中古マンション投資のメリットとは?リスクや注意点も解説

公開日2021/04/19
更新日2022/12/24

【目次】

マンション

中古マンションの売買市場は拡大を続けており、不動産投資物件としても高い人気を誇っています。
 
ですが、中古マンションに投資すれば誰でも儲かるほど甘くはなく、中古マンションならではのリスクや注意点を知っておかないと後悔することになってしまうでしょう。
 
今回は、これから中古マンション投資をお考えの方に向け、そのメリットやリスク、また選ぶべき物件の条件などについて解説していきます。

中古マンション投資とは?

ポイント

中古マンション投資とは文字どおり、中古のマンションを購入して賃貸し、家賃収入(インカムゲイン)を得ることを目的とした投資のことです。
 
新築マンション投資に比べると物件価格も安く、不動産投資のなかでは比較的ハードルが低い選択肢だと言えます。
 
なお、中古マンション投資は大きく「区分投資」と「一棟投資」に分けることができます。
 
区分投資は、ワンルームなど中古マンションの一室に投資することを言い、一棟投資は、中古マンションの一棟丸ごとに投資することです。
 
本記事では、区分投資を前提に中古マンション投資について解説していきます。
 
後述しますが、中古マンション投資は利回りが高いのが最大のメリットで、新築マンションに比べると倍近くの高利回り物件も少なくありません。
 

中古マンション投資のメリット

値上がりイメージ

中古マンション投資の主なメリットは以下のとおりです。
 

メリット01:高利回りが期待できる

中古マンションは新築マンションに比べると物件価格が安いため、比較的高い利回りが期待できます。
 
新築マンションの利回りは一般的に2〜4%と言われますが、中古マンションの場合、4〜10%程度と倍近く高くなります。
 
地方の物件や築年数の古い物件などは、利回りが10%を超えるケースも珍しくはありません。
 
ちなみに、株式投資の利回りは3%くらいが平均なので、不動産以外の投資方法と比べても投資効率が高いことが分かります。
 

メリット02:長期的な安定収入が期待できる

中古マンションに投資することで、長期にわたって安定した家賃収入が期待できます。
 
もちろん入居者がいることが前提になりますが、毎月定額のキャッシュフローを得られるのは不動産投資(中古マンション投資)の大きな特徴だと言えるでしょう。
 

メリット03:入居者のいる物件を購入できる

中古マンションに投資する場合、すでに入居者がいる物件を購入するケースも少なくありません。
 
新築マンションや空室になっている中古マンションを購入した場合、第一に入居者を探さなければいけませんが、入居者が入っている物件ならその必要はありません。
 
入居者募集の手間やコストを抑えて不動産投資をスタートできます。
 

メリット04:レバレッジ効果を効かせられる

世の中で、お金を借りて始められる投資は不動産投資くらいです。
 
もちろん、中古マンション投資も金融機関から融資を受けてスタートできます。
 
不動産投資は自己資金が少なくても、ローンを利用することで高額な物件を購入できることから、「レバレッジ効果」が高い投資だと言われます。
 
レバレッジ効果とは、「テコの原理」のように小さなお金で大きなお金を動かして収益性を高めることです。
 
たとえば、自己資金が100万円しかなくても、融資を受けて1,000万円の中古マンションに投資したらレバレッジ効果は「10倍」ということになります。
 

メリット05:節税効果が期待できる

中古マンションに投資することで、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
 
中古マンションを購入した初年度は何かと諸経費が発生するため、賃貸経営が赤字になるケースも少なくありません。
 
ですが、給与所得などがある場合、賃貸経営の赤字分を給与所得から差し引くことができます(損益通算)。
 
その結果、課税所得が低くなるため、所得税や住民税の節税につながるわけです。
 

メリット06:万が一のことがあっても安心

ローンを使って中古マンションを購入する場合、団体信用生命保険(いわゆる「団信」)に加入します。
 
団信とは簡単に言うと、ローン契約者に万が一のことがあったとき、ローンの残債をチャラにしてくれる仕組みのことです。
 
団信に加入するため、オーナーに万が一のことがあった場合も、家族にはローンの負担のないマンションが残ります。
 
引き続き、投資物件として家賃収入を得ることもできますし、売却して現金化することも可能です。

マンション売却虎の巻

中古マンション投資のリスク

RISK

中古マンション投資は高利回りを期待できることなど様々なメリットがありますが、投資である以上、一定のリスクをともないます。
 
中古マンション投資の主なリスクについてご説明します。
 

リスク01:空室の発生

中古マンション投資で安定した収入が得られるのは、入居者がいることが大前提になります。
 
逆に言えば、入居者が退去すること(=空室)は中古マンション投資の最大のリスクです。
 
空室が長期間続くとキャッシュフローが悪化して、ローンの返済に困窮する可能性もあります。
 
中古マンション投資では、基本的に空室リスクをゼロにすることはできません(サブリースという選択肢もありますが、ここでは割愛します)。
 
重要なのは「空室リスクが少ない物件」を選ぶこと。そして、空室が出てしまったら、必要に応じて入居者特典を付けたり修繕・リフォームを施したりして、空室期間を長引かせないことが大切です。
 

リスク02:家賃の下落

中古マンション投資では、家賃下落リスクも考慮しておかなければいけません。
 
どんな不動産でも、築年数が古くなるにつれ家賃は下がっていきます。
 
特に、近隣にある同条件の物件の家賃が下がると、それに合わせて家賃を下げないと入居者を獲得できないケースもあります。
 
中古マンション投資では、適切なタイミングでリフォーム・リノベーションをおこない、できるだけ家賃を維持する努力が必要です。
 

リスク03:物件の老朽化

中古マンション投資の宿命とも言えるのが、老朽化リスクです。
 
もちろん新築マンションも老朽化していきますが、すでに築年数が経過している中古マンションは、より老朽化リスクが高くなります。
 
中古マンションの老朽化が進むと、給湯器やエアコンなどの設備が故障したり水回りのトラブルが起きたりしやすくなり、修繕費がかさむ傾向にあります。
 
経年劣化を避けることはできないので、物件購入の段階で、老朽化による修繕費も考慮した収支シミュレーションをおこなうことが重要です。
 
また、物件の管理状態が悪いと修繕費も高額になりがちなので、管理のクオリティも重要になってきます。
 

リスク04:物件価値の下落

中古マンション投資では、物件価値の下落も想定しておかなければいけません。
 
築年数が古くなれば、中古マンションの物件価値は下がっていきます。
 
設備を刷新したりリノベーションをしたりすることで物件価値を維持することもできますが、やはり経年劣化には逆らえません。
 
また、「エリアの人口が減少する」「商業施設が撤退する」など、周辺環境の変化によって物件価値が下落することもあります。
 
物件価値が下落すると、売却時に大きな損失が出るおそれがあります。
 
売却の査定価格がローンの残債を下回る場合は、不足分を持ち出さなければ売却することもできません。
 
中古マンション投資では、このようなリスクを認識したうえで物件を選ぶことが重要です。
 

リスク05:災害被害

中古マンション投資では、地震や津波、台風や火事などの災害リスクがあります。
 
特に築年数が古い物件は、災害が起きたときの被害も大きくなりがちです。
 
このような災害リスクに備えるなら、火災保険や地震保険への加入は必須です。
 
災害を未然に防ぐことはできませんが、保険に加入していれば損失を最小限に抑えることはできます。
 

中古マンション投資の失敗例

頭を抱える男性

中古マンション投資のよくある失敗例をご紹介します。同じ轍を踏まないよう、教訓として押さえておきましょう。
 

失敗例01:ファミリータイプの中古マンションに投資したけど・・・

中古マンションは、「単身者向けの物件」と「ファミリータイプの物件」があります。
 
Aさんは「ファミリータイプのほうが入居者の出入りが少ないから収益が安定する」という話を聞き、ファミリータイプの中古マンションに投資をしました。
 
当初は安定した賃貸経営ができていましたが、入居者が退去すると、2年以上にわたって空室が埋まらず、採算の合わない投資になってしまいました。
 
たしかに、ファミリーマンションの入居者は平均入居年数が長い傾向にあります。
 
その一方で、退去してしまった場合に、新たな入居者を見つけるまでに時間がかかるケースが少なくありません。
 
ファミリータイプのマンションは空室が出にくいのがメリットですが、空室が出ると長引きがちなのがデメリットだと言えます。
 
特に近年は単身者の世帯数が増える一方で、ファミリー層は減少しているので、ファミリータイプの中古マンションに投資する際は慎重な判断が求められます。
 

失敗例02:数年後に様々な瑕疵が見つかり・・・

Bさんは中古のワンルームマンションに投資をしました。
 
築年数は20年以上の物件でしたが、比較的外観がきれいで立地条件も良かったので購入を決めました。
 
ですが、最初の入居者が退去して原状回復工事をする際に、排水の詰まり、フローリングの腐食、クローゼットのカビなど、様々な不具合・トラブルが発見されたのです。
 
想定以上の修繕費を負担することになり、収支計画は大幅な修正を余儀なくされました。
 
中古マンション投資で注意しなければいけないのが、物件の瑕疵(不具合や欠陥)です。
 
法律で、売主の瑕疵担保責任が規定されていますが、中古マンションの売買では、契約によって瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及できる期間が短く設定されるのが一般的です。
 
そのため、一定期間が経過した後に瑕疵が見つかっても、売主に瑕疵担保責任(契約不適合責任)を問うことはできません。
 
物件購入時に気づかなかった瑕疵が、将来、大きな損失を生んでしまう可能性があるわけです。
 
入居者がいる場合など物件の内部を確認するのが難しいケースもありますが、できるだけ隅々までチェックすることが重要です。
 
瑕疵がないことを確認したうえで、購入の判断をするようにしましょう。
 

中古マンション投資の注意点

リスク、リターン

中古マンション投資をするうえでの注意点についてご説明します。
 

注意点01:人口減少エリアの物件は選ばない

地方の中古マンションは高利回りの物件や、安く購入できる物件が多くあります。ですが、そのエリアの人口が減少傾向にあるのであれば、投資するのは避けるべきです。
 
人口が減少しているエリアでは、賃貸需要も先細りになっていきます。
 
どれだけスペックの高い物件でも、ニーズがなければ空室リスクは高くなります。
 
特に地方の中古マンションに投資する際は、必ずその市区町村の人口動態などを確認するようにしましょう。
 

注意点02:内見なしで物件を購入しない

目をつけた中古マンションが遠方にある場合や入居者が入っている場合など、内見をしないまま物件を購入する人もいますが、リスクが高いと言わざるを得ません。
 
もし、部屋の内部を見ることができないとしても、マンションの外観や共用部を確認することは重要です。
 
また、周辺環境の良し悪しは現地を訪れないと分からないことも多く、実際に周辺を歩いてみることで「買ってはいけない」理由が見つかるケースも少なくありません。
 

注意点03:借地権付きの物件は選ばない

中古マンションのなかには借地権付きの物件もあります。
 
借地権付きの物件は安く購入できるうえ、高利回りの物件もたくさんありますが、それ以上にデメリットが多いのも事実です。
 
「融資を受けにくい」「売却しにくい」「毎月、地主に地代を払う必要がある」といったデメリットがあるイレギュラーな物件なので、特に初心者の方が投資の対象とするのは避けたほうがいいでしょう。
 

注意点04:表面利回りだけで判断しない

Web上に掲載されている利回りや不動産業者から提示される利回りは、通常「表面利回り」です。
 
というのも、賃貸経営に要する経費(管理費、共益費、固定資産税など)は実際に購入してからでないと分からない部分も多く、実質利回りは「推測の数値」になってしまうからです。
 
しかし、実質利回りを把握しないまま中古マンションに投資するのは危険です。
 
表面利回りが高くても想定以上に経費がかさみ、実質利回りが大幅に下がるケースも少なくありません。
 
そのため、できるだけ正確に経費を算出して現実に即した実質利回りを把握するようにしましょう。
 

注意点05:極端に安い物件は選ばない

中古マンションの物件探しをしていると、ときどき、極端に安い物件を目にすることがあると思います。
 
どんな売主でも高く売りたいはずなので、相場を大幅に下回る物件には必ず「難がある」はずです。
 
事故物件や再建築不可物件である可能性もあるので、安すぎる物件は避けたほうが賢明です。
 

注意点06:周辺に比べて家賃が安い物件は選ばない

特に地方の中古マンションは、「物件価格は安いけど家賃も安い」という物件がたくさんあります。
 
賃貸経営では家賃収入がそのままキャッシュフローになるわけではなく、そこからローンの返済分や管理費、修繕積立金、固定資産税などの支出を引かなければいけません。
 
さらに、退居時の原状回復や修繕・リフォームなどの工事費がかさんでくると、キャッシュフローがマイナスに転じてしまうケースもあります。
 
家賃が安い物件は空室になりにくいですが、賃貸経営の収支は悪くなるので、周辺に比べて家賃が安い物件は避けたほうがいいでしょう。
 

注意点07:1981年より前に建てられた物件は選ばない

1981年に建築基準法が改正され、耐震基準が新しくなりました。
 
それ以前に建築された物件は現行の耐震基準に満たしてない可能性があるため、地震による倒壊・損壊リスクも高くなります。
 
耐震補強工事をおこなうこともできますが、多額の費用が必要になるので、1981年より前に建てられた物件は避けるべきです。
 

中古マンション投資で選ぶべきおすすめ物件

中古マンション投資で選ぶべきおすすめ物件

中古マンション投資をする際、選ぶべき物件のポイントをご紹介します。
 

ポイント01:人口が集中・増加しているエリアの物件を選ぶ

中古マンションに限らず、不動産投資は入居者がいなければ家賃収入を得ることができません。
 
空室リスクの低い物件を選べるかどうかで、投資の成否が左右されます。
 
そして、空室リスク対策の基本は「人口が集中・増加しているエリアの物件を選ぶこと」です。
 
物件価格は比較的高くなりますが、空室が発生しにくく、退去しても次の入居者が早く見つかるのは大きなアドバンテージになります。
 

ポイント02:駅から近い物件を選ぶ

郊外でも駅近物件は根強い人気があります。特に電車で通勤・通学する人が多いベッドタウンでは、駅からの近さが重視されます。
 
エリアにもよりますが、基本的に駅から「徒歩10分圏内」の物件を選びましょう。
 

ポイント03:単身者向けの物件を選ぶ

都心部ではファミリー層が減少している一方で単身者が増加しており、今後もこの傾向は続くと言われています。
 
そのため、都心部の中古マンションに投資するなら、ワンルームなど単身者向けの物件を選ぶべきです。

中古マンション投資でFGHを活用するメリット

メリット

中古マンション投資の初心者の場合、書籍で得た知識を頼りに投資戦略を立てて物件を選ぶ人も多くいます。ですが、書籍に書いてあるとおりに投資をしてうまくいくのであれば、すべての投資家が成功できます。
 
中古マンション投資のテクニックを書籍で学ぶことを否定するわけではありませんが、より実践的な知識・ノウハウを得たいのであれば、不動産業者がおこなうセミナーに参加したり不動産業者に相談したりして、プロのアドバイスをもらうことが重要です。
 
実績豊富な不動産業者をパートナーにできれば、それだけで中古マンション投資で成功する確率は高くなります。
 
FGHは、収益不動産に特化した総合不動産グループで、随時300~500物件の売却案件をオーナー様よりお預かりしております。
 
また、不動産投資関連のセミナーも随時開催しており、書籍では得られない貴重な情報をご提供しています。
 
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まとめ

握手する人達
 
中古マンション投資は、リスクや注意点を理解して適切な対策を講じていけば、長期的に安定収益を得られる投資です。信頼できる不動産業者を味方につけて、ぜひ成功への第一歩を歩み始めましょう。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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