【不動産投資】利回り計算のやり方!平均値や最低ラインまで徹底解説

公開日2020/06/11
更新日2024/10/26

不動産投資の利回りはきちんと計算しよう

不動産投資イメージ
不動産投資における利回りとは、”投資をした資金に対して、どの程度の利益が得られるのか”の割合です。
 
不動産投資における物件選びで、利回りは利益を表す値として使われるため、必ず理解しておきたいポイントです。
 
もしも利回りが低い物件で不動産投資をはじめてしまうと、生きている間には投資分の利益を回収できないことも…。
 
そこで今回は、不動産投資をはじめる際に重要な「利回り」の計算方法や平均値、最低ラインについてまとめてみました。

不動産投資における利回りをわかりやすく説明

電卓で計算する人
不動産投資における利回りとは、物件購入もしくは新築時に必要となった費用に対する収益の割合を、%(パーセンテージ)であらわしたもの。
 
数値が高ければ収益の割合が高くなり、数値が低ければ収益の割合が低くなるのです。
 
そのため、不動産投資をはじめる際の物件選びで、収益の割合を示す利回りは重要な指標として活用されます。
 
しかし、利回りが高い物件を選べば絶対に儲かるわけではありません。
 
利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
 
それぞれの利回りを理解していなければ、正しく物件選びができないと言っても過言ではありません。
 
ここからは、2つの利回りがどのような利回りなのかを紹介していきます。
 

不動産投資における表面利回り

表面利回りとは、単純に物件価格と家賃収入から計算された利回りのこと。
 
表面利回りは、以下の計算式で割り出すことができます。
 
 表面利回り=(年間の家賃収入/物件価格)×100(%)
 
不動産会社の営業マンとの会話や、不動産投資の広告などでよく使われる「利回り」は、この表面利回りであるケースがほとんどです。
 
計算式も単純で使いやすいという特徴がありますが、表面利回りだけを見て投資をしてはいけません。
 
表面利回りにおける年間の家賃収入は、常に満室時で計算されており、運用する上で必要となる費用(経費)などが含まれていないのです。
 
つまり、表面利回りはあくまで”理想の利回り”にすぎません。
 

不動産投資における実質利回り

実際に不動産投資を行った際の利回りに近くなるよう、現実的な計算をしているのが実質利回り。
 
実質利回りは、物件購入時に掛かる経費や、運営をしていく上で掛かる費用(ランニングコスト)、空室などの損失を考えた上で計算をされた利回りです。
 
そんな実質利回りは、以下の計算式で割り出すことができます。
 
 実質利回り=(年間の家賃収入-年間の経費)÷(物件購入価格+購入時の経費)×100(%)
※年間の経費は、管理費用・各種税金・修繕費・ローンの金利・税理士などに支払う報酬のこと。
 
実際にかかる費用を考慮した実質利回りよりも、表面利回りの方が高くなるのは当たり前です。
 
表面利回りでは5%以上あったものが、実質利回りで計算をしてみると2%以下となる場合も珍しくありません。
 
そのため、実質利回りの知識を持っていなければ、表面利回りに騙されてしまう可能性もあるのです。

都内及び地方都市の期待利回り平均値

投資イメージ
次は、都内及び各地方都市における利回りの平均値をみていきましょう。
 
都内や各地方都市の平均的な利回りについて知っておけば、自分が物件を選ぶ際の一つの指標にできます。
 
今回は、一般財団法人日本不動産研究所が毎年調査をしている、不動産投資家調査の「期待利回り」を平均値としてご紹介します。
※期待利回りは、投資家が不動産物件から期待する利益のこと。実際に投資をしている人たちが、どの程度の利回りを期待しているのかの平均値
 

2020年と2023年の東京都内の期待利回り平均値を比べてみた

2020年4月 期待利回り
【賃貸住宅一棟 ワンルームタイプ】 城南地区4.2%
 
2023年10月 期待利回り
【賃貸住宅一棟 ワンルームタイプ】 城南地区3.8%
 
期待利回りは、低い水準を引き続き更新しているということです。
 
※参考:一般財団法人日本不動産研究所 不動産投資家調査(2020年4月現在)
一般財団法人日本不動産研究所 不動産投資家調査(2023年月現在)
 

地方都市の期待利回り平均値

【ワンルーム 】

2020年4月期待利回り 2023年10月期待利回り
札幌 5.5% 5.0%
仙台 5.5% 5.0%
横浜 4.9% 4.4%
名古屋 5.0% 4.5%
京都 5.2% 4.7%
大阪 4.8% 4.4%
神戸 5.2% 4.8%
広島 5.7% 5.2%
福岡 5.1% 4.6%

 
 
地方都市も、基本的に2020年と2023年を比較すると期待利回りが下落していることがわかります。
 

都心より地方の物件が利回りが高い傾向にある

東京都内と地方都市での期待利回りを見てみると、都内よりも地方の方が1%ほど高いことが分かります。
 
これは、都内は地価を含めた物件価格が高く、地方だと低い傾向にあるためです。
 
家賃に関しても都内の方が高いのですが、地方都市であれば大差が出るほどの家賃差とはなりません。
 
多くの不動産投資家たちは、高い利回りを期待して地方物件を購入しているのでしょう。

不動産投資において実質利回りの計算は必須

マンション
不動産投資用の物件を探す際には、実際に不動産投資を行った際の利回りと近い、実質利回りを計算した方が良いでしょう。
 
不動産会社の営業マンの中には、何も言われなければ表面利回りの話しかしない人もいるのです。
 
つまり、投資する側がきちんと実質利回りについての知識をもっていなければ、表面利回りだけを見て損をしてしまう可能性があります。
 
もちろん、実質利回りは経費などを差し引くため、ほとんどの場合、表面利回りより低くなってしまうでしょう。
 
すると利回りが1~2%しかない物件や、利回りがマイナスとなる物件があるかもしれません。
 
そのような物件を回避し、利益を生み出せる物件を探し出すためにも、実質利回りを計算する必要があるのです。

実質利回りにもズレは生じる

マンション
実際の不動産投資で運用する際の利回りに近い計算ができる実質利回りですが、完璧な利回りを計算することはできません。
 
例えば、修繕費・空室率・家賃などは予想が難しく、確実な数字が出しにくいもの。
 
修繕費に関しては、物件の経過築年数ごとに大体の見積もりを出すことはできますが、その時の物価や依頼業者によって必要予算は変動します。
 
突発的な事故や災害によって発生するかもしれない修繕に関しては、計算が特に難しいでしょう。
 
空室率も当然ながら変動しますし、家賃も周辺ライバル物件の状況次第で下げざる負えない場合があります。
 
空室率は20%と40%の2種類で計算したり、突発的な修繕費は計算に入れない、家賃は〇年経過ごとに下げていくなど、実質利回りの計算は自分の中で許容できる範囲で行うようにしましょう。
 

「高すぎる利回り」「低すぎる利回り」に要注意

利益を追求すると、どうしても高い利回りに魅力を感じるもの。
 
しかし、利回りが高い物件には、多かれ少なかれリスクがあることを理解しておかなければなりません。
 
利回りが高い物件は、「物件の価格が低い」「家賃が高い」のどちらかが要因になっていることがほとんどです。
 
そのため、高すぎる利回り物件は手間が掛かるリスクがあると思っておいた方が良いでしょう。
 
そしてもちろん、あまりに低すぎる利回り物件にも要注意です。
 
利回りが低い物件だと、家賃が低く設定されており、集客率が高く空室が出づらいというメリットがあります。
 
しかし、そもそも投資に対するリターンが少ないという解釈もできるのです。
 
不動産投資は最終的に、物件購入で掛かった費用以上に利益を生み出さなければ意味がありません。
 
もちろん物件年数が経つにつれて、家賃も下げる必要があるため、さらに利回りは低下していきます。
 
利回りが低く当初1%や2%程度の物件だと、利回り低下を考えると、生きている間には利益を回収しきれない可能性があります。
 
投資を行う以上、利益を手に入れてこそ意味があるもの。低すぎる利回りの物件には注意してください。

不動産の利回りに関する情報まとめ

不動産投資イメージ
不動産投資をはじめる際に重要な利回りについて解説してきましたが、いかがでしたか?
 
不動産投資において、利回りは所有物件に対してどの程度の利益が出るのかを表した割合であり、低い利回りよりも高い利回りの方が利益を生み出してくれます。
 
表面利回りだと経費などを加えて計算をしていないため、できるだけ実質利回りを計算するようにしましょう。
 
実質利回りも、実際に不動産経営を行う際に発生する経費を計算しつくすのは難しいので、自分が許容できる範囲の値で計算をするようにしてください。
 
あらかじめ、実質利回りを計算するための自分流の公式を作っておくと、物件を探す際には効率的に選ぶことができるでしょう。
 
利回りが高ければ利益も高くなりますが、入居者が入ってくれなければ意味が無いので、高すぎる利回り物件にはそれなりのリスクがあることを理解しておいてください。
 
そして、低すぎる利回り物件は結果的に利益を生み出さないので、なるべく避けるようにしましょう。
 
ぜひ今回の記事を参考にして、表面利回りに振り回されず、実質利回りを活用して物件を探してみてくださいね。
 

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

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