トランクルームへの投資が注目されている理由とは?

公開日2020/05/15
更新日2022/12/22

トランクルームとは

トランクルーム
トランクルームとは、個人や企業の物品を保管する貸し倉庫のことです。
 
自宅に収納スペースを確保することができなかったり、趣味のグッズの保管場所として、様々な理由や要望でトランクルームを利用される方がいます。
 
自宅収納の延長として利用できることから、個人だけでなく、書類などの保管のために使う法人の利用もあります。
 
トランクルームの需要は年々高まる一方で、市場調査によると、トランクルームを展開している店舗の数は2018年に9,500店を突破し、ファミレスの9,600店舗に迫る勢いです。
 
250世帯に1世帯の割合で、トランクルームを利用していることになり、市場規模も8年で2倍に成長
 
不動産投資の面でも、”トランクルームの投資・経営は有望”と注目されています。
 
土地活用としてトランクルーム経営を始めるほか、空きテナントが目立ち、利回りの悪いオフィスビルをトランクルームとして運営するなど様々な活用法があります。
 

トランクルームに投資するメリットと方法

賃貸経営に比べ手軽に始めやすいのが、トランクルームへ投資する最大のメリット。
 
トランクルームに投資するには、まず「室内型」か「屋外型」か、どちらに投資を行うのか考える必要があります。
 
ビルのスペースをパーテーションなどで区切り、それぞれの区画ごと貸すのが「室内型トランクルーム」。
 
土地にコンテナを置き、コンテナ丸ごと1つを貸し出すのが「屋外型トランクルーム」。
 
初期費用の相場として室内型は、既存のビルを改修する費用として300~800万円、屋外型は土地を持っていると仮定し、コンテナを用意し設置する費用として500~1000万円かかります。
トランクルーム
初期費用はかかりますが、トランクルームは維持費がほとんどかからないというメリットがあります。
 
維持費としてかかるのは、修繕費と電気代、防犯対策費くらいでしょう。
 
トランクルームは借主が24時間好きな時に来て、物の出し入れができますが、強盗にも狙われやすいです。
 
特に誰でも入れるような場所にあるトランクルームは、防犯対策をしっかりと行わないと安心して利用してもらうことができません。
 
トランクルーム投資では、室内型・屋外型に限らず、監視カメラや警備システムを導入するなどの防犯面の強化が求められます。
 

空きテナントをトランクルームに改装する

空きテナントをトランクルームに改装することで、収益を拡大させる方法も投資として有効です。
 
しかし、1からトランクルーム用にビルを建設するのは余程の資金力がないと難しいでしょう。
 
個人が行う不動産投資では、そもそもビルを1棟建てることができるほどの資金力を持ち合わせている人はごくわずか。
 
そのため、土地活用としてのトランクルーム投資に興味のあるという方は、室内型より屋外型トランクルームへの投資の方をオススメします。
 
現在ビル所有しておりトランクルームに改修する場合は、荷物の持ち運びがしやすい1階部分を利用すると良いでしょう。
 
1階以上に作るのであれば、重たい荷物を収納するためのエレベーターは必須です。
 
トランクルームに預ける荷物の中で一番多いのは、家具で全体の40.8%
 
そのため家具を持ち運びしやすい作りになっていないと、利用者を集めることが難しくなる可能性があります。
 

トランクルーム経営は自主管理も外部委託も可能

押印する人
トランクルームの経営には、自主管理型と外部委託型があります。
 
自主管理では、オーナー自ら投資から日々の運営まで全てを行います。
 
トランクを借りる人を自分で見つけ、コンテナの使用についての賃貸借契約を結び、日々コンテナの管理などを行わなくてはいけません。
 
もちろんその中には、面倒なクレームへの対応や賃料未納者への取り立てなども含まれます。
 
外部委託型では、委託方式により経営方法が主に3種類に分けられます。
 

事業用定期借地方式

事業用定期借地方式では、トランクルーム業者へ土地を定期借地します。
 
オーナーは何もせず土地を貸すだで、トランクルーム業者がコンテナの設置から運営まで全てを行います。
 
業者がトランクルームの貸主となり、利用者に転貸するのです。
 
トランクルームの運営者は土地を借りている業者になるので、オーナーが得られるのはトランクルームの売り上げに関係なく、貸した土地の賃料になります。
 
トランクスームの設置から運営まで全て業者が行ってくれるので、最もオーナーに負担のない委託方式です。
 
最大限時間をかけたくない方や土地が広く、管理しきれない場合は事業用定期借地方式での委託がオススメです。
 

業務委託方式

業務委託方式では、オーナーがトランクルームの設備投資や経営を行い、細かい業務のみを業者に委託します。
 
基本的に自分で運営を行い、自分では運営することが難しいところだけを業者に委託するので、業者への委託費を安く済ませることができます。
 

リースバック方式

リースバック方式は、オーナーが建物やコンテナを用意し、業者に貸し出す方式。
 
建物やコンテナの整備までをオーナーが行い、経営は全て代行してもらいます。
 
売り上げに対し、業者の取り分が大きくなりますが、最初の整備さえ行ってしまえばオーナーには仕事の負担が一切なく、毎月業者からリース費用を受け取ることができます。

トランクルームは利回りが高い!想定利回りは45%

トランクルーム
トランクルームに投資が人気を集めている理由の一つに、想定利回りの高さがあります。
 
想定利回りとは満室状態であると想定し計算した収入を、初期投資費用で割ることで算出できる数値で、単純利回りと呼ぶ場合もあります。
 
室内型のトランクルームの想定利回りは45%屋外型でも35%と高い利回りを誇っています。
 
「あくまで想定利回りでは?」と信じられない方もいるかもしれません。
 
しかし、年間収入から固定資産税やメンテナンス費、諸経費を差し引き、それを初期費用で割ることで算出できる実質利回りも高いのがトランクルーム。
 
室内型のトランクルームの実質利回りは17%、屋外型でも13%です。
 
都心部の区分マンションの平均利回りが、新築で3%後半~4%前後、中古(築20年~築35年)で7%~10%なので、トランクルームの利回りが遥かに高いことが良く分かります。
 

土地さえあればコンテナを置くだけ

屋外型のトランクルームルームでは、コンテナを設置するだけでトランクルームが完成します。
 
土地さえあれば、コンテナを用意するだけで始められるのです。
 
賃貸物件を建てるのとは違い、複数回も不動産会社や建設会社と打ち合わせする必要はありません。
 
ただし、トランクルームも建築基準法の適用を受けるので、コンテナをただ置けば良いというわけではなく、建築基準法を満たした設置をしなければいけません。
 

クレームやトラブルが少ない

アパートやマンション経営と比べ、トランクルーム経営では利用者からのクレームやトラブルに発展することも少ないです。
 
基本的にトランクルームは荷物を収納していく場所なので、用がある時しか行きません。
 
賃貸住宅は、隣の家の生活音で住民同士が揉めたり、毎日使う場所なので清掃や管理に不備があるとすぐにクレームの連絡が入ります。
 
しかし、たまにしか行かないトランクルームでは、他のトランクルーム利用者と会うことも少なく、賃貸住宅よりも揉め事に発展しにくいと言えるでしょう。
 
屋内型のトランクルームでは空調をしっかりと行い、防犯対策もしておけば、管理の不備に対するクレームを避けられます。
 
屋外型のトランクルームに関しては、定期的に草むしりや虫対策を行わないと、利用者から管理管理の不備を指摘されることもあるので注意が必要です。
 
このようにトランクルームは、クレームやトラブルが少ないことも大きなポイント。オーナーの肉体的・精神的疲労減少に繋がります。
 

転用が簡単

トランクルーム経営が上手くいかず事業を撤退する際も、トランクルームは転用が比較的簡単です。
 
屋外型であればコンテナを退かせば、簡単に更地になるので建物を建てたり、駐車場に変えるなどすぐに他の使い方ができます。
 
屋内型でも仕切りに使っていたパーテーションを外したり、壁を壊せば空きテナントとして再利用可能です。
 
しかし、土地活用のために、ビルやマンションを建ててしまえば、経営に上手くいったからとってすぐに取り壊し、別の用途に使うということはできません。
 
取り壊すだけでも数千万円かかり、結局土地も建物も手放してしまうことに繋がるのです。
 
もしも経営がうまくいかなかった時のことを考えても、トランクルーム投資はリスクが少ないです。

トランクルーム投資のデメリット

電卓を指さす人

1区画ごとの賃料が安い

トランクルーム投資のデメリットは賃料の安さです。
 
賃料は収納スペースの広さや立地によっても変わってきますが、安いところで1区画数千円、高いところでも1万円程度。
 
そのためワンルーム分のスペースに10区画取れたとしても、収入は10万円に届かないケースがほとんどです。
 
トランクルームは単なる物置であり、利用者はトランクーム費用以外に住宅費を支払っています。
 
あくまで家賃の延長上に当たるため、トランクルームに使うことのできる費用には限界があることも覚えておきましょう。
 

屋外型トランクルームには空調設備が設置できない

屋内型のトランクルームであれば、空調を設置し室内を換気することで、カビや結露の発生を抑えることができます。
 
冷暖房が完備されていれば、夏でも冬でも利用者は快適に使えるでしょう。
 
しかし、屋内型のトランクルームでは、コンテナ内に空調設備を設置することができず、コンテナは日差しや雨風を直接受けることになります。
 
その結果、夏は高温多湿に、冬は結露が発生しやすくなり、中に置いていた物がダメになってしまうケースも多いのです。
 
特に、熱や水に弱い電気製品やカビに弱い服などは、被害に遭いやすいです。
 
コンテナルーム利用者との間でトラブルに発展しないように、契約時に保証や免責事項に関して取り決めを行いましょう。
 

空室リスクと競争激化

賃貸経営同様、トランクルームにも空室リスクがあります。
 
区画を使ってくれる人がいなければ、収入は0になってしまいます。
 
特に引っ越しの多い3〜4月は空きが多くなりますが、この時期は新しい借り手を見つけるチャンスの時期でもあるので、積極的に新規顧客獲得を狙っていきましょう。
 
周囲にトランクルームができてしまえば、競争も生まれます。
 
価格競争に陥ってしまうと、一気に収益率が下がってしまうため、需要や市場調査を行った上で、周辺に競合が少ない場所で投資を行うことをオススメします。

トランクルーム投資のまとめ

トランクルーム
デメリットもありますが、メリットが大きいことで注目を集めるトランクルーム投資。
 
少ない資金で始めやすく、高利回りな上に、失敗した時のリスクが少ないことが人気の理由でしょう。
 
もちろん投資にはリスクがつきものなので、「トランクルーム投資なら絶対に成功できる」とは言えませんが、空きテナントにお悩みの方や、土地活用法をお探しの方にはピッタリの投資法です。

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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