不動産投資にかかる税金とは?税率や種類、税金対策の仕組みを解説

公開日2021/02/09
更新日2021/08/30


 
今回は、不動産投資に関する「税金」について。2021年が始まってあっという間に1ヶ月が経ちました。2月になると確定申告の準備を進めるオーナーさんも多くなるかと思いますので、不動産投資に関する税金についてご説明します。
 
不動産に関する税金は意外と多く、様々な特例や軽減措置もあって複雑です。正しい知識を持っていないと無駄な税金を払うことになりかねません。ぜひ本記事に目を通し、不動産投資に関する税金の基本を押さえておきましょう。
 

■不動産を取得した際にかかる税金について


 
不動産を取得したときにかかる税金について解説します。不動産を取得したときに課せられる主な税金は、「印紙税」「登録免許税」「不動産取得税」の3つです。
 

●不動産取得時の税金01:印紙税

印紙税は、一定金額以上の領収書や契約書など、国が定める「課税文書」を作成する際に発生する税金です。課税文書は様々ありますが、不動産投資においては、物件購入時の売買契約書や融資を受ける際の金銭消費貸借契約書が課税文書とされており、印紙税の対象となります。
 
印紙税は、収入印紙を購入して契約書に貼ることによって納めます。収入印紙の金額は以下のとおり、契約書記載の金額によって異なります

 

 

 

 

 

 

 

契約書の記載金額 売買契約書に貼る収入印紙の金額 金銭消費貸借契約書に貼る収入印紙の金額
100万円~500万円 1,000円 2,000円
500万円~1,000万円 5,000円 1万円
1,000万円~5,000万円 1万円 2万円
5,000万円~1億円 3万円 6万円
1億円~5億円 6万円 10万円

 
たとえば、不動産売買契約書の記載金額が2,000万円であれば、1万円の収入印紙を貼ります。金銭消費貸借契約書の記載金額が1,500万円であれば、2万円の収入印紙を貼ります。
 
ちなみに、売買契約書の印紙税は2021年5月現在、軽減措置が適用されています。軽減措置がなくなると税額も変わってくるので、最新情報は国税庁のページでチェックするようにしましょう。
>> 印紙税|国税庁
>>「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について
 

●不動産取得時の税金02:登録免許税

登録免許税とは、不動産の登記をするときに発生する税金のことです。たとえば、BさんがAさんから不動産を購入したら、所有権の名義人をAさんからBさんに変更する「所有権移転登記」をおこないますが、その際には登録免許税が必要になり、この金額はBさんが負担します。また、BさんがC銀行から融資を受けて不動産を購入する場合は、C銀行名義での「抵当権設定登記」をおこないますが、この際も登録免許税が発生し、同じくBさんが負担することになります。
 
所有権移転登記の登録免許税額は「不動産の固定資産税評価額 × 税率2%」で算出します。たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の不動産であれば、所有権移転登記の登録免許税は、2,000万円 × 2% =40万円となります。
 
抵当権設定登記の登録免許税額は「融資額 × 税率0.4%」で算出します。たとえば、融資額が1,500万円であれば、抵当権設定登記の登録免許税は、1,500万円 × 0.4% = 6万円となります。
 

●不動産取得時の税金03:不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得したことに対して課せられる税金です(自らの意思で不動産を取得したときに発生する税金なので、相続で不動産を取得した場合は発生しません)。
 
不動産取得税を便宜、不動産「取得時」の税金としてご説明していますが、実際には不動産を購入したときに納税するわけではありません。不動産の購入後、半年~1年以内に自治体から納税通知書が届くため、それに従って納税します。
 
不動産取得税は「固定資産税の評価額 × 税率3%」で算出します。たとえば、固定資産税の評価額が1,500万円の不動産であれば、不動産取得税は1,500万円 × 3% = 45万円となります。
 

■不動産取得時に利用できる特例


 
不動産取得時に適用される可能性がある特例が「住宅ローン減税」です。
 

●住宅ローン減税について

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、簡単に言えば、一定の条件をクリアした住宅を購入・リフォームするために住宅ローンを利用した人を対象に、住宅ローンの金利の負担を軽減する制度です。
 
個人が住宅ローンを利用してマイホームの新築・取得・増改築などをして、自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすとき、その取得などに係る住宅ローンの年末残高の合計額などを基にして計算した金額が、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除されます。
 
年末の住宅ローン残高が4,000万円以上あって、その他一定の条件を満たす人は実際に支払う税金が40万円減るので、非常に大きなメリットになります。住宅ローン減税の適用を受けるには、最初の年に確定申告をする必要があるので忘れずにおこないましょう。
 
>> 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
 

■不動産の売却した際にかかる税金について


 
不動産を売却したときにかかる税金について解説します。不動産を売却したときに課せられる主な税金は、「譲渡所得税」「印紙税」「登録免許税」の3つです。
 

●不動産売却時の税金01:譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産売却によって生じた利益(譲渡所得)に対して課せられる税金の総称です。具体的には、所得税と住民税が譲渡所得税に該当します。その年の1月1日時点で不動産を取得してから5年を経過しているか否かによって税率が変わってきます。
 
▼不動産取得から5年未満の場合
所得税:30%
住民税:9%
 
▼不動産取得から5年以上の場合
所得税:15%
住民税:5%
 
譲渡所得税は、不動産売却によって利益が生じた場合にのみにかかる税金なので、売却損が生じた場合は発生しません。また、マイホームを売却した場合は特別控除(最高3,000万円控除)が適用されます。
※ 投資用不動産を売却した際の譲渡所得税を算出する際、購入価格から減価償却で計上した経費は仕入れ額から減算されます。減価償却費を大きく計上している場合は注意しましょう。
 

●不動産売却時の税金02:印紙税

不動産の購入時と同じように、不動産を売却したときにも印紙税がかかります。印紙税の金額は上述のとおりです。
 

●不動産売却時の税金03:登録免許税

不動産の購入時と同じように、不動産を売却したときにも登録免許税がかかります。
 
不動産を売却したら、売主から買主に所有権の名義を書き換える「所有権移転登記」が必要になりますが、所有権移転登記の登録免許税は買主が負担するため売主の負担はありません。ただし、売主の現住所が登記されている住所から変わっている場合は「所有権登記名義人表示変更登記」が必要になり、この登記の登録免許税は売主が負担します。また、ローンが残っている不動産を売却する際は、ローンを完済して抵当権を抹消する「抵当権抹消登記」をおこなう必要があり、この登記の登録免許税も売主が負担します。
 
所有権登記名義人表示変更登記も抵当権抹消登記も、登録免許税の金額は不動産1つにつき1,000円です。土地と建物は別々の不動産になるので、たとえば1筆の土地のうえに建っている戸建て住宅の場合は、所有権登記名義人表示変更登記に2,000円、抵当権抹消登記に2,000円の登録免許税がかかります。
 
不動産売却時の税金については、以下の記事で詳しく解説しています。
>> 不動産売却にかかる税金について
 

■不動産を所有しているときにかかる税金について


 
不動産を所有しているときにかかる税金について解説します。不動産を所有しているときに課せられる主な税金は、「固定資産税」「都市計画税」「所得税」「住民税」の4つです。
 

●不動産所有時の税金01:固定資産税

固定資産税はその年の1月1日時点で不動産を所有している所有者に課せられる税金です。税額は、固定資産税評価額 × 1.4%で計算されます。なお、マイホーム用の住宅については軽減措置があります。
 
▼住宅用地の軽減措置について
1戸につき200m2までの小規模住宅用地:固定資産税標準課税額 × 1/6に減額
小規模住宅用地以外の一般住宅用地:固定資産税課税標準額 × 1/3に減額
 
▼新築住宅の軽減措置について
新築住宅の場合、床面積120m2までの部分は一定条件を満たせば、固定資産税が1/2になります。3階建て以上の耐火構造・準耐火構造の場合は5年間、その他の住宅については3年間軽減措置を受けることができます。
 

●不動産所有時の税金02:都市計画税

固定資産税と同じく1月1日時点における不動産の所有者に課せられる税金で、固定資産税と一緒に納付します。都市計画税は最高税率0.3%となっており、0.3%以内で市区町村が定めます。都市計画税にも、住宅用地の軽減措置があります。
 
▼住宅用地の軽減措置について
1戸につき200m2までの小規模住宅用地:課税標準 × 1/3に減額
小規模住宅用地以外の一般住宅用地:固定資産税の課税標準額 × 2/3に減額
 
▼新築住宅の軽減措置について
都市計画税には建物に関する軽減措置はありません。
 

●不動産所有時の税金03:所得税

不動産投資において所得が発生したら、確定申告をして所得税を納める必要があります。所得税の算出方法についてご説明します。
 
▼①不動産所得を求める
まずは、その年において不動産所得がいくらあったのかを算出します。算出方法は以下のとおりです。

不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費

必要経費とは家賃収入を得るためにかかった費用のことで、代表的な必要経費としては管理費や修繕費などが挙げられます。家賃収入より必要経費が多くなるケースもあり得るので、その場合は、不動産所得がマイナスになります。
 
▼②課税所得を求める
次に、課税所得を求めます。算出方法は以下のとおりです。

課税所得 = 不動産所得 + その他の所得(給与所得) – 所得控除

所得税は原則として、すべての所得金額を合計して税額を計算する「総合課税」が適用されます。そのため、サラリーマンの場合は不動産投資で得た不動産所得に、勤務先から得た給与所得を合算する必要があります。所得控除とは、配偶者控除や扶養控除など個人的な事情を考慮するために所得金額から控除するものです。
 
▼③所得税額を求める
最後に、所得税額を求めます。算出方法は以下のとおりです。

所得税額 = 課税所得 × 税率 – 控除額

所得税は累進課税なので、所得が高くなるほど税率も高くなります。また、控除額も所得金額に応じて変わってきます。所得税の詳細な税率や控除額、シミュレーション例などは後述します。
 

●不動産所有時の税金04:住民税

不動産投資において所得が発生したら、所得税と同様に住民税が課せられます。住民税は「所得割」と「均等割」の2つの区分で構成されています。
 
所得割は、所得に応じて課税されるもので、所得に対して市町村民税として6%、都道府県民税として4%の合計10%が課税されます。均等割は、所得にかかわらず誰でも一律に課税されるものです。均等割の金額は自治体によって異なりますが、市町村民税と都道府県税を合わせて数千円程度です。住民税のシミュレーション例は後述します。
 

■不動産投資における所得税・住民税のシミュレーション

 

 

●所得税のシミュレーション

所得税は累進課税なので、所得金額が増えるほど税率も高くなっていきます。2021年5月現在の税率は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

※参考:No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
 
実際に、不動産投資における所得税額をシミュレーションしてみましょう。設定は以下のとおりとします(数値は分かりやすい数値にしています)。
 

・給与所得は700万円

・年間の家賃収入は300万円

・年間の必要経費は100万円
・基礎控除は48万円

・給与所得控除は200万円

・配偶者控除は38万円

・社会保険料控除は40万円

・青色申告特別控除は10万円

・生命保険料控除は7万円

・地震保険料控除は7万円

(控除の合計は350万円)

 
①不動産所得を求める
以下の算式で不動産所得を求めます

不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費

年間の家賃収入が300万円で、必要経費が100万円なので、不動産所得は200万円となります。
 
②課税所得を求める
以下の算式で課税所得を求めます。

課税所得 = 不動産所得 + その他の所得(給与所得) – 所得控除

不動産所得が200万円、給与所得が700万円、所得控除の合計が350万円なので、課税所得は550万円
 
③所得税額を求める
以下の算式で課税所得を求めます。

所得税額 = 課税所得 × 税率 – 控除額

課税所得は550万円なので、所得税の税率は20%で、控除額は427,500円となります。所得税額は、550万円 × 20% – 427,500円 = 672,500円となります。
 
●住民税のシミュレーション
上記の例で、住民税も計算してみます。住民税の税率は10%なので、550万円 × 10% = 55万円となります。均等割が5,000円だとすると、合算して555,000円となります。
 

■不動産投資が税金対策・節税になる仕組みとは?


 
不動産投資には「所得税・住民税を節税できる」という特徴があります。不動産投資が節税につながるポイントとして、「経費」と「減価償却」の仕組みについては正しく理解しておきましょう。
 

●不動産投資で節税できるポイント01:経費

不動産投資で所得税・住民税を節税するには、「経費」が大きなポイントになってきます。所得税・住民税は不動産所得が多いほど高額になりますが、上述のとおり、不動産所得は家賃収入から必要経費を控除して算出します。そのため、経費が多いほど不動産所得が少なくなり、結果的に所得税・住民税の負担が軽減されます。
 
不動産投資をしている以上、不動産所得の拡大を図るべきですが、一方で税負担が大きくなるとキャッシュフローが悪化します。賢く経費を使って節税するためには、不動産投資で経費にできるものを知っておくことが重要です。
 
▼不動産投資で経費にできるもの
・管理費(日常清掃や、設備の保守・点検費など)
・修繕費(クリーニング費や破損箇所の修繕費など)
・修繕積立金
・管理会社に支払う管理手数料
・立退料
・入居者募集のための広告宣伝費
・共用部分の水道光熱費
・不動産投資ローンの利息(※元金の返済分を経費にすることはできません)
・税金(不動産購入時の印紙税や不動産取得税、固定資産税や都市計画税など)
・損害保険料(火災保険や地震保険の保険料)
・減価償却費
・その他(不動産投資に関係する書籍代、税理士に支払う報酬、業務で使用した電話代・交通費など)
 

●不動産投資で節税できるポイント02:減価償却費

不動産投資で所得税・住民税を節税できるもう一つのポイントが「減価償却費」です。減価償却費とは、建物の取得費用を定められた耐用年数に分割し、それを毎年少しずつ経費として計上するものです。建物はその構造によって、以下のように耐用年数と償却率が定められています。

 

 

 

 

 

 

建物の構造 耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
鉄骨造(S造)※ 鉄骨の厚みが3mm超4mm以下 27年 0.038
鉄骨造(S造)※ 鉄骨の厚みが4mm超 34年 0.030
鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 47年 0.022

具体的な減価償却費は、物件の取得価額に償却率を乗じて算出します。たとえば、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションを3,000万円で取得した場合の減価償却費は、3,000万円 × 0.022 = 66万円となります。この場合、毎年66万円を経費として差し引くことができます。
 
経費が増えれば、そのぶん課税所得が減るので、結果的に所得税・住民税の負担が軽減されます。減価償却費は経費の一つですが、他の経費と違って実際の支出を伴わないため、節税において非常に重要な役割を果たします。
 

■まとめ


 
不動産に関連する税金や軽減措置は複雑なので、一度にすべてを理解するのは難しいかもしれません。ですが、特例や軽減措置は基本的に申告しないと適用されないので、知識がないと損をしてしまいます。税金の基礎知識を押さえつつ、イレギュラーな点は不動産業者に相談しながらうまく節税していきましょう。
 
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このコラムを書いている人

高松 大樹

高松 大樹

営業三部部長・執行役員 宅地建物取引士 1986年生まれ 埼玉県育ち 2010年2月よりフォースグループで投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。中古ワンルームを中心に800件に迫る成約実績。 イレギュラー案件の交通整理も得意。実体験からモアベターな選択を提案致します。

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