株はハロウィーンに買え
東京証券取引所が今月発表した投資部門別売買動向によると、2021年の個人投資家の日本株売買が10年ぶりに買い越しに転じたとのこと。一年間で約3000億円の買い越しだそうです。
過去に個人投資家が買い越した年は数えるほどで、1990年のバブル崩壊直前、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と、いずれも株価急落局面に限られており、上昇局面での買い越しは初めてです。
個人投資家の増加
2021年9月15日発表の日本証券業協会「個人株主の動向について」によると、2020年度の個人株主数が初めて1400万人を突破し前年度比49万人増の1407万人、総人口(1億2571万人)の実に11.2%、子供も含めて日本人の十人に一人が株主さんということになります。
新規口座開設49万人中、半数以上にあたる26.4万人が20代30代の若年層でした。
また、一人あたりの保有銘柄数は年々増加傾向(2020年度平均4.25銘柄)ですが、保有金額(投資金額)は減少しており、小口・分散化傾向になっています。
増加の要因
投資に対して悪いイメージの無い若い世代が、近年のビットコインやテンバガー銘柄など、一攫千金の派手さを見聞きすることで刺激を受けているのが一つの要因と考えられます。
2013年以降の株式市場では含み損期間がほとんどなく、リスクを感じにくいことから周りにすすめやすい環境でもあります。
また、ネット証券会社の台頭(口座開設の簡素化や低手数料)、政府の後押し(NISAなど税制優遇)、将来への不安(老後資金2000万円や年金問題)など、時代の流れやタイミングが、特に若年層の参入を促しているように思えます。
注目すべきは
一昨日(2022年1月17日)岸田首相の施政方針演説での気候変動問題への対応については
「炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野への投資を早急に、少なくとも倍増させ、脱炭素の実現と、新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていきます~中略~送配電インフラ、蓄電池、再生可能エネルギーはじめ水素・アンモニア、革新原子力、核融合など非炭素電源。需要側や地域における脱炭素化、ライフスタイルの転換。資金調達の在り方。カーボンプライシング。多くの論点に方向性を見いだしていきます」
と、2050年期限の脱炭素宣言を継続する表明でした。
引き続き、再生可能エネルギーに取り組む企業や環境関連銘柄など、ESG投資が主流になることは否めません。
関連キーワードとして、EV関係やメタバース系銘柄も目が離せません。
まとめ
「卵は一つのかごに盛るな」「頭と尻尾はくれてやれ」「もうはまだなりまだはもうなり」「人の行く裏に道あり花の山」「見切り千両」「落ちてくるナイフはつかむな」「閑散に売りなし」「休むも相場」等々、先人に学ぶ教えはたくさんあります。
米国では10月は買い5月は売りという代表的な格言もあります。相場にはリスクがあり、自己責任です。じっくり思案を楽しみましょう。
この激動する世の中で変化に適応できる人間になりましょう。頑固な人間になってはなりません。
このコラムを書いている人
石倉 直樹
1973年大阪生まれ 好きなキャラクターはねり丸、エルちゃんカルちゃん、昨年94年の歴史に幕を閉じたとしまえん、たくさんの思い出をありがとう。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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