不動産の「片手仲介」と「両手仲介」ってなに?

公開日2025/11/04
更新日2025/11/04

不動産の「片手仲介」と「両手仲介」ってなに?
みなさんは、片手仲介と両手仲介という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は不動産会社の報酬形態に関する単語であるため、なかなか馴染みのない言葉だと思います。
しかし、これらの単語を知らないと、不動産取引においてリスクが生じてしまう場合があるのです。今回はそんな片手仲介と両手仲介について解説していきます。

片手仲介とは

片手仲介とは「売主」を担当する仲介業者と「買主」を担当する仲介業者が異なる場合の仲介手数料の報酬形態です。
「売主」を担当する不動産会社をA、「買主」を担当する不動産会社をBとする場合、Aは「売主」からBは「買主」からそれぞれ報酬を受け取ることになります。
つまり、どちらか片方からのみ報酬を受け取ります。
図で表すと以下のようになります。
片手仲介

両手仲介とは

両手仲介とは1つの不動産会社が「買主」「売主」の両方を担当し、仲介する場合の仲介手数料の報酬形態です。
この場合、不動産会社は「買主」「売主」の両方から仲介手数料を受け取ることができます。つまり、片手仲介と比べて2倍の報酬を受け取ることができます。
図で表すと以下のようになります。
両手仲介
 

仲介手数料の報酬上限は?

仲介業者が受け取ることのできる報酬の額は、法律で上限が定められています。
そのため、不動産会社は片方からしか報酬を受け取ることができないことを理由に、報酬を引き上げるということはできません。
参考までに、報酬の上限は以下の図のようになります。

不動産売買価格 仲介手数料上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円~
400万円以下
(売買価格×4%+2万円)+消費税
400万円超 (売買価格×3%+6万円)+消費税

両手仲介のデメリット

今までの内容を踏まえると、片手仲介でも両手仲介でも不動産会社が受け取る報酬額が変わるだけで、「売主」「買主」から見れば特にメリット・デメリットが無いように思うでしょう。
しかし、しっかりとした不動産会社を選ばなければ、両手仲介において以下のデメリットが生じる場合があります。
 

利益相反

両手仲介の場合、1つの不動産業者が「できるだけ高く売りたい売主」と「できるだけ安く買いたい買主」の間を仲介することとなります。
つまり、不動産業者が、双方の利益を調整する立場にあるということです。
一方で、偏った交渉は利益相反になります。
もちろん利益相反は違法になりますが、特に両手仲介の場合は中立性を保っているかという点に注意しましょう。
 

囲い込み

両手仲介は片手仲介と比較して報酬が2倍になるため、不動産会社にとってはメリットが大きくなります。
そのため、不動産会社が故意に自社の買主のみに絞って取引を進めることも。
これを「囲い込み」といい、取引の透明性を欠くことから違法行為に該当します。

物件情報を故意的に広く公開しないことから、適切な買主を見つけられず売却が長期化する、売却価格が低くなってしまうなどのリスクがあります。

まとめ

片手仲介と両手仲介について、ご理解いただけたでしょうか?
一見、デメリットが無いように見えても、そこにはリスクが存在しています。
しかし、基本的にはしっかりとした不動産会社に依頼をすれば上記のようなデメリットはありません。
適切な不動産会社を選び、より良い売却活動に繋げていただければと思います。

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高橋 咲百合
コラム監修 高橋 咲百合
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 2級ファイナンシャルプランニング技能士 / インテリアコーディネーター

プロフィール

マーケティング部

新卒以来、不動産業界・建設業界に一貫して従事し、投資用ワンルームマンションの売買・管理・活用に関する豊富な実務経験を積む。
専門知識を活かしつつ、初心者の方にもわかりやすく情報を届けることをモットーに、コラム執筆や監修にも携る。
プライベートでは2児の母。家庭でも「お金の大切さ」を子どもと一緒に学びながら、楽しく金融教育に取り組んでいる。

このコラムを書いている人

持田 透摩

持田 透摩

1999年 愛知生まれ神奈川育ち。前職は証券会社で営業に従事。2024年にFGH入社。保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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