不動産投資家が身につけるべき知識とは?情報収拾の方法もご紹介
【目次】
不動産投資は知識不足で失敗する
知識がない段階で不動産投資を行えば、失敗するのは当たり前。
不動産投資で失敗したくないのであれば、あらかじめ投資に関する知識を身に付けることが大切です。
投資に失敗する人のほとんどは、投資において大切な知識、情報、計画の3つが不足しています。
まず投資を行う上では、収支などの計画を作る必要があるので、人気の投資物件を購入したからと言って、必ずしも投資が成功するとは限りません。
正しい知識を得た上で、ケースバイケースで対応する必要があるのです。
今回は、不動産投資を始める上で知っておきたい最低限の知識と、情報収拾の仕方をまとめてみました。
不動産投資初心者が身につけるべき知識とは?
経営に関する知識
「不動産投資に経営の知識は必要ない」と考える人もいるかもしれません。
しかし、不動産を購入した後に、家賃収入を得るために運営を行うのであれば、それは立派な経営になります。
そのため、家賃収入を得るための不動産投資には、経営の知識が必要となる時もあるでしょう。
投資額の定め方から、賃料収入の見込み、投資額を回収するまでの期間を把握しておかないと、事業の計画を立てることができません。
不動産の価格調査に関する知識
不動産の調査には、定量調査と定性調査があり、定量調査は広告や登記・価格など資料に基づいた調査で、定性調査は現地確認に基づいています。
中でも特に大事なのは、価格に関する調査に関してです。
物の値段は基本的に需要と供給により決まりますが、不動産の価格を決めるのは需要と供給だけではありません。
不動産の価値を決めるためには、3つの鑑定評価法が使われます。
それが原価法・取引事例比較法・収益還元法。
原価法では建物の原価を割り出し、取引事例比較法では過去にあった類似した取引を参考に価格を割り出します。
収益還元法では想定される家賃収入から、物件の価値を割り出します。
不動産を購入する際には、その価格が適正価格なのか、それとも相場より高額で売付けられているのか確認するため、価格調査に関する知識は必須です。
この知識がないと不動産会社の口車に乗せられ、高額で不動産を購入してしまったり、間違った収益還元で十分な利益が手に入らない可能性も出てきます。
マーケティング知識
不動産投資においても、マーケティングの知識が役立つ場合があります。
不動産投資を行うには、まず投資する物件のあるエリアの人口増減、景気・金利の動向、自身の貯蓄・収入状況といった、外部環境・内部資源を分析する必要があります。
その際、マーケティング環境を分析する3C分析が役に立つのです。
また、マーケティング計画を作る際に使われる4P理論も不動産投資に利用できます。
4P理論は、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字をとったもの。
不動産投資の4P理論は入居希望者に対して、製品である収益物件の家賃価格が適正価格で流通されているのか、効果的な入居募集宣伝がされているのかを分析するのに役立ちます。
財務会計に関する知識
不動産投資は、財務会計についてもある程度の知識が必要になってきます。
不動産に投資するために、損益計算で利益と税金を計算し、キャッシュフローを予測、それに基づいた財務諸表を作って運用を進めるのです。
不動産投資は景気と金利動向にも左右されるので、経済に関する知識もあるに越したことはないでしょう。
景気の良い時に物件に投資すると、買値が最も高い状態であり、賃料収入もマックスの段階です。
しかし、景気が悪化すれば買値よりも不動産価値が下がってしまい、家賃も下げざるを得なくなります。
そうすると、キャッシュフローが悪化し、利回りも低下してしまいますよね。
売却により物件を手放そうと考えても、買値より売値が安くなってしまい、売却しても手元に残るのは損失だけ。
景気が悪い時に物件を買って待つ
景気が悪いと低価格で、物件を購入することができます。
賃料も安いですが、景気が良くなるのを待つことができれば、景気の上昇とともに不動産価値が上がり、賃料収入も上昇します。
キャッシュフローが改善し、想定以上の利回りが期待できる可能性も上がるでしょう。
物件価値が上がった段階で売却すれば、売買益を獲得することも可能です。
こんな風に、経済学についての知識があれば、物件を買うべき・売るべきタイミングを見誤ることがないのです。
景気循環のタイミングを正確に把握することは簡単ではありませんが、過去の金利水準や現在の景気を元に、不動産投資に適切な時期を予測することはできます。
それを元に財務諸表を作成し、長期的な目で流れを予測することができれば、不動産投資の成功に繋がるでしょう。
法律に関する知識
不動産投資では、様々な法律について知っておくことが大切です。
特に法令は変わることも多いので、定期的に情報を収集しておく必要があります。
不動産投資に関する法律の中で、絶対に知っておくべきものに瑕疵担保責任があります。
これは物件の引き渡しから一定期間の間に、売買した物件から欠陥が見つかった場合、その補修を売主が行う責任があるという制度です。
物件を買った時や売った時に適用される法律なので、必ず頭に入れておきましょう。
賃貸経営を行う上では、借地借家法も無視できません。
これは大家よりも法的に弱者である借主を保護するため、民法よりも手厚く保護できるよう定められた法律です。
民法では誰とどのような契約を結ぶのか自由ですが、法的に強い者が、法的に弱い者に対し、不利な契約を迫ることがあります。
不動産経営で言えば、大家が法的に弱い入居者に不利な条件で契約させることが危惧されています。
そこで借主を守るために、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者(大家)や建物の賃借人(入居者)に不利にならないよう一定の制限が定められています。
規制に関する知識
不動産には土地の利用法やマンション管理について、様々な規制がかけられています。
土地を買えば好きなように建物を建ててもいい訳ではなく、高さや建物の容積率などに規制があり、土地それぞれに応じて建築できる建物の大きさに違いがあります。
こうした規制についての知識がないと、収益を最大化できる建物を建てられず、不動産を活用できないかもしれません。
税金に関わる知識
不動産に関わる税金は、こんなにもたくさん存在します。
・所得税
・住民税
・登録免許税
・不動産取得税
・贈与税
・印紙税
・固定資産税
・都市計画税
・消費税
不動産の取得時や運用時、売却時などにこれらの税金が課税されますが、全ての税金が課税されるわけではなく、必要に応じた税が課税されます。
適用要件を知っておくと節税にも繋がるので、税金に関する知識もあって損はないでしょう。
不動産投資に関する知識を学ぶには?
不動産投資家には様々な知識が必要であることが、お分りいただけましたか?
ここからは、これらの知識を効率的に学ぶ方法をご紹介します。
インターネット/アプリ
ネットやアプリからの情報取得は、場所も時間も選ばず、スマホさえあれば知識を得ることができる手軽さが魅力的です。
情報は多岐に渡るので、投資の初心者から上級者までマイペースに学ぶことができます。
ツイッターやS N Sを使えば、実際に投資を行っている人の意見やアドバイスも得られるでしょう。
しかし、インターネットで手に入れることができる情報の中には、誤情報も混じっています。
インターネットでは誰でも簡単に情報を発信することができる反面、正しい情報を発信している人もいれば、嘘の情報を流す人がいるのも事実。
ネットリテラシー能力を高め、誤情報に騙されないように注意しましょう。
不動産投資セミナー
不動産投資に関するセミナーに参加すると、さまざまな知識を得ることができます。
セミナーは連日のように開催されているので、セミナー選びさえ間違えなければ、取得したい知識をピンポイントで得ることができるでしょう。
セミナーに参加するメリットは、知識を取得するだけではありません。
経営者が主催するセミナーでは経営について、その場で質問し、疑問や不安を解消できます。
セミナー後の懇親会に参加すれば、投資家同士横の繋がりを作ることや経営者と子弟関係を構築できるかもしれません。
メンターを獲得することができれば、不動産投資も成功しやすくなります。
また、人脈作りに成功すれば、不動産投資会社の良し悪しなどの情報交換も可能です。
セミナー参加によるデメリットを挙げると、拘束時間が長いこと。
セミナーの中には参加する価値の低いもののもあり、そのようなセミナーに時間を奪われるのは無駄でしかありません。
もし受講をしている時に、セミナーに参加する意義がないと判断すれば、途中で席を外してもOKです。
セミナー参加者の中には、不動産投資家を狙った詐欺師が紛れ込んでいることもあるので、うまい話を持ってくるような人を安易に信用しないことが大切です。
不動産投資に関する本
本はインターネットでの情報取得と違い、身銭を切らなければいけません。
しかし書籍化されていると、情報の発信者が明確です。
また、素人が本を出すことはそう簡単ではないので、ある程度の内容は担保されていると言えるでしょう。
活字が苦手な人もいるかもしれませんが、最近では漫画で投資を学ぶことができる書籍もあります。
ただし書籍になるには時間がかかるので、本では最新情報を得ることができないというデメリットも。
不動産投資家が持つべき知識まとめ
不動産投資では様々な知識が求められますが、知識の幅が広く、全てを勉強し、カバーするのは不可能。
そのため、投資を行う上で必要最低限の知識をまず身に付け、投資を始めてから更に必要な知識を増やしていきましょう。
難しい知識に関しては税理士や司法書士、弁護士といった専門家に相談を行えばいいので、1から10まで理解しようと努める必要はありません。
まずは基礎知識をしっかり学び、心配事や不明点は専門家に相談しましょう。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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