サブリースしている物件の確定申告をわかりやすく解説!
【目次】
サブリース契約でも管理委託でも必要な確定申告について
サブリース契約でも管理委託でも確定申告は必要です。
確定申告の際に注意するべきポイントや書類に違いがあるため、初めて確定申告する方や今年管理方式を変更した方はよく確認の上確定申告に挑みましょう。
2025年分の確定申告期限は2026年3月15日です。
確定申告の基本的な考え方
確定申告は1年間の所得と税金の計算を正しく行い、税務署に申告・納税する手続きです。賃貸収入がある場合には不動産所得として申告する必要があります。
不動産投資を行うオーナーにとって、1年間の家賃収入や経費をまとめて申告するのは重要な作業になります。
特に、サブリース契約下であっても毎月の収入に対して正確な税額を把握するためには、計算漏れや経費計上漏れを避けることが大切です。
確定申告を正しく行うことで、後々の税務調査などのリスクを減らしつつ、必要以上の納税を回避しやすくなります。申告に際しては、青色申告を選択するか白色申告を選択するかによって控除や記帳方法が異なるため、事前の知識が不可欠です。
賃貸経営で必要な確定申告とは
不動産所得として家賃収入や関連経費を正しく計上し、税額を確定させることは賃貸経営者にとって不可欠な義務です。
サブリース契約であっても、オーナーが受け取る賃料は不動産所得として扱われるため、通常の賃貸経営と同様に申告を行わなければなりません。
正確な経費計上や必要書類の管理を怠ると、税額に誤差が生じる恐れがあるので注意しましょう。
サブリース経営の確定申告について
サブリース契約は、オーナーが管理会社に物件を一括貸しして賃料を得る仕組みです。
これに伴う所得も不動産所得として扱われるため、正しく申告することが求められます。
サブリース収益は通常の家賃収入と同様に不動産所得として確定申告を行うため、会社からの支払い明細や契約書の内容をきちんと把握しながら対応することがポイントです。
サブリースとは?
サブリースは、物件オーナーが物件をサブリース会社(管理会社)に借り上げられ、その会社が入居者へ再度貸し出す転貸形式の契約を指します。この契約形態の大きな特徴は、空室時でも一定の賃料がオーナーに支払われるため、安定した収益を得やすい点です。一方で、契約更新時に保証賃料が減額されるリスクや免責期間の設定など、オーナーが予想外の費用負担を抱える可能性もあるため、慎重に契約内容を検討することが求められます。
サブリース収益の税務処理
サブリースによる収益は、その源泉が個人であれ法人であれ、基本的に不動産所得として扱います。
オーナーが受け取る賃料はサブリース会社からの支払いが主になりますので、通常の賃貸経営に比べて経理処理が単純化しやすい点も特徴です。
とはいえ、修繕費や固定資産税、ローン利息など経費になる項目を正しく整理し、収支を計上することが申告の正確性を左右します。
サブリース契約における注意点
サブリース契約では、保証賃料の見直しタイミングや契約更新の条件など、契約書に明記された内容が将来的に変更されるケースがあるため、オーナーにとってリスクがゼロではありません。特に家賃保証率の引き下げや免責期間の設定などにより、予想外の収益低下が生じる可能性があります。また原状回復費用の負担範囲など細部を把握しないと、トラブルの原因にもなりかねないため注意して契約を結ぶことが重要です。
一般的な賃貸経営との確定申告の違い
サブリース契約では、入居者募集や家賃管理を管理会社が担うため、オーナー側で行う管理業務が大幅に削減されます。
その結果、経費の計上方法も比較的シンプルにまとめやすいという利点があります。
しかし、契約内容をきちんと理解していないと、管理費や修繕費など本来経費として計上できる項目を見落とすリスクもあります。
一般的な賃貸経営に比べて支出自体が変化する場合もあるので、契約書をもとに慎重に経費区分を整理しましょう。
サブリース契約で申告の際に記入しなければいけない項目
【収入について】
✅管理会社からのサブリース料→源泉徴収されている場合、支払調書で源泉徴収税額を確認しましょう
【経費について】
✅修繕費
✅火災保険料
✅管理費・修繕積立金
✅固定資産税
✅減価償却費
✅ローン利息など
管理委託契約で申告の際に記入しなければいけない項目
【収入について】
✅家賃収入→入金額ではなく、手数料控除前の家賃額を確認しましょう
【経費について】
✅管理委託手数料
✅修繕費
✅賃貸募集時の広告料
✅火災保険料
✅管理費・修繕積立金
✅固定資産税
✅減価償却費
✅ローン利息など
火災保険料以下のものについてはサブリース契約の場合も管理委託の場合も変わらずに経費計上するものです。
確定申告の手順と注意点
確定申告は毎年の1月から3月にかけて行われる重要な手続きです。サブリースでも通常の不動産所得と同様に必要書類を準備し、期日までに提出する必要があります。
サブリース契約であっても、不動産所得の内容は通常の賃貸経営と同じプロセスで整理します。
青色申告・白色申告の違いを把握し、さらに申告書を作成する際には減価償却費やローン利息などを忘れずに経費として計上することが大切です。
特に青色申告では複式簿記での記帳が必要になるため、日頃から帳簿や領収書の管理を適切に行わないと慌ただしくなる傾向があります。期限内に提出するためにも、早めに準備を進めるのが賢明です。
青色申告と白色申告
青色申告は、複式簿記での記帳や帳簿の整備が求められる一方で、最大65万円の控除が受けられるケースや損失を繰り越すメリットを享受できるなど、多くの優遇措置があります。
そのため、ある程度の規模で賃貸経営をしている場合は、節税効果を考慮して青色申告を選択するケースが一般的です。
一方、白色申告は比較的手続きが簡単ですが、控除額が少なく、大きな節税効果を得られない点に留意が必要です。
確定申告の流れ
不動産投資による収入があるオーナーは、自身の所得区分を整理するところから始めましょう。サブリース契約の場合も、家賃収入や管理費などの受け取り項目が明確なので、書類の収集と整合をきちんと行うことでスムーズな申告が可能になります。次に、経費となる修繕費や減価償却費を整理し、総合的な所得を把握したうえで、正確に申告書を作成する手順が大事です。
①必要書類を集める
サブリース賃料の明細や源泉徴収票、不動産関係の領収書など、収入や経費に関する書類をそろえることが確定申告の第一歩です。賃料の支払明細を見逃してしまうと、申告漏れや過小申告に繋がる可能性があります。年度末に焦らないよう、月ごとに書類を適切に保管しておく習慣を身につけましょう。
②青色申告決算書または収支内訳書を作成する
不動産所得に関する収支を明確にし、損益計算書や貸借対照表を作成します。
青色申告では正確な仕訳と記帳が求められるため、日々の経費や収入を見える化することがポイントです。
きちんと整理することで、経営実態を把握しやすくなると同時に、申告時の手続きが格段に楽になります。
③確定申告書を作成する
計算した不動産所得をもとに、税率や控除を踏まえて所得税を算定し、正しく申告書に反映させます。
書類への記入は、誤字脱字や数値の入力ミスに注意することが肝心です。電子申告(e-Tax)の仕組みを利用すると、計算を効率化でき、税務署への提出もスムーズになります。
④確定申告を提出する
作成した書類一式を期限内(通常3月15日まで)に税務署へ提出し、算定した納税額を納付します。納税が遅れると延滞税や加算税が発生する可能性もあるため、余裕を持って行動しましょう。
特にサブリース契約の場合は、経費計上漏れが起こりにくい一方で、細かい明細を見落とすと不正確な申告につながることがあるため、書類の最終確認を徹底することが重要です。
不動産投資の確定申告を自分で行うときの注意点
自分で申告を行う場合には、控除漏れや計上ミスを防ぐために正確な作業が求められます。必要に応じて専門家に相談することも検討しましょう。
サブリースを含む不動産投資における確定申告を自力で行う際には、経費計上や帳簿付けなど理解しておくべき作業が多岐にわたります。
とりわけ、修繕費や減価償却、ローン利息などを経費として整理し忘れると、余分に税金を支払う結果になるかもしれません。毎年の確定申告をスムーズに終えるためにも、会計ソフトの活用や税理士への相談を視野に入れながら進めるのが賢明です。
経費にできるものをきちんと計上する
不動産賃貸業では、修繕費や管理費、ローン利息、火災保険料、固定資産税などが正当に経費として計上できます。特にサブリースの場合、管理会社との契約で管理業務の一部が代行されるため、把握しやすい経費とそうでない経費が混在するケースもあるでしょう。領収書や契約内容を確認しつつ、正確に経費を仕分けできれば、納税額を適切に抑えられます。
減価償却費を計上する
建物や設備にかかる減価償却費は、賃貸経営において重要な経費項目の一つです。中古物件でも法定耐用年数に応じて毎年計上する必要があるため、計算方法や年数を誤ると訂正が必要になり、申告作業が複雑化します。サブリース物件であっても、自分が担当する減価償却の申告は通常と変わりませんので、建物の取得時期や耐用年数をあらかじめ確認しておきましょう。
サブリース物件の確定申告でよくある質問
サブリースならではの税務上の疑問点への回答を把握することで、トラブルや申告漏れを防ぎましょう。
サブリース契約は一般的な賃貸経営に比べて契約形態が特殊なため、オーナーによっては取り扱いを誤解してしまうケースがあります。
例えば、消費税の適用範囲や違約金の扱いなど、契約や税法上でどのように位置づけられるかを正確に理解しておくことが不可欠です。不明な点があれば、税理士や管理会社に確認したり、税務署の相談窓口を利用するなどして、リスクを最小限に抑えましょう。
サブリースの売上に消費税はかかる?
個人の不動産賃貸収入は、居住用物件であれば非課税になるのが一般的です。
しかし、テナントや店舗など事業用途の物件には消費税がかかるケースもあるように、契約内容や管理形態によって取り扱いが変わることがあります。サブリース契約の場合も各物件の用途をよく確認し、消費税申告の必要があるかどうか事前にチェックしておきましょう。
サブリースの解約違約金は経費計上できる?
サブリースの解約違約金は、「何のために解約するか」によって扱いが変わります。
他者への切り替えや、自主管理への切り替えの場合は経費計上可能です。
売却に伴うサブリース解約違約金は、不動産所得の経費にはできず、譲渡所得の計算上で譲渡費用として控除します。
自己使用のために解約する場合は経費計上できないため、うっかり脱税にならないよう注意しましょう。
\ FGHにおまかせ /
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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