【不動産投資 一棟編⑬】借入返済余裕率(DCR:Dept Coverage Ratio)について

公開日2021/10/25
更新日2021/10/28

2021.10.25
代表取締役社長 渡邊 勢月矢

前回は、「税引き後キャッシュフロー(ATCF:After Tax Cash Flow)」についてお伝えしました。

前回のコラムはこちらになります。

今回は、様々な投資指標の9つ目として、「借入返済余裕率(DCR:Dept Coverage Ratio)」についてお話したいと思います。

 

・借入返済余裕率(DCR:Dept Coverage Ratio)とは?

 

こちらの指標は、ご存じの方も多いのではないかと思います。

融資が付き物の不動産投資において最も基本的な投資指標といえます。

お金を貸す側の金融機関がちゃんと返済できるかどうかを確認するもので、お金を借りる側にとってもきちんと返済できる借り方をしているかどうか確認することができます。

資金繰り指標とも言えますね。

計算式は簡単で、

 

年間純利益(NOI)÷年間返済額(ADS)=DCR

 

最低でも1.2倍、適格基準でいうと1.3倍のDCRが欲しいところです。

金融機関は原則1.2倍以下のDCRには融資をしないと言われております。

 

✔以下の例題でDCRを計算してみましょう。

年収1000万円のサラリーマンの方が以下の一棟アパートの購入を検討しております。

 

<融資条件>自己資金10%、金利1.9%、期間30年

・価 格:5800万円

・家 賃:450万円/年

・運営費:90万円/年

・返 済:228.3万円/年

・手 取:131.7万円/年

※運営費は、修繕費、管理料、固定資産税・都市計画税を指します。
家賃の20%を運営費として見込んでいます。

 

年間純利益(NOI)÷年間返済額(ADS)

NOI→450万円-90万円=360万円

ADS→228.3万円

360万円÷228.3万円=1.57 1.57>1.3

 

いかがでしょうか?

融資期間が長く金利も低い融資条件で、なおかつ自己資金を10%入れているので、無理なく

返済可能な借り方ができています。

最近は、一棟融資もスルガ問題から一定期間をおいて、また融資が戻ってきつつあるような話をあちらこちらで耳にしますが、以前のようなフルローンは出づらいようです。

フルローンが出たとしても自己資金は出せるがあえて出さないような資産ある高属性の方のみに出ているようですね。

当初はもったいない気がする自己資金ですが、中長期で投資する不動産投資においては、後々、自己資金を入れているかどうかが、ボディブローのように効いてきますし、融資条件、自己資金をクリアしていても、肝心の売買価格が相場よりも高い場合もありますので、ご注意ください。

やはり賃貸経営の醍醐味は安定的なキャッシュフローだと思います。

 

今回は、以上です。

次回は、損益分岐入居率(BER:Break Even Ratio)についてお話ししようと思っています。

 

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

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