【不動産投資 一棟編①】区分ワンルーム投資との違いについて

公開日2021/04/26
更新日2024/01/11

2021.4.26
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

マンション

【不動産投資 一棟編】区分ワンルーム投資との違いについて

当社は、2007年の創業以来、一貫して区分ワンルームの仕入れを強みに売買仲介を行っていますが、お客様の中には、区分だけではく、一棟物件も運用されている方もいらっしゃいます。
 
今回は、一棟と区分の違いについて解説していきたいと思います。
 
私の主観的な部分もありますが、ご留意ください。
 
不動産投資における区分マンション投資は、昭和60年代のワンルームから始まり、最近では1Kが主流ですね。
 
棟物は、区分より歴史が古く、不動産投資の王道といったところでしょうか。
 
大きな違いとしては、大きく3つあると思います。
 
1:評価方法、担保評価
2:融資、金融機関
3:管理方法
 

1:評価方法、担保評価

棟物といっても、木造、S造、RC造と建物構造が様々で、構造により耐用年数が違いますね。
 
そもそも、耐用年数って何?と思われる方は、こちらを確認ください。
 
区分マンションの場合は、実住用でも投資用でも類似物件比較法と収益還元法を主に活用にして評価を出すイメージですが、棟物の場合は、原価法、いわゆる積算価格でまだまだ評価していると思いますね。
 
特に大手都市銀行は、手堅く融資をしたいので、収益性があっても、土地が微妙だったり、築年数が耐用年数を超えていたりすると担保評価が低くなるイメージです。
 
担保評価は、概ね土地、建物評価の80%といったところでしょうか。
 
まずは、土地の評価として、接道部分の路線価ベースで算出します。
 
次に、建物の評価として、耐用年数-築年数=耐用年数残を確認します。
 
耐用残が無いものは、基本的に建物の価値が無いという事です。実際は、あると思いますが。
 
耐用年数が残っている場合は、構造によって、現在価値を算出します。
 
こんな便利な機能があるので、活用して頂ければと思います。
 
積算評価計算シミュレーター
 
不動産評価方法もこちらを参考にしてみてください。
 
路線価って何?と思われた方もこちらを参照ください
 

2:融資、金融機関

棟物に不動産担保融資を出す金融機関は、区分よりも多いです。
 
区分の場合は、ジャックス、オリックス銀行、クレディセゾン、イオン住宅ローン、SBJ銀行など一般的には、馴染みがない金融機関が多いですが、棟物の場合は、大手都市銀行や地方銀行も融資を出します。
 
ただ、積算評価ではなく、耐用年数残が無い物件や収益還元法の担保評価で強いところでは、区分と同じく、馴染みがない金融機関になります。
 
例えば、スルガ銀行、静岡銀行、オリックス銀行、三井住友ローン&ファイナンスなどです。
 
融資条件は、様々で金利、融資期間、融資額も金融機関ごとに基準を設けています。
 
購入者が個人なのか法人なのかによっても違います。
 
最近は、個人の投資家も法人化して棟物を購入する方が多いと思います。
 
参考までに最近の動向を一覧表にしてみましたので参考にしてみてください。
 
一棟融資一覧表
※一棟融資の詳細を知りたい方は弊社までご遠慮なくご相談ください。
 

3:管理方法

一般的には、管理会社といっていますが、そもそも、不動産管理会社は、二種類ありますよね。建物管理と賃貸管理です。
 
区分の建物管理は、区分所有のオーナーが議決権を持つ管理組合が建物管理会社に管理を委託しています。
 
区分の賃貸管理は、オーナーごとに賃貸管理会社が違いますので、部屋ごとに賃貸募集会社が違うことになります。
 
部屋ごとに家賃が違うのはこのためです。
 
棟物の管理は、通常、建物管理と賃貸管理が同じ会社が受託しているケースが多いです。
 
築古の木造アパートなどは、実際建物管理をほぼ行っていない物件が多いイメージです。
 
管理手数料も会社ごとに違いますが、相場でいうと賃料の5%が目安です。
 
最近では、区分の賃貸管理だけなら1000~3000円、安いところだと500円なんていうところもありますよね。
 
棟物の賃貸管理は、まだまだ賃料の5%という会社が多いイメージです。
 
棟物の建物管理は、法定点検、消防点検、エレベーター、貯水槽、屋上、植栽など実施管理するものは沢山あるのですが、すべてをきちんと実施管理している物件は、戸数が10戸以上の築20年以内の棟物のイメージです。
 
イメージばかりですいません(;^_^A でも結構当たっていると思います。
 
こちらも管理会社の手腕によるところが多く、オーナーにどの程度、許容してもらい管理してもらうか、お金を出すのはオーナーなので、最終判断はオーナーなのですが、管理に関して無頓着なオーナーも多いので、管理会社のコンプライアンスと倫理観によって様々だと思います。
 
ちなみに当社の管理内容はこんな感じになります。アーバンフォース管理内容
 
今回は、以上になります。
 
次回は、一棟投資の魅力についてお話したいと思います。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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