不動産広告のルールが変わります
2022年9月から、不動産広告のルールが変わることをご存じでしょうか?
2022年2月に「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」および「表示規約施行規則」の改正案が承認され、2022年9月1日に施行されることが決定しています。
これにより、今までは問題なかった広告が不当表示とみなされてしまう可能性が出てきました。
強化される規定は?
新規約で強化される規定の中で最も大きなものに、交通に関する表記の変更が挙げられます。
今回はこちらの変更点を4つに絞ってご紹介します。
各種施設までの距離または所要時間について
販売戸数が2戸以上の分譲物件について、今までは最も近い住戸までの距離・所要時間を表記することとしていましたが、今後は最も遠い住戸までの距離・所要時間表記も必要となりました。
したがって、複数住戸(区画)の分譲地においては、今後は「駅徒歩○~○分」と表記しなければなりません。
通勤時の所要時間について
今までの規定では「通勤時の所要時間が平常時の所要時間を著しく超える時は、通勤時の所要時間を明示すること」とされていましたが、通勤時・平常時どちらでも表記が可能なうえ、朝晩どちらの通勤時間を使用するかは規定されていませんでした。
しかし改正後は、「朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明記し、平常時の所要時間も併記する」に変更されます。
また、これまで乗換えがある場合はその旨を表記するだけで良かったのが、新規約では乗換えがある旨だけでなく、おおよその乗換え時間も明記しなければなりません。
物件の起点について
新規約では、物件の起点を建物の出入口とすることが明文化されました。
今までは敷地の出入口を起点として分数・距離をカウントできましたが、改正後は建物の出入口を起点としなければなりません。
したがって、集合住宅、特に大きな分譲マンションの場合には広告表記に注意が必要です。
交通の表示の仕方について
今まで交通の表示の仕方は駅から物件までの所用時間を明示するよう規定されていましたが、これが逆向きになり、物件から駅までの所用時間へと変更になりました。
したがって2022年9月からは「A駅から徒歩10分」ではなく「A駅まで徒歩10分」と表記する必要があります。
まとめ
今回のコラムでは強化される規定に焦点を当ててまとめてみましたが、新規約では緩和される規定もあります。
例えば施設への分数表示について、これまで徒歩分数のみの表示は禁止されており必ず道路距離を併記しなければいけませんでしたが、今回の改正で徒歩分数のみの表示も認められることとなりました。
強化される規定については、施行日である2022年9月1日より前に先行して表示しても問題ありませんが、緩和される規定については、施行日前に先行して使用すると不当表示になる恐れがあるので注意が必要です。
上記でご紹介したもの以外にも、新規約では様々な変更点があります。「知らなかった」では済まされませんので、ぜひアンテナ高くルール変更の動きに乗り遅れないようにしましょう。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
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