所得がなったときは、赤字額を給与所得から差し引くことができるため、所得税額を少なくすることができます。
 
赤字に不動産所得がなるというと心配になるかもしれません。
 
まず、不動産所得を計算する方法についてご紹介します。
 
不動産所得は、年間の収入から必要経費を差し引きしたものです。
 
年間の収入としては、賃料や更新料があります。
 
このときは、必要経費について注意する必要があります。
 
損害保険料や税金などが必要経費としては含まれますが、減価償却費がこの中でもキーワードになります。
 
では、減価償却費とはどのようなものでしょうか?
 
減価償却費というのは、時が経つにつれて価値が少なくなる資産のことです。
 
帳簿上で持っている不動産が年月が経つにつれて劣化する箇所を計上したもので、支出を実際に伴うというものではありません。
 
しかし、税金を計算するときは、必要経費として考えることができます。
 
不動産所得が帳簿上で減価償却費によって赤字になれば、損益通算が給与所得とできるため、トータルの所得が少なくなるため、所得税が還付されます。
 
つまり、トータルの所得は、不動産所得と給与所得をプラスしたものになるため、赤字に不動産所得がなるので少なくなります。
 
一方、所得税は所得額に税率を掛けたものから控除額を差し引きしたものになるため、トータルの所得額が少なくなるので所得税が少なくなります。
 
しかし、年々減価償却費は少なくなっていくため、不動産運用をしている限り控除をずっと受けられるということではありません。



不動産運用のデメリットとは?

先にご紹介したように不動産運用はメリットがいろいろありますが、当然ですが、投資であるためデメリットもあります。
 
ここでは、不動産運用のデメリットについてご紹介します。
 

賃料の滞納や空室などが発生する

賃料収入を獲得するために不動産運用をするときは、部屋が空室になることが最大のデメリットです。
 
また、賃料の滞納がよくトラブルになります。
 
賃料の滞納や空室によって稼働率が低下すると、想定していた儲けを獲得することができないときがあります。
 

流動性が低い

不動産運用における流動性というのは、必要によって現金に自由に換えられるかということです。
 
例えば、定期預金などは普通の預貯金に比較して現金にすぐに換えにくいので、流動性が低いといわれています。
 
不動産は資産ですが、現金と同様に取り扱うことは当然ですができません。
 
必要な時に現金にすぐにできないため、デメリットであると考えられます。
 

建物が古くなってくる

建物であるため、年月とともに古くなってきます。
 
メンテナンスをしなければ、さらに古くなって、賃貸物件や資産としての価値が下がってきます。
 
価値を維持するにはメンテナンスを定期的に行う必要があり、自然災害の地震などのときは倒れるリスクがあります。
 
ここでご紹介した不動産運用の知識については基本的なものであるため、実際に不動産運用をするときは、不動産の選択方法、管理方法、修繕方法などの知識を多く把握しておく必要があります。
 
不動産運用は投資ですが、物件を購入した後は経営と考えた方がいいでしょう。
 
入手した不動産の価値をアップすることが収入を安定して獲得することになるため、収入を楽に獲得したいという考えのみでは不動産運用が困難であることを把握しておきましょう。
 
不動産を持っているが運用で悩むことがないように、プランを綿密に立案しておきましょう。

不動産運用におすすめの資格とは?

不動産運用をするために資格を取得するときは、次のような資格がおすすめです。
 
ここでは、不動産運用におすすめの資格についてご紹介します。
 

宅地建物取引士

では、宅地建物取引士の資格とはどのようなものでしょうか?
 
宅地建物取引士というのは、不動産取引の専門家で、不動産についての法律の知識がある人です。
 
宅地建物取引士の資格を取得している人のみができる「独占業務」としては、次のようなものがあります。
 
・物件についての重要事項の説明
・重要事項説明書に記名して捺印する
・契約書に記名して捺印する
 
高額な買い物である不動産は、トラブルの発生の防止と消費者の保護という重大な責任があります。
 
宅地建物取引士は、不動産取引の賃貸や建物の売買などにおいて、重要な役目があります。
 
では、どのように宅地建物取引士は役立つのでしょうか?
 
投資用の不動産の良し悪しがわかるようになります。
 
有利でない物件を掴まされることが防げる以外に、法律がわかっているためトラブルにもなりにくいでしょう。
 
宅地建物取引士は国家資格であるため、高めの難易度です。
 
そのため、資格を取得するためにしっかりと学習する必要があります。
 
従来は宅地建物取引主任者という名称でしたが、現在は宅地建物取引士に変更になっています。
 
ちょっとくらい学習したのみでは受かるのは困難でしょう。
 
士業になってから合格率が低下するという多くの意見があります。
 
試験学習のために、不動産運用がいつまでたってもスタートできないというようにならないようにしましょう。
 
取得するまでには、半年間~1年間以上の期間がかかります。
 
宅地建物取引士の資格は、非常に不動産運用に役立つでしょう。
 
しかも、サラリーマン大家であれば、資格手当が会社でつくこともあるかもしれません。
 
転職するときには、有利な資格であるともいわれています。
 

ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級

では、ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級の資格はどのようなものでしょうか?
 
ファイナンシャル・プランナー(FP)というのは、顧客の中小企業や個人の相談にのって、資産についてアドバイスをする専門家です。
 
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、次のようなスキルが要求されます。
 
・顧客の資産についての情報を集めて分析する
・顧客のニーズやライフプランに応じたプランを立案してアドバイスする
 
ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級の資格があるということでも、独占的な業務があるということではありません。
 
しかし、自分のライフプラン、投資、貯蓄、保険、不動産、税務、事業承継・相続などについて、資産形成の適した方法がわかります。
 
ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級の資格は、それほど困難なものではありません。
 
知識をすでに持っているのであれば、取得できる人もいます。
 
取得するまでには、3ヶ月間~半年間程度の期間がかかります。
 
取得すると、保険・金融・証券についての知識もマスターできるので、不動産だけでなく、自分の資産についての不安がだいたい無くなるでしょう。
 
この資格を利用して、資産についてのセミナーの講師を務めたり、FP事務所として独立したり、本を書いたりする人も中にはいます。
 

マンション管理士

では、マンション管理士の資格とはどのようなものでしょうか?
 
マンション管理士というのは、技術的な建物構造上の問題や管理組合の運営について、アドバイスなどを行うスペシャリストで専門的な知識を持っています。
 
マンションの区分所有者や管理組合の管理者の相談にのって、トラブルを解決します。
 
マンション管理士も、独占的な業務はありません。
 
しかし、管理組合のことがわかっているので不動産運用の実務で役に立つでしょう。
 
例えば、マンション投資をスタートすると、理事会や総会に出席するチャンスがあります。
 
自分の物件の資産価値を維持するために、マンションの中で起きるいろいろなトラブルに対して、話し合って決めることが大切です。
 
法解釈以外に、必要な管理や修繕に関して積立金をどこに使用すべきかを見極めすることができるでしょう。
 
7%くらいの合格率ですが、宅地建物取引士などの学習をしていると割合取得しやすいでしょう。
 
取得するまでには半年間以上の期間がかかります。
 
取得すると、マンション管理に関して幅広い知識をマスターすることができます。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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