【第2回】ツールとしての不動産投資
2019.5.30
代表取締役会長 渡邊 勢月矢
お金を生み出す道具として、不動産はとても優れています。たとえば株や仮想通貨というものは目に見えないし触れられません。そして一瞬にして、その価値を無くす可能性があります。
不動産も空室になってしまったり、その部屋で事故が起こる可能性もありますが、いきなり消えて無くなることはありません。万が一、火事で燃えてしまったとしても、それは保険で補償されます。
モノは誰かに盗まれる恐れがありますが、不動産には登記があり第三者に対抗できます。
また、多くの方はそこまで考えて物件を購入していませんが不動産は売却にも強いのです。
売却をするためのマーケットがあり、適正な価格をつければ売却をすることができます。
とはいえ、不動産投資をツールとして考えたとき、大変に優れたものですが、不動産投資が絶対ということではありません。
ツールとしての不動産投資
私の経営する会社は今年からソニー生命の代理店になったのですが、保険も不動産も同じようなツールとして捉えています。
人それぞれに価値観があって、人生を豊かにするためのツールなのです。
それが不動産投資なのか保険商品を買うことなのか、あくまでもツールとして考えるべきであり、これを初心者の人は理解していなければいけません。
不動産であれば高利回りや立地の良い物件ばかりに目がいきがちですが、そうではなく自分の人生を豊かにするために買うのであれば、将来のために買うのか?
それとも今のために買うのか?
これをまず決めておくべきでしょう。
基本的に両方なのかもしれませんが、「今すぐにでも副収入のキャッシュが欲しい!」「子どもがいて本収入以外にもキャッシュが欲しい」と希望されるのなら、区分マンションばかり買うのは見当違いだと思います。
そうであれば収入の多い一棟アパートを買うべきです。
それなのに区分マンションばかり買ってしまう人もいます。
もちろん立地の良い区分を買って、20年後や30年後にしっかり年金代わりにしたいという目的であればいいのです。
しかし私が知る限り、将来も大事だけれど今も収入が欲しい人が多くいます。
ワンルーム専門でやっている不動産会社に「1000万円の自己資金があります」と教えたら、とにかく5~6戸買わせようとします。
そうではなく、1000万円の蓄えがあるのなら、5000万円のアパートに700万円の頭金を入れて、今すぐキャッシュを生むアパートを買います。
残りの300万円は頭金にして、1500万円くらいの立地の良い区分マンションを買っておくという選択肢があります。
このような形にしたほうが、今もキャッシュがプラスで回って潤うことでしょう。
将来も、20年先もこの物件ならキャッシュが入るような物件を、ポートフォリオで考えて物件選びをしなくてはいけません。
あくまでも不動産投資はツールであり絶対ではありません。
不動産投資だけをやるのではなく、いろんな投資を検討して行ってみて良いと思います。
大切なのは、自分の目的、自分の価値観に合わせて投資を行うことです。
このコラムを書いている人
渡邊 勢月矢
株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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