【不動産投資 一棟編⑪】税引き前キャッシュフロー(BTCF:Before Tax Cash Flow)について

公開日2021/09/27
更新日2021/09/27

2021.9.27
代表取締役社長 渡邊 勢月矢

前回は、「年間返済額(ADS:Annual Dept Service)」についてお伝えしました。
前回のコラムはこちらになります。
今回は、様々な投資指標の7つ目として、「税引き前キャッシュフロー(BTCF:Before Tax Cash Flow)」についてお話したいと思います。

 

・税引き前キャッシュフロー(BTCF)とは?

 

●計算式
総潜在収入(GPI)
-空室損
-未回収損   
=純賃貸料収入
+雑収入    
=実効総収入(EGI)
-運営費(OPEX)
=営業純利益(NOI)
-年間返済額(ADS)
-資本的支出    
=税引き前キャッシュフロー(BTCF)

 

こちらのキャッシュフローは、私はかなり意識します。
なぜなら、私の場合、法人で購入しているからです。
個人の場合は、税引き後のキャッシュフローを意識しますが、法人の場合、適切な節税方法が個人よりも豊富にあり、税引き後の収益は期ごとにバラバラになるので、私はこのBTCFの最大化を個人的には目指しています。
NOIが良くても融資条件が悪い場合、BTCFが悪化します。
逆にNOIが悪くても、融資条件が良ければADSが圧縮されるので、BTCFが良くなります。
融資条件が良いとは、単に金利が低いということだけでなく、どのくらいの期間で融資を組むことができるかが重要です。
実績や属性、他物件の担保、融資商品によって、通常は15年しか組めないところを25年や
30年という長期融資を組みことができれば、ADSもBTCFもかなり良くなると思います。
また、資本的支出に関しては、どの程度の期間保有して売却するかによって、資本的支出額も変わります。いわゆるリノベーション・バリューアップ的な形で最新設備の導入、部材や間取り変更や和室を洋室に変更など賃料UPを狙うのも打ち手の一つです。外装のハード面でいえば、通常の建物メンテナンス以外に外壁の塗り替えやセキュリティー強化、宅配ボックス設置など色々とやれることはあります。
重要なことは、どの程度の築年数、物件種別、グレードの物件をいくらで購入して、いくら投資してバリューを上げて、いつ売却するかを想定して様々な判断をすることです。
いわゆるボロ物件を購入して、リフォームを施し、すぐに売却するというのは、不動産投資事業というよりは不動産再生事業に近いです。
やはり、長期的な視点で最低10年は保有し、賃料と入居率が維持できる仕組みを作ることが基本ではないかと思います。株や為替のようにキャピタルゲインだけでなく、月々のインカムゲインを得られることが不動産投資の大きなメリットでもあります。まさにキャッシュフローは投資家にとってのインカムゲインですので、購入時の分析では必ずチェックして行きましょう。

 

今回は、以上になります。
次回は、「税引き後キャッシュフロー(ATCF:After Tax Cash Flow)」
について、お話ししようと思います。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

関連する記事