賃貸物件の空室率を解消するポイントを入居者目線で解説!

公開日2020/06/15
更新日2022/12/23

入居希望者が見ているポイントは、入居希望者に聞くべし!

マンション
賃貸物件の運営において空室率を改善することは、もっとも優先すべき課題と言っても過言ではありません。
 
さまざまな工夫をこらして、空室率の改善に取り組むオーナーも多いですが、そのアプローチは本当に正しいでしょうか?
 
入居希望者の声を無視して、魅力アップに取り組んでも大きな成果を得ることはできないでしょう。
 
取り組んだことで、逆に魅力度がマイナスになってしまうかもしれません。
 
今回は、入居希望者が物件を選ぶ上で、どんなポイントを重視しているのか、そして内覧者は物件のどこを見て入居を決めるのかをご紹介します。

入居希望者は物件選びで何を重視している?

不動産査定
男女400人に聞いた、「引越し先の物件選びで重視するポイントランキング」は下記の通りです。
※大手不動産ポータルサイト「SUUMO」調べ
 
1位:家賃・価格 91.5%
2位:間取り 82.0%
3位:最寄駅からの徒歩分数 76.0%
4位:面積・広さ 76.0%
5位:路線・駅やエリア 74.5%
6位:立地・周辺環境 74.0%
7位:通勤・通学時間 72.0%
8位:築年数(新築含む)59.5%
9位:住戸の向き・方角 59.0%
10位:設備・仕様 58.5%
 
他の不動産業者でも似たようなアンケートを行っており、そのアンケートを見ても多少の順位変動はありますが、TOP10入りするポイントはほぼ同じでした。
 
つまり、このTOP10が、空室率の改善に繋がるカギを握っているということです。
 
間取りや駅からの徒歩分数、エリアなどこのランキングに入るポイントが全て抑えられている物件に投資すれば、空室率に悩まされる可能性も低くなるでしょう。
 
しかし、既に物件をお持ちの方は、物件を動かすことができないので、立地や間取りを変更させるのはほぼ不可能でしょう。
 
それでも、家賃や間取り、設備であれば、変更できる可能性があります。
 
今一度自身の所有する物件を精査し、他物件に勝つためのポイントを見直していきましょう。

入居希望者は内見で物件のどこを見ている?

マンション
引越し先の物件選びで重視するポイントが抑えられている物件は、内覧に結びつけることができます。
 
内覧まで来てくれれば、契約を前向きに考えているととらえて良いでしょう。
 
それにも関わらず契約に結びつかなかったという場合は、入居希望者の重視するポイントから外れてしまった可能性があります。
 
入居希望者目線に立ち、内覧の際にどんなポイントを見ているのか、オーナー自身も確認することが大切です。
 
また、魅力ある物件作りのため、入居希望者の声に耳を傾け、「どこが気に入らなかったのか」をヒアリングして参考にしてみましょう。

設備

内覧者は、物件にどんな設備があるのかを見ています。
 
単身・ファミリーともに4年連続人気1位の設備は、無料インターネットです。
 
ネット回線のない物件では、自身でネット環境を整備しなくてはならないため面倒に感じる人が多いようですね。
 
しかし、ネット環境があらかじめ用意されていれば、自身で用意する必要がなく面倒な手続きが必要ありません。
 
また”無料”というのも大きなポイントです。ネット回線代は数千円程度ですが、無料になればやはりお得感を感じます。
 
次に単身2位・ファミリー3位の設備が、オートロックです。
 
オートロックが建物内の共用玄関ドアに設置されているかを重要視する入居者が多い様子。
 
外からドアを開けるためには、居住者に内側から開けてもらうか、鍵や暗証番号などが必要なため、入居者以外の侵入を防ぐことができ、防犯性が高まります。
 
若い女性の多い賃貸物件であれば、プラスで自室にもオートロックの設備があるとより安心感を高められるでしょう。
 
単身3位・ファミリー6位の設備が宅配ボックスです。宅配ボックスの需要は年々高まっており、ネット通販市場も拡大しています。
 
これら設備は多くの入居希望者が重視しているので、まだ取り入れていないものがあれば、積極的に取り入れていきましょう。
 

共用スペース

アパートやマンションには、エントランスや廊下といった他の入居者との共用スペースがあります。
 
特にエントランスは物件の顔とも呼べる部分で、物件のイメージを作っています。そのためエントランスの清潔感や見た目は非常に大切です。
 
また共有スペースの汚れがそのままになっていたり、住民が廊下に私物を放置していると、管理不十分な物件だと思われてしまいます。
 
共有部分は皆で使うスペースのため、私物を放置している住民がいた場合は片付けるように促し、掃除も定期的に行いましょう。
 
管理がしっかりされている物件は気持ちよく過ごすことができ、現入居者の退去の可能性も抑えることができます。
 

ゴミ置き場

意外かもしれませんが、内覧者はゴミ置き場も見ています。
 
というのも実は、ゴミ置き場の状態はその物件の民度が最も反映されていると言われているからです。
 
つまりどんなに共有部分が綺麗でもゴミ置き場が荒れていると、マナーの悪い住民が多い物件だと思われてしまうのです。
 
集合住宅は皆で生活するため、他にどんな人が住んでいるかというのは、入居を決める上で大切なポイントです。
 
そのためゴミ置き場も綺麗にして、入居者の民度が高いことをアピールできるようにしましょう。
 
現在ゴミ置き場が荒れ果てている場合は、掃除して綺麗にしてください。
 
綺麗にしても再びゴミ置き場が汚くされた場合は、その都度綺麗にしていきましょう。
 
いつも綺麗にしておくと、綺麗に使おうという気持ちがだんだんと住民に芽生え、民度が高くなっていくことが多いです。

物件の魅力をアップさせて空室率を改善するコツ

一軒家
設備の拡充や共有スペース・ゴミ置き場の清掃がきちんと行われていれば、多くの入居希望者に魅力的に写ります。
 
しかし競合する物件が多い場合は、それだけでは競争に勝てないかもしれません。
 
ここからは、物件の魅力を更にアップさせる方法についてご紹介します。
 

差別化を図る

差別化を図るというのが、簡単そうで一番難しいことかもしれません。
 
しかしどの物件も似たり寄ったりで、駅からの徒歩分数も家賃も間取りも対して変わらないという時は、他の物件とは違う魅力を持つ物件が選ばれます。
 
差別化を図るためには、入居希望者の声に耳を傾け賃貸物件に何を求めているのか知ることが大切です。
 
女性の単身入居者が多い物件では、防犯対策を進めることで他の物件より安全という差別化に繋がります。
 
ファミリー層の多い物件では、集合住宅で子供会を作り、初めて越してきて、もすぐに友達やママ友ができる環境があるという点が魅力になるでしょう。
 
差別化は所有する賃貸物件がどの層に向いているのか、そしてその層はどんなことを求めているのかを調査し、需要にマッチしたアプローチを行うことが大切です。
 

DIY可能物件にする

賃貸住宅には原状回復義務があるので、自由にリフォームできません。
 
好きなポスターを貼りたいと考えていても、壁に穴を開けられないから…と、断念する人も多いようです。
 
しかし、DIY可能物件には原状回復義務がないので、入居者は自分の好きなように部屋を変えることができます。
 
特に築年数の経過した物件では、リフォーム可能かどうかを不動産仲介会社の営業マンに聞く人が多いようです。
 
「築年数が経過しているので綺麗にしたい」という要望もあれば、「自分の好きな空間を作りたい」という要望もあるんだそう。
 
DIY可能物件は、入居希望者が物件を選ぶ際の条件ランキング外ですが、DIYが流行していることもあり、現在人気を博しています。
 
中には、DIY可能物件のみを扱った不動産仲介サイトも存在するほど。
 
DIY可能物件にする1番のメリットは、長く住んでもらえる可能性が高くなる点でしょう。
 
DIY可能物件ならオーナー自らリフォームしなくてもいいので、リフォーム代も浮きます。
 
そしてDIY可能物件はまだ需要に対し、供給が少ないので、家賃を下げずに住んでもらえる可能性も高いのです。
 

壁紙をカスタマイズできる物件にする

DIY可能物件にしてしまうと、どこまで部屋が変わってしまうのか心配というオーナーもいるでしょう。
 
そんな人には壁紙を選べる物件というプチDIY物件がおすすめです。
 
壁紙を選べる物件は文字通り入居者が好きな壁紙に張り替え、カスタマイズが可能な物件のこと。
 
好きな壁紙を選んで貼ることができる物件は、引越しのワクワク感を高めることができます。
 
賃貸でも部屋作りに携わることができれば、自分の部屋という気持ちも持つことができるでしょう。
 
壁紙を選べると付加価値が上がり、不動産仲介会社も「この物件は壁紙を好きなものに変更できますよ」と、勧めやすくなります。
 
壁紙が変わるだけで部屋の雰囲気はガラッと変わりますし、お洒落で自分好みの壁紙になると満足度が上がり、長く住んでもらいやすくなります。
 
壁紙が変わるだけのDIYであれば、部屋が壊されてしまうのではないかという不安もありませんし、奇抜な壁紙になってしまっても、すぐに万人受けする白い壁紙に交換することが可能です。
 
名古屋市に一棟マンションを所有するKOKOさんは、1年で10%ほど家賃が下落し、悩んでいたそう。
 
しかし、壁紙カスタマイズを導入したことにが付加価値となり、入退去ごとに家賃がアップしているそうです。

賃貸物件の空室率を解消するポイントまとめ

アパート
入居者目線に立ち、「魅力ある賃貸物件とは何か」を考えていけば、自身の所有する物件に何が足りないのかということも自ずと見えてくるはず。
 
足りていないポイントを補充していけば、物件の魅力度はどんどんと上がっていき、空室率も改善されるでしょう。
 
近隣の競合物件より自身の物件が完全に劣っていると感じても、諦めるのはまだ早いです!
 
そんな時は設備の拡充に努め、駅からは少し遠いけど、ネットが無料で宅配ボックスがついているなど、アピールポイントを増やすことをオススメします。
 
他の物件とは違いD I Yが可能で、壁紙も選べるなどの差別化も効果的です。
 
そして内覧に結びついた場合には、掃除をしっかりと行い、管理の質の高さを感じてもらえるようにしましょう。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

関連する記事