セルフリノベーションで不動産投資費用を抑えよう!
【目次】
どこまでできる?セルフリノベーション
中古の不動産に投資する場合、リノベーションが必要な場合がほとんどです。
リノベーションを行えば行うほど物件のグレードは上がり、入居者に魅力的な物件になります。
しかしリノベーションにお金をかけ過ぎると、利回りが悪化してしまう可能性もあるでしょう。
そんな時にオススメなのが、自分でリノベーションすること。
リフォーム業者に依頼せずに自分で設計・施工・仕上げまで行うことを、セルフリノベーションと言います。
テレビ番組「有吉ゼミ」では八王子リホームという企画が人気を博しており、タレントのヒロミが、一部業者の力を借りるものの、セルフリノベーションに取り組んでいます。
初めてのリノベーションはなかなか難しいかもしれませんが、最初は業者の力を借りながらでも腕を上げていけば、最終的にほぼ全てセルフリノベーションできるようになり、高利回りを実現できるようになるかもしれません。
そこで今回は、セルフリノベーションのメリット・デメリット、業者に依頼した場合との比較、リノベーションの注意点をご紹介していきます。
セルフリノベーションのメリット
業者に依頼するよりも自分でリノベーションした方が、様々なメリットを期待できます。
コスト削減により高利回りを期待できる
セルフリノベーションの最大のメリットは、リノベーションにかかる費用を最低限に抑えられることです。
リノベーションを業者に頼むと設計料から材料費、人件費まで支払うことになるので多額の費用が必要ですが、セルフリノベーションに必要なのは、材料費のみです。
例えば6畳の部屋の壁・天井の張り替えを業者に依頼した場合、費用の相場は5〜6万円。
30坪の一戸建て住宅の場合では、費用の相場は60〜65万円です。
では、セルフリノベーションの場合はどうでしょう?
6畳の部屋の壁・天井の張り替えをセルフリノベーションした場合、費用の相場は道具費込みで8,000円前後。
30坪の一戸建て住宅の場合では、費用の相場は10万円前後です。
部屋が狭いと費用の差も小さいですが、部屋が大きくなればなるほど、費用の差も大きくなります。
セルフリノベーションと業者依頼では、4〜50万円も費用に差が出るのです。
業者に依頼した場合にかかる設計費や人件費を材料費に当てれば、セルフリノベーションでは素材のグレードを上げることもできます。
つまり、セルフリノベーションで費用削減だけを狙うだけでなく、逆にとことんこだわることもできるのです。
浮いたお金で部屋のイメージに合わせた家具や家電を備え付ければ。家具・家電付き物件として貸し出すことも可能になります。
自分のイメージで部屋を作ることができる
業者に依頼した場合、細かいニュアンスなどが上手く伝わらなかった場合、イメージと実物とに解離が出るかもしれません。
しかしセルフリノベーションは腕さえあれば、自分でイメージ通りの部屋を作ることができます。
賃貸として貸し出すので、あまりに個性的になってしまうと借手が少なくなってしまいますが、センスのいい人であればオシャレな部屋にリノベーションができるので、逆に借手を増やすことができるでしょう。
センスが良い部屋は他の物件との差別化にも繋がり、入居者付けに優位になります。
道具なしで簡単にできるリノベーションがある
本格的にリノベーションをするには、道具を買い揃える必要があり、ある程度の初期投資もかかります。
そんな人には初心者でもできる簡単なリノベーションからスタートすることをおすすめします。
壁紙のリノベーションの場合、まず壁紙を剥がして新しい壁紙を貼ります。
壁紙を剥がすだけでも重労働で、綺麗に剥がせたとしても、新しく貼った壁紙と壁との間に空気が入ってしまったり、まっすぐ貼れないこともあります。
そこで役に立つのが、ノリ付きの壁紙シートです。これは現存の壁紙の上から貼れるので、わざわざ壁紙を剥がす必要がありません。
ノリ付きの壁紙シートのフィルムには、必要な分をカットしやすい目盛りが付いているものもあります。
ノリが乾くまでは何度も貼り直しができるので、失敗がしにくいのです。
空気が入ってしまっても、生ノリを使用している場合はハケで簡単に空気を抜くことができます。
ノリ付きの壁紙シートで壁紙の上から壁紙を貼るだけでも、部屋の印象は大きく変わりますよ。
セルフリノベーションのデメリット
イメージ通りの部屋を低コストで作ることができるセルフリノベーションですが、もちろんデメリットも存在します。
失敗する可能性があり、入居者が増える保証もない
セルフリノベーションはあくまで素人によるリノベーションのため、失敗してしまう可能性もあります。
壁紙が上手く貼れず、何度も貼り直すことで材料費が上がってしまった…なんてケースもあるでしょう。
リノベーションをしたものの、雑さが目立つ部屋になってしまえば、逆に安っぽく見えるかもしれません。
また、業者に依頼すると、施したリノベーションに対して保証を行ってくれますが、セルフリノベーションには保証もありません。
万一トラブルが発生しても、自分で責任を取らなくてはいけないのです。
計画が疎かであると予想以上に工期が伸び、何ヶ月も賃貸物件として貸し出すことができないということも考えられます。
無計画に進めたせいで、途中でリノベーションに飽きたり、断念したくなることもあるでしょう。
その結果、業者に続きのリノベーションを頼むしかなくなってしまい、安く済ませたつもりが高くついてしまうこともあります。
セルフリノベーションを行う際は、体力と時間、自分の腕も考慮して計画を立てる必要があります。
専門知識・資格がない部分はセルフリノベーションできない
セルフリノベーションではどこでも好きにリノベーションできるわけではありません。
特に電気、ガス、水道関係の設備は、専門的な知識や資格を持っていないのであれば、リノベーションしない方がいいでしょう。
漏電、ガス漏れ、水漏れの原因になってしまいます。
費用を浮かせるため、できる範囲でセルフリノベーションしたいと考えていても、専門的な知識・資格がない部分に関しては、業者に依頼した方が良いでしょう。
自己判断で手をつけてしまうと、大きなトラブルに発展するかもしれません。
セルフリノベーションできない部分は業者に依頼
「全部セルフリノベーションしよう!」と張り切り過ぎる人も多いですが、やってみると不得意な箇所や自分ではできない部分も出てきます。
前述した通り電気、ガス、水道設備は、素人にはリノベーションが難しいデリケートな箇所です。
セルフリノベーションには限界があるので、自分で行うことが難しい箇所に関しては頑張らずに業者に依頼しましょう。
業者に任せると、 骨組み以外を丸ごと変えるスケルトンリフォーム(フルリフォーム)も可能で、間取りや家全体の構造を大きく変えることもできます。
リノベーションできない物件もある
セルフリノベーションでも業者依頼でも、どちらにせよリノベーションがそもそもできない部分もあります。
一戸建て住宅とマンションで、それぞれできないリノベーションを確認しましょう。
一戸建て
購入した一戸建ては建物全体が自分の財産なので、マンションと違い、建物に関する管理規約などはありません。
そのためリノベーションの自由度が高く、基本的にどんなリノベーションも可能です。
しかし、一戸建てでも、2×4工法やプレハブ工法で建てられた住宅は、建物を支える役割をしている耐力壁を壊すことができません。
そのため間取りを大きく変更することができず、必ずしも希望通りにリノベーションできない可能性があります。
また、一戸建てでもリノベーションが法律や条例に違反していないかを確認することが大切。
もしも違反している場合は、リノベーションができません。
リノベーションは、建築基準法や都道府県が制定する建築に関する条例を遵守する必要があります。
それ以外にも、消防法や下水道法、浄化槽法など住宅に関する法令は多岐に渡ります。
景観を重視する地域では、外壁に使用する色や建物の高さに制限があることも。
素人が全ての法令に違反していないか確認することは難しいので、大規模修繕する場合は法令についてプロに確認したのちにリノベーションを行いましょう。
マンション
マンションの区分所有では、マンションの部屋は自分の財産ですが、建物全体はマンション住民全員の財産です。
そのためマンションの場合、玄関ドアの交換やバルコニー・ベランダの増改築など、マンションの共用部分にあたるスペースはリノベーションできません。
マンションの建物の構造は、大きく分けて壁式構造とラーメン構造の2種類です。
壁式構造の場合、建物を支える構造壁を壊すことができません。
壁式構造はラーメン構造よりも建物が丈夫ですが、間取りを大きく変えることができない造りです。
ラーメン構造は基本的に壁の取り外しや移動ができ、間取りも自由に変更しやすいのが特徴。
しかし、間取りを変えることで建物を支える太い柱や梁が室内に突き出してしまい、部屋に凹凸ができてしまうこともあります。
マンションにも戸建にも、リノベーションに関する建物の構造や規約・法律などの制約があるはず。
まずはこれを確認し、どこまでのリノベーションが可能かを把握した上で、計画を立てましょう。
セルフリノベーション注意点・情報まとめ
DIYが流行していることもあり、素人でも簡単にリノベーションできるようになり、業者に頼む必要がないリノベーションも増えてきました。
しかし、素人がむやみやたらにリノベーションしても上手くいかないことが多いので、できるところとできないところを見分けることが大切です。
できないところは無理をせず業者に依頼するなど、上手くセルフリノベーションと業者を活用していきましょう。
最近ではDIY可能な賃貸物件も人気のため、リノベーションは必要最低限にしてしまい、入居者が好きなように部屋をリノベーションできるようにしても良いでしょう。
入居者が代わりにリノベーションしてくれると、リノベーション費用を大幅に抑えることができます。
退去した際も部屋を元に戻す必要がない契約にしておけば、センスの良い入居者がDIYした部屋は、次の入居者からも喜ばれる部屋になります。
他物件との差別化も可能な上に、センスのある部屋に仕上がっていれば入居者付けの力も強くなるので、一つのアイデアとして検討してみては?
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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