なぜ『ハトマーク』と『ウサギマーク』?不動産保証協会の違い
不動産団体『ハトマーク』と『ウサギマーク』
不動産屋の入口などをよく見ると、物件掲載サイトのロゴシールに紛れてハトマークやウサギマークのロゴのシールが貼られていることがあります。
これら二つのシールは、不動産屋に並んで貼られていることはありません。
その理由を含めて、今回はハトマークとウサギマークの違いをお話ししたいと思います。
『ハトマーク』『ウサギマーク』とは?
不動産業を始めるには不動産業者の経営悪化で代金を支払えないことになった際に対応するため、法務局に営業保証金を供託することが義務づけられています。
供託の金額は、主たる事務所に1,000万円、従たる事務所1か所につき500万円となります。
ただし、これらの営業保証金の代わりに保証協会に入会し弁済業務保証金分担金として60万円を供託することで営業保証金が免除されます。
保証協会は2つ存在し、『ハトマーク』と呼ばれているのが公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅)、『ウサギマーク』と呼ばれているのが公益社団法人 全日本不動産協会(全日)となります。
[保証協会]
ハトマーク :公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅)
ウサギマーク:公益社団法人 全日本不動産協会(全日)
『ハトマーク』『ウサギマーク』の違いは?
結論から言うと、保証協会が行っているおもな業務に大きな違いはありません。
細かいことを言うと会員数・入会費用・歴史など違いはありますが、一般の方が不動産業者を選ぶ時に「ハトとウサギどちらがいい」と気にする必要はないということです。
[各保証協会 会員数の規模]
ハトマーク(全宅):約10万社
ウサギマーク(全日):約3万5,000社
例として会員数の規模をあげましたが、多いから良いように見えて加入者数が増えているというわけでもなく、開業のアドバイスを受けた知り合いの業者がハトマークだったからとか、ウサギマークだったからとかそんな理由でどちらに加入するかを決めたりもするようです。
『ハトマーク』と『ウサギマーク』の二つのシールが不動産屋に並んで貼られない理由については、大した違いがないからこそ不動産業者としても両方に加入するメリットは特にないうえに、そもそも論になりますが、両方の団体に加入することはできないことになっているからです。
由来は
なぜハトとウサギなの?と思った方もいるかと思いますが、その由来をご紹介します。
[全国宅地建物取引業協会]
会員とユーザーの信頼と繁栄を意味している2羽の「ハト」
[全日不動産協会]
情報を的確にキャッチする耳、未来を見る眼、躍進するジャンプ力ある足を備えた「うさぎ」
ラビーちゃんというキャラクターもいるそうです。
まとめ
不動産業者が開業をする際にハトマークにしようかウサギマークにしようかと悩むことはあるとは思いますが、一般の不動産取引をする方にしたらどちらに加入している業者も安心してお取引いただけるのではないかと思います。
保証協会に加入していると実務支援で各種書類のダウンロードが可能になったり人材育成で研修が行われたりするので、不動産に関する法改正などの変更に対応した最新の情報がキャッチできます。
不動産は比較的高額なお取引になります。お客様が安心安全なお取引ができるよう当社も一人一人がプロフェッショナルとしてさまざまな情報をアップデートし精進してまいります。
このコラムを書いている人
nakatani
1985年 東京都生まれ 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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