マンション売却相場はどれくらい?築年数や立地から相場価格を調べる方法

公開日2021/10/26
更新日2024/04/26

  • マンションを売却する際は、不動産業者に相談して買い手を探してもらうのが通常ですが、まず自分自身が相場を把握していないことには売却価格の妥当性を判断できず、高く売ることも難しくなってきます。マンションをできるだけ高く売りたいと考えるなら、相場を把握したうえで不動産業者に相談しなければいけません。 今回は、主要な都道府県におけるマンションの売却相場のほか、Web上で売却相場を調べる方法、また相場よりも安くなりやすいケースや高く売るための方法などについて解説していきます。

【目次】

マンション売却相場

主要な都道府県のマンション売却相場を知ろう

全国の主要な都道府県におけるマンションの売却価格相場をご紹介します。
 
根拠としたデータは、東日本レインズが発行している「月例速報 2024(令和6)年02月度 Market Watch〔全国版〕」です。
 
都道府県は2024年2月1日現在、人口の多い順に15都道府県をピックアップしています。

 

中古マンションの成約状況(m2単価および価格)は以下のとおりです。

m2単価 価格
東京都 101.31万円 6,058万円
神奈川県 58.46万円 3,114万円
大阪府 39.18万円 3,927万円
愛知県 33.56万円 2,485万円
埼玉県 45.52万円 3,156 万円
千葉県 41.15万円 3,038万円
兵庫県 38.81万円 2,782万円
北海道 29.61万円 2,347万円
福岡県 38.77万円 2,644万円
静岡県 28.96万円 2,039万円
茨城県 38.69万円 3,105万円
広島県 38.83万円 2,698万円
京都府 43.07万円 2,643万円
宮城県 37.12万円 2,651万円
新潟県 27.98万円 1,651万円

※参考:月例速報 2024(令和6)年02月度 Market Watch〔全国版〕

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/ZMW_202402data.pdf

 

ケース別!マンション売却相場の推移

投資

レインズの調査データをもとに、マンションの相場(売却件数/売却m2単価/売却価格/築年数)の推移を見ていきましょう。

 

  • マンション相場~「売却件数」の推移~
  • マンションの「売却件数」の推移を、エリア別(首都圏/中部圏/近畿圏/西日本)、および都道府県別(東京都/愛知県/大阪府/福岡県)でまとめています。
     
    売却件数は成約実績に基づいています。

     

    ▼エリア別

    売却件数 首都圏 中部圏 近畿圏 西日本
    2010 30,347件 4,908件 13,733件
    2011 28,871件 4,794件 14,217件
    2012 31,397件 5,126件 14,934件
    2013 36,432件 5,585件 16,506件 6,384件
    2014 33,798件 5,527件 16,282件 6,512件
    2015 34,776件 5,555件 17,189件 6,739件
    2016 37,189件 5,690件 17,111件 6,761件
    2017 37,329件 5,838件 17,218件 6,982件
    2018 37,217件 5,939件 17,598件 7,408件
    2019 38,109件 5,974件 17,852件 7,770件
    2020 35,825件 16,861件

     

    2010年から2020年にかけて、基本的にはすべてのエリアで売却件数が伸びていますが、首都圏・近畿圏において2020年の売約件数が前年を下回っているのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいと思われます。

     

    ▼都道府県別

    売却件数 東京都 愛知県 大阪府 福岡県
    2010 13,617件 3,883件 6,429件
    2011 13,317件 3,657件 6,620件
    2012 14,869件 3,903件 7,115件
    2013 17,688件 4,272件 7,867件 3,615件
    2014 16,600件 4,125件 7,617件 3,523件
    2015 17,199件 4,083件 8,100件 3,522件
    2016 18,817件 4,175件 8,230件 3,566件
    2017 19,353件 4,351件 8,451件 3,684件
    2018 19,087件 4,473件 8,810件 3,922件
    2019 20,016件 4,552件 9,030件 4,201件
    2020 18,654件 8,512件

     

    東京都・大阪府において2020年の売約件数が前年を下回っているのは、エリア別の件数と同様に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいと思われます。

     

  • マンション相場~「売却m2単価」の推移~
  • マンションの「売却m2単価」の推移を、エリア別(首都圏/中部圏/近畿圏/西日本)、および都道府県別(東京都/愛知県/大阪府/福岡県)でまとめています。
     
    売却m2単価は成約実績に基づいています。

     

    ▼エリア別

    m2単価 首都圏 中部圏 近畿圏 西日本
    2010 39.21万円 20.12万円 23.99万円
    2011 38.93万円 20.16万円 24.23万円
    2012 38.19万円 19.45万円 24.20万円
    2013 39.96万円 20.32万円 25.05万円 19.95万円
    2014 42.50万円 21.02万円 25.95万円 20.69万円
    2015 45.25万円 22.13万円 27.27万円 22.32万円
    2016 47.89万円 22.89万円 29.14万円 23.59万円
    2017 50.00万円 24.34万円 30.21万円 25.30万円
    2018 51.61万円 25.45万円 31.82万円 26.39万円
    2019 53.45万円 26.45万円 33.59万円 27.03万円
    2020 55.17万円 33.60万円

     

    ▼都道府県別

    m2単価 東京都 愛知県 大阪府 福岡県
    2010 51.80万円 20.53万円 24.81万円
    2011 50.47万円 20.85万円 25.01万円
    2012 49.27万円 19.87万円 24.65万円
    2013 52.26万円 20.71万円 25.62万円 18.41万円
    2014 56.22万円 21.57万円 27.10万円 19.24万円
    2015 60.45万円 22.84万円 28.87万円 21.44万円
    2016 63.95万円 23.72万円 31.44万円 22.87万円
    2017 66.30万円 25.22万円 32.59万円 24.53万円
    2018 68.58万円 26.29万円 34.67万円 25.78万円
    2019 70.67万円 27.41万円 36.51万円 26.59万円
    2020 73.33万円 36.71万円

     

  • マンション相場~「売却価格」の推移~
  • マンションの「売却価格」の推移を、エリア別(首都圏/中部圏/近畿圏/西日本)、および都道府県別(東京都/愛知県/大阪府/福岡県)でまとめています。
     
    売却価格は成約実績に基づいています。

     

    ▼エリア別

    売却価格 首都圏 中部圏 近畿圏 西日本
    2010 2,566万円 1,487万円 1,679万円
    2011 2,530万円 1,491万円 1,689万円
    2012 2,500万円 1,430万円 1,675万円
    2013 2,589万円 1,501万円 1,746万円 1,365万円
    2014 2,727万円 1,556万円 1,820万円 1,406万円
    2015 2,892万円 1,638万円 1,894万円 1,515万円
    2016 3,048万円 1,690万円 2,011万円 1,627万円
    2017 3,195万円 1,798万円 2,078万円 1,735万円
    2018 3,333万円 1,868万円 2,184万円 1,818万円
    2019 3,442万円 1,960万円 2,311万円 1,864万円
    2020 3,599万円 2,337万円

     

    ▼都道府県別

    売却価格 東京都 愛知県 大阪府 福岡県
    2010 3,176万円 1,541万円 1,715万円
    2011 3,069万円 1,566万円 1,730万円
    2012 3,030万円 1,481万円 1,683万円
    2013 3,162万円 1,555万円 1,765万円 1,319万円
    2014 3,347万円 1,626万円 1,890万円 1,336万円
    2015 3,560万円 1,734万円 1,966万円 1,453万円
    2016 3,769万円 1,779万円 2,140万円 1,565万円
    2017 3,935万円 1,894万円 2,208万円 1,674万円
    2018 4,136万円 1,955万円 2,345万円 1,781万円
    2019 4,279万円 2,059万円 2,465万円 1,814万円
    2020 4,512万円 2,518万円
  • マンション相場~「売却物件の築年数」の推移~
  • マンションの「売却物件の築年数」の推移を、エリア別(首都圏/中部圏/近畿圏/西日本)、および都道府県別(東京都/愛知県/大阪府/福岡県)でまとめています。
     
    売却物件の築年数は成約実績に基づいています。

     

    ▼エリア別

    築年数 首都圏 中部圏 近畿圏 西日本
    2010 17.57年 17.52年 18.57年
    2011 18.27年 18.60年 19.35年
    2012 18.97年 19.05年 20.13年
    2013 19.27年 19.63年 20.37年 19.09年
    2014 19.63年 20.29年 21.22年 19.80年
    2015 20.13年 20.67年 21.67年 20.22年
    2016 20.26年 21.12年 22.01年 20.70年
    2017 20.70年 21.52年 22.67年 20.87年
    2018 21.00年 22.04年 23.09年 21.52年
    2019 21.64年 22.78年 23.88年 22.12年
    2020 21.99年 25.12年

    ▼都道府県別

    築年数 東京都 愛知県 大阪府 福岡県
    2010 16.69年 17.70年 19.23年
    2011 17.60年 18.79年 19.73年
    2012 18.22年 19.37年 20.64年
    2013 18.33年 20.04年 20.87年 20.16年
    2014 18.49年 20.62年 21.48年 21.09年
    2015 19.16年 20.73年 21.91年 21.64年
    2016 19.13年 21.38年 22.12年 22.27年
    2017 19.44年 21.73年 22.46年 22.32年
    2018 19.75年 22.34年 22.76年 22.93年
    2019 20.34年 22.95年 23.49年 23.65年
    2020 20.66年 24.86年

     

    コロナ禍が売却相場へ与える影響

    2020年の東日本レインズの調査レポートを見てみると、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年は、首都圏のすべてのエリアにおいてマンションの成約件数が前年(2019年)を下回っています。
     
    1回目の緊急事態宣言が出された2020年4~6月期は、前年同期比を30%以上下回るエリアもありました。

     

    1回目の緊急事態宣言は5月末に全国で解除されましたが、コロナ禍が収束する気配はなく、不動産市況はさらに落ち込むことが懸念されていました。
     
    しかし、市場の停滞が顕著だったのは2020年4~6月期のみで、7~9月期に入ると中古マンションの成約件数は回復傾向を見せました。

     

    2021年4~6月期と、緊急事態宣言が出された1年前(2020年4~6月期)のデータを比較したのが以下です。

     

    2020年4~6月期 2021年4~6月期
    中古マンションの成約件数 6,428件 9,987件(前年比プラス55.4%)
    中古マンションの成約m2単価 524,700円 590,400円(前年比プラス12.5%)
    中古マンションの成約価格 3,390万円 3,837万円(前年比プラス13.2%)
    中古マンションの新規登録価格 3,243万円 3,505万円
    中古マンションの新規登録件数 45,020件 39,591件(前年比マイナス12.1%)

     

    成約件数、成約m2単価、成約価格、新規登録価格はいずれも伸びていることが分かります。
     
    新型コロナウイルスの感染拡大が中古マンション市場に影響を及ぼしたのは一時期だけであり、大方の予想に反して早く市場が回復していることが分かります。

     

    なお、新規登録件数(市場に売りに出された物件数)は、「45,020件→39,591件」と前年比マイナス12.1%となっています。
     
    新規登録件数が減少しているのは、2021年に入ってもコロナは収束していないため、売却を検討しているオーナーに「今売っても高く売れないだろう」という心理が働いていると考えられます。
     
    その一方で成約件数や成約価格が伸びているのは、中古マンションの購入ニーズが回復していることや、売り控えによって供給量が減ったために価格が上がったことなどが推測できます。

     

    ※参考:レインズデータライブラリー | REINS TOWER

    http://www.reins.or.jp/library/index.html

    ※参考:中部圏市場動向 | 中部レインズ [中部圏不動産流通機構]

    https://www.chubu-reins.or.jp/report

    ※参考:近畿レインズ|不動産市場動向

    http://www.kinkireins.or.jp/trend/

    ※参考:西日本レインズサマリー 西日本不動産流通機構 – REINS

    http://www.nishinihon-reins.or.jp/summary.html

     

    マンションの売却相場を調べるには?

    マンションの売却価格の相場を調べる方法は、「不動産ポータルサイトで調べる」「不動産一括査定サイトで調べる」「似ている近隣物件の取引価格から調べる」の3つの方法が一般的です。

     

    不動産ポータルサイトで相場を調べる

    マンション売却価格の相場を手軽に調べる方法としては、不動産ポータルサイトで検索する方法があります。
     
    不動産業界には「3大ポータルサイト」と呼ばれる有名なポータルサイトがあり、それぞれWeb上でマンション売却相場の簡易査定ができるようになっています。
     
    ただし、あくまでもWeb上で簡易的に算出される相場なので、あくまでも相場観を捉える程度に考えておきましょう。

     

    3大ポータルサイトについて簡単にご説明します。

     

    スーモ

    ▼SUUMO(スーモ)

    SUUMO(スーモ)は、株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する不動産ポータルサイトで、物件数No.1(※)を誇るモンスターサイトです。
     
    「オリコン日本顧客満足度ランキング」など数多くの顧客満足度調査で1位を獲得しており、ユーザーからも高く評価されています。
     
    ※不動産ポータルが掲載する賃貸、マンション、戸建、土地の日本全国総計 2020年12月時点 (株)東京商工リサーチ調べ

     

    SUUMO(スーモ)では以下のページから、全国のマンション売却価格相場を簡単に調べることができます。

    >>【SUUMO】全国のマンション売却価格相場を調べる

     
    ライフルホームズ

    ▼LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)

    LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、株式会社LIFULLが運営する不動産ポータルサイトで、提携している不動産会社数が多いのが特徴です。
     
    また、ユーザーの立場からWebサイトの評価・比較をおこなう「Gomez売買不動産情報スマホサイトランキング」で総合2位を獲得しています。

     

    LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)では以下のページから、全国のマンション売却価格相場を簡単に調べることができます。
     

    >>【LIFULL HOME’S】全国のマンション売却価格相場を調べる

     
    アットホーム

    ▼at home(アットホーム)

    at home(アットホーム)は、アットホーム株式会社が運営する不動産ポータルサイトで、一括査定サービスで同時に依頼できる会社数が多いのが大きな特徴です。

     

    at home(アットホーム)では以下のページから、全国のマンション売却価格相場を簡単に調べることができます。
     
    >>【at home】全国のマンション売却価格相場を調べる
     

    似ている近隣物件の取引価格から相場を調べる

    国土交通省のWebサイトや、レインズのWebサイトでは、条件の似ている近隣物件の取引実績から相場を調べることができます。

    ▼不動産取引情報提供サイトレインズ

    不動産業者向けの物件情報サイトであるレインズのWebサイトでは、成約価格など不動産取引の最新データが随時更新されており、会員登録をしていない一般個人でも閲覧することができます。
     
    住所や沿線、最寄り駅、駅からの距離、専有面積、間取り、築年数などの条件で詳細な検索をすることができます。
     
    >> 不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)

    https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet

     

    マンションを売却をする時には不動産会社の査定を受け、打ち合わせをした上で価格を設定するのが一般的です。
     
    その売り出した金額で話が纏まると考えがちですが、実際の売買金額と売り出した金額とは必ずしも一致しません。
     
    その原因と対策についてよく理解しておくことが重要になります。
     

    売出価格と成約価格とは

    マンションを売却をする時には不動産会社には仲介を依頼し、買主を探してもらいます。
     
    その際に設定する価格が、売り出し価格です。
     
    不動産会社に査定をしてもらい、その会社と十分に相談した上で売り出し値を決めます。
     
    一方、成約価格は実際に買主と交渉がまとまった際に決まる価格です。
     
    売り出した金額で話が纏まると考えがちですが、実際の売買金額と売り出した金額とは必ずしも一致するわけではありません。
     

    成約価格が売出価格から変わるのは

    マンションを売りに出し、その広告に記載されている価格で買主が購入してくれれば成約価格と売出価格は変わりません。
     
    しかし、実際には成約価格は売出価格と一致しない場合がほとんどです。
     
    売出価格はあくまで売主が買主に対して希望する購入価格であり、最終的に売買契約が成立する時には異なる金額になります。
     
    売買契約が成立するためには売主と買主の間での合意が必要になるため、買主が納得しない場合には価格を下げざるを得ない状況に陥ることも珍しくありません。

     

    適切な価格設定を

    この金額は最低限確保したいと具体的な目標金額がある場合は、念入りに価格設定をする必要があります。
     
    相場情報を正確に把握した上で適切に価格設定を行うことで成約価格と売出価格の乖離率を下げられるからです。
     
    自分が売りたいと考えている物件がどの程度の相場で売りに出されているかについては、不動産ポータルサイトなどで確認することができます。
     
    しかし、これはあくまで売出価格なので相場と一致しているとは限りません。
     
    重要なのは実際に売買が行われた時にいくらで取引されたかを確認することです。
     
    この際に役立つのは国土交通大臣に指定された不動産流通機構が運営しているレインズであり、過去の売買事例について詳しいデータが検索できるようになっています。

     

    信頼できる不動産会社と相談を

    マンション売却をする時には仲介してもらう不動産会社に査定を依頼し、その査定価格を使って売出価格を設定してしまいがちです。
     
    しかし、最終決定をする時には買主との交渉があり得ることや、買主が見つからなかった時に値下げをすることも念頭に置いておく必要があります。
     
    売出価格をやや高めにしておくのは賢い方法であり、もしそれでも購入したいと考える人がいれば利益は大きくなるでしょう。
     
    できるだけ信頼できる不動産会社と相談しながら売出価格や最低ラインの価格を決めるのが後悔しない重要なポイントになります。
     
    後から失敗したと思わないようにするには査定結果や相場価格を基準にして最低ラインを設けておくのが効果的であり、相場情報に詳しく、売却するノウハウも十分に持っている不動産会社に仲介を依頼すれば納得できる形でマンション売却を成立させられるでしょう。
     

    株式会社FGHは全国のワンルームマンション売却に特化した収益不動産の仲介業者です。

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    相場より売却価格が安くなりやすいケース

    不動産売却イメージ

    マンション売却の失敗とも言えるのが、「相場より安い価格でしか売れなかった」というケースです。
     
    買い手が付かずやむを得ず売却価格を下げるケースもありますし、買い手との交渉のなかで買い叩かれてしまうケースもあります。
     
    失敗を避けられるよう、相場より売却価格が安くなりやすいケースを押さえておきましょう。

     

    同じマンションの別の住戸が売りに出されている場合

    住戸数が多いマンションでありがちなのが、同じ物件の他の住戸が売りに出されているケースです。
     
    同じマンションであれば立地条件も同じであり、違いがあるとしたら、住戸の位置(上階・角部屋)や床面積、間取りなどです。
     
    購入希望者に総合的に比較された結果、「他の住戸より高い」と印象を持たれてしまうと、相場より安い価格で取引される可能性が高くなります。

     

    このように、同じマンションの別の住戸が売りに出されているときは価格競争に陥りやすいので、売却する時期をずらすのが良いでしょう。

     

    ランニングコストが高いマンション

    ランニングコストが高いマンションは購入希望者に敬遠され、結果的に相場より安く取引されがちです。
     
    管理費や修繕積立金、敷地内施設管理費が高い投資用マンションは実質利回りが悪くなるため、買い手としてはリスクがあります。
     
    具体的には、機械式駐車場があるマンションや戸数が少ないマンション、スポーツジムなどの共用施設があるマンションは、ランニングコストが高くなりがちです。

     

    マンションの立地や規模によってランニングコストは変わってきますが、管理費と修繕積立金の合計額は2~3万円くらいが平均だと言われます。
     
    ランニングコストがこの平均を大きく上回るような物件は、仮に売り出し価格が相場と同程度であっても購入希望者がなかなか見つからず、価格を下げざるを得なくなってしまいます。

     

    不動産業者に「囲い込み」をされた場合

    不動産業者が売買の仲介をするパターンとしては、買主サイドの業者と売主サイドの業者が異なる場合(片手仲介)と、双方の業者が同じ場合(両手仲介)があります。
     
    片手仲介の場合、不動産業者は売主または買主から仲介手数料を得ますが、両手仲介の場合は売主・買主の双方から仲介手数料を得ることができます。
     
    不動産業者にとって両手仲介は、片手仲介の2倍の利益を得られるということです。

     

    囲い込みとは、売主から仲介を依頼された不動産業者が2倍の仲介手数料を得るために、意図的に両手仲介へ持っていく行為のことを言います。
     
    具体的には、物件情報を他の業者に開示しなかったり、他の業者からの問い合わせに対して虚偽の回答をして物件を紹介しなかったりというケースがあります。
     
    このように物件情報を自社で囲い込み、その間に自社で買主を見つけて両手仲介を成立させるという悪質な手法です。

     

    不動産業者に囲い込みをされてしまうと、物件情報が他の業者に紹介されないため、売主は本来であれば訪れていたかもしれない売却のチャンスを失うことになります。
     
    さらに、囲い込みがおこなわれると売却できるまでに時間がかかるため、不動産業者のほうから値下げを求めてくる場合もありますし、売主自身がしびれを切らして値下げをしてしまうこともあります。
     
    結果的に、売却価格が相場より安くなりがちです。

     

    築年数が古すぎるマンション

    築年数が古すぎるマンションは、「優遇税制を受けられない」「融資を使えない」など、買い手側にデメリットがあります。
     
    たとえば、築25年を超えているマンションは通常、住宅ローン控除が使えなくなりますし、ローンを組めないケースも多々あります。
     
    また、すでに老朽化が進んでいるため、修繕積立金が値上げされるリスクもあります。

     

    このようなデメリットがあるため購入希望者が見つかりにくく、「相場より売却価格を下げないと売れない」という状況になりがちです。
     
    購入希望者が現れた場合も、価格交渉で買い叩かれる可能性が高いでしょう。

     

    マンションを相場よりも高く売るには?

    不動産投資イメージ

    マンションを相場よりも高く売るためのコツをご紹介します。

     

    相場より高く売るコツ01:複数の不動産業者に売却査定を依頼する

    マンションを少しでも高く売りたいのであれば、複数の不動産業者に査定依頼をするべきです。
     
    複数の不動産業者に査定依頼をすると、業者によって査定額に20~30%程度の差が出ることも少なくありません。
     
    そうすれば、必然的に高額査定の業者を選ぶことができます。

     

    複数の不動産業者に個別に査定依頼をするのは手間がかかりますが、上述した「不動産一括査定サイト」を利用すれば、一度Web上で必要事項を入力するだけで、複数の業者(6社程度)に同時に査定をしてもらえます。
     
    また、査定依頼を受けた業者側も一括査定で他社と比較されていることを認識するので、相場よりも高い査定額が出てくる可能性も高くなります。

     

    相場より高く売るコツ02:適正な売り出し価格を設定する

    マンションを相場よりも高く売るためには、売り出し価格の設定が重要です。
     
    売主の心理的には少しでも売り出し価格を高く設定したいものですが、高く設定すると買い手が現れず、値下げが必要になります。
     
    売り出し価格を高く設定したために何度も値下げすると、「もう少し待てばまた下がるだろう」と思われて、さらに長期戦を強いられる可能性もあります。

     

    マンションの売り出し価格は「査定額の1割増し」が一つの目安になります。
     
    マンション売買の現場では値引き交渉がおこなわれるケースも多く、「◯円まで値引きしてくれたら買う」という購入希望者も少なくありません。
     
    レインズの調査データを見ても、売り出し価格より成約価格が1割程度安くなっています。
     
    そのため、査定額の1割増しで売り出して、「最大1割の値引き交渉であれば応じる」という考え方をするほうが現実的です。

     

    相場より高く売るコツ03:不動産業者の得意分野を見極める

    不動産業者は、「マンション or 戸建て」「ファミリー or ワンルーム」「都心 or 郊外」「投資用 or 居住用」など、それぞれ得意分野が異なります。
     
    相場よりも高く売ることを目指すなら、売却するマンションを得意とする不動産業者を選ばなければいけません。

     

    たとえば、ワンルームマンションの売却が得意な不動産業者であれば、ワンルームマンションを売るための営業力やノウハウを持っているはずであり、ネガティブ要素が多い物件でも、売り方を工夫して高く売却してくれる期待が持てます。
     
    単純に、査定額がいちばん高い業者に依頼するのではなく、依頼前に必ずその不動産業者の得意分野を見極めるようにしましょう。

     

    相場より高く売るコツ04:空室を埋めてから売る

    投資用マンションを売却する場合、相場より高く売るためには、空室を埋めてから売却することが重要です。
     
    投資用マンションの買い手が気にするのは物件の収益性であり、空室になっている物件は収益性に関して疑念を持たれてしまいます。
     
    空室のまま売りに出して購入希望者が現れたとしても、空室であることを理由に値引き交渉をされる可能性が高いです。
     
    買い手の不安材料をなくすためにも、現状空室になっている投資用マンションは入居者を付けてから売却するのが良いでしょう。

     

    相場より高く売るコツ05:売却スケジュールに余裕を持つ

    マンションを相場より高く売るためには、売却スケジュールに余裕を持つことが重要です。
     
    売却スケジュールに余裕がない人は、「早く売りたい」という気持ちが焦りを生み、どんどん値下げをしてしまう傾向にあります。
     
    また、買い手が現れたときの値下げ交渉にも簡単に応じてしまいます。

     

    一方、売却スケジュールに余裕がある人は、時間をかけて「高値でも買ってくれる人」を探すことができますし、値下げ交渉をされても突っぱねることができます。
     
    結果的に、納得のいく価格で売れる可能性が高くなります。

     

    相場より高く売るコツ06:相続税の節税のために不動産を求めている人に売る

    相場より高く売るコツ05で「高値でも買ってくれる人を探す」と申し上げましたが、高値でも買ってくれる可能性が高いのが、相続税の節税のために不動産を求めている人です。

     

    相続税は、相続財産の「課税評価額」に対して課せられる税金で、課税評価額が大きいほど納税額が多くなります。
     
    現金や預貯金は100%が課税評価額になりますが、不動産の課税評価額は時価の3分の1程度になります。
     
    つまり、現金のまま資産を保有しているより、不動産という形で保有していたほうが相続税を節税できるのです。
     
    特に資産が多い人は相続税の節税効果を高めるために、ある程度高い不動産を購入する傾向にあります。
     
    そのため、相場より高い価格で売り出していたとしても、買ってくれる可能性が高いのです。

     

    相続税の節税目的で不動産を求めている人を探せるかどうかは、不動産業者の営業力やネットワークにかかっています。

     

    相場より高く売るコツ07:マンションの修繕履歴が分かる資料を揃える

    特に投資用マンションを売却する際は、修繕履歴が分かる資料などがあると相場よりも高く売れる可能性があります。

     

    買い手である不動産投資家は、不透明な要素が多い物件は購入に踏み切れません。
     
    投資用マンションで不透明になりがちなのが過去の修繕履歴です。
     
    修繕履歴が残っているマンションなら、不透明な部分がクリアになりますし、「きちんと管理されているマンションだ」という好印象を与えることもできます。また、具体的に修繕履歴を把握できれば、購入後に必要になるコストが計算しやすくなるので、購入の判断もしやすくなります

     

    相場より高く売るコツ08:マンションをきれいにしてから売却する

    相場より高く売りたいのであれば、マンションをきれいにして少しでも印象良く見せることが大切です。
     
    内覧に来た購入希望者に良いイメージを持ってもらえるよう、最低限のハウスクリーニングはしておきましょう。
     
    特に、水まわりの印象は大きいので、キッチン、トイレ、お風呂、洗面台は念入りに掃除をしておきましょう。

     

    場合によっては、リフォームをするのも有効です。
     
    たとえば、目立つ破損や汚れがあって明らかにマイナス要素になる場合は、売却前にリフォームをしておいたほうが高く売りやすくなります。
     
    もちろん、リフォームをするのにはコストがかかるので、リフォーム費用の元が取れるだけの価格で売れるかどうかを見極めなければいけません。

     

    相場より高く売るコツ09:マンションのアピールポイントを全部伝える

    マンションは、実際に暮らしてみないと分からないポイントがたくさんあります。
     
    内覧すれば、物件のスペックは把握できますが、周辺環境に関しては、実際に通勤・通学したり、買い物したりしてみないと分からないものです。
     
    そのため、買い手側は周辺環境の魅力に気付いていないケースも多々あります。

     

    相場より高く売るためには、物件の魅力、特に買い手が知らないであろう周辺環境の魅力をしっかりとアピールすることが重要です。
     
    下記は一例ですが、売却前に物件の良いところを書き出してみるのがおすすめです。

     

    ・信号や踏切を通らずに駅まで行ける

    ・街頭が多く、夜でも明るい

    ・公園が多く、自然環境に恵まれている

    ・自転車があれば海まで行ける

    ・車の通行が少ないから、小さい子どもがいても安心

    ・商店街に活気があり、いつ行っても安い

    ・ファミリー層が多く、治安が良い

    ・スーパーが夜遅くまで開いている

    ・夏は窓から花火が見える

    ・天気が良い日は富士山が見える など

     

    投資用マンションの売却査定ならFGHへ!

    売却実績が豊富な不動産業者イメージ

    投資用マンションを売却する際は、投資物件の売却実績が豊富な不動産業者に頼るのが賢明です。
     
    FGHは、収益不動産に特化した総合不動産グループ。これまで数多くの投資用マンションの売却をご支援してまいりました。

     

    特にオーナー様に好評なのが、弊社独自の投資指標である「売却運用率®」「リスクパーセンテージ®」を用いた分析です。
     
    売却運用率®は、「今」と「数年後」、どちらのタイミングで売却すればお得かを数値化するもので、リスクパーセンテージ®は、物件を持ち続ける「所有リスク」を数値化するもの。
     
    この2つの指標で分析することで、お持ちの物件が「富動産」なのか「負動産」なのかが分かり、運用・売却の最適な判断が可能になります。

     

    売却運用率®とは?

    売却運用率は以下の算式によって求めます。

    売却運用率 = 現売却金額 ÷ (◯年後の売却金額 + ◯年後までの実質収支)

     

    売却運用率は、「今、売却する場合の金額」と「◯年後に売却する場合の金額 + ◯年後までの実質収支」を比べた数値です。
     
    売却運用率を見れば、「今、売却したほうが儲かるのか、◯年後に売却したほうが儲かるのか」が一目瞭然で分かります。
     
    たとえば、今と3年後を比較したときの売却運用率が1.3であれば、「3年後に売却するより、今、売却したほうが1.3倍得である」ということです。

     

    リスクパーセンテージ®とは?

    リスクパーセンテージは以下の算式によって求めます。

    リスクパーセンテージ = (ランニングコスト + 年間返済額) ÷ 家賃 × 100(年間)

     

    リスクパーセンテージは、収益不動産を持ち続けた場合、どのくらいのリスクがあるのかを示す指標です。
     
    リスクパーセンテージが100%であればプラスマイナスゼロであり、100%未満であればプラス収支ということです。
     
    収益不動産を持つうえで好ましいリスクパーセンテージは、60~80%です。

     

    投資用マンションを持ち続けるべきか、売却すべきかでお悩みのオーナー様は、ぜひFGHにご相談ください。
     
    売却運用率とリスクパーセンテージを用いた分析をもとに、最適なご提案を差し上げます。
     
    >> FGHの詳細はこちら

    https://fgh.co.jp/

     

    まとめ

    マンションの売主として「やるべきこと」をやっておけば、相場より高く売却できる可能性は高くなります。
     
    本記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ納得のいく価格での売却を実現してください。

     

    本編では触れませんでしたが、「マンションを売却したのはいいけれど、思っていたより多くの税金や費用が発生して、手元に残る金額が少なくなってしまった」という失敗談も少なくありません。
     
    マンション売却で後悔しないためには、不動産売却にかかる税金や経費について理解しておくことも大切です。

    マンション売却虎の巻

    このコラムを書いている人

    マンション経営ラボ 編集者

    マンション経営ラボ 編集者

    最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

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