老後のために3000万円の資金を貯める貯金と投資のシミュレーションとは?

公開日2020/05/11
更新日2023/01/24

トレーダー

老後に生活するためには、一般的に3000万円の資金が必要であるといわれています。
 
しかし、どうしてこのような金額が必要になるのか不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。
 
また、老後の生活のための資金を貯めようと思って投資することも検討しているが、何となくリスクがあるような感じでなかなかスタートできないという人もいるでしょう。
 
ここでは、老後のために3000万円の資金を貯める貯金と投資のシミュレーションとは?についてご紹介します。
 
資産を運用する方法はいろいろなものがありますが、最初はリスクが高くない運用方法で投資についての知識をマスターしましょう。
 
そして、経験を積み重ねてから自分に適した不動産投資などの資産を運用する方法に挑戦して、老後に生活するための資金を貯めましょう。



老後に生活するための資金はどの程度必要か?

では、老後に生活するための資金としてはどの程度必要なのでしょうか?
 
ここでは、老後に生活するために必要な資金についてご紹介します。
 

老後に生活するための資金が必要な理由

老後に生活するための必要な資金としては、夫婦のときは約3000万円、独身のときは約2000万円であるといわれています。
 
では、どうしてこのような資金が必要なのでしょうか?
 
ここでは、老後に生活するための資金が必要な理由についてご紹介します。
 
なお、ケースとしては、夫が60歳、妻が58歳で、平均寿命まで夫婦ともに生きるものとします。
 
65歳以上の夫、60歳以上の妻の夫婦だけのときは、「平成26年 家計調査報告(家計収支編)」(総務省)によれば、約27万円が月々の生活費として必要になります。
 
男性の平均寿命の83歳で夫が死亡するまでの23年間で夫婦の生活費を計算すれば、約7450万円が必要になります。
 
この後、妻だけの生活費が夫婦のときの7割とすれば、女性の平均寿命の88歳で妻が死亡するまでの7年間で妻の生活費を計算すれば、約1600万円が必要になります。
 
そのため、老後に生活するための必要な資金としては、トータルすれば約9050万円が必要になります。
 
厚生労働省のモデル世帯の会社員の夫、専業主婦の妻というケースでの公的年金の現在の支給額は、夫婦で約23万円の月額になります。
 
夫が年金を65歳から受け取って、夫が死亡してから夫の老齢厚生年金の4分の3の遺族厚生年金を妻が受け取ったときは、トータルで約6000万円の年金受給額になります。
 
老後の約9000万円の生活資金から約6000万円のトータルの年金受給額を差し引きすれば、約3000万円が老後の生活資金として足りないようになります。
 
次に、独身のときに必要な老後の生活資金についてご紹介しましょう。
 
ここでは、平均寿命が男性より長い女性が、老後を独身で迎えるとします。
 
総務省のデータによれば、単身の高齢者世帯において、1人分の女性の生活費の平均は1月あたり約16万円になります。
 
そのため、女性の平均寿命の88歳で死亡するまでの28年間の生活資金は、約5380万円が必要になります。
 
厚生労働省のデータによれば、女性の厚生年金の月額の平均は10万2千円であるため、トータルで約3430万円の年金受給額になります。
 
老後の約5380万円の生活資金から約3430万円のトータルの年金受給額を差し引きすれば、約1950万円が老後の生活資金として足りないようになります。
 
夫婦が貯金だけで60歳までに3000万円を貯めようとすれば、30歳からスタートすると平均して月々8万円、40歳からスタートすると月々12万円、50歳からスタートすると月々25万円を貯金する必要があります。
 
基本的に3000万円は平均寿命まで生きるときに必要な金額であるため、平均寿命よりも長生きすると3000万円では足りなくなります。
 
また、物価がインフレで高くなればもっと厳しくなります。
 
そのため、長生きや病気のときのために退職金は残しておいて、3000万円を60歳までに貯めて旅行の資金、ローンの返済などのために使えるようにしましょう。
 
3000万円を貯金のみで貯めるのが困難であれば、投資することも検討しましょう。
 
初めて投資する人は、投資はリスクがあるというような感じを持っているかもしれません。
 
しかし、退職金などをもらったときには、多くの人が投資を検討するようです。
 
個人の投資家に対する意識調査をしたデータによれば、過半数の個人の投資家は60歳以上であり、半分の人は300万円未満の年収です。
 
また、株式投資をしている半分以上の人が投資を長期的に行っています。
 
そのため、お金は銀行に預金していても多くならないため、退職金をもらった人が資産運用をスタートするときが多いといえるでしょう。

初めて投資する人が3000 万円を貯めるときにリスクが少ない資産を運用する方法とは?

ここでは、初めて投資する人が3000 万円を貯めるときにリスクが少ない資産を運用する方法についてご紹介します。
 

個人向け国債

債権として国が発行するもので、「お金も国に貸せば利息をつけて戻します」というような証明書です。
 
証明書ということでも、購入は金融機関や証券会社から申し込むようになります。
 
個人のときは、最も高い安全性がある「新窓販国債」と「個人向け国債」が購入できます。
 
定期預金に利率は似ているので、運用するときは期間が同じ定期預金と比べましょう。
 
しかし、3000万円を全く貯金がない状態から貯めるときは、運用益としてはほとんど貯金と同じようなものであるので厳しいでしょう。
 
個人向け国債のメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・1万円から元本保証で投資ができる
・利息が年2回もらえる
・購入するときの手数料がかからない

 
一方、個人向け国債のデメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・満期前に換金すれば利息の一部をペナルティとして払い戻す必要がある
・利息が少ない

 
例えば、10万円を固定5年国債で購入したときは、毎回の利息が25円くらいです。
 

個人年金保険

保険会社に一定期間保険料を積み立てれば、年金を老後に受け取れるものです。
 
自動的に保険料は引き落としされ、死亡給付金があるので、確実に資金が確保できます。
 
また、解約を納付している途中にすれば元本割れになることもありますが、ついお金があれば使うような人は逆にいいかもしれません。
 
個人年金保険は、投資手法としてローリスク・ローリターンのもので、投資は得意でないが何とか老後のために投資したいような人にはおすすめです。
 
しかし、貯金が全くなくて3000万円を貯めるときは厳しいでしょうが、退職金で足りない分を賄えるのであればいいでしょう。
 
個人年金保険のメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・利率が金融機関よりも高い
・所得から一定額の保険料を控除することができるので節税になる

 
一方、個人年金保険のデメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・解約を短期間で行うと元本割れになる
・保険会社が契約期間中に倒れると元本割れになる
・保険金の価値がインフレになれば下がる

 

投資信託

お金の運用を個人の投資家がプロの投資ファンドに任せて、運用益が出たときは分配金や利息などで還元されるものです。
 
投資信託でかかる主な費用としては、購入するときの手数料、運用するときの費用があります。
 
しかし、ペナルティ費用が途中で換金すればあります。
 
投資信託でかかる費用が大きければ、プラスの運用益になっても、実際には手数料などのためにマイナスの運用益になることもあります。
 
そのため、実際のファンドの運用益のみでなく、費用にも着目することが大切です。
 
投資信託ということでも、ハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンまでいろいろな商品があり、知識がマスターできればこのような商品を組み合わせることもできます。
 
3000万円の貯蓄をリスクが少なくて目指すのであれば、投資信託はおすすめです。
 
投資信託のメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・投資が1万円くらいの少額からできる
・運用するのはプロであるため、初めて投資する人でも気軽にスタートできる
・分散して運用することによってリスクが少なくなる
・投資が個人では難しい世界中の不動産に投資できる
・インフレに対して強い
・分配金を元本にそのまま組込めるので複利の効果で資金が早く増える

 
一方、投資信託のデメリットとしては、次のようなものがあります。
 
・運用するための費用がかかる
・元本が保証されなく、分配金が運用成績によっては出ないのみでなく、元本が少なくなるときもある

 
投資信託の運用方法としては、次のようなものがあります。
 
インデックス型は、運用するときにマーケットの平均値を表すインデックス(指標)の日経平均株価などの動きを目指すものです。
 
ファンドが多くの銘柄を購入して運用するので、投資家自身は銘柄を選ぶ必要がありません。
 
マーケットの平均を目指すので、リスクが少なく、機械的に銘柄を購入するので運用手数料などの費用が少なくなります。
 
そのため、初めて投資する人にはおすすめでしょう。
 
アクティブ型は、数値を指標よりも上になることを目指すものです。
 
ファンドが成長している株式を購入するなど、ファンドの方針をベースにします。
 
しかし、指標を上回る数値が必ず獲得できるということではなく、個人の投資家が購入するときはどのようなファンドを購入するかが大切になり、リスクがインデックス型に比較して大きいといえます。
 
また、運用するときの手数料などの費用も大きくなります。

3000万円を貯めるシミュレーションとは?

ここでは、3000万円を貯める投資信託のインデックス型でのシミュレーションについてご紹介します。
 
投資信託は、利回りが実際に5%をオーバーするときもありますが、初めてのときは利回りが低めでシミュレーションしましょう。
 
なお、投資信託のみで貯めるときは、月々の積立額は次のようになります。
 
また、分配金は受け取らなくて再投資することで掲載しています。
 
投資信託の長期運用の利回りの平均が2%とすれば、30歳でスタートすると月々約6万円の積み立てが必要になります。
 
そのため、金利が0とした貯金よりも積み立てが月々約2万円安く3000万円が貯まります。
 
このように、30歳からスタートしても月々約6万円の貯金をしなければ、3000円万円が60歳までに貯まりません。
 
投資信託はインフルに対して強いこともあり、インデックス型のときは指標の平均を狙うため安定感があります。
 
なお、30歳から投資信託をスタートして、2%の利回りの平均で3000万円になるときは、支払うトータル額は約2190万円、運用益は約810万円になります。
 
しかし、投資にそれほど回せなく、全て投資信託で老後の資金を貯めるのがちょっと恐ろしいというときは、半分は貯金、残りの半分は投資信託で貯めるのもいいでしょう。
 
なお、ここでご紹介したのは、基本的に一定額を貯めるための目安です。
 
特に、50歳代のときは、子育てが終わってから貯金額や投信積立額を多くするのもいいでしょう。



このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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