中古マンションを購入するときのポイント6選!
【目次】
中古マンションの購入を考えている方へ
近年、価格が急騰している中古マンション。
2013年と比較すると、首都圏の中古マンションの価格は800万円以上も値上がりしており、需要が上がっていると言えるでしょう。
中古マンションは、新築マンションよりもリーズナブルな価格で購入できますが、購入する際には注意すべき中古マンション特有のポイントを知っておく必要があります。
そこで今回は、中古マンションを選ぶときに気を付けなければならないポイントについて、解説していきます。
中古マンションを選ぶ前のポイント3点
理想の中古マンションを購入するためには、事前に決めておかなければならないことがあります。
中古マンションを選ぶ前に決めておくべきことは、下記の3点です。
・予算を明確にする
・部屋の条件を決めておく
・場所を決める
予算を明確にする
まずは、予算を明確にする必要があります。
中古マンションの価格帯は、実にさまざまです。
数百万円で購入できるものから、数千万円かけなければ購入できないものまで、中古マンションによって大きく価格帯は異なります。
ですので、事前にいくらくらいの中古マンションを購入するか、予算を決めておかなければなりません。
予算を決めるときに重要な考え方として、返済比率というものがあります。
返済比率とは、住居目的で中古マンションを購入する場合は「年収に対する年間返済額の割合」、不動産投資目的の場合は「毎月の家賃収入に対する毎月の返済額の割合」のこと。
例えば、サラリーマンで年収600万円の人が、住居目的で3000万円の物件をフルローンで購入しようとした場合、返済比率は20%になります。
不動産投資家の毎月の家賃収入が10万円で、銀行への返済が5万円だった場合、返済比率は約50%となります。
住居目的で購入する場合、好ましいとされる返済比率は20~25%。
銀行の審査では、およそ返済比率が35%までだと融資が通過するといわれていますが、借りて良い金額と無理なく返済できる金額は異なります。
そのため、無理なく返済できる範囲という面では、返済比率を20~25%以内に収められると良いでしょう。
不動産投資家の場合、返済比率は40%~50%が好ましいです。
この範囲内であれば、経費を差し引いても十分なキャッシュフローが残るでしょう。
このように、中古マンションを購入する際は返済比率を確認した上で、予算を決めることをおすすめします。
部屋の条件を決めておく
中古マンションを購入するのであれば、あらかじめ部屋の条件を決めておくことが重要です。
特に決めておきたい条件は、下記のとおりです。
・マンションの床面積の広さ
・部屋の間取り
・外せない設備
・築年数
・部屋の向き
事前に部屋の条件を決めておかなければ、物件に優先順位をつけることが難しくなります。
理想の条件をあらかじめ決めておき、効率的に物件を選定していきましょう。
場所を決める
最後に、中古マンションを購入したい地域を選定しましょう。
中古マンションの価格は、エリアによって大きく異なります。
不動産専門のデータ会社である東京カンテイによると、2020年4月の都道府県別中古マンションの平均価格は、下記のとおりとなりました。
1位東京・・5,139万円
2位沖縄・・3,120万円
3位京都・・3,117万円
20位島根・・1,820万円
47位和歌山・・884万円
このように、都道府県別で見ると、中古マンションの値段は大きく異なります。
東京都では5,000万円台である一方で、和歌山県だと800万円台で購入できるのです。
首都圏や都市圏は高額になりやすく、地方の中古マンションの価格は安い傾向にあります。
住居目的の場合は地方圏に中古マンションを購入し、首都圏・都市圏へ通勤するという形も検討したほうが良いでしょう。
中古マンション購入時の6つのポイント
中古マンションを購入するときのポイントは、下記のとおりです。
・築年数を確認する
・修繕積立金を確認する
・旧耐震基準か新耐震基準かを確認する
・リノベーションの有無を確認する
・給排水管の種類や配置を確認する
・駐車場があるかどうかを確認する
築年数を確認する
中古マンションを購入するときにまず注意すべきなのは、築年数です。
というのも、築年数によって、中古マンションの値段は大きく異なるためです。
実際に、築年数別の価格帯を比較してみましょう。
公益財団法人東日本不動産流通機構の調査では、2018年の中古マンションの㎡単価は、下記のとおりでした。
・築年数0~5年・・80.96万円
・築年数6~10年・・68.06万円
・築年数11~15年・・60.56万円
・築年数16~20年・・52.77万円
・築年数21~25年・・38.70万円
・築年数26~30年・・29.68万円
・築年数31年~・・31.70万円
築年数0~5年の築浅物件の場合、㎡単価は80.96万円と高額です。
一方で、築年数21年以降の場合、㎡単価は40万円以下となっており、築浅物件の半額となっています。
築年数20年目までは高い価格で推移していますが、築年数21年以降は、安めの価格で中古マンションを購入することができる可能性が高いです。
「お買い得の中古マンションを購入したい」と考えている方は、築年数21年以降の物件を狙ってみることをおすすめします。
修繕積立金の金額
修繕積立金は前の住人の金額をそのまま引き継げるので、貯まっている金額が多ければ得をします。
そのため、修繕積立金の金額は必ず確認するようにしましょう。
もし修繕積立金が少なかった場合、大規模修繕時に一時金を負担したり、修繕積立金の大幅な値上げを要求されたりすることもあり、想定外の支出になってしまうことも少なくありません。
修繕積立金の目安は、国土交通省のガイドラインでは下記のように定めています。
・15階未満 5,000㎡未満・・218円/㎡・月
・15階未満 5,000㎡~10,000㎡・・202円/㎡・月
・15階未満 10,000㎡以上・・178円/㎡・月
・20階以上 ・・206円/㎡・月
マンションの状況によって異なるので、必ずしもすべてのマンションに当てはまるわけではありませんが、一つの目安にはなるでしょう。
旧耐震基準かどうか
マンションが“旧耐震基準”かどうかというのも、一つの判断基準となるでしょう。
旧耐震基準とは、1981年以前の耐震基準で建築されたマンションのこと。
1981年以降の建築基準で建設されている場合は、新耐震基準と呼ばれています。
具体的な違いは下記のとおりです。
・旧耐震基準・・震度5までの地震に耐えうる構造
・新耐震基準・・震度7程度の揺れでも倒壊しない構造
つまり、新耐震基準の方が地震に強い構造になっている可能性が高いということです。
また、旧耐震基準の場合、住宅ローンが組めないということも少なくありません。
旧耐震基準のマンションを購入するのは、さまざまなデメリットがあるということは認識しておく必要があります。
しかしながら、旧耐震基準だから必ずしも悪いという事ではありません。
旧耐震基準のマンションの中には、しっかりとした強度で建築されているマンションも数多くあるためです。
さらに、旧耐震基準のマンションは相場より割安というメリットもあります。
そのため、構造や耐震基準・価格などを総合的に判断して、中古マンションを選ぶことをおすすめします。
リノベーションの有無
リノベーションの有無で価格帯が大きく変わってくるため、過去にリノベーションをしたことがあるかどうかはしっかり確認しておきましょう。
リノベーションをすると、内装は新築同様きれいな状態になります。
一見すると魅力的な物件ですが、価格帯が高くなりやすい点については注意が必要です。
マンションによっては、築浅や新築のマンションとさほど値段が変わらないというケースもあります。
また、リノベーション済みの中古マンションの場合、消費税がかかるケースが多く、必要以上の負担になりやすい点も忘れてはいけません。
一般的な中古マンションは、売主が個人であることが多いため、消費税が課税されることは少ないです。
しかしながら、リノベーション済みの中古マンションの場合、売主が不動産会社であることが多いため、消費税を支払わなければならない可能性もあります。
物件は同じなのに、売主が違うだけで、消費税分を余分に負担することになりかねません。
リノベーション済みの物件を購入する時は、”だれが売主なのか”を必ず確認しましょう。
給排水管の種類や配置
給排水管は、中古マンションを購入するなら必ず確認しておきたいポイント。
傷んだ給排水管を利用すると、カビが発生したり、害虫が発生したりとさまざまなトラブルを引き起こしてしまうからです。
給排水管で確認すべきポイントは、下記の2点です。
・給排水管の種類
・給排水管の配置
給排水管の種類は、近年使われている塩ビ系の素材の場合、カビなどは発生しにくく、大きなトラブルにはほとんどなりません。
しかしながら、昔の中古マンションでは、鉄製の給排水管を利用していることがあります。
鉄製の給排水管の場合、さびやすく、排水管が傷みやすいです。
もし、購入しようと考えている中古マンションの給排水管が鉄製だった場合、過去にどのようなメンテナンスがされてきたか必ず確認するようにしましょう。
また、給排水管の配置も重要です。
近年のマンションでは、外配管と呼ばれているタイプになっており、メンテナンスがしやすい仕組みになっています。
しかしながら、古いマンションになると、コンクリートの中に給排水管が埋まっていることがあります。
この場合、簡単にメンテナンスはできないため、給排水管が傷んでいるというケースは少なくありません。
場合によっては、リフォームしにくくなるというケースも。
水回りは特にトラブルになりやすい要素のため、必ず確認しておきましょう。
駐車場付きかどうかを確認する
普段、通勤などで車を利用する方の場合、駐車場が最低でも1台あると好ましいです。
最も理想的なのは、駐車場権利付きの中古マンションです。
駐車場権利付きというのは、中古マンションを購入すると無条件で特定の駐車場を利用できること。
普通のマンションの場合、駐車場は別途利用料金が必要となるケースが多いので、お得感があります。
しかしながら、駐車場権利付きにしているマンションの数はあまり多くはありません。
駐車場権利付きではない中古マンションを購入する場合、戸数以上の駐車場があることが好ましいです。
戸数以上の駐車場がない中古マンションの場合、自分の車を敷地内に置けなくなる可能性があり、その場合は月極駐車場を借りることになります。
しかしながら、月極駐車場は敷地内の駐車場よりも割高になることが多く、なにより利便性が高くありません。
中古マンションを購入するときはなるべき駐車場権利付き、難しい場合は戸数以上の駐車場が整備されているマンションを選ぶことをおすすめします。
不安な場合は事前にインスペクションを
上記のとおり、中古マンションを購入するには多くの注意点があります。
初めてマンションを購入する方や、不動産に詳しくない方にとって、判断するのは難しいかもしれません。
特に、水回りの設備や耐震性は不動産に精通している方でも、見極めるのは難しいといえるでしょう。
中古マンションの設備や耐震性に不安を抱いている方は、購入前にインスペクションをすることをおすすめします。
インスペクションとは、建物の状態を専門家が診断すること。
住宅の中や外などを細かくチェックしてもらえるので、安心して購入する事ができます。
「安心して中古マンションを購入したい」という方は、事前にインスペクションをお願いしておきましょう。
中古マンションを購入するときのポイントまとめ
今回は、中古マンションを選ぶ前に決めておくべきポイントと、購入するときに見るべきポイント6つを紹介してきました。
ポイントをまとめると、下記の通りです。
・まずは予算・部屋の条件・エリアを選ぶことが重要
・安さを求めるなら築年数が21年以降のマンションがおすすめ
・修繕積立金の金額は多い方が好ましい
・給排水管は傷みやすいので、状態の確認を必ず行う
・リノベーションをした履歴があるかを確認する
・車を利用する人は駐車場が利用できるか確認すべき
・不安な場合は購入する前にインスペクションを
中古マンションは、新築マンションと異なり、確認すべきポイントが多いです。
見るべきポイントを押さえていなければ、大きな失敗をすることも。
中古マンションを選ぶときのポイントを確認し、中古マンションの購入を失敗しないために、是非本記事をお役立てください。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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