家賃滞納時の自力救済禁止について

公開日2023/04/11
更新日2023/04/24


家賃滞納がある場合、オーナー様としては早く退去してもらい、きちんと家賃をお支払いしてくださる方に入居して頂きたいものだと思います。
今回は、実際に家賃滞納をされた経験のあるオーナー様よりご相談頂いた内容をもとに、家賃滞納時における禁止事項についてまとめてみました。

オーナー様より頂いたご相談内容

先日、弊社ホームページより、「サブリース契約している会社が家賃滞納をしているため、管理会社を変更したい」とのお問い合わせがありました。
 
詳しくお話を伺うと、サブリース契約を交わしていた会社が家賃を3ヶ月分滞納しており、契約解除の手続きは完了しているが物件を一向に明け渡してくれないので、鍵を交換して強制的に追い出したいとのことでした。
1日でも早く現状のトラブルが解消されて、健全な賃貸運営に戻していきたいというオーナー様のお気持ちはわかりますが、鍵の交換についてはお断りさせて頂きました。
入居者の許可なく鍵の交換を行うことは、オーナー様にも弊社にもリスクがあるためです。
次項では、契約が解除されているにも関わらず、鍵の交換を行うことが難しい理由についてお話していきます。

自力救済の禁止について

現在の日本では「自力救済の禁止」の原則が定められています。
 
「自力救済の禁止」とは、権利を侵害された権利者が、法律の手続きによらず自らの手で権利を実現することは認められないとするルールのことです。
例えば、先述したような家賃を払わない入居者に対し、貸主が入居者の留守中に勝手に鍵を変えてしまうことや、入居者の同意ないまま荷物を搬出し処分する行為は自力救済禁止のルールに抵触する危険があります。
 
もし自力救済の禁止を無視した行動をとってしまえば、民法で不法行為とみなされるだけでなく、刑法でも住居侵入罪、器物損害罪等に該当してしまい、損害賠償請求や原状回復請求等をされる可能性があるので注意しましょう。
オーナー様ご自身を守るためにも、法に定められた方法にて手続きをすることが大切です。

まとめ

自力救済の禁止が定められている関係から、家賃滞納をしている入居者を退去させるためには法的手続きを行う必要がありますが、契約の解除、明け渡し訴訟、強制退去の申し立てなど多くの段階があり、それぞれに必要な書類を揃えるだけでも時間と労力を費やします。
 
このような事態に陥らないようするためにも、入居審査をきちんとしてくれる管理会社なのか、万が一家賃滞納に発展してしまった際にも、誠実に対応してくれる管理会社なのかを見極めることが重要です。
 
もし現在の管理会社に不安を感じられていましたら、ぜひ一度、弊社にご相談ください。

このコラムを書いている人

R. K

R. K

千葉県出身 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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