実践大家様から学ぶ~出口を見据えた不動産投資~

公開日2019/10/21
更新日2022/12/15

先日、とある投資家様と「投資用不動産の購入や運用方法の考え方について」お話する機会がありました。
 
不動産投資スタイルのひとつとして参考になればと思いご紹介させていただきます。

購入の検討段階で○年後に売却するかイメージをする

お話を伺った投資家様の理想的な不動産投資スタイルは、“毎月の収支がプラスで売却益も出る”という出口を見据えた不動産投資です。
 
購入前に○年後に売ればよいか想定すること、そして、購入後は年に数回、購入時のシミュレーションと市場価格、賃貸状況のチェックを欠かさず行っているとお話されておりました。
 
長期的に運用すればするほど、累計の賃料収入は多くなりますが、建物は古くなりますので、売却できそうな金額と賃料の値下がり動向、管理費・修繕積立金などの経費の値上げを確認する必要があります。
 
購入時に想定した運用の予定期間を迎える段階で、「このまま運用を続けるか」「売却に動き出すか」を検討されるのだそうです。

短期譲渡になるか、長期譲渡になるか

また、売却を検討されるポイントとしては、物件を購入してから5年を経過したタイミングを重要視しているということ。
 
正確に言えば、物件を購入した日から売却した日までの持っていた期間ではなく、税務署は、1月1日現在の所有期間で判定するため、購入してから1月1日を6回迎えているかどうかになります。
 
ご周知のとおり、物件を購入してから5年を経過しているか否かで、譲渡益に課される税率は異なります。
 
所有していた期間が5年以内であれば「短期譲渡」となり税率は39%、5年を越えていれば、「長期譲渡」となり税率は20%になります。
 
仮に300万の利益が出た場合は、120万税金でもっていかれるのか、もしくは60万円もっていかれるのかという話です。
 
税率だけを見比べてしまうと、長期譲渡のタイミングになってから売った方がいいのではないかと思われるかもしれませんが、長期譲渡になるまで待っていると、その分建物は築年数を重ねて古くなり、相場も変動する可能性があります。
 
実際には、「短期譲渡のタイミングでも売り切っていれば・・・」というケースもありますので、どちらが正解なのかはその時になってみないとわかりません。
 
ただ、不動産の市場は、他の金融商品と比べて市場の動きが緩やかと言われておりますので、シミュレーションを活用すると、判断材料の大きな手助けとなってくれます。

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「売れるときに売っておいた方がいい」

「出口を見据えて購入」の考え方には、「建物はいずれ古くなり、資産価値が減ってしまう」というのが根本にあると思います。
 
ローンを利用して物件を購入する場合、投資用の収益不動産においては、住宅ローンは利用できません。
 
物件の築年数や積算評価額は、借り入れ審査において大きくウエイトを占めておりますので、古くなればなるほど、購入者は融資を利用しにくくなります。
 
融資を利用しにくくなれば、現金買いの方や、高金利でも購入するような方でないと、ターゲットになりませんから買手となる分母が減ってしまいます。
 
買手の分母は多いに越したことはありませんから、買手が多いタイミングで売却をするというイメージはとても重要だと私も同じ考えです。

保有か売却か迷ったら

「購入して5年経過したけど、今の市況や相場が分からない」
 
「思ったよりも手元にお金が残っていない」
 
「毎月の返済のために給与から支払いが出てしまっている」
 
という状況の方は、ご所有物件の健康診断をオススメいたします。

このコラムを書いている人

渡邉 幸也

渡邉 幸也

1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士

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