賃料の決め方とは?

公開日2019/09/11
更新日2022/12/03

賃貸物件の賃料を決めるために悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
 
では、賃料を適正に決めるためにはどうすればいいのでしょうか?
 
賃料を適正に決めるのは実際にはそれほど困難なものではありません。
 
ここでは、賃料の適正な決め方についてご紹介します。

適正な賃料とは

適正な賃料を決めるのは、非常に困難なように感じますが、簡単に入居している人と家主の両方が得するような賃料であると考えるといいでしょう。
 
入居している人が得するような賃料は、安いということでしょう。
 
一方、家主が得するような賃料は、高いほどいいということではありません。
 
というのは、高すぎる賃料であれば借主が現れなく、賃料収入が獲得できないためです。
 
例えば、月5万円の賃料を5万5千円にすれば、賃料収入が1月で5千円、1年で6万円多くなりますが、賃料を5千円アップしたために入居する人が3ヶ月間現れないと、取り戻すために3年間もかかるようになります。
 
そのため、適正な賃料としてはスムーズに入居する人が現れることも必要です。
 

利益や利回りの希望額から適正な賃料を検討する

適正な賃料の条件としては、健全に賃貸経営が成り立つことが大切です。
 
諸経費のローンの返済額などを計算して、目安になる賃料を利益や利回りの希望額から計算するといいでしょう。
 
具体的に賃料を計算する方法は、次のようになります。
 

  • 平均の賃料=(年間の諸経費+利回り×建築費)÷(戸数×12ヵ月)
  • 平均の賃料=(年間の諸経費+利益の希望額)÷(戸数×12ヵ月)

 
当然ですが、このように計算した賃料は平均額であるため目安でしか使えません。
 
一般的に、部屋ごとに間取りや階数、設備などが違っているため、それぞれの部屋ごとに賃料を個別に設けていくようになります。
 

ライバル物件との比較から適正な賃料を検討する

ライバル物件の賃料との関係で、入居している人にとって賃料が得かどうかは決まります。
 
近くでライバルになるような物件は、いくらに賃料がなっているかを調査します。
 
家主としては希望額をギリギリまで安くしているはずでも、同じような物件の賃料がより安くなっていると、入居する人は自然にそちらを選択します。
 
しかし、条件は全く同じではあり得ないため、部屋の広さ・間取り、物件の構造、最寄りの駅までの時間・距離、立地、設備内容などをベースにして、学生、単身者、ファミリーなど想定しているターゲットにとってライバルになりそうな物件と比べて検討するようになります。
 

賃料を決定する物件そのものの要素

一般的に入居する人が重視する物件そのものの要素としては、次のようなものがあると言われています。
 

  • マンションかアパートかという構造
  • 部屋数、洋室か和室かという間取り
  • 角部屋か、何階かという部屋の位置
  • 部屋の広さ
  • 古いか、新しいかという築年数
  • 風呂トイレ別か、ユニットバスか
  • エアコン、コンロ、洗濯機置き場、インターネットなどの設備
  • 敷地内駐車場、宅配ボックス、セキュリティー

 
このようなものはライバル物件と比べやすいため、賃料を決めるときも重要視すべきです。
 

賃料を決定する住環境の要素

賃料を決定する要素としては、建物そのものだけでなく、次のようなものが住環境として重視されます。
 

  • 近くの駅からの距離
  • コンビニ、スーパーまでの距離、近くの駅からの途中にあるか
  • 病院、学校など
  • 公共施設の郵便局など

 
入居する人は、建物そのものの要素にこのような住環境の要素をプラスして比べながら、トータル的にお得であると考えたところを選択します。
 
近くの駅から10分と20分では賃料をどの程度の違いにするのが適正かなど、近くの物件と比べる中において相場がある程度決定していることもあります。
 

賃料を決定する特別な条件設定

価値を特別な条件設定でプラスする方法もあります。
 
金銭的な条件設定としては、礼金や敷金の金額を安くする、賃料をフリーレントで一定期間無料にする、敷引きをしない、などが典型的なものです。
 
この他の条件設定としては、楽器可やペット可、女性だけ、2人入居可、学生だけというようなものがあります。
 
このような特別な条件設定によって、ライバルの物件とは違った魅力をアピールすることができ、賃料が同じでも入居したい人によく選ばれるようになるでしょう。

賃貸経営では賃料の決め方を把握する

賃貸マンションや賃貸アパートを検討するときは、まずどのようにして賃料が決められるかを把握することが必要です。
 
賃貸経営では、賃料収入から税金や運営費などの経費を差し引いた残りが収益になります。
 
そのため、賃料は収入がどの程度になるかを計算するときにベースになる数値です。
 
賃貸経営に成功しない人は、自分でこのベースになる数値を検証しないで、不動産業者が示す賃料をそのまま信用してしまいます。
 
収入が実際にどの程度になるかをきちんと自分で検証できると、投資に成功する確率は非常に高くなります。
 

賃料の適正な設定基準

賃料の適正な設定は、賃貸経営が成功するかどうかの大切なポイントになります。
 
賃料を適正に設定するときは、バランスよく利回り、収益、周りのデータを検討して決定します。
 

利回り

不動産物件の広告に記載されている利回りは、ほとんど表面利回りで経費を考えていません。
 
物件によって経費は違っており、利益がコストプッシュによって出ないような物件も多くあります。
 
利回りを検討するときは、税金や経費を除いた実質利回りがどの程度になるかが大切です。
 

収益

賃貸経営において収益を獲得する方法としては、賃料収入とキャピタルゲインがあります。
 
賃料収入は、物件を持っている期間の収益です。
 
キャピタルゲインは、物件を売却した価格と購入した価格の差額です。
 
利益は、安く購入して高く売却すると出るようになります。
 
一般的に、現在の状況では物件価格は年数が経つと低下しますが、建物や立地、管理状態などによって物件価格が低下しにくい物件を選択すると、物件を売却した価格と購入した価格の差額で収益を確保することができます。
 

周りのデータ

周りの同じような物件の賃料と比べることは、必ず検討しましょう。
 
近くの賃貸物件数、需要が少なく空室が目に付く、需要が多く品薄であるなどの賃貸状況、子育て環境がいい、学校が沿線に多いなどの街のポテンシャル、物件の周りのデータが多くあるほど判断するときに有利になります。
 

賃料を決定するために情報を集める方法

賃料を決定するときは、周りのライバルの物件や価格が同じような物件などの情報を集めることは必ず必要です。
 
具体的に情報を集める方法としては、次のようなものなどがあります。
 

  • 賃貸情報誌やネットなどを利用して近くの賃貸物件の手数料や価格などを検索する
  • 物件の周りの不動産業者が掲示している物件の家賃および概要の把握
  • 地域の不動産業者への聞き取り

 
しかし、素人では不動産業者への聞き取りは困難なこともあります。
 
そのため、パートナーとして不動産投資の信頼できるプロを選択するのも、情報を確実に集めるための早道です。
 

賃料を決定する方法

設定した基準をベースにして、プラスに実質利回りがなり、周りの同じような物件と比べて競争力がある賃料を検討します。
 
建物の構造、近くの駅からのアクセス、階層などのいろいろな要素を考えて賃料を設定します。
 

入居する人が現れやすくなる方法

利回りに影響する賃料を値下げしないで入居する人を確保する方法として、一時的に費用を安くするものがあります。
 
例えば、礼金・敷金を安く設定する、入居した後に賃料をフリーレントで一定期間無料にするなど、借主にアピールできる施策を検討します。
 

売却することを将来的に検討している場合

賃貸物件の売却価格を決定するのは、やはり賃料収入です。
 
賃貸物件を将来的に売却したいと思っているのであれば、賃料を安くするのは間違いなく不利になります。
 
多少付加価値をアップするために投資をしてでも、高めに賃料レベルを維持しましょう。
 

賃料を決定するその他の方法

賃料を決定するその他の方法としては、利回り法や積算法があります。
 

利回り法

利回り法は、現在ある物件の賃料を世の中の環境によって見直すものです。
 
賃料を決定する方法は、継続賃料利回りと基礎価格を掛けたものに価格時点での必要な諸経費をプラスします。
 
なお、基礎価格は、土地代と建物代をプラスした元本価格です。
 
継続賃料利回りは、現在の賃料を決定した時点の基礎価格に対する実質賃料から必要な諸経費を差し引いた純賃料の比率をベースに、周りのデータや物件評価額の変動を考えて設定します。
 
賃料を決定するときは、多くの考えるべき要素があります。
 
ポイントを押さえることによって賃料設定が効果的にできます。

積算法

賃料を新しく決定するときに、家主の利益を獲得することを考える方法です。
 
賃料を決定する方法は、期待利回りと基礎価格を掛けたものに必要な諸経費をプラスします。

賃料の不動産鑑定評価による決め方

賃料の決め方は2つある

賃料の不動産鑑定評価による決め方は、ほとんどの人が知らないでしょう。
 
賃料の決め方は、借主サイドには見えないところであるためわからないものです。
 
しかし、不動産投資をするときは、賃料の不動産鑑定評価による決め方は把握しておく必要があります。
 
賃料の決め方は、主として新規賃料鑑定評価手法と継続賃料鑑定評価手法の2つがあります。
 

新規賃料鑑定評価手法

新規賃料鑑定評価手法は、新しく賃貸借契約をするときに決める賃料を計算する不動産鑑定評価の手法です。
 
評価手法としては、市場性に注目した賃貸事例比較法、費用性に注目した積算法、収益性に注目した収益分析法があります。
 
賃貸事例比較法は、市場でどの程度の賃料で取引されているかをベースにして計算します。
 
同じような条件と比べるため、居住するためのマンションに向いている方法です。
 
積算法は、建物が費用をどの程度かけたかをベースに賃料を計算する方法で、原価方式を使って評価します。
 
収益分析法は、利益をどの程度生み出せるかをベースにして計算します。
 

継続賃料鑑定評価手法

継続賃料鑑定評価手法は、現在続けている賃貸借契約を更新するときに使います。
 
新規賃料鑑定評価手法と違っているのは、契約している当事者同士の経済合理性だけが要求されることです。
 
現在の賃料との差額を計算するときは、差額配分法を使います。
 
同じような物件を新しく賃貸するときに必要な新しい賃料との差額を検討して、この差額の一定の部分を考慮して計算します。
 
継続賃料利回りを掛けて計算するときは、一般的に利回り法を使います。
 
利回り法は、純賃料の時価に対する比率を計算して、対象物件の時価に掛けて計算します。
 
現在の賃料から変動率を掛けて計算する方法をスライド法と言います。
 
スライド法は、現時点までの変動率を払っている賃料に掛けて計算します。
 
試算賃料を継続賃料事例から計算するのは、賃貸事例比較法と言います。
 
賃貸事例比較法は、いろいろな事例を集めて補正をして計算します。
 
賃料は、このようにいろいろな方法を使って決定されます。
 
賃料の決め方は面倒であるため、不動産鑑定評価に熟知しているプロに相談するのがおすすめです。

賃料を空室対策で値下げするのは最後の方法

賃貸アパートや賃貸マンションの家主の中には、退去してから数ヶ月経ってもなかなか空室が埋まらなくて悩んでいる人も多くいるのではないでしょうか。
 
このような家主の中には、モデルルームや設備投資などアプローチを幅広く行ったが、なかなか入居する人が現れないときに、最後の方法として賃料を値下げすることを考えている人もいるでしょう。
 
賃料を値下げすることは、確かにアピールポイントとしては最も大きなものになるでしょう。
 
しかし、収益を安定して獲得するには、賃料を単純に値下げしないことが大切です。
 
では、賃料を値下げする方法としてはどのようなものがいいのでしょうか?
 
ここでは、賃料を値下げする目安の金額と、賃料を値下げするときに注意することについてご紹介します。
 
では、賃料は入居している人にとってどの程度の重要性があるのでしょうか?
 
ここでは、ある不動産のポータルサイトが実施した「物件探しで重要視する項目についてのアンケート」の調査データを参考までにご紹介します。
 
物件を探すときに重要視する項目としては、次のようになっています。
 

  • 第1位は賃料
  • 第2位は近くの駅からの距離
  • 第3位は通学・通勤時間

 
男性女性・ファミリー・単身者に関係なく、「賃料を重要視する」と約7割以上の人が回答しています。
 
そのため、賃料は物件を探すほとんどの人にとって妥協がなかなかできないということになります。
 
このようなデータは、賃料を値下げすべきか考えている人にとっては決め手になるかもしれません。
 
しかし、賃料を単純に値下げすべきであるということではありません。
 
実際には、賃料を値下げしなくても、家主と入居している人の両方にメリットがある方法があります。
 

入居する人を賃料設定で多くするためには?

空室が継続して、賃料設定の見直しを考えている家主にとって、入居する人を賃料の値下げなしで多くすることは魅力があると思うでしょう。
 
しかし、先にご紹介したように、物件を探しているほとんどの人は賃料を重要視しているので、お得さを賃料の値下げ以上に感じさせることが大切です。
 
では、物件を探している人にお得であると感じさせるには、賃料を単純に値下げする他にどのようなことを行うといいのでしょうか?
 
入居する人を賃料設定で多くするためには、次のようなことを行いましょう。
 

一定期間のみ賃料を半額にする

賃料を値下げしないで、一定期間のみ賃料を半額にするのは、案外と多くの家主が行っています。
 
基本的に、半額の賃料の期間としては半年が多くあります。
 
空室をいかに早く埋めるかを重要視するときは、半額キャンペーンを半年間実施するのがおすすめです。
 

複数月にフリーレントを設定する

フリーレントは賃料が一定期間だけ無料になるものですが、イニシャルコストを安くしたい人に人気になっています。
 
「フリーレント」というキーワードで賃貸情報サイトなどで検索してみれば、期間として約1ヶ月~3ヶ月を設定している物件が多く、特に最も目につくのは1ヶ月のフリーレントです。
 
ライバル物件と差別化するのであれば、複数月にフリーレントを設定するのがおすすめです。
 
例えば、2年契約の7万円の賃料の物件で、空室が3ヶ月の後に3000円賃料を値下げて空室が埋まったときと、フリーレントが3ヶ月で空室が埋まったときの賃料収入を比べてみましょう。
 
空室が3ヶ月の後に3000円賃料を値下げして空室が埋まったときの賃料収入は、2年契約で空室が3ヶ月であるため6万7000円に21ヶ月を掛けた140万7000円になります。
 
一方、フリーレントが3ヶ月で空室が埋まったときの賃料収入は、2年契約でフリーレントが3ヶ月であるため7万円に21ヶ月を掛けた147万円になります。
 
このように、3ヶ月のフリーレントを設定したにも関わらず、賃料を空室対策として値下げする方が賃料収入が多くなることが分かります。
 
空室を埋めるために賃料を単純に値下げするよりも、フリーレントをできる限り早い時期に設定する方が、家主と入居する人の両方がお得になる可能性が大きくなります。
 

賃料以外の駐車場代などを値下げする

駐車場代は車を入居している人が持っていると獲得できるため、賃貸物件に付いている駐車場代は収入のメインにはなりません。
 
しかし、入居している人が車を持っており、賃料について交渉されたときは、駐車場代をまず値下げしてみましょう。
 
駐車場だけでなく、倉庫や農園など、賃貸物件に付いているものがあれば、このようなものを値下げするのがおすすめです。
 
賃料をわざわざ値下げしなくても、入居している人にとって月々の賃料が安くなるので、最終的に家主も入居している人もお得になります。
 
しかし、ここでご紹介したことでも、空室が必ずしも埋まるとは限りません。
 
設備や建物が古くなると当然資産価値も低下しているので、いずれ賃料の値下げは考える必要があります。
 
では、どの程度の賃料を実際に値下げするといいのでしょうか?
 
また、賃料の値下げは1年経つたびに1%必要であるということを聞いたこともあるでしょう。
 
しかし、逆に言うと、この数値はほとんどの家主が目安にしている賃料の値下げのものであるため、値下げがこの数値と同じではライバル物件と差別化できないことも想定されます。
 
そのため、魅力がより感じられるように賃料を値下げすることが大切です。
 

プロの家主が実施している賃料を値下げする方法

ここでは、プロの家主が実施している賃料を値下げする方法についてご紹介します。
 

2,000円~3,000円程度適正な賃料から値下げする

 
相場より安いと、物件を探している人に感じてもらうことが大切です。
 
そのため、十分に周りの相場をチェックして、不動産業者や管理会社と相談しながら、2,000円~3,000円程度適正な賃料から安くした賃料が、最もいいと言えます。
 
空室を早く埋めたいため、賃料の値下げを大幅にしたいと思っている家主もいるでしょう。
 
入居する人にとっては、賃料が安いほど嬉しいことです。
 
しかし、賃料が周りの相場より安すぎると「どうしてこんなに安いのか」と不審に思われることもあるため、全く意味がありません。
 
そのため、賃料を値下げするときは、2,000円~3,000円程度適正な賃料から値下げするのが、物件を探している人に不安を持たれない賃料であると言えます。
 

賃料は値下げして共益費・管理費は値上げする

案外と入居率がアップする方法としては、賃料は値下げして共益費・管理費は値上げするものもあります。
 
最終的に入居している人が払うトータルの家賃は同じであるにも関わらず、どうして入居率がアップするのでしょうか?
 
この理由としては、不動産ポータルサイトでの露出があります。
 
不動産ポータルサイトでは、物件を検索するときに賃料を「5.5万円以下の物件」などと指定することができますが、この金額には共益費・管理費は実際には含まれていません。
 
例えば、次のようなトータルの賃料が5.9万円の物件のケースで考えてみましょう。
 
5.7万円の賃料と2千円の共益費・管理費のケースは、「5.5万円以下の物件」の検索ではヒットしません。
 
一方、5.5万円の賃料と4千円の共益費・管理費のケースは、「5.5万円以下の物件」の検索でヒットします。
 
このように、トータルの賃料は同じでも賃料そのものが安いと不動産ポータルサイトでは露出が多くなるので、物件を多くの人が見てくれます。
 
そのため、入居に繋がる機会がその分多くなります。
 
賃料を単純に値下げすることは最後の方法と考えて、物件を可能な限り多くの人に見てもらうように工夫しましょう。
 

賃料を値下げするときに注意すること

ここでは、最終的に賃料を値下げするときに注意することについてご紹介します。
 

賃料と共益費の表示

賃料を値下げして共益費を値上げしてもトータルの賃料は同じですが、基本的に礼金や敷金は共益費・管理費の金額は含まれません。
 
そのため、トータルの毎月の賃料収入は同じですが、礼金や敷金などでの収入は少なくなることを把握しておきましょう。
 
また、入居している人に部屋とは違った敷地にある倉庫を貸して、共益費に利用料を含むときなどは消費税がかかることがあります。
 
最終的に消費税は家主が納める必要があるので、課税されるかどうかを十分にチェックし、課税されるときは入居している人から徴収するようにしましょう。
 

現在入居している人への対応

賃料を値下げしたときは、不動産ポータルサイトには入居条件を値下げした後の賃料で載せるようになります。
 
しかし、賃料を値下げされたということがすでに入居している人にわかると、賃料の値下げを同じように要求される可能性があります。
 
もし要求を断ったときは、納得できなくて退去になる可能性もあるので、可能な限り要求に対応するようにしましょう。
 

賃料を値下げするデメリットと空室対策とは?

賃貸経営では、いかに空室になる期間を短くするかが大切です。
 
空室対策としてはいろいろありますが、賃料を値下げすることが最も簡単なものです。
 
しかし、賃料を値下げすることは、デメリットがいくつかあります。
 
ここでは、賃料を値下げするデメリットと空室対策についてご紹介します。
 

賃料を値下げするデメリット

空室対策としては、賃料を値下げすることをすぐに考えがちです。
 
しかし、デメリットを把握しないで賃料を値下げすると、トラブルが新たに発生するときもあります。
 
賃料を値下げすると次のような3つのデメリットがあります。
 

入居している人のレベルが低下する

入居している人のレベルが低下することによって、賃料が滞納される可能性が大きくなります。
 
賃料が滞納されると、収入がないにも関わらず税金は払う必要があるため、キャッシュフローが少なくなることが考えられます。
 
また、賃料が滞納されることによってメンタル的な苦しみもあります。
 
不動産業者に賃料の管理を任せるときも多くありますが、やはり気掛かりでしょう。
 

キャッシュフローが少なくなる

例えば、8万円の賃料をもし7万円に値下げするとキャッシュフローが年間に12万円少なくなります。
 
少しでも賃料を値下げすると、長期的に見ればキャッシュフローが無視できなくなります。
 

売却価格が低下する

物件をもし売却するときは、価格が利回りを基準に決まるため、売却価格は賃料収入が高いほどアップします。
 
そのため、先々売却することを検討しているときは、売却価格への影響も考慮したうえで賃料を値下げするようにしましょう。
 

賃料を値下げする前に行うこと

では、賃料を値下げする前にはどのようなことができるのでしょうか?
 
家主が入居する人を募集するときに工夫しているのはあまりありません。
 
そのため、入居する人を募集する方法などをちょっと変更するのみで空室が埋まるときもあります。
 
具体的には、次のような3つの方法があります。
 

賃料設定において共益費と賃料の設定を変更する

共益費と賃料をトータルした金額で物件を検索する人も最近は多くなっていますが、まだ賃料だけで検索する人もいます。
 
そのため、トータルの金額が同じ8万円でも、募集するときに「8万円の賃料」と「7万円の賃料、1万円の共益費」では後者の方がよく目に留まるようになります。
 
この方法は、変更が簡単にできてしかも効果が期待できるものです。
 

一眼レフカメラで物件の写真を撮る

現在は部屋を探すときにインターネットを利用する人が多いので、物件情報のページにきれいな物件の写真を載せることによって、別の物件と差別化を図ることができます。
 

入居する人を募集してくれる仲介業者を多くする

入居する人が集まる可能性は、募集してくれる仲介業者が多くなるほど大きくなります。
 
入居する人を募集するためのお願いは電話でもできるため、信頼関係を仲介業者と築くためにやり取りを粘り強くしていきましょう。
 

賃料を値下げすることは最後に考える

先にご紹介したように、賃料を値下げする前にできることはいろいろあります。
 
賃料を値下げするとメリットだけでなくデメリットもあるため、その前にできることをまず行うことによって空室対策をする方がいいでしょう。
 
不動産投資を行うときは、賃料を値下げするのは最後に考えるという意識で空室対策などを行うことが大切です。

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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