投資用マンション賃料相場はどのように決まるのか

公開日2019/09/15
更新日2022/12/05

どのように賃料相場が決まるか?

賃料は直接不動産投資の利回りに関係するものであり、家主が設定することができます。
 
しかし、大きく賃料相場からかけ離れたものに設定すると入居する人が現れなかったり、逆に安過ぎると本来獲得できる儲けが確保できなかったりします。
 
ここでは、賃料相場が決まるプロセスについてご紹介します。
 

何で賃料相場は決まるか?

何で賃料相場が決まるかわからない方も多くいるのではないでしょうか。
 
賃料相場は、築年数、部屋の広さなどで決まるといわれていますが、実際にはどうなのでしょうか?
 
賃料相場は、次のようなもので決まります。
 
・築年数
賃料相場は築年数によって決まります。
 
例えば、マンションの賃料相場は、新築のものと10年の築年数のものではやはり違ってきます。
 
築年数が5年以内のマンションのときは、新築のときとそれほど賃料相場は違わないようです。
 
しかし、賃料相場は年数が経つにつれて低下するため、しっかりと把握しておきましょう。
 
また、築年数が同じマンションでも、駅から近いところと徒歩で駅から15分かかるところでは、賃料相場は少しですが違ってきます。
 
・部屋の広さ
賃料相場は部屋の広さでも決まるといわれています。
 
例えば、賃料相場は狭い1人暮らしの部屋と、広いファミリー世帯の部屋では相当違います。
 
また、部屋の広さが2LDKと3LDKでは賃料相場は違ってきます。
 
さらに、同じワンルームマンションでも、部屋の広さで賃料相場が違うときがあるようです。
 
賃料相場は、部屋の広さが6畳と8畳では違うことを把握しておきましょう。
 
・設備
賃料相場は、設備でも違ってきます。
 
例えば、マンションにオートロックが付いているときと付いていないときは賃料相場が違います。
 
特に、高いセキュリティーのマンションなどは賃料相場が高くなります。
 
セキュリティー業者と契約している分譲賃貸マンションなども、賃料相場は高くなります。
 
また、部屋の設備でオール電化マンションなどがあると、賃料相場は高くなります。
 
オール電化マンションは、火災などを考慮すれば便利であるため人気になっています。
 
賃料相場は、どのようなことを基準にするかによって違いますが、自分が便利であると考える設備を重要視して必要が特にないと考えられる設備を省略すると、賃料相場は低下するでしょう。
 
・立地条件
賃料相場は立地条件によって違います。
 
例えば、駅から近い、通勤、通学に便利である、ショッピングが便利である、食事ができるお店が近くある、近くに学校がある、自宅までの道が明るい、というような立地条件のときは賃料相場が高くなります。
 
一方、駅から遠い、通勤、通学に不便である、ショッピングができるところが近くにない、周りに何もない、近くに学校がない、自宅までの道が暗い、というような立地条件のときは賃料相場が安くなります。
 

賃料が決定される仕組みとは?

いろいろな要素が賃料には反映されます。
 
例えば、新築マンションのときは、マンションを建てる費用を貸し出しする金融機関の評価が反映されます。
 
きちんとローンが返されるかを見極めするために、物件の収益を予測することが非常に大切であるためです。
 
ローンが金融機関から受けられるように、不動産業者は賃料を検討します。
 
不動産業者は、地域の要求に適した物件を設計します。
 
そして、建てるための費用を見積もりし、ローンを毎月返す額との兼ね合いで最低の賃料を計算します。
 
この賃料に先々の諸経費のメンテナンス費などを考慮したうえで、賃貸マーケットの状況を考えて、賃料を最終的に決定します。
 
物件が高い賃貸需要がある地域にあり、新しく入居する人がすぐに現れる見込みがあると、高い賃料に決定することができるでしょう。
 
近くの物件と競合になるときは、不動産業者からちょっと賃料を低下するようなアドバイスがあるでしょう。
 
入居する人を募集する広告においては、家主が希望するような賃料にしておいて、「賃料を交渉するようになったときは、ここまでなら低下してもいい」というように、前もって不動産業者との間で決定するというような折衷案にするときがあります。
 

継続賃料と新規賃料とは?

新しく入居する人と契約するときに決定する新規賃料に対して、継続賃料があります。
 
継続賃料は、賃貸借契約がすでに成り立っている物件において契約を更新するときのものです。
 
すでに賃貸借契約が成り立っている契約当事者の了解があって、継続賃料ははじめて決定されます。
 
その時々の賃料相場で決定されるのでなく、過去に払った賃料、それまでの家主と入居する人の間の事情や経緯などを考えます。
 
例えば、家主が「今の賃料相場より現在の賃料が安いため値上げしたい」といっても、入居している人の了解が得られないときは賃料が高くできません。
 
また、了解しないために入居している人に退去してもらうこともできません。
 
賃貸借契約は、借地借家法で決まっています。
 
この借地借家法において、家主は入居している人に対して契約が終わる6ヶ月前までに契約条件を変えたい旨を通知する必要があると決まっています。
 
また、正当事由があると、入居している人の了解を得ないで、家主は賃料を値上げできるとも決まっています。
 
では、どのようなことが正当事由になるのでしょうか?
 
例えば、家主が持っている物件の評価額が高くなって固定資産税などが高くなったときは、賃料を高くしないと家主の儲けがなくなります。
 
そのため、賃料を高くしないと賃貸物件の経営が継続できなくなるでしょう。
 
入居している人は、最終的に住み続けるのが難しくなります。
 
このようなときは、賃料を高くすることが入居している人を守るようにもなるとされ、正当事由になる可能性が大きいでしょう。
 

賃料を変えるべきときとは?

では、賃料を変えるのはどのようなときなのでしょうか?
 
空室になって、次に入居する人がなかなか現れないときは、賃料の値下げを考える必要があるでしょう。
 
また、入居したい人から、賃料の値下げをいわれときもあります。
 
しかし、契約を一度すれば継続賃料を変えるのは高いハードルがあるので、慎重に検討する必要があります。
 
不動産業者とも十分に相談して、例えば、敷金・礼金を安くするなど、賃料ではないところで譲ることも考えて検討する方がいいでしょう。
 
一方、賃料を値上げするのは、設備をプラスしたり、リノベーションしたりしたときが考えられます。
 
賃料を値上げする予定で工事をしても、ライバルの物件と比べて、価格競争力にそれほど違いがなかったというようにならないように、前もって十分に調べることが必要です。
 
最終的に賃料を決定するのは家主の仕事です。
 
不動産業者とも相談して、情報を家主としても収集して、最大に儲けがなるように賃料を決定する必要があります。

賃料相場がアップするポイントとは?

基本的に賃料相場がアップするポイントは、需供バランスです。
 
供給を需要が上回ると賃料はアップし、供給を需要が下回ると賃料はダウンします。
 
そのため、賃料は空室の状態によって変わりやすいので、空室率に着目するのがポイントです。
 
自然空室率とは、普通のときの空室率のことです。
 

自然空室率

賃料と賃貸事務所ビルの空室率は、非常に関係しています。
 
というのは、賃貸事務所ビルでは、空室率によって家主サイドの優位性が違ってくるからです。
 
多く空室があると空室をすぐにでも埋めたいので、賃料をダウンするようになります。
 
大型の賃貸事務所ビルが、このような動きを空室を埋めるためにするようになれば、賃料の見直しを周りの同じようなビルの家主もするようになります。
 
このように周りに波及していくことによって、賃料相場が地域としてダウンするようになります。
 
一般的に、5%を空室率がオーバーすれば、賃料相場がダウンする傾向があるとされています。
 
しかし、基本的に目安であるため、最近は7%を空室率がオーバーするまでは、家主が優先される傾向が強い状況です。
 
賃貸したい周りの賃貸事務所ビルの空室率についての情報を把握しておけば、賃貸するときの交渉に有利になることもあります。
 
ここでは、東京のビジネス地区における事務所の賃料相場の変化率と空室率の推移(1995年~2014年)についてご紹介します。
 
5%以上空室率があるときは、賃料はダウンする傾向があります。
 
しかし、2014年においては、5%以上空室率がありますが賃料がアップする傾向があるため、平均的な空室率が全体的に多くなっているということが想定されます。
 
なお、さらに狭い地域、あるいは賃貸事務所ビル単体で見るときは、賃料を交渉するときにこのような空室率は武器にもなるため、チェックしておくのがおすすめです。
 
賃貸したい物件があれば、空室率を不動産仲介業者に確認してみましょう。
 
空室がもし多くあると、賃料を交渉するときにちょっと要望が強めでも、相場よりも安くなるときもあります。
 

賃貸事務所ビルの数

このような現象が発生する背景としては、周りの賃貸事務所ビルの数も影響します。
 
賃貸事務所ビルの数が少ない地域であれば周りの賃貸事務所ビルの賃料の影響を受けやすく、逆に多い地域であれば割合賃料が安定する状況が継続します。
 
なお、現在賃貸事務所の賃料が非常にアップしている地域としては、例えば代表的なのは渋谷です。
 
高層ビルが駅前には立ち並んで、イメージとしては事務所街としてのものが強くなりましたが、賃貸事務所ビルの数が渋谷全体では多いということではないので、周りの賃貸事務所ビルに対して大きな影響力があり、賃料相場はアップしてきています。
 

二次空室

賃料相場が変わるポイントとしては、空室が二次的に出る地域に着目する必要もあります。
 
再開発や土地開発によってテナントが着目されている地域に集まると、テナントがどこかの地域から抜けているようになります。
 
新築の賃貸事務所ビルが建てられる一方で、空室が近くの地域では多くなるという現象があります。
 
そのため、当然ですが、空室をなんとか少なくしようとして賃貸事務所ビルの賃料相場がダウンする動きもあるでしょう。
 
現在の賃料相場が高いときでも、賃料相場が将来的に安くなることがあります。
 
急いで移転しなくてもいいときは、再開発する地域などの周りの賃料相場を調査しておきましょう。
 

ファンド物件

これ以外にも、ファンド物件も賃料相場が変わる一部のきっかけとしてあります。
 
ファンド物件とは、投資用物件です。
 
賃貸事務所ビルの中にも、家主に投資家なっている多くの物件があります。
 
このような物件は、投資価値があるものです。
 
例えば、東京オリンピックが行われるため、投資対象物件に競技場の周りの多くの賃貸事務所物件がなっています。
 
東京オリンピックが行われるまでは、価値がある地域であると考えるためです。
 
そのため、投資家が投資対象物件を買取して、賃貸事務所の賃料をアップし、価値が無くなれば売って儲けるようになっています。
 
売った後のことを考えれば、それまで賃料を投資用としてアップしていた物件も、需要がなくなれば賃料をダウンするようになります。
 
このような動きが周りに波及していくと、賃料相場もダウンします。
 
東京オリンピックが決まった後の国立競技場の周りの表参道・青山の地域の賃料相場を見れば、100坪以上の賃貸事務所ビルについては、オリンピックが決まった2013年9月からアップしています。

東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の賃料相場とは?

ここでは、首都圏の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の賃料相場についてご紹介します。
 

2017年の賃貸マーケットの動き

いろいろな報道機関などから賃料相場は発表されていますが、全体的には回復基調にあるというイメージです。
 
地価の上昇傾向は継続しており、景気も緩やかに回復している傾向があるため、特に好調なのは新築の物件で賃料相場をリードしているようです。
 
また、成約数は少なくなっていますが、非常に減少幅は小さくなりました。
 
賃料相場はわずかですがアップしている傾向です。
 
全体的な状況としては悪くないようです。
 
2年連続で首都圏の居住用賃貸物件の成約数は少なくなりました。
 
しかし、減少幅は前年比0.8%と小さく、活況を賃貸マーケットは回復してきています。
 
地域ごとに見れば、東京23区と東京都下は前年比プラスになりました。
 
好調なのは、新築・中古のアパート、新築のマンションということです。
 
2017年の賃貸物件成約数の前年比は、次のようになっています。
 
・東京23区は0.4%ダウン
・東京都下は4.7%アップ
・神奈川県は1.2%ダウン
・埼玉県は8.7%ダウン
・千葉県は0.5%ダウン
・首都圏トータルは0.8%ダウン
 
首都圏の1㎡あたりの平均の成約賃料は、マンションが3年連続のプラスで前年比0.8%アップ、アパートが4年連続のプラスで1.4%アップしました。
 
成約数は少なくなっていますが、わずかですが賃料はアップしました。
 
地域ごとに見れば、埼玉県のマンションを除いて成約賃料は全てプラスでした。
 
しかし、アップ幅は大きくないため、堅調に横ばいで推移しているといえるでしょう。
 
また、一戸あたりの成約賃料としては、マンションは前年比0.7%アップの8.80万円で、アパートは前年比2.4%アップの6.35万円でした。
 
2017年の1㎡あたりの平均の成約賃料は、次のようになっています。
 
・東京23区のマンションは3,073円で前年比0.7%プラス、アパートは2,916円で前年比0.5%プラス
・東京都下のマンションは2,205円で前年比0.9%プラス、アパートは2,128円で前年比0.4%プラス
・神奈川県のマンションは2,239円で前年比1.1%プラス、アパートは2,128円で前年比1.0%プラス
・埼玉県のマンションは1,833円で前年比1.1%マイナス、アパートは1,645円で前年比0.7%プラス
・千葉県のマンションは1,881円で前年比0.4%プラス、アパートは1,642円で前年比0.1%プラス
・首都圏トータルのマンションは2,623円で前年比0.8%プラス、アパートは2,236円で前年比1.4%プラス
 
2016年と比較して、2017年の年間の賃貸マーケットは成約数の減少幅は非常に小さくなり、賃料相場はアップして推移しています。
 
賃料相場を新築の物件がリードしています。
 

2018年1月〜3月の賃貸マーケットの動き

2018年1月〜3月の成約数は、前年同月比プラスで2017年7月~12月まで推移しており、繫忙期でもありましたが、前年同月比でこの3ヶ月間の成約数はマイナスになりました。
 
しかし、3月は2月に比較して、前年同月比のマイナスが小さくなっています。
 
この主な要因は、4割超の成約がある東京23区において、城西・城南地域などが非常に多くなったことのようです。
 
東京23区で見れば、前年同月比は3月において5.6%もアップしています。
 
なお、城西地区は新宿区、渋谷区、世田谷区、中野区、練馬区、杉並区で、城南地区は港区、目黒区、品川区、大田区です。
 
賃貸マーケットとしては、いずれの地域も人気になっています。
 
また、タイプごとに見れば、成約数は新築の物件ではシングル向けがリードし、前年同月比でマンションが多くなり、新築に限定すれば2009年の調査からアパートは好調で過去最高になるくらいです。
 
全体的な平均としてはマイナスですが、地域やタイプごとに見れば、成約数がアップし活発になっているところもあります。
 
前年同月比で繁忙期の成約数は3ヶ月間続けてマイナスですが、地域ごと、タイプごとに見ればアップもあり、賃貸マーケットは堅調であるといえます。
 
賃料相場は2017年では横ばいでしたが、2018年の1月~3月はアップがはっきりと確認できました。
 
2018年3月の1㎡あたりの成約賃料は、マンションが前年同月比3.0%アップして2,671円で、9ヶ月間続けてのプラス、アパートは前年同月比3.9%アップして2,374円で、13ヶ月間続けてのプラスです。
 
マンションでは、2018年3月の1㎡あたりの成約賃料は、地域ごとに見れば、東京23区が最もアップし、前年同月比2.7%アップです。
 
2018年3月に成約数が城西、城南地域が非常にアップしましたが、賃料相場にもこの盛況ぶりが影響したようです。
 
これ以外の地域では、成約数が良くなかった埼玉県が少し苦しんでいますが、埼玉県を除くと2018年3月に挽回しています。
 
また、一戸あたりで見れば、新築マンションが2018年3月に前年同月比3.5%の10.06万円とアップし、10ヶ月間続けてアップしています。
 
2018年の1月の1㎡あたりのアパートの成約賃料は、前年同月比で神奈川県が6.6%、埼玉県が6.0%、千葉県が5.3%と高い伸びが東京以外でありました。
 
2018年2月、3月も、神奈川県、千葉県は堅調に伸びています。
 
2018年3月の成約数は、埼玉県が29.3%のマイナス、千葉県が8%のマイナスと落ち込みが大きくなりましたが、この影響は賃料ではなかったそうです。
 
しかし、一戸あたりの成約賃料では、2018年3月は東京23区を除いてマイナスです。
 
東京23区は3.6%と大きくアップしたため、首都圏トータルでは前年同月比0.8%アップの6.08万円になり10ヶ月間続けてアップしています。
 
賃料データは、1㎡あたりのもの、1戸あたりのものなど、計算する方法で違いがありますが、不動産ポータルサイトでは賃料指数として2009年1月を100にしたものも発表しており、過去の賃料の推移をチェックすることができます。
 
例えば、首都圏・東京23区・東京都下のアパートの1戸あたりの賃料指数の推移を見れば、2009年1月のものを下回っていますがほとんど横ばいであり、2017年はアップし2018年になってダウンしています。
 
東京23区では、2017年において2009年1月のものを上回っています。
 
また、不動産ポータルサイトでは、4半期に1回「地場の不動産仲介業における景況感調査」を行っています。
 
2018年1月〜3月期の調査においては、首都圏はDI値の「問い合わせ」「成約賃料」「成約数」がアップしています。
 
なお、成約数はデータとしては減少していますが、現場の体感としてはいいイメージがあるようです。
 
東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の地域ごとに見ても、傾向としては同じようになっています。
 
不動産業者の意見としては、「単身者物件の低価格帯の動きは弱いが、ファミリー物件の高価格帯の動きがあるので、単価そのものはアップしている」というようなものもありました。
 
賃貸マーケットとしては、成約数が伸びてきていませんが、景況感はいいようです。
 
賃料相場は、ちょっとアップする傾向にあるようです。
 
特に、東京23区や新築物件の賃料相場が堅調な動きです。

一人暮らしの賃料相場とは?

一人暮らしをするときは、必ず月々払う必要がある賃料相場が気掛かりではないでしょうか。
 
一人暮らしをすでにしているときでも、相場と比較して現在の賃貸物件の賃料が高いかどうかは非常に知りたいでしょう。
 
ここでは、一人暮らしの賃料相場についてご紹介します。
 
一人暮らしをするときは、ぜひ参考にしてください。
 

一人暮らしの賃料相場とは?

物件を見つけるときは、賃料相場を把握しておくことが大切です。
 
エリアによって賃料相場は違っているため、今から住むエリアの目安を把握しておきましょう。
 
全国賃貸管理ビジネス協会のデータによれば、1部屋の間取りの全国平均の賃料相場は5.01万円ということです。
 
ここでは、都道府県のトップ10の平均の賃料相場についてご紹介します。
 
・第1位は6.77万円の東京都
・第2位は5.75万円の神奈川県
・第3位は5.42万円の大阪府
・第4位は5.25万円の埼玉県
・第5位は5.23万円の千葉県
・第6位は5.11万円の兵庫県
・第7位は5.03万円の京都府
・第8位は4.89万円の広島県
・第9位は4.79万円の長崎県
・第10位は4.72万円の宮城県
 
このように、トップ10には首都圏が上位になっています。
 

賃料がどうして高くなるか?

賃料相場は、立地やエリア、間取りなどによって実際には大きく違います。
 
全国賃貸管理ビジネス協会のデータによれば、東京都では1部屋が6.77万円で、2部屋が約2万円プラス、3部屋が約3万円プラスと、賃料がアップしていきます。
 
築年数が古くなっていればその分賃料が安くなるときがありますが、このときはエレベータや水回りなどの設備が古い状態であるため、使い勝手が悪いときもあります。
 
入居している人にとって住み心地が良くて利便性がいいいくつもの条件があれば、相場より賃料が高くなる傾向があります。
 
希望する条件がいろいろマッチする部屋があれば理想的ですが、これのみは譲ることができない、特に無くても我慢できるなど、優先順位を自分がつけて部屋を選択すると、自然と納得できる賃料になるでしょう。
 
一方、一見するといいような間取りや立地でも、相場より賃料が安過ぎるときは、理由を不動産業者に必ず確認しましょう。
 
お買得品であればいいでしょうが、賃料を安くする必要がある理由があるかもしれません。
 
例えば、賃料が相場より安過ぎるケースとしては次のようなものなどがあります。
 
・事故物件の可能性がある
・周りとよくトラブルを起こす人が近くにいる
・周りの環境が問題である
・次々と入居する人が入れ替わる
一方、賃料が相場より高くなっているケースとしては次のようなものなどがあります。
・スーパーや駅などから近い
・防犯、眺望、日当たりにおいて条件がいい
・別の部屋の音が気になりにくく、多く窓がある
・洗濯物が干せる、ガーデニングができる
・トイレ、風呂、洗面台が独立している
・水回り設備が新しい
・24時間使えるゴミステーションや宅配ボックスなどがある
・ペット可である
 

自分が払える上限の賃料とは?

自分が払える賃料の予算としては限度があります。
 
サラリーマンであれば、賃料の目安は1ヶ月分の給料に対して、3分の1が賃料の予算の上限であるといわれています。
 
学生でも、バイト代や仕送りの中から工面する人がいるときもあります。
 
前もって、自分の給料から賃料の支出を検討しておきましょう。
 
「2018年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によれば、20.67万円が大学卒の初任給ということです。
 
この初任給から、健康保険料や所得税、雇用保険、厚生年金などが2割弱差し引きされると考えれば、新しくサラリーマンになった人の上限の賃料は約6万円と考えられます。
 
なお、共益費もこの金額には含まれるため注意しましょう。
 
2017年に東京私大教連がまとめた「私立大学新入生の家計負担調査」によれば、学生のときは私立大学に新しく入った学生の月々の仕送り額は8.61万円(6月以降の平均)であるため、食費や賃料を仕送りの中でまかなえるようにするといいでしょう。
 
なお、入学したすぐ後の5月は、新しく生活するために出費がテキストを買うためなどでかさむため、6月以降の出費が落ち着く月の平均にしています。

まとめ

ここでは、どのように賃料相場が決まるか、賃料相場がアップするポイント、東京、埼玉、神奈川、千葉の賃料相場、一人暮らしの賃料相場、についてご紹介しました。
 
賃料相場は、築年数、部屋の広さ、設備、立地条件などで決まります。
 
基本的に、賃料相場がアップする要因は需供バランスです。
 
2016年と比較して、2017年の年間の首都圏の賃貸マーケットは成約数の減少幅は非常に小さくなり、賃料相場はアップして推移しています。
 
全国賃貸管理ビジネス協会のデータによれば、全国平均の一人暮らしの賃料相場は5.01万円ということで、都道府県のトップ10の平均の賃料相場としては首都圏が上位になっています。

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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