夢のマイホーム!転勤で暮らせなくなった場合の対処法
【目次】
転勤が決まった際、マイホームをどうするか
マイホームを購入することは、サラリーマンにとって夢の一つでもありますよね。
間取りを決めたり、家に合わせて家具を買ったりと、期待と夢も膨らみます。
しかし、マイホーム購入と同時に、転勤の辞令が出てしまったというケースも少なくありません。
家を買う年齢の平均は30〜40歳ですが、ちょうどその年代は職場でも中核を担う存在になっています。
そのため、更なるキャリアアップのために、任される仕事も増え、転勤になる可能性も高まるのです。
転勤になってしまったら、せっかく購入したマイホームはどうなってしまうのでしょうか?
今回は、転勤が決まった時の選択肢を、「売却」「賃貸」「単身赴任」「空き家」のキーワードを交えてご説明します。
マイホームを売却する
転勤が長期に及ぶ場合や海外に転勤する場合は、売却が選択肢として有力でしょう。
住宅ローンの残債が残っている場合は、売却により一括返済できる可能性もありますが、売却する場合は抵当権の抹消が必要です。
マイホームを売却する場合のメリットとして挙げられるのが、管理の手間がなくなることです。
マイホームを所有し続けていると、建物の価値を維持するために空気の入れ替えなどの管理が必要な上に、固定資産税の支払いや確定申告などの手間も発生します。
転勤先が遠い場合は、毎月のように空気の入れ替えや庭の草抜きのために帰宅するには負担が大きいでしょう。
海外転勤の場合は、管理自体が難しくなってしまいます。
しかし、売却してしまえば、管理の負担はありません。
住宅ローンの残債よりも高値で売却することができれば、転居費用に充てることもできます。
マイホームを売却する際のデメリット
売却のデメリットは、売却額がローン残債を下回った場合、売却後もローンを返済し続けなければならないことです。
売却にも仲介手数料や印紙代など諸費用がかかるので、多くの場合売却でローンの残債を一括返済することは簡単ではありません。
仮に転勤期間が想定よりも短くなり、元の地域に戻ってきたとしても、マイホームが売れてしまった場合は買い戻すことも難しく、一から物件を探さなくてはならないでしょう。
マイホームを売却すると決めた場合は、仲介と買取という2つの売却法があります。
仲介では不動産会社が売主と買主の間に入り、売買を手伝ってくれます。
通常、家を売りたいと考えていても、買ってくれる人を自力で見つけることはできません。
そのため不動産会社に売却を依頼し、買い手を見つけてもらうのです。
不動産仲介会社は買主を見つけるために物件を不動産ポータルサイトやインターネット媒体、新聞折込チラシなどの各種広告媒体に掲載します。
広く購入希望者を探し、購入希望者が見つかると家の内覧や説明を行い、売主と買主の間に入り契約条件の折衝や契約手続きなど、各種調整を行います。
契約が完了した後も不動産の残金決済、引渡しが完了するまで、サポートしてくれるので安心です。
ただし不動産会社への手数料の支払いも発生します。
仲介での売却の場合、売却活動をスタートしてから完了するまでの期間は、一般的に3ヶ月〜6ヶ月。
しかし、1年を過ぎても買い手が見つからない物件もあり、長く売れ残ってしまうこともあります。
買取では、不動産会社が直接マイホームを買い取ってくれます。
仲介のように買ってくれる人を探す必要がないので、現金化までが早いのです。
その反面、不動産会社では買い取った物件に付加価値を付けるなどし、再販し、購入額と売却額の差を収入にするので、不動産会社の買取は仲介よりも売却価格が低くなりやすいです。
高く売りたいのであれば仲介での売却が一番ですが、早い現金化をお望みであれば買取が一番です。
マイホームを賃貸にする
転勤期間が明確な場合や、想い入れのあるマイホームを手放したくない場合は、賃貸として貸し出すのがオススメ。
転勤者の4割は、賃貸として貸し出す方法を選択するようです。
マイホームを賃貸として貸し出す1番のメリットは、家賃収入が得られることでしょう。
売却したくないものの、ローンの返済が残っているという場合、家賃収入をローンの返済費に充てることができます。
月々の家賃収入がローンの返済費を上回る場合は、副収入にもなります。
家は空き家のまま放置すると劣化が早くなりますが、賃貸に出すと借主が清掃や庭の手入れを行ってくれるので、劣化を食い止められるのもメリットです。
マイホームを賃貸として貸す際のデメリット
マイホームを賃貸として貸す際のデメリットは、予定より早く転勤が終わったとしても入居者が入居している場合、マイホームに戻れないことです。
入居者がいる場合は、正当な理由なしでは出ていってもらうことができません。
仮に立ち退きを要求するのであれば、立ち退き料の支払いが必要になってきます。
また賃貸で貸し出すと、近隣住民とのトラブルや家賃滞納、空室が続くケースもありますし、入居者が近隣住民とトラブルを起こすと、大家に責任が追及される可能性もあります。
家賃を滞納されるとローンの返済に充てることができず、家賃の取り立てのために転勤先から戻ってこなければならないこともあるかもしれません。
空室が発生すると家賃収入をローンの返済に充てることができず、ローンと転居先の家賃の支払いを二重で行う必要があり、家計の負担が大きくなります。
また、赤の他人が家を使うことに抵抗を感じる人もいるでしょう。
転勤が終わりやっと自宅に戻ることができても、見ず知らずの人が使ったキッチンやバスルームに抵抗を感じ、自分の家と思えないこともあります。
入居者の家の使い方が悪く、壁紙が剥がれていたり、立て付けが悪くなっている可能性も0ではありません。
普通借家契約
賃貸として貸し出す際、数年以内にマイホームに戻る可能性が高い場合は普通借家契約にすることをオススメします。
普通借家契約とは、契約期間を設けて賃貸の契約を行うことことです。
契約期間が過ぎ契約が満了した際に、契約の更新手続きを行わなかったとしても、法律により強制的に契約が更新されます。
契約期間は基本的に1年以上で、2年契約を取るケースが大半です。
近いうちにマイホームに戻る可能性が高いにも関わらず、普通借家契約で契約してしまうと、戻ってきた際に入居者に退去をお願いしても、契約期間中であれば入居者に退去する義務はありません。
契約を更新されてしまうと、出て行って欲しくても、出て行ってもらうことができないのです。
定期借家契約
マイホームに戻ってくる可能性が高い場合や貸し出したい期間が決まっている場合は、定期借家契約を結びましょう。
定期借家契約とは、契約で定めた期間の満了により、確定的に契約が終了する契約のこと。
契約期間満了後に入居者が契約を延長し、住み続けたいと主張しても、期間が満了していれば出て行ってもらうことが可能なのです。
そのため、マイホームに戻ってくるタイミングで期間が満了するようにしておけば、転勤が終わったタイミングで再びマイホームに住むことが可能となります。
家族をマイホームに残して単身赴任
家族をマイホームに残し、一人単身赴任するという選択肢を取る人も多いでしょう。
単身赴任のメリットは、家族に生活環境の変化を強いることがなくなることです。
特に子供は学校が変わることを嫌がりますし、奥さんも住み慣れた土地を離れることに、抵抗を持つ人も少なくありません。
単身赴任であればマイホームには引き続き家族が住むことになるので、賃貸や売却の手続きをする必要がなく、転勤が終わればいつもで家族が待つ家に帰ってくることができます。
単身赴任のデメリットは、会社からの家賃補助がなければマイホームの住宅ローンと単身赴任先の家賃の両方を支払わなければいけないことです。
また、家族と離れて暮らすことに、ストレスや寂しさを感じる人もいるでしょう。
マイホームを空き家にする
転勤期間が短い場合や売却・賃貸の手続きが面倒な場合、マイホーム空き家として放置する人もいます。
空き家のメリットは帰りたい時に、いつでも家に帰ってくることができることです。
しかし空き家はメリットよりデメリットの方が大きく、あまりオススメできません。
建物は人が住むことで劣化を抑えることはできますが、空き家にしておくと建物の劣化が早まります。
庭の底入れができず雑草が伸びた状態になっていれば、害虫が繁殖しやすくなってしまうでしょう。
不法投棄されたり、空き巣の侵入、放火などの犯罪行為も発生しやすくなり、治安も悪化しやすいです。
景観を損なうため、近隣住民からのクレームも増えます。
また空き家になっていると、住宅ローン控除の対象外になり、ローンの返済費が上がる可能性も高まります。
マイホームを空き家にする場合は管理会社に相談しよう
マイホームを空き家のままにしておきたい場合は、家の管理を管理会社に依頼することをお勧めします。
不動産の管理会社には空き家管理委託というサービスがあり、空き家を有料で定期巡回してくれます。
プロに管理を委託できるため、家を綺麗な状態で保つことができる上に、犯罪に巻き込まれる可能性も低くなります。
賃貸のように他人が使うこともないので、転勤期間の変更にも柔軟に対応できる点も大きなメリット。
ただし賃料収入がなく、サービス利用のための支出も増えてしまうのが難点です。
近くに親族や信頼できる友人が住んでいる場合、無料もしくは低額で管理を頼むのも、選択肢の1つとして有効でしょう。
転勤によるマイホーム問題まとめ
転勤によりマイホームに住むことができなくなった場合は、売却、賃貸、単身赴任、空き家の4つからメリット・デメリット含め、どうしていくべきか考えていかなければいけません。
家族だけでは決めることができない場合は、不動産会社に相談してみることをオススメします。
売却する場合はいくらで売れるのか、賃貸として貸し出す場合はいくらの家賃収入を見込むことができるかなどを相談すると、今後の方針も立てやすいです。
せっかく建てたマイホーム。後悔しない方法でどう扱うかを妥協せずに考えていきましょう!
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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