賃貸物件オーナーの年収と年収を上げる方法
【目次】
収益マンションやアパートに投資を行い、家賃収入や不労所得を得たいと考えている人は多くいますが、実際の年収や収入について具体的なイメージをお持ちの方は少ないのではないでしょうか?
ここでは実際のところアパート・マンション経営はどれくらい儲かるのかご紹介します。
実際の年収を知ると大きく投資してもこれだけしか儲からないのか・・と落胆し、不動産投資を諦める方もいます。
一方でこんなに儲かるのか!と、乗り気になる方もいるでしょう。
儲かりそうだと言うイメージだけではなく、具体的な数字として投資額と回収利益について知っておくことは大切です。
またご紹介するケースはあくまで平均なので、上手く投資を行い平均以上の利益を上げる方もいます。
アパート経営・マンション経営者の年収は?
アパート経営・マンション経営者の年収と一口に言っても、これだけ儲かりますと具体的に紹介することは難しです。
というのも、経営スタイルによって大幅に利益が異なるからです。
例えばアパートを1棟所有していると言っても、部屋数や築年数、仕様により得られる賃貸収入が異なります。
マンション経営の場合も、ワンルームマンション経営なのか、区分所有なのか、ファミリー向けマンション1棟なのかによって、利益に大きな違いが出ます。
立地条件や建物のグレード、管理形態(自主管理・管理委託)など利益に差が出るポイントは他にも多数あります。
以上のことから、どの程度の所得があるのか正確な数字を出すことは難しいです。
しかし国税庁の発表する不動産所得の統計から、年収を推測することは可能です。
不動産所得とは個人が不動産投資を行なった際に得られる所得です。
国税庁が発表した申告所得税標本調査結果によると、不動産所得の平均額は512万円です。
全国で不動産所得を得ている人は、110万人います。
その中でも所得分布として最も多いのは、年収300万円超500万円以下と500万円超1,000万円以下です。
以上のことから推測すると、アパート経営1棟で得られる年収は300万円超500万円以下で、マンション1棟経営の場合は500万円超1,000万円以下です。
アパートに比べマンションは規模が大きく、部屋数も多いので利益が出やすいです。
ご紹介したのはあくまで年収で、年収は不動産経営で得た年間の金額です。
そして収入は不動産経営で得られる金銭全体を指します。
どこまでが賃貸収入になるの?
不動産の賃貸経営には賃貸収入として計上できるものとできないものがあります。
どこまでが収入となるのか確認しておきましょう。
まず物件を貸せば、その家賃は収入になります。しかし敷金と保証金は大家の収入にはなりません。
敷金と保証金は退去時の現状復帰金として預かっています。
そのため入居者が退去した際に現状復帰が必要であれば、その費用を使い現状復帰工事を行います。
現状復帰工事が不要だった場合は全額入居者に返金する必要があります。
そのため敷金と保証金をあてにすることはやめましょう。
ただし債務不履行や敷金償却の契約により、敷金と保証金を返還する必要がないこともあります。
その際には返金不要確定日に大谷の収入となります。
一方礼金と更新料はすぐに大家の収入になります。管理費や駐車場代も収入です。
収入を増やす方法は?
アパート・マンション経営の平均年収は512万円というお話をしましたが、当たり前ですがそれを下回ることもあれば上回ることもあります。
賃貸経営をすでに行なっている方や今から始める方も収入を増やす方法を知っておくと、更に儲けを出すことができます。
管理会社の変更で収入アップ
最も手軽で簡単な収益アップ方法は、管理会社を代えることです。
管理会社により管理費は様々です。そのため管理会社を比較し、より安く充実したサポートを受けることができる会社にシフトしましょう。
一時的に管理の質を向上させるために、管理会社のサービスをワンランクアップさせたとしてもそれにより満室経営に繋がるのであれば、管理費が上がったとしても収入が増えます。
できる限り空室を出さないことが大事なので、管理会社の客付力の高さも重要なポイントです。
賃貸仲介を得意とする会社に代えるだけで、空室が埋まり満室経営に繋がったというケースもあります。
管理会社の変更はリフォームのように多額の費用も必要としないので、簡単に行うことができる点も魅力です。
入居者募集に積極的な管理会社はオーナーへの連絡や相談もしっかり行なってくれます。
例えば内見に結びついたのに、契約に至らなかった際には何が悪かったのか、どうすれば契約に結びつくのかなどをオーナーに提案してくれます。
こうした生の入居希望者の声を取り入れることで、次回は成約に結びつけることができます。
ただし管理会社との契約によっては、簡単に会社が変更できないような内容になっているかもしれません。
まずは管理会社との契約内容を見直してみてください。
自己資金を増やすことで、収入を増やす
投資をこれから始めたいと考えている方は、少しでも自己資金を増やしましょう。
銀行からの借り入れが少なければ少ないほど収入が高くなります。
銀行からの借り入れが増えれば増えるほど、返済が減らず最初はただただ利息を払い続ける結果となり、思ったように儲けが出ません。
しかし借り入れが少ないと支払う利息も少額なので、早く借り入れを返済することができます。
同じ物件に投資したとしても自己資金と借り入れの割合により、儲けは大きく変わるのです。
投資してるけど儲からないとボヤいている方は、自己資金が少なく、多くを借り入れに頼っているケースが殆どです。
一方でしっかりと自己資金を貯めてから投資を始めた方は、早くから利益を出しています。
棟数を増やせば収入も増えるが、リスクも増える
収入を増やすために棟数を増やすことも一つの手です。
経営するマンションやアパートの棟数が増えるほど、家賃収入が増え、年収が上がります。
しかし棟数を増やせば増やすほどリスクも高まります。というのも、経営するアパートが2倍になったからといって必ずしも収入が2倍にはなるとは限らないからです。
一方で管理や労力は2倍になります。
悪質な収益不動産販売会社では物件を購入させるために、棟数を増やせば儲かるなどと甘い言葉で誘い、リスクについてはほとんど言及しません。
今の収益物件で儲かっていないから、他の物件を買うという選択肢はあまりにもハイリスクで素人が手を出すべきではありません。
新しく購入した物件にも入居者が集まらなかった場合、損失だけがどんどんと膨らむ結果になり、最悪の場合自己破産してしまいます。
そうならないためにも安易に棟数を増やすのではなく、現状の課題を分析し、どうすれば入居者が増えるのか様々な手を打っていく方が大切です。
不動産所得は累進課税!重い税負担が・・。
年収をあげたいのであれば、税金についてもよく理解しておくことが大切です。
まず不動産経営によって得た所得が全て収入ではありません。
例えば家賃が6万円のアパート10室が埋まった際、単純計算すると60万円が収入ですが、不動産所得ではこの60万円から必要経費を差し引いたものが収入になります。
必要経費の内容は多岐に渡ります。
まずは固定資産税、償却資産税、不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税と行った各種諸税です。
建物にかかる火災保険、地震保険といった各種保険料も必要です。
その他修繕費・メンテナンス費用、管理会社への管理委託料、不動産会社への仲介手数料、広告宣伝費、事業に要した通信代、消耗品費、減価償却費、借入金利子、ローン保証料、青色事業専従者給与、従業員がいる場合の給料・賃金、建て替えで発生した取り壊し費用、立ち退き料が必要です。
こうした必要経費を家賃収入から引いたものが収入です。
必要経費がどこまでかかってくるのかは、大家や物件、管理形態により違います。
しかし必要最低限かけておかなければいけない費用があります。
特に保険代は自然災害が増えてきているので、必ずかけておきましょう。
ケチってしまうと、いざという時に大損害になる可能性があります。
こうして得た不動産収入には、所得税や住民税といった各種税金がかかります。
不動産所得の税金は、他の所得と合算して税率が決まります。
そのためサラリーマン大家のように他に所得があり不動産の所得もある方は、本業の所得と合算されて税率が決まるのでご注意ください。
不動産の所得税は、所得が増えれば増えるほど税率が高くなる累進課税です。
税率は最低5%、最高で45%です。所得が4000万円を超えると約半分は税金で持っていかれてしまうのです。
一方で住民税の税率は一律で10%です。
不動産経営は節税対策に利用もできる
不動産所得は累進課税のため、重い税率がかかるという話をご紹介しましたが、節税対策になるという側面もあります。
もし経営が赤字になったとしても、給与所得と合算すれば支払う所得税が少なくなるからです。
所得税や不動産と本業での収入の合算で課税されるので、本業の収入が多くても不動産収入が赤字であれば、支払う税金を安く済ませることができます。
所得税を減らしながら、収益物件が資産になるのです。
また経営のために必要と判断されれば、車を経費にすることもできます。
車は高額な買い物のため、支払う税金も高いですが車が経費として計上できれば、非課税で車の購入が可能です。
年収を増やすのであれば、あえて満室経営は目指さない
年収を増やすために満室経営を目指している大家は多いです。
しかし満室経営が目的になってしまい、何のために賃貸経営を始めたのかという最初の目的を忘れる大家が多数います。
確かに長期の安定した満室経営は誰しもが目指すところです。
しかし満室経営に捉われ、大切な時間を入居者募集や管理経営に取られてしまうと、何のための不労所得か分かりません。
一方で働く必要のないある程度の不労所得を得ることを目的としているオーナーは、決して満室ではありませんが、金銭的な余裕があるので、その時間とお金をレジャーに使っています。
年収が増えても時間がなくなり、労力と手間が増えてしまえば意味がありません。
年収は高くなくても不労収入により遊んで暮らせるようになる方が充実した日々を送ることができるでしょう。
自分の時間はお金で買うことができないので、時間に余裕があり好きなことをして遊んで生きていく方がもしかすると、ある意味で年収が高いといえるのかもしれません。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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