アパート経営の資金巡りと借り入れ、必要な資金とは

公開日2019/11/12
更新日2022/12/20

アパート経営は資金ゼロでできるか?

ほとんどの人はこれからアパート経営をスタートしようというときに、資金が手元に全く無いがアパート経営をしたいというかもしれません。
 
アパート経営は、魔法のようなビジネスで自然に収入が多くなるというように思っている人も多くいるでしょう。
 
しかし、特に初めは多く失敗があり資金も足りなくなってきます。
 
特に、不動産バブルを日本においては経験しているため、不動産投資に対する金融機関の考え方は非常に厳しくなっています。
 
不動産でも、自分が暮らす住宅ローンのようなものでなく、アパート経営はビジネスであるため「儲けて続けて返済ができるかが問われるため、全く融資基準が違います。
 
ビジネスは、経営者の信用や能力のみでなく、周りの環境を掴んで上手くニーズを取り入れること、リスクに耐えることができる預貯金などの用意ができること、継続性と信頼性が大切です。
 
アパート経営も同じで、どのようにビジネスとして評価されるかが最も大切です。
 
アパート経営者の多くも、ほとんど自己資金で全て賄うことはないでしょう。
 
周りの環境や物件によっても違いますが、アパート経営では資金がどの程度かかるかなどについてご紹介します。
 

資金がどの程度かかるか?

アパート経営をするために必要な資金は、建物、土地の費用のみではありません。
 
アパートを取得するための費用が大きいので、その他の費用に着目しないで、資金が足りなくなるときも多くあります。
 

アパートと土地を取得する費用

ここでは、しっかりと全ての費用を掴むために、アパートと土地を取得する費用についてご紹介します。
 
土地やアパートは、状況や場所などによっていろいろであるため、一律にどの程度の費用がかかるかはいえません。
 
土地があるときはアパートが必要になり、土地もアパートもないときは両方が必要になるため、資金が相応に必要になります。
 

土地があるケース

土地がすでにあるときは、後はアパートのみであるというほど容易ではありません。
 
アパートを新築するときは費用が高額になり、建築するときは手間暇が非常にかかります。
 
家主と不動産業者、金融機関の担当者、建築業者がなかなか集まれなく、なんとか集まっても関係する人がさらに多くなるなどして、数ヶ月間~1年間くらい基本計画が決定するまでにかかるときもあります。
 
土地の状態やアパートの部屋数などによっても違いますが、一般的に2階建ての木造・鉄骨造で3ヶ月間、鉄筋で半年間近くかかります。
 
この間は収入が無いため、他の収入が必要になります。
 
当然ですが、固定資産税などの費用はこの期間もかかるため、初期費用としてはむしろこの方がかかるでしょう。
 

中古のアパートを買うケース

一方、売出している中古のアパートを買うときは、非常に手間も費用も抑えられます。
 
取得するための費用は、急ぐと数週間で計算ができます。
 
物件が実際にあるため状態を掴みやすく、イメージのみでは困難な具体的なものが得られます。
 
しかし、すぐに考えているようなアパートが探せないことがデメリットです。
 
条件がいいアパートでなければ利回りは高くなりませんが、費用が高額になり、基本的にこのようなアパートであれば別の家主がすでに運用しているでしょう。
 
しかし、良くないアパートであれば先々間違いなく苦労するでしょう。
 

利回りが高いかどうかが大切である

高額なアパートでも買えますが、必ずしも利回りが高いということではなく、安いアパートでは空室になって賃料収入が獲得できないこともあります。
 
取得する費用としては、利回りが高いかどうかが大切であり、これをベースにして高いか安いかが評価されると考えるべきです。
 

取得するための費用

一般的に土地やアパートというような不動産は高額であり、きちんと持っている人は届ける必要があります。
 
非常にこの手続きは複雑で専門的であるため、ほとんど司法書士や不動産業者に依頼します。
 
このための費用としては、契約書に貼る印紙税などの他に、司法書士に払う報酬、不動産業者に払う仲介手数料、登記や手続きに必要なものがあります。
 
概算の費用としては、不動産を取得する費用の10%くらいの目途になります。
 
慣れていなければ、おおまかに取得する費用のプラスアルファと考えがちですが、基本的に取得する費用が高額になることを考慮すれば、きちんと細かなものまで考えておかないと足りなくなるため注意しましょう。
 

アパートを改修する費用

入手したアパートは、新築と同じように新しく賃貸でそのまま使えることは稀です。
 
ほとんどは、アパートの共用部分や内装外装、部屋の設備などを取り替たり、改修したりする必要があり、この費用を支払う必要があります。
 
当然ですが、選択肢としては改修しないということもあります。
 
しかし、このときは考えているような家賃では借主が少なくなるときがあります。
 
これは、前もって物件を内覧したり、専門家が確認したりすることができます。
 
改修する費用を考慮しても運用する価値があるかを見極めるため、取得することを金額によっては諦めるときも多くあります。
 
費用が少ないと考えていれば酷い目に遭いかねないので、細かく掴むことが大切です。

アパート経営の資金は最低限どの程度準備する必要があるか?

アパート経営に関心があるが、自己資金が多くないと初めから諦める人もいます。
 
しかし、アパート経営を自己資金のみで行っている人はほとんどいません。
 
自己資金がある方が当然いいでしょうが、アパート経営は全額なくてもできます。
 

準備すべき資金を把握する

例えば、全額自己資金で賃料収入が年間に80万円ある1,000万円のアパートを買って運用すれば、満室に全ての部屋がなると8%の利回りになります。
 
この自己資金に2,000万円の融資をプラスして高額なアパートを買って、8%の利回りであったとすれば、賃料収入が年間に240万円になります。
 
金利がもし3%であれば60万円の利息になり、差し引きしても手元に180万円が残るようになり、自己資金のみのときよりも手元に現金が年間に100万円残ります。
 
自己資金に融資をプラスして規模をより大きくして、キャッシュフローを多くすることができます。
 
レバレッジ効果とこのことをいって、レバレッジを利用すると自己資金が少なくても利益を多くすることができます。
 
さらに期待できる賃料収入や物件の評価額、想定されるリスクや万一のときの資金の確保などの検討を十分に行うと、自己資金として必要なものが明確になります。
 

金融機関から融資を受ける

普通の住宅ローンの審査では主に借入する本人の返済能力が対象になりますが、基本的に不動産投資物件の審査では物件の価値や家主の信用、経営の将来性や採算などがビジネスとして対象になります。
 
金融機関によって審査基準は違いますが、一般的に最も厳しいのは都市銀行で、次に地方銀行・信用金庫の順であるといわれています。
 

借入の目安は70%以下である

アパート経営の融資は、実際に非常に厳しい審査があります。
 
アパート経営は、世の中の状況や環境の変化、土地や建物のトラブルや評価など、いろいろな要素が非常に多くあり、運用が継続できるかどうかを判断するのは非常に困難です。
 
金融機関は、物件の価値を専門的な「収益還元法」「原価法」などによって査定して融資する金額を決めます。
 
一般的に、物件価格の60%~70%程度が融資する規模であるといわれています。
 
逆にいえば、自己資金で残りの30%~40%は準備する必要があります。
 

狙い目は信用金庫である

一般的に最も金融機関の中で低い金利は地方銀行ですが、個人の投資家は地方銀行では相手にあまりされません。
 
非常に審査基準が厳しく、自己資金が潤沢に準備できないと稟議さえもあげてくれないそうです。
 
融資がこのような地方銀行から受けられるのであれば、アパート経営が非常に健全にできているようになります。
 
しかし、信用金庫であれば最も親身になってくれます。
 
融資基準が別の金融機関より緩やかであるため、アパート経営が初めてであれば信用金庫を利用するのがおすすめです。

アパート経営の資金少なくするポイントとは?

ここでは、アパート経営の資金少なくするポイントについてご紹介します。
 

いくつかの業者の見積もりを比べる

アパートを建てるときは、最も適した業者を選択するためにいくつかの業者から相見積もりを入手して、見積もりを比べましょう。
 
1つの業者のみに見積もりを頼んだときは、費用が安いのかの見極めができなく、価格も交渉しにくくなります。
 
しかし、いくつかの業者に見積もりを頼むことによって、それぞれの業者のサービス内容や工事内容を容易に比べることができ、金額とサービス内容を比べた上で最も適した業者を選択しやすくなります。
 
また、見積もりを比べるときは、しっかと建築費の扱いについてもチェックしておきましょう。
 
見積もり額を単純に比べるのでなく、建物の本体だけが建築費に含まれているか、付帯工事も含まれているかなど、どのような工事内容が金額に含まれるかをチェックすることが必要です。
 
「建築費は高くないが、完成した建物のレベルも良くない」というような業者に頼めば、アパートの資産価値が低くなり、最終的に不動産投資が成功しないというリスクがあります。
 
建築費と建物の耐久性のバランスも考えて、頼む業者を選択しましょう。
 

メーカーの得意な分野と規模を考慮して選択する

アパートを建てるときは、一般的に地元の工務店あるいはハウスメーカーに頼みます。
 
しかし、工務店やメーカーも得意な分野がそれぞれあり、規模も違います。
 
地元に密着した工務店は、不動産の地元の情報をよく知っているので、それぞれの地元の要求に適したアパートを建てることができます。
 
また、建築費もハウスメーカーに比較して安くなる傾向にあります。
 
しかし、工務店によって工事のレベルは違っているので、技術がないところに頼むとリスクもあります。
 
一方、ハウスメーカーの大手は、アパート建築のレベルが全国的に安定しているため、大手ならではの知名度やネットワークを利用して、土地の選定なども安心して頼むことができます。
 
しかし、建築費は広告宣伝費が上乗せになっているので高くなりがちです。
 
建築費が安いということのみでなく、メーカーの規模や信頼性など、トータル的に判断して自分に最も適した業者を選択しましょう。
 

優れた業者を選択する

不動産投資のときは、ビジネスを二人三脚で成功に導いてくれる不動産業・建設業者を選択することが大切です。
 
優れた豊富に知識がある業者を選択することによって、アパート経営に失敗しないためのノウハウをサービスしてくれ、経営を堅実に行うことができます。
 
また、優れた業者はアパート経営についてのデメリットもメリット以外にしっかりと教えてくれるので、トラブル・リスクを最大限に避ける方法も一緒にアドバイスしてくれます。
 
一方、良くない業者は自社の儲けのみを考えて、メリットのみを教えて契約した後は物件をそのままにするというときもあります。
 
優れた業者を判断するポイントは、サブリースの利用についての説明です。
 
サブリースというのは、アパートの全ての部屋を不動産業者が借り上げて、月々の家賃を保証するものです。
 
サブリースで長期契約をアピールしている業者も多くありますが、契約内容が定期的に更新され、家賃の減額を場合によっては提案されるときも多くあります。
 
サブリース契約においてはどのような業者でも家賃の減額を提案されるときがありますが、デメリットになる家賃の減額について説明しない業者は、信頼できないでしょう。
 
契約するときに説明しないのみでなく、家賃の減額を提案してから「この提案に合意しないと解約する」というような良くない業者も中にはいます。
 
アパート経営を家賃が保証されるということで行いたいときは、サブリースが途中で解約されるとローンが返済できなくなるので、仕方なく家賃の大幅な減額に同意するような家主も多くいます。
 
サブリースそのものは家賃保証システムとして広く浸透しているものですが、利用するときは注意することも多くあるので、契約するときにはしっかとこのことについて説明してくれるかチェックしましょう。

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

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