シェアハウス投資と経営の実態を徹底解説!儲かる?儲からない?

公開日2020/05/19
更新日2022/12/22

若者に人気のシェアハウス

リビング
新たな居住スタイルとして若者を中心に人気を集めている、シェアハウス。
 
シェアハウスとは、一軒の大きな家やビルを皆で共有し、それぞれの部屋ごとに賃料が発生する居住スタイルのことです。
 
住民それぞれに自分の部屋はありますが、お風呂やキッチン、リビング、トイレは共有して使うシェアハウスがほとんど。
 
シェアハウスに住むメリットとして、
・一人暮らしであっても大きなキッチンや広いリビングを使うことができる
・住民同士交流を図ること
・家賃が安く済む
などが挙げられます。
 
シェアハウスは部屋を間借りする形になるので、マンションやアパートの一室を借りて住むより、家賃が安く済みます。
 
また、敷金・礼金を免除していたり、共有スペースの家具家電を自由に利用することができるシェアハウスが多いので、初期費用が抑えられるのも大きな特徴。
 
また立地の良い物件でも、複数人で借りることで、一人分の家賃を抑えることができるため、安く立地のいい場所に住むことができるのも人気の一因となっています。
 

「テラハ」効果でシェアハウス人気が加速?

寝室
そんなシェアハウスの知名度と人気を高めるきっかけとなったのが、2012年から放送されている恋愛リアリティ番組「テラスハウス」。
 
内装も外装もオシャレなデザイナーズ物件を舞台に繰り広げられる恋愛ドラマを見て、「シェアハウスに住んでみたい!」と憧れを抱く人が増えました。
 
実際、同じシェアハウスに住むことで出会い、付き合うきっかけになったというカップルも多数います。
 
シェアハウスは独身の男女にとって、出会いの場にもなっているんですね。
 
一人暮らしは孤独感を感じることも多いですが、シェアハウスであればリビングやキッチンなどを共有するので、自然と人と話し、仲良くなることができ、孤独感を紛らわせることができるのです。
 
さまざまなメリットのあるシェアハウスですが、投資という観点から見ても「伸びしろがある」と言えるでしょう。
 
現在、日本全国にあるシェアハウスは、5,000棟以上
 
特に多いのは東京の23区で、その数は年々増加しています。
 
今回は、シェアハウスへの投資から経営まで徹底分析!
 
空室率の高さ空き家の活用法を模索しているオーナーは、ぜひ最後まで読んで見てくださいね。

シェアハウス投資のメリット

マンションシェアハウスは収益最大化を狙いやすい
シェアハウスは、基本的に戸建てやファミリー向けマンションの部屋を、部屋数に応じた人数に住んでもらいます。
 
例えば4LDKの物件では、4部屋を4人の入居者に振り分け、バス・トイレ・キッチン・リビングは共有して使います。
 
4LDKの物件を1家族に貸した場合、家賃を15万円しか取ることができなくても、1人5万円で4人に貸し出せば20万円の収益。
 
リフォームを行い一部屋当たりの広さを少しずつ狭くし、同じ物件で5部屋取ることができれば、1人5万円の家賃のまま5人で25万円の収益を得ることもできますね。
 
シェアハウスの場合、各部屋に風呂・トイレを設置する必要がないため、改装費を安く済ませることが可能。
 
つまり投資にかかる費用を抑え、収益の最大化を実現することができるのです。
 

シェアハウスは空室リスクが低い

シェアハウスは一人で一部屋借りるよりも、敷金・礼金・家賃が抑えられるという特徴があります。
 
そのため初期費用を用意できない人も住みやすく、空室が出にくいのが大きなメリット。
 
また外国人にも人気で、特に数ヶ月しか住まない外国人は、ウィークリーマンションやマンスリーマンションと同じような感覚でシェアハウスを選ぶようです。
 

シェアハウスは競合物件と差別化がしやすい

最近ではシェアハウスそれぞれにコンセプトを持たせて、差別化を図ることが増えています。
 
例えば、リビングスペースがコワーキングスペースになっており、オフィス感覚で仕事ができる仕様のシェアハウスは、テレワークやフリーランスの人に大人気。
 
そのほかにも、おしゃれな内装の女性専用シェアハウスや、ジム付きのシェアハウス、ペット暮らせるシェアハウスなど、さまざまなコンセプトのシェアハウスがあります。
 
それぞれのシェアハウスに住んで欲しい人に向けた特徴を持たせることで、競合物件と差別化を図ることができるのです。
 
これといった特徴もなく、オシャレさや立地でも負けていたシェアハウスが、吸音材を敷き詰めるなどの防音リノベーションを行い、ライブや楽器の練習をできるようにしたところ、満室経営に繋げることができたという事例もあります。
 
特に音楽大学に通う学生からは、楽器の練習を家でできるようにしたいという要望が強く、このようなニッチな需要を掘り起こすことができれば、空室率が改善されるのです。

シェアハウス投資のデメリット

図面、鉛筆、模型の家、電卓

質の悪い入居者がシェアハウスにいると、大量退去に繋がる

アパートやマンションでは、質の悪い入居者がいたとしても、廊下や階段ですれ違う程度でしか接することがないため、急激な大量退去に繋がることはほとんどありません。
 
大音量で音楽を流したり、パーティーをしたとしても、被害を被るのは両隣の部屋か上下の部屋くらいですが、シェアハウスとなると話は別。
 
言動や生活習慣に問題がある入居者が1人だけで、他の入居者からのクレームやトラブルが絶えません。
 
シェアハウスは基本的に敷金・礼金がなく、初期費用や家賃が抑えられる反面、入居のハードルも低くなっています。
 
問題のある入居者がいると物件の入居期間も短くなってしまうので、一人の迷惑な入居者のせいで、収支が大きく狂ってしまうのです。
 
また、男女兼用のシェアハウスでは、痴情のもつれや盗撮などの痴漢行為も起こりやすいというデメリットも。
 
悪質な入居者の発生を抑えるためには、入居時の審査をある程度厳しくするか、入居者にハウスルールを徹底して守らせることが大切です。
 
例を挙げるとするならば、女性専用のトイレは男性が使ってはならないという具体的なルールを作り、3回以上違反した場合は退去してもらうなどの処罰を含めた規則を作ります。
 
基本的なことですが、皆が気持ちよく過ごせるためのルールを作り、そのルールを守れない人は出て行ってもらうことで優良入居者が出ていくことを防ぎましょう。
 

シェアハウスは管理の手間が大きい

シェアハウスでは基本的に共有部分の清掃は、大家または管理者が行うことになっています。
 
そのため週に何度かは部屋に行き、ゴミを出したり、キッチン・風呂・トイレを掃除しなければいけません。
 
管理会社にシェアハウスの管理を任せる場合は、通常の賃貸管理業務よりも手間が大きいため管理委託料金も高い傾向にあり、平均で家賃の20%が管理料金です。
 
通常の賃貸管理の手数料は3〜5%程度のため、いかに高いかが良く分かります。
 

シェアハウスの消耗品は管理者が用意しなくてはいけない

シェアハウスの共有スペースで使う消耗品は、大家または管理者が用意することが原則です。
 
トイレットペーパーや洗剤などの生活用品は、大家が購入し補充する役割があります。
 
家具・家電も大家が用意し、故障した際も大家が修理費を出さなくてはいけません。
 

若者の少ない場所ではシェアハウスは流行らない?

シェアハウスは若者に人気で、国土交通省の調べによると入居者の6割が20代です。
 
しかし最近では30代の入居者も増加傾向にあり、利用者の平均年齢は28.9歳と上昇中ですが、過疎化が進んでいるような場所では、シェアハウスを始めようとしてもなかなか流行りません。
 
どうしてもシェアハウスを展開できるのは、若者が多いエリアに限定されてしまいます。

シェアハウス経営を成功させるコツとは

図面と鍵

入居者を詰め込みすぎる設計にしない

シェアハウスの利益率を上げるためには、できるだけ多くの人に住んでもらう必要があります。
 
しかし、そればかりに気を取られ、リビングなどの共有スペースを狭くしたり、一部屋当たりの面積を小さくすると、入居者が入りにくい物件になってしまいます。
 
確かに共有部分は広々と使いたいですし、自分の部屋も広い方がいいに決まっていますよね?
 
設計段階で入居者の快適性を無視した物件になっていないか見直すことが大切です。
 

シェアハウスは合法的に運用する

シェアハウスは、通常の戸建てアパートやマンションとは違い、建築基準法において寄宿舎に該当します。
 
そのため戸建てであっても、建築基準法上の基準と消防法の基準が異なり、それを満たすための追加費用も発生します。
 
また建物も寄宿舎として届け出す必要があり、中古物件を購入しリノベーション後にシェアハウスとして運用する場合も用途変更の届け出を出さなくてはいけません。
 
法律の基準を満たしていなかったり、届け出を行っていないシェアハウスは非合法となり、行政指導が入ることもあります。

シェアハウス経営のまとめ

家の模型
シェアハウスは、運営法によっては通常のアパートや戸建てよりも高い収益率を出すことができる一方で、大家には手間と負担も大きく、全て管理会社任せとはいかないこともあるでしょう。
 
手軽に稼ぎたい、できるだけ運営には関わりたくないという大家は残念ながら、シェアハウス経営にはあまり向いていません。
 
一方で入居者と一緒にシェアハウスを盛り上げていきたい、一緒にコミュニティを作っていきたいと入居者の中に入って、入居者との交流を楽しむことができる大家であればきっと成功するはず。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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