【ワンルームマンション 売却】売り時を見極めるポイントを解説
ワンルームマンションの売り時については仲介会社それぞれに、仲介営業パースンそれぞれに一家言があるようで、それらを網羅的にひとからげにしたところで役に立つ結論が導けるようには思えません。
結局のところ売り時とは「あれが売り時だった」と売られた方が思われたときなのであって、すべての売買契約にはドラマがあると痛感している業界歴38年のベテランが吐ける意見としては、売り時にも個人差があるという一般原則にとどまります。
なぜなら、FGHを通じてワンルームマンションを処分されたお客様からはいいときに売れてよかったという感謝の言葉をもれなくいただくことはあっても、あのときに売るんじゃなかったという後悔のお言葉を伺うことは絶無だからです。
物件売却の契約書面の調印の際に必ずしている質問に「どうしてお売りになろうと思われたのですか?」というのがあるのですが、びっくりするほど多かったダントツの1位はたまたま売却の提案を聞いちゃったんだよね、でした。
これは言い換えれば販売のセールスパースンの並べ立てた購入のメリットについてのマインドコントロールが解けたことを意味しているのだと思います。
ワンルームマンション投資で成功している人など全体の5%にも満たないにもかかわらず、成功しなかったという事実から目をそむけてしまうのは、ギャンブルで勝ったときは触れまわるくせに負けた話はいっさいしないという一般的な人間心理のなせるわざです。
わりあい強固なマインドコントロールは月々の収支が赤字でもそれは将来のための貯金と思ってくださいという荒唐無稽なセールストークで、お金が出ていく一方ならそれは投資の名に値しないにもかかわらず、漠然と将来の備えになっていると思い込まされている方は意外に多いのではないでしょうか。
マインドコントロールは日々ささやき続けないといずれ効果を失いますから、購入のときだけ熱く語られたバラ色の未来像はたんなる虚像だったのかもしれないと個人差はあれどいずれ気づくわけですね。
そんなタイミングでたまたま売却の提案を聞く機会があったりすると、あれ?やっぱりおかしいよな、なんでこんな物件いつまでも持ってたんだろう、と気づいてマインドコントロールが解けるという仕組みです。
この気づきを得るタイミングは売却の提案に限った話でもないようで、管理手数料が格安なために子会社のアーバンフォースに賃貸管理をリプレイスでお任せになるオーナー様の大多数が素朴な感想としておもらしになる実感でもあるそうです。
ですから、売却提案であれ賃貸管理会社の変更であれ、違う角度からのセカンドオピニオンを受けてみるのはとても大事なことなのですが、そこに到達するまでにはあるていどの時の経過を待って購入時のマインドコントロールが解ける必要があるのでしょう。
結論を申し上げれば、売ろうと思ったときが売り時ですという身もフタもないお話になってしまって恐縮するしだいです。
このコラムを書いている人
中村 彰男
1961年 東京生まれ 学習院大学経済学部卒業後、37年間一貫して不動産業に従事。 うち、ローンコンサルティングなど業務畑経歴24年。 実家をアパートに改築し賃貸経営を行うかたわら、 自身も不動産投資にチャレンジした経験を持つ。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/ビル経営管理士/宅建マイスター/管理業務主任者/賃貸住宅メンテナンス主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/不動産コンサルティングマスター/土地活用プランナー
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