空室対策を行えば安定した管理経営が可能に

公開日2019/05/12
更新日2022/12/03

空室にお悩みの大家さん。効果的な空室対策を行えば、空室経営から脱却することができます。
 
まずは何が問題で空室になっているのか、その問題点や解決策を探っていきましょう。

家賃が周辺の相場と合っていない

どんなに良い物件であっても周囲の相場と比較してあまりにも家賃が高いのであれば、入居者は入りません。
 
空室期間が長いから空室期間分の家賃を取り戻したいという気持ちやローンを早く返済したい、今の家賃でも入居者がいるので家賃を下げたくないという気持ちも分かります。
 
しかし空室をそのまま放っておくのは問題です。
 
仮に家賃を下げたせいで他の入居者の家賃も下がり、一時的に家賃収入が落ちたとしても、その後入居者が入りだんだんと収益が確保できるようになります。
 
一時的な減収よりも将来的な増収に目を向けましょう。
 
また部屋は人が住まない状態が続くと劣化していきます。
 
人が済むと必然的に部屋に風を通すことになるので、湿気による腐敗などを防いでくれます。
 
建物の価値を維持するためにも人が住んでくれるということが大切なのです。
 
周辺の家賃相場はネットで調べたり、不動産仲介会社に問い合わせると、すぐに分かることなので、家賃や共益費が周辺の相場とあっているか確認しましょう。
 
また敷金や礼金についても、取り過ぎていないのか確認してみて下さい。
 
似た家賃で似た立地の物件があった際は、敷金・礼金のない物件が選ばれるのは当たり前なのです。

建物や共有部分が汚れていたり、掃除がされていない状態になっていませんか?

せっかく内見に来てもらうことができても、建物や部屋の印象が悪ければ成約に結びつけることは難しいです。
 
立地や間取りなどは変えることができませんが、部屋を綺麗にするということはすぐにでもできることです。
 
エントランスや自転車置き場、ゴミ置場などを綺麗に清掃するようにしましょう。部屋も定期的に風通しを行い、清掃をしましょう。
 
内見時の第一印象を良くすることは今すぐ始められることです。

管理会社や仲介会社への連絡は金曜日に行うのがポイント

効果的に管理会社や仲介会社に入居者募集を行ってもらうのであれば、金曜日に連絡することが大切です。
 
金曜日ということに大きなポイントがあるのです。
 
というのも、内見の希望者が一番多いのが土日です。
 
そのため金曜日に管理会社や仲介会社を訪問したり、電話することで次の日の営業に活かしてもらうことができるのです。
 
金曜日に少しでも多くの人に内見に来てもらうことをお願いし、月曜日に週末の問い合わせや案内について確認しましょう。
 
決して会社任せにするのではなく、こちらからもアクションを起こしていくことが大切です。
 
内見に至らなかった時には、その理由を聞いて今後どうしていくのか対策を考えましょう。

不動産のポータルサイト掲載を視野に入れる

管理会社や仲介会社任せにしないで、自分でも入居者を見つけるといいでしょう。
 
不動産の大手ポータルサイトは利用者数が多く、掲載するだけである程度のPV数を確保することができます。
 
まずは見て、知ってもらうということが大切です。
 
ただし管理会社のよっては、大家自らポータルサイトに掲載することをできなくさせる契約にしていることがあります。
 
管理会社に相談の上、ポータルサイトへの掲載を考えましょう。
 
またポータルサイトへの掲載はお金もかかります。
 
そのため色々な手段を講じた上で、それでも入居者が集まらなかった時に考える手段の一つでいいでしょう。

のぼり旗やチラシでのPR活動は意外と効果的

地道な方法ですが、のぼり旗や入居者募集のチラシを配布することも意外な効果を発揮します。
 
例えばこの付近に住みたいなと街を歩いている時、のぼり旗のないアパートがあったとすると、そのアパートに住めるかどうか分かりません。
 
しかしのぼり旗が立っているとこのアパートは募集をしているから、問い合わせてみようという思考が働きます。
 
物件を宣伝する看板を設置したり、チラシを現地においていくことで近隣で部屋探しをしている人へのアピールになります。
 
また大家自らHPを開設したり、ブログやフェイスブック、各種SNSで入居者募集を行っているケースもあります。
 
会社の近くに住む場所がないかと、帰宅しながら付近を探している会社員は意外と多いです。

業者や入居者に知り合いに入居希望者がいないか声掛けをする

仲介業者やリフォーム業者、入居者などに知り合いに入居したい人はいませんか?と、声をかけてみるのもありでしょう。
 
ただしこの場合は、しつこく迫ってはいけません。
 
煙たがられてしまうので、挨拶程度に軽く聞いてみて、決してしつこく迫らないで下さい。
 
もし良かったら宣伝してくださいね、と冗談めかすくらいがベストです。
 
こうして色々な人に話しかけて入居者募集をしていることが伝われば、ツテで入居者が見つかることがあります。
 
究極の営業マンはどんな人かご存知でしょうか?それは入居者なのです。
 
実際に住んでいる人がこの物件はいいよと宣伝してくれるので、誰よりも説得力があります。
 
入居者が他の人にも宣伝したいと思える物件作りをすると、自然と宣伝してくれます。
 
また知り合いに紹介してもらった際には、心ばかりで良いので謝礼を用意しましょう。
 
現金だと生々しい際は菓子折りでも構いません。感謝の気持ちを伝えることが大切です。

設備を見直し、ニーズにあった物を取り入れる

設備の見直しも効果のある空室対策になります。
 
古くなったクロスを張り替えるだけでも、部屋の印象はガラリと変わります。
 
また女性入居者を意識するのであれば、防犯カメラやカメラ付きインターフォンの設置もお勧めです。
 
無料のインターネットを導入したり新品のエアコンに取り換えるなど、様々な部分を改善させることができます。
 
こういった施策は少しづつ行うより、一気にまとめて行う方が効果が高いです。
 
設備を見直すことで立地などの悪条件をカバーできるので、勝てる物件に変身させることができます。
 
最近ではDIYオッケーな物件も人気になっています。DIYできるのであれば、入居者の選択肢もより広がります。
 
時代や入居者のニーズを取り入れた部屋作りをしてみて下さい。

繁忙期頼みの空室対策をしない

12月〜3月にかけての繁忙期は、不動産業界が一番忙しい時期です。
 
それだけ多くの顧客が、部屋探しのために仲介店を訪れます。そのため繁忙期に合わせ、空室対策を行う大家も多いです。
 
しかし大事なのは繁忙期なったら顧客の数が増えるわけではないということです。単に顧客が動くだけなのです。
 
例えば今100人の人が賃貸物件に住んでいるとし、150戸の物件が空いていたとしてます。
 
そのうちの50人が転居を決めたとしても、50人が別の物件に単に移るだけなのです。
 
現在の日本は空き家率が高く、入居者の数よりも部屋の数の方が多いという現状があります。
 
そのためたった50人が移り、50人が同じ物件に住み続けたとしても、150戸の物件に空きがあるという事実には変わりないのです。
 
大家はどこも入居者の取り合い合戦をしています。
 
そのため繁忙期だから入居してもらえるという考え方は捨てた方がいいです。
 
単に人が多く動く時期というだけで、全体的なパイが大きくなり部屋が足りないという状態には陥ってないのです。
 
そのためにも繁忙期に限らず、空室対策は通年を通して行うべきです。

今の入居者を大切にすること

空室対策というと新規の入居者開拓にのみ目を向けがちです。
 
しかし今入居している人を大切にすることも大事な空室対策です。
 
今せっかく住んでくれている入居者を、決して取り逃がしてはいけません。
 
そのためにも今住んでいる入居者を大切にし、これ以上空室になることを避けなければいけません。
 
もし今の入居者からエアコンを取り替えて欲しい、クロスを張り替えたいなど要望があったら、その要望にできるだけ応えてあげましょう。
 
そうすることで退去を防ぐことができます。
 
また空室が出た際に設備の交換を行うのは、金銭的な負担が大きいです。
 
しかし家賃収入を得ている状態で設備の交換を行うのであれば、毎月の収入から支出できるので金銭的な負担も小さくなります。
 
このように現在の入居者のために小出しでリフォームを行えば、退去時のリフォーム費用に圧迫されることもなく、優良入居者を長期間つなぎとめておくことができるのです。

高齢者にターゲットを絞ってみる

高齢入居者にあえてターゲットを絞ってみるというのも一つの手です。
 
高齢の入居者は入居を断られることが多く、入居難民になっています。
 
そのため手すりをつけるなど高齢者に向けた設備を導入し、高齢者を積極的に受け入れることで空室問題の解消を期待することができます。
 
一方で高齢者には孤独死というリスクもあります。
 
そのため単身世帯の高齢者を受け入れるのであれば、定期的に安否を確認する必要があります。
 
またいざという時の連絡先や保証人についてもしっかりと確認、調査することが大切です。

サブリース契約を結んで、空室リスクとサヨナラする

空室リスクに悩まされない一番の方法は、サブリース契約を結ぶことです。
 
サブリース契約を結ぶと全室借りきってもらうことができるので、空室に悩むことは一切なくなり、安定した経営が可能になります。
 
しかしサブリース契約であれば、自主管理や管理のみの委託時よりも収益性が下がってしまうことが大半です。
 
どちらを取ってもメリット、デメリットはありますが、今現在空室問題に悩んでいるのであれば、サブリースという選択肢も頭に入れてみるといいかもしれません。
 

空室問題解決の糸口

空室問題を解決するためには、なるべく沢山タネを蒔くことが大切です。
 
色々なことが空室問題解決のためにはできるので、1つだけ行なって満足するのではなく、2つ3つとできることはなんでもすることです。
 
お客さんとの接点を沢山作ることが入居につながります。
 

空室対策は満室であっても行うことが大切

空室対策は物件が空室になった時に行うものという考え方は間違っています。
 
満室であっても空室対策を行うことで、長期間の満室経営が可能になるのです。
 
そのため満室だということに驕ることなく、共有部分を掃除したり、入居者に挨拶するなど良い雰囲気と環境を作りましょう。
 
また満室時の空室対策として以下のことを行いましょう。

内見の申し込みがあったり成約に至った際は、必ず営業マンにお礼をする

お金を支払っているのだから、成約に結びつけるのは当たり前のことだという考えは持たないで下さい。
 
数ある物件の中から自分の物件を紹介してくれ、成約に結びつけてくれる努力をしてくれた営業マンには常に感謝の心を持ちましょう。
 
大家によっては成約に至ったお礼にと菓子折りを持って、仲介会社に訪問する人もいます。
 
成約を感謝してくれる大家の物件と成約するのは当たり前だという考えの大家の物件。
 
紹介したいな、力を入れたいなと思う大家の物件はどちらでしょうか?営業マンも人間のため、喜んでくれる大家のために頑張りたいと思うものです。
 
常に感謝の心を忘れず、接することが大切なのです。
 
入居希望者が内見に来た場合の成約率をご存知でしょうか?新築・築浅物件でも成約率は30%と低水準なのです。
 
築古物件の場合は立ったの10%です。この数字を知っておけば、いかに営業マンが努力してくれたのかが良く分かるでしょう。
 
菓子折りを持って毎回訪問しろとは言いませんが、せめて電話で感謝の気持ちは言葉に出して伝えて下さい。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

関連する記事