暦年課税と相続時精算課税の違いを詳しく解説!

公開日2024/02/20
更新日2024/06/28

  • 日本にはさまざまな税金がありますが、身近な税金といえば住民税・消費税・所得税といったところでしょうか。
  • 特定の人にとっては酒税・たばこ税などもありますし、他にもいろんな税金が存在しています。
  • その中でも今回は贈与税、特に相続時精算課税について、経験を踏まえながら複数回に分けて解説していきます。

暦年課税と相続時精算課税の違い

贈与税とは

贈与税と聞くと、誰かしらから物や金を送られた際に納めなければならない税金というイメージを多くの人が抱いていることでしょう。しかし贈られるものにもピンからキリまであるので、他人から贈られたすべてのものが対象となるわけではないのです。
贈与税の対象となる取得財産は1年あたり110万円までは基礎控除として課税されませんが、それ以上になると課税対象になります。
お年玉・誕生日プレゼント・クリスマスプレゼントなどで110万円を超えないように注意しましょう(笑)。
ちなみに、金額に応じて税率は以下のように変動します。
 

参考資料 国税庁HP 贈与税の速算表<一般贈与財産用>より

 
例えば、310万円の贈与が贈られた場合は以下の計算式で贈与税が計算できます。
310万円-110万円(基礎控除額)=200万円
この200万円を上記速算表にあてはめます。
200万円×10%=20万円
これが納める贈与税となります。
 
(祖父母、父母からの贈与については少し税率が変わりますので、国税庁のホームページやお近くの税務署に確認しましょう。)
 
ザックリとしたイメージですが、贈与税とはこのような仕組みです。
思っていたよりシンプルな印象ですが、贈与税は暦年課税と相続時精算課税に分類されます。
次は2つの違いについて述べていきます。

 

暦年課税と相続時精算課税の違い

実は前述で述べていたのは、暦年課税という課税方法に基づいた内容でした。
しかし贈与税にはもうひとつ相続時精算課税という課税方法があります。
どちらの方法で支払うかは受贈者が選ぶことができます。
では、どのように違うのか見ていきましょう。
 

暦年課税について

計算方法は前述した内容を見て頂いた通り、課税価格に応じて税率が上がっていきます。
ここで注意してもらいたいのが後述する相続時精算課税とは違い、受贈者が受けた贈与の合計額が110万円を超えるか否かで納付を判断する点です。
申告・納付期限は受贈者が贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までの間におこなう必要があります。
 

相続時精算課税について

計算方法の考え方は暦年課税と大きく変わります。ポイントを以下にまとめました。
① 基礎控除額110万円はない。
② 特別控除額(限度額:2,500万円)がある。
③ 対象となる贈与者は贈与をした年の1月1日時点で60歳以上である父母・祖父母。
④ 対象となる受贈者は贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上である子・孫。
⑤ 贈与者ごとに選択できる。
⑥ 一度選択するとそれ以降暦年課税に変更できない。
⑦ 選択した際の課税価格は相続時の課税価格に加算されるため、必ずしも受贈物に生涯税金が掛からないとは限らない。
 
なお、相続時精算課税の申告・納付期限は受贈者が贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までの間におこなう必要があります。
 
このように暦年課税と相続時精算課税ではだいぶ内容が異なるため、正しく理解する必要があるのです。次回コラムは相続時精算課税制度の②・⑤・⑦のポイントについてもう少し深堀していきます。

 

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このコラムを書いている人

相馬將志

相馬將志

千葉県出身 お風呂での鼻歌がいつの間にか熱唱にギアチェンします。 保有資格:宅地建物取引士/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/マンション管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/簿記2級

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