【完全ガイド】アパート経営に必要な自己資金と費用を徹底解説
投稿日2019/11/12

アパート経営を始めるうえで、必要な自己資金の目安や初期費用と維持費用、またローンの種類などをしっかりと理解することは非常に重要です。
本記事では、アパート経営にかかる諸費用の内訳や資金調達方法、リスクへの対策までを包括的に解説していきます。
ここで紹介する内容を踏まえて十分な資金計画を立てることで、経営の安定を図りながら長期的な利益を目指すことが可能になります。
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アパート経営の初期費用とは
アパート経営において最も大きな支出となる初期費用は、建築費や土地取得費用だけでなく、各種税金や保険料など多岐にわたります。
正確に把握することで、自己資金とローンのバランスを適切に検討しやすくなるでしょう。
木造新築・小〜中規模アパート(6〜10戸)を建てた場合の費用感は以下のとおりです。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 土地取得費 | 地方:1,000~2,000万円 都心部:6,000万円~ |
| 火災保険料 | 10万〜40万円 |
| 建築費・設備費 | 6,000〜8,000万円 |
| 各種税金(不動産取得税・登記費用・印紙税など) | 物件価格の2〜4%程度 |
| 仲介手数料 | (売買価格 × 3%+6万円)+消費税 |
| ローン手数料 | 借入額の1.5%前後 |
土地取得費
土地はアパート経営の基盤であり、立地が良いほど入居率アップに期待が持てますが、その分費用も高くなりがちです。
地価の高い都市部では資金調達のハードルが上がる一方、需要が安定しているためリスクを抑えながら家賃収入を得やすいともいえます。
自己資金の範囲で最適な立地を見極めるには、周辺の賃貸需給や将来的な街づくり計画にも目を向けることが大切です。
仲介手数料
不動産会社に対する仲介手数料は、物件売買や賃貸管理の際に発生する費用です。
購入段階では売買仲介手数料、賃貸管理では入居希望者を募る際の仲介手数料など、複数の場面で手数料が必要となります。
金額が比較的細分化されがちなため、見落としを防ぐには早期の見積もり確認が欠かせません。
建築費・設備費
木造アパートの建築費は1坪あたり80万円〜100万円ほどが目安ですが、鉄骨造や RC(鉄筋コンクリート)造になるとさらに高額になります。
さらに、設備を充実させると初期投資が増えるため、入居者ニーズと費用のバランスを慎重に検討する必要があります。設備のクオリティは建物のブランド価値につながり、空室率を抑えるための大きな要素となります。
各種税金(不動産取得税・登記費用・印紙税など)
アパート経営では、物件取得時に不動産取得税や所有権保存登記、抵当権設定登記などの諸費用が発生します。
たとえば、不動産取得税は固定資産税評価額をもとに課税され、物件価格とは別にまとまった支出になるケースがあります。
これらの負担を見落とすと後々の資金繰りに影響するため、事前の精密なシミュレーションが大切です。
火災保険料やローン手数料
アパートローンを組む場合、金融機関への事務手数料や保証料が発生します。また、火災保険料や地震保険料など、災害リスクに備える保険加入のコストも見逃せません。
特にローン手数料は金融機関やプランによって大きく差があり、長期間の返済を見据えて慎重に比較検討することが重要です。
アパート経営の維持費用とは
アパート経営は初期費用だけでなく、所有後に生じる定期的な費用も考慮しなければなりません。
主に管理や修繕、税金、ローン返済などが継続的に負担となるため、安定収入を確保しながら支出を計画する必要があります。
| 項目 | 年間費用 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | ¥400,000〜¥600,000/年 |
| 管理費・修繕積立 | ¥240,000〜¥660,000 |
| 管理会社委託料 | ¥60,000〜¥120,000 |
| 火災保険料など | ¥30,000〜¥60,000 |
| 雑費・予備費 | ¥100,000〜¥350,000 |
| 合計(年間) | 約¥830,000〜¥1,790,000 |
毎月・毎年発生する管理費と修繕費
共用部分の定期清掃や設備の点検、あるいは屋根や外壁の修繕は、建物の資産価値を守るうえで欠かせません。
老朽化を放置すると空室リスクが高まるだけでなく、高額な大規模修繕を要する可能性も出てきます。毎月・毎年のこまめなメンテナンスがトータルコストを抑え、長期的な経営の安定化につながります。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は最大0.3%が標準税率で、土地と建物の双方に課税されます。
住宅用地には軽減措置があり、土地部分の評価額は最大で6分の1まで減額されるため、アパート経営では比較的負担が抑えられます。
ただし、建物は年数が浅いほど評価額が高く、築浅物件ほど税額も大きくなります。
管理費・共用部維持費
一棟アパートではマンションのような「管理費」という名目でなくても、実質的に同様のコストが発生します。
突発的に発生するケースが多いため、日常的に「修繕積立」として内部留保しておくことが重要です。
築年数が進むにつれて発生頻度と金額は増加し、特に築10年・15年・20年付近では設備更新が集中しやすくなります。
修繕を後回しにすると、建物価値の低下や入居率悪化につながるため、計画的な修繕が必要です。目安として、家賃収入の5〜10%程度を修繕原資として確保するオーナーが多く見られます。
管理会社委託料
管理会社へ支払う委託料は、家賃集金、入居者対応、クレーム処理、退去立会いなどを任せるための費用です。
一般的には家賃収入の5〜10%が相場で、自主管理と比べるとコストは増えますが、時間的・精神的負担を大きく軽減できます。
特に複数戸を所有している場合や遠方物件では、管理委託は現実的な選択肢です。
また、管理品質は入居率や家賃水準にも影響するため、単なる経費ではなく「収益を守るための投資」と捉えることが重要です。
安さだけでなく、対応力や実績も重視すべきポイントです。
保険料(火災保険・地震保険)
アパート経営では、火災保険への加入がほぼ必須となります。
火災だけでなく、落雷・風災・水災なども補償対象に含めることで、突発的な損害リスクに備えることができます。
地震保険は任意ですが、日本では地震リスクが高いため、長期保有を前提とする場合は検討価値があります。
保険料は建物構造や補償内容によって異なりますが、年額数万円〜十数万円程度が一般的です。
保険は「使わなければ無駄」ではなく、経営を継続するための安全コストと考えるべき項目です。
自己資金の目安はどれくらい?
アパート経営を始める際の自己資金は、具体的な物件価格や土地の有無、新築・中古のどちらを選ぶかによって異なります。
借入を前提とした際の一般的な目安を把握しておくと、資金計画が立てやすくなるでしょう。
物件価格に対する自己資金割合の指標
投資家が見るべき指標の中に「負債比率(LTV)」というものがあります。
このLTVは物件価格に対して借りているお金がどのくらいの割合を占めているかを確認する数値です。
自己資金少なめの投資を希望される方が多いですが、本来の理想は頭金2割です。
購入時に頭金を2割入れるとLTVは80%となります。すなわち、LTVは80%を切っている状態が好ましいといえます。
ローン金利が低いときは借入を増やして手元資金を厚くする戦略もあります。自分の財務状況や投資スタンスに合わせて、自己資金の比率を柔軟に決定できるようにしておきましょう。
土地所有の有無や新築・中古で変わるケース
すでに土地を所有している場合は、新たに土地取得費を負担する必要がありません。
一方、新築アパートは建築費がかさむ傾向にあり、中古アパートなら売買価格は抑えやすいもののリフォーム費用などが加算されてきます。
こうした違いを踏まえて最適な投資スタイルを見極めることが重要です。
資金計画シミュレーションの実施方法
金融機関や不動産会社が提供している収支シミュレーションを活用したり、ファイナンシャルプランナーに相談することで、複数の資金計画パターンを検討できます。
家賃相場の変動や金利の上昇といったリスク要素も織り込むと、より実践的な試算が可能です。複数パターンで検証することで、経営が苦しくなるラインを把握しやすくなります。
アパートローンの種類と借入条件
アパート経営を目的としたローンには、提携ローンやプロパーローン、ノンバンク融資など複数の種類があります。
各金融機関で適用金利や審査基準が異なるため、必要な自己資金や返済計画を総合的に考慮して選ぶことが大切です。
ローンの選択肢が多いほど、融資条件を比較検討できるというメリットがあります。
一方、審査基準や手数料、保証料などの細かな部分で違いが出るため、総支払額をチェックしたうえで最適なローンを選びましょう。
また、審査においては申込者の年収や勤務状況、自己資金額に加え、物件そのものの評価も重要視されます。立地条件や物件評価が高いほど、有利な金利や融資条件を得やすくなるのが特徴です。
提携ローン
不動産会社やデベロッパーがあらかじめ金融機関と提携しているローンで、比較的金利優遇が受けやすいのが利点です。
ただし、提携先が限定されるため、選択肢が狭まる可能性もあります。ローン審査が円滑に進む一方で、他の金融機関と比較して総合的に条件がどうなるかを必ず確認しましょう。
プロパーローン
銀行独自の融資制度であるプロパーローンは、借入条件が柔軟に設定される場合もあります。
一方で、申込者の信用力や事業計画の精緻さが求められるため、審査が厳しくなる傾向があります。もし融資が通った場合は、他のローンよりも優遇される可能性があるので、細かな交渉や条件確認を怠らないようにしましょう。
ノンバンク融資
ノンバンク融資は、銀行ほど厳密な審査基準を設けていないことが多く、自己資金が少ない場合や担保評価が低い物件でも借り入れしやすいという特徴があります。
ただし、金利や手数料が高めに設定される傾向があり、返済総額が大きくなるリスクも否めません。将来的なキャッシュフローへの影響を十分考慮することが大切です。
自己資金不足を補うための対策
十分な自己資金が用意できない場合でも、担保評価の高い不動産を活用したり、共同出資などの方法によって不足分をカバーできる可能性があります。
早めに対策を講じることで、思わぬチャンスをつかむことができるでしょう。
自己資金が足りないからといって諦める必要はありません。追加担保を提供すれば融資額を引き上げられるケースがあり、親族やパートナーとの共同出資を検討することで投資負担やリスクを分散することが可能です。
ただし、共同投資では利益配分や経営方針に関して意見が分かれる可能性があるため、あらかじめ合意書や契約を明確にしておくことが重要です。
資金繰りを改善するための方策を複数検討して、柔軟な経営計画を立てるようにしましょう。
追加担保や担保評価の高い不動産の活用
所有している別の物件や、親族が持つ不動産を担保に提供して融資を受ける方法です。土地の評価額や物件の収益力によっては、自己資金が少なくても十分な融資を受けられます。
ただし、万が一経営がうまくいかなかった場合のリスクも拡大するため、シミュレーションと慎重な意思決定が求められます。
親族やパートナーとの共同投資
親族や友人など複数名でアパート経営に投資し、リスクを分散する方法です。自己資金不足を補うだけでなく、経営に必要な専門知識やノウハウを共有できる点もメリットといえます。
一方で、利益配分や事業方針に関する意見調整が難しい場合もあるため、あらかじめルールを整備し、公平かつ円滑な運営体制を築くようにしましょう。
新築・中古アパート別の資金シミュレーション
アパートを新築する場合と中古物件を購入する場合とでは、初期費用と維持費用の内訳が異なります。すでに土地を持っているかどうかも加味し、長期的な収支を慎重にプランニングすることが重要です。
新築アパートは建築費のほか、地盤調査や外構工事、設備選定などの諸費用が加わります。設計段階からカスタマイズできる一方で、費用は高額になりやすく、融資審査も物件規模によっては厳しくなる可能性があります。
中古アパートは購入額を抑えられる反面、リフォームや修繕コストが発生しやすく、建物の耐用年数や入居状況によっては想定以上の経費がかかるリスクがあります。土地の所有有無も大きな要素で、既に土地を持っていれば取得費が不要となるため、最適なバランスで投資金額を抑えられる可能性があります。
新築アパートを建てる場合の費用例
一般的な木造アパートを新築する場合、坪単価80万円~100万円が目安ですが、設備のグレードや建物の構造によって総額が大きく変わります。また、地盤調査や外構工事にかかる費用、建築確認申請費用などが加算されるため、見積もりを複数社に依頼して比較することが肝心です。新築であれば空室の不安は少ない一方、完成期間中は家賃収入が得られない点も踏まえておきたいところです。
中古アパートを購入する場合の費用例
中古アパートは売買価格が新築よりも安価になりがちですが、購入後にリフォームや設備交換が必要となる場合があります。築年数や現状の状態を正確に把握するには、専門家による建物診断を依頼するのがおすすめです。初期費用を抑えつつ早期に家賃収入を得られるメリットもあるため、キャッシュフローの観点からは魅力的な選択肢といえます。
土地あり・土地なしで大きく変わる資金計画
既に土地を所有していれば、土地取得費を省ける分だけ初期投資額を大幅に抑えられます。ただし、所有している土地が賃貸需要の見込めるエリアであるかどうかを慎重に見極める必要があります。立地が不利な場合は賃料を下げざるを得ず、収益構造が思うように確立できないリスクもあるため、地域需要のリサーチをしっかり行いましょう。
アパート経営で気をつけたいリスクと対策
アパート経営では、空室リスクや災害リスク、融資返済の困難など、複数の不確定要素に対処していく必要があります。これらを適切に把握し、事前の対策を講じることで、安定した収益基盤を築くことが可能です。
空室リスクや家賃下落リスクに対しては、エリアの賃貸需要を把握し、競合物件との差別化を図ることが重要です。災害や老朽化対策としては、火災保険や地震保険への加入や定期的なメンテナンスを欠かさないようにします。
融資返済については、返済が厳しくなる前に金融機関へ相談し、返済計画の見直しや追加融資の可能性を検討することが大切です。複数のリスクに備えることで、有事の際にも慌てずに対応できる経営体制を整えられます。
空室リスク・家賃下落への備え
アパート経営における主要なリスクのひとつが、入居者が少ない状態が続くことによる収入減少です。エリアの特性や需要を見極めたうえで適切な賃料設定を行い、設備やサービスの向上によって他物件との差別化を図ることが有効です。市場の動向を常にチェックし、家賃相場が下落傾向になった場合には素早く戦略を見直しましょう。
災害・老朽化・事故物件化のリスク
自然災害や火災は建物を大きく損傷させ、経営を一時的にストップさせるリスクがあります。火災保険や地震保険を活用し、建物診断や定期的なメンテナンスでリスクを最低限に抑えましょう。また、事件や事故が発生していわゆる事故物件となった場合、家賃下落や入居率低下を招く恐れがあるため、セキュリティ強化などの抑止策も講じておくと安心です。
融資返済困難時のリスクマネジメント
家賃収入が想定よりも低下したり金利が上昇したりすると、ローン返済が厳しくなる場合があります。そうしたときは早めに金融機関へ相談し、返済スケジュールの見直しや追加融資、金利交渉などを検討することが大切です。手遅れにならないうちに対応することで、致命的な経営破綻を避ける可能性が高まります。
まとめ:安定したアパート経営を実現するために
アパート経営には大きな利益を得るチャンスがある一方で、初期費用・維持費や各種リスクを正しく理解し、対策を講じることが求められます。長期的な視野で計画を立て、変化する市場環境に柔軟に対応することで、堅実な家賃収入を確保しながら物件の資産価値を守ることができるでしょう。
今回紹介した初期費用や維持費用の項目、自己資金の目安、ローンの種類などは、アパート経営を成功させるうえで必須の知識です。十分な調査と計画立案を行い、自分の希望やリスク許容度に合った選択を行いましょう。専門家のアドバイスや最新の市場動向を取り入れながら、安定した経営を実現するための準備を着実に進めることが大切です。
\ FGHにおまかせ /
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者
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