太陽光発電投資のメリットデメリットについて解説!

公開日2020/11/17
更新日2022/12/24

太陽光発電投資は儲かる?

現金と時計

不動産の活用方法の一つとして、近年注目されているのが、太陽光発電投資

 

太陽光発電投資は、固定価格で買い取りしてもらうことができるFITという制度があるため、安心して投資ができると注目を浴びています。

 

また、自分の住宅でも電気を利用できるので、参入する人が増えているとのこと。

 

太陽光発電投資に興味がある方であれば、「これから太陽光発電投資をしてもよいのか」「どのようなメリット・デメリットがあるのか」という点は、非常に気になりますよね。

 

そこで今回は、太陽光発電投資の内容とメリット・デメリットを解説していきます。

太陽光発電投資とは?

分からないイメージ

太陽光発電投資とは、ソーラーパネルで太陽光を発電し、電気を売る投資のこと。

 

環境にやさしい再生可能エネルギーとして、近年注目を浴びるようになってきました。

 

太陽光発電が流行しはじめた理由としては、太陽光発電投資独自の制度である固定買い取り価格制度(通称「FIT」)が大きく影響しています。

 

FITとは、国が事前に決めた単価で、事業者が電気を買い取ることを義務付けた制度です。

 

20127月から開始されており、当初は買い取り価格が高かったことから、参入する人が増えてきました。

 

太陽光発電投資の種類

太陽光発電投資の種類は、10kW未満の発電をする住宅用発電所10kW以上50kW未満の発電をする低圧電力発電所50kW以上250kW未満の発電をする高圧電力発電所250kW以上の発電をする大規模発電所4つ。

 

4つの発電方法は、買い取り期間や買い取りのルールが異なるので、注意しましょう。

 

まず10kW未満を発電する住宅用発電所の買い取り期間は10年間となっており、短めに設定されています。

 

住宅用の場合は、先に家で発電した電気を使用して、余った分の電気しか買い取ってくれません。

 

収益目的というよりは、自家で使用する目的をメインにした方が良いでしょう。

 

10kW以上50kW未満の発電をする低圧電力発電所の場合、FIT認定を受けるためには地域活用要件を満たさなければなりません。

 

低圧電力発電所での地域活用要件とは、自家消費率が30%以上でなおかつ、災害で停電したときでも電気を利用できる自立運転機能を利用できることと定義されています。

 

FITによる買い取り期間は、20です。

 

2019年までは全電力の買い取りが可能でしたが、2020年に制度が変わり、余った電力しか買い取りできない仕組みになりました。

 

10kW以上の太陽光発電は、投資対象として人気でしたが、今回の改正により人気が下火になることは間違いないでしょう。

 

50kW以上250kW未満の高圧電力発電所は、最も条件が良い発電方法です。

 

20年間の買い取り期間があり、なおかつ全量の買い取りが可能となっています。

 

太陽光発電投資をする場合は、この高圧電力発電所を狙う事をおすすめします。

 

250kW以上の発電の場合は、入札制度によって買い取り価格が決定します。

 

250kW以上となると、一般の投資家は参入するのはほぼ不可能といえるため、覚えておくのは250kW未満だけで良いでしょう。

 

太陽光発電の設備を取り付ける場所

ソーラーパネルの設備を取り付ける場所は、大きく分けて2

 

住宅の屋根などの余ったスペースに取り付けるパターンと、地方の土地を購入し大規模に設置するパターンです。

 

住宅の余ったスペースに取り付ける場合は、ほとんどが住宅用である10kW未満となります。

 

買い取り期間は10年となるため、大きく収益をあげることはできません。

 

しかしながら、地方に土地を購入し大規模でやる場合、高圧電力発電所の50kW以上の規模とすることができます。

 

買い取り期間も20年となるので、大きな収益をあげることができます。

 

「投資として収益をあげていきたい」と考えている方は余ったスペースに取り付けるのではなく、地方の土地を購入し、50kW以上の発電を目指した方が良いでしょう。

 

FITの推移

FITの推移は、下記のとおりです。

 
2012年・・10kW未満42円、10kW以上40

2013年・・10kW未満38円、10kW以上36

2014年・・10kW未満37円、10kW以上32

2015年・・10kW未満33円、10kW以上29円(7月以降27円)

2016年・・10kW未満31円、10kW以上24

2017年・・10kW未満28円、10kW以上21

2018年・・10kW未満26円、10kW以上18

2019年・・10kW未満24円、10kW以上14

2020年・・10kW未満21円、10kW以上13
 

上記からもわかるように、FITは年々単価が下がってきています。

 

FITの導入当初は、普及を推進したかったことや、相場観ができていなかったこともあり、高値で買い取りされていました。

 

しかしながら、年数がたち、普及が進んできたことや、相場が形成されてきたことなどが要因で、買い取り価格は下がってきました。

 

FIT価格の下落に伴い、ソーラーパネルなどの設備も安くなっています。

 

ですので、最初にはじめたからお得だとは一概に言えません。

 

太陽光発電をはじめるのであれば、FIT価格とソーラーパネルなどの設備投資のバランスについて、必ず確認する必要があります。

太陽光発電投資のメリット

太陽光発電投資のメリットは、主に下記のとおりです。

 
・FITにより買い取り価格が決まっている
・利回りが高い
・空室リスクがない
・土地を有効活用できる
・人口減少のリスクが限定的

 

FITにより買い取り価格が決まっている

太陽光発電投資は、FITにより、電気の買い取り価格が決まっています。

 

10kW未満であれば1025kW以上であれば20の買い取り価格が保証されます。

 

そのため、安定的な経営が可能となり、収益の見込みも立ちやすいのです。

 

住居系の不動産投資の場合、近隣で新築が増えたり、人口が減少したりすると、家賃を下げざるをえません。

 

太陽光発電投資は、期間中に買い取り価格が下がることは原則としてほぼないと言えるため、住居系の不動産投資よりも安定的な運営が可能というわけです。

 

利回りが高い

太陽光発電投資の利回りは、表面で1012%前後とされています。

 

不動産投資よりもランニングコストがかからないため、実質利回りでも68%程度の高利回りを維持できます。

 

不動産投資や株式投資では、実質利回り5%あればよいとされているため、他の投資よりも利回りが高い傾向にあります。

 

短期的な利回りを狙うのであれば、おすすめできる投資先の一つです。

 

空室リスクがない

太陽光発電投資には、空室リスクがありません。

 

一般的な不動産投資であれば、空室がでると全く収益が入らなくなるというリスクが存在します。

 

空室リスクは、不動産投資において、最も投資家を悩ませるリスクだといっても過言ではありません。

 

しかしながら、太陽光発電投資の場合、毎日発電されるので、空室という概念がありません。

 

収入が途絶えることがほとんどないということは、太陽光発電投資の大きなメリットだといえるでしょう。

 

土地を有効的に活用できる

屋根の上にソーラーパネルをつけるケースでは、土地を有効的に活用できます。

 

特に、10kW以上の産業用の発電となるほどの土地がある場合、利回りが高くなる可能性が高いです。

 

既存の土地や建物を有効活用するだけなので、新たに土地を購入する必要はなく、効率的な投資方法となりうるでしょう。

 

人口減少のリスクは限定的

太陽光発電投資では、人口減少のリスクは限定的です。

 

不動産投資の場合、人口減少は大きなリスクとなります。

 

人口が減るということは、入居者が減り、需要が減少するということ。

 

特に、人口減少が続く地方で不動産投資をすると、将来的に空室が増える可能性が高くなるということです。

 

一方で、電気の価格は、人口が減少したとしても、不動産ほど影響はありません。

 

というのも、人口減少と、電気の需要は比例しないためです。

 

当然、良い影響にはなりませんが、不動産投資よりも影響は軽微といえるでしょう。

 

このように、太陽光発電投資にはさまざまなメリットがあります。

 

特に、FITは太陽光発電投資ならではのメリットで、経営が安定しやすいのは大きいでしょう。

 

しかしながら、太陽光発電投資にはデメリットもあります。

 

具体的に、次の章で説明していきます。

太陽光発電投資のデメリット

本を読むスーツの男性

太陽光発電投資のデメリットは、下記のとおりです。

 
・担保価値が低い
・長期的な経営は不透明
・天候リスクがある

 

資産価値が低い

太陽光発電投資は、資産価値が低いというデメリットがあります。

 

太陽光発電投資を設置する土地は、僻地であることがほとんどです。

 

つまり、ほとんど土地に価値はありません。

 

ですので、将来的に買い手が見つかる可能性は低いといえるでしょう。

 

万一、太陽光で発電した電気を買い取ってくれなくなった場合、ソーラーパネルと土地だけが残ります。

 

処分できずに、固定資産税だけがかかるということになる可能性もあります。

 

もちろん土地の価格が安いので、固定資産税もそこまでは高くはありません。

 

しかしながら、将来的に処分できるかわからない土地とソーラーパネルが残るというのは、不安な点だといえるでしょう。

 

担保価値が低い

太陽光発電投資は、ソーラーパネルの担保価値が低いというデメリットがあります。

 

例えば、2,000万円のソーラーパネルと1,000万円の土地を融資で購入した場合、ソーラーパネルには担保価値がほとんどないため、1,000万円分の土地しか担保とみなされません。

 

つまり、3,000万円の融資をしてもらったけれども、実際は土地代の1,000万円分の担保しかないとみなされるケースが多いです。

 

このような場合、次回融資を受ける際にマイナス評価になることが多く、規模を拡大しにくくなるというデメリットがあります。

 

もちろん銀行によって考え方は異なるので、一概には言えません。

 

しかしながら、一般的な住居系の不動産投資よりも、マイナス評価に働くのは間違いないでしょう。

 

長期的な経営は不透明

太陽光発電投資においては、長期的な経営は不透明であることもリスクのうちの一つだと言えるでしょう。

 

FITの買い取り期間は20年で固定されており、その後は不透明のため、果たして20年後も買い取ってくれるのかというのは誰にもわからないのです。

 

万一、買い取りをしなくなった場合、ソーラーパネルの処分費用や固定資産税などの費用もかかるようになります。

 

もし買い取りをしてくれたとしても、FIT価格よりも大幅に値下げされることは間違いないでしょう。

 

このように、太陽光発電投資はFITが終わった後の売電が保障されていないため、長期的な経営の見通しは立ちません。

 

天候リスクがある

太陽光発電投資をするにあたって、避けられないのが天候リスク

 

晴れの日であれば発電量は多いですが、曇りや雨の日の発電量は少なくなるということです。

 

晴れの日の発電量を100%とした場合、曇りの日は4060%、雨の日は520%まで発電量が下がるといわれています。

 

天候不順が続くと、収益が下振れする可能性があるということは注意しなければいけません。

太陽光発電投資を始めるには中古物件も検討余地あり

お金について話す人たち

「これから太陽光発電投資を始めたい!」という方は、中古物件も検討してみることをおすすめします。

 

2020年にFIT制度が大幅に変更になり、これまで人気のあった10kW50kWの産業用発電が全量買い取り出来なくなったためです。

 

50kW以上であれば今までどおり、全量買い取りが可能です。

 

しかしながら、大規模な投資となるため、採算が合うかどうかは疑問が残ります。

 

その点、中古物件であれば、契約時の条件のまま、FIT価格を引き継ぐことができるのです。

 

つまり、高いFIT価格でなおかつ、全量買い取りができるということ。

 

FIT価格は、古ければ古いほど条件が良くなるため、太陽光発電は古い物件の方が有利です。

 

これから太陽光発電投資をしようと考えているのであれば、ゼロから投資するのではなく、中古物件の購入も検討してみることをおすすめします。

太陽光発電投資のメリットデメリットについて解説まとめ

ポイント

今回は、太陽光発電投資の内容や種類、メリット・デメリットについて解説してきました。

 

ポイントをまとめると、下記のとおりです。

 
・太陽光発電投資はソーラーパネルを設置して、売電する仕組みのこと
・事業者が10年または20年決まった価格で電気を買い取ってくれる
・50kW未満は余剰電力しか買い取らない。50kW以上は全量買い取る
・買い取り価格が決まっている、利回りが高いなどのメリットがある
・資産価値や担保価値が低く、買い取り期間終了後が不透明というデメリットがある
 

特に、従来まで人気のあった、10kW以上50kW未満の電力の全量買い取りが2020年以降はなくなりました。

 

ですので、太陽光発電投資として経営を成り立たせるためには、50kW以上なければ苦しくなります。

 

太陽光発電投資をこれからしたいと思っている方は、是非本記事を参考にメリット・デメリットを把握した上で、慎重に決めることをおすすめします。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

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