不動産投資をするなら都市計画法は知っておこう!買うべきエリアの探し方

公開日2023/03/03
更新日2025/06/16

都市風景
都市計画法は、不動産投資をするなら理解しておくべき非常に基本的な知識です。
 
これから不動産投資を始める方はもちろんのこと、都市計画法という言葉を耳にした経験があるもののあまり気にしていなかった方は、ぜひこのコラムを読んで知識を深めてもらえればと思います。
 
都市計画法を知ることで業者のマイソク(広告)からより多くの情報が分かるようになり、物件選びが楽しくなるはずです。
 
そして都市計画法は不動産を購入する時で必ず説明される内容なので、知っておかなければ、販売会社と対等な取引が出来ずに損してしまう可能性があります。

都市計画法とは

都市計画とは、都市の将来あるべき姿を想定し、そのために必要な規制、誘導、整備を行い、より良い都市に発展させようとする方法や手段のことです。
 
例えば自由に建築できる環境で、住宅地のど真ん中に工場が建てられたり、学校の隣にゲームセンターが建てられたりしたら、治安や環境などに悪い影響があるのではと心配される方が多いでしょう。
 
このように、閑静な住宅街やスクールゾーンにふさわしくない施設などが建てられるのを防ぐために存在するのが都市計画です。
 
都市計画は、まず大きく3つのエリアに分類されます。
 

【都市計画区域】

計画的に街づくりを進めていくエリアです。
国民のほとんどはこのエリアに住んでいます。
 

【準都市計画区域】

都市計画区域ではないですが、好き勝手に開発されると困ってしまうので、制限がかけられているエリアです。
例えば過疎地にある高速道路のインターチェンジや観光地(北海道ニセコ町など)が該当してきます。
 

【都市計画区域外】

都市計画区域・準都市計画区域以外のエリアです。
山林がある場所で開発しないような場所(富士山の国有林など)が該当してきます。
 

その中で「都市計画区域」は、さらに3つの区域区分に分けられます。
 

【市街化区域】

既に市街地などが形成されているエリア、もしくは10年以内に優先的に市街化を図る地域です。
言い方を変えると、現在栄えている場所とこれから10年以内に栄えさせたい場所です。
 

【市街化調整区域】

市街化を抑制するエリアです。
住宅や施設を積極的に造らないエリアになります。
市街化開発を抑制する理由としては、生活に必要なインフラ設備があちこちに分散してしまいかえって生活がしにくい街になってしまうのを防ぐためです。
 

【非線引区域】

市街化区域にも市街化調整区域にも該当しないエリアです。
市街化区域・市街化調整区域と比べて制限が緩く開発がしやすいエリアではありますが、そもそも人が住むことを想定しているエリアではないため、インフラ設備が整っていません。

不動産投資では買うべきエリアは?/h2>
都市計画をしっかり理解していると、不動産投資ではどこが買うべきエリアか分かってくると思います。
 
基本的には、市街化区域が無難で間違いないでしょう。
 
逆に都市計画を理解していないと、「将来リゾート地になるから買いませんか?」と都市計画域外の土地を買わされるなど、騙されてしまうかもしれません。
 
自分が騙されないためにも、不動産の基本知識として都市計画について理解しておくべきでしょう。
 

用途地域とは

用途地域は大きく「住居系」「商業系」「工業系」に分けられます。それぞれの用途を分けることにより住みやすい環境をつくりやすく、効率的な商業活動を行うことができるようになるのです。
たとえば、住宅エリアに工場が建てられ住みやすい環境が壊れてしまうなどの事態を防ぐために、用途地域が存在しています。用途地域は13種類に分類でき、それぞれに以下のような特徴があります。
 

【第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域】

低層住居専用地域は用途地域の中でも、厳しい制限がかけられる地域の1つです。
いわゆる低層住宅のためのエリアで、第一種低層住居専用地域に関しては3階建以下の低層住宅しか建てられないなどの制限があります。住宅の他には保育園・幼稚園小中学校・図書館・神社などが建てられます。
 

【田園住居地域】

田園住居地域は2018年に制定された新しい用途地域で、農業の利便の増進を図りつつ、農業地域と調和した良好な住居の環境を保護する地域です。
簡単に説明すると、低層住居専用地域に農業用施設も建てられるようになったエリアになります。
 

【第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域】

第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域は、中高層住宅のための地域です。3階建以上の中高層マンション・大学・専修学校・病院が建てられます。
店舗・飲食店に関しては、第一種中高層住居専用地域だと2階以下かつ500㎡まで、第二種中高層住居専用地域だと2階以下かつ1,500㎡までが建てられます。
 

【第一種住居地域・第二種住居地域】

第一種住居地域・第二種住居地域は、住居の環境を守るための地域です。
今までの住居エリアと比べると建てられる建物の種類にだいぶ自由が利くエリアで、第一種住居地域だと3,000m2までであれば店舗・飲食店・ホテル・旅館・ボーリング場・プール等が建てられます。
第二種住居地域だと規制なしでホテル・旅館・ボーリング場・プールが建てられるほか、店舗・飲食店・カラオケボックス等は10,000㎡までであれば許可されます。
 

【準住居地域】

準住居地域は、道路の沿道において自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域で、具体的に言うと幹線道路沿いにある地域です。150㎡以下の自動車修理工場や倉庫業を営む倉庫を建てることができます。
 

【近隣商業地域・商業地域】

近隣商業地域・商業地域は、近隣の住民が日用品の買物をするための百貨店・飲食店・銀行などが集まる地域です。
他の地域と違い、店舗・飲食店・カラオケボックス・パチンコ・映画館を建てる際の制限がありません。
近隣商業地域ではキャバクラ等の風営法系施設を建てることはできないのですが、商業地域では建てられます。
 

【準工業地域・工業地域・工業専用地域】

準工業地域は、おもに軽工業の工場やサービス施設などが集まる地域です。
基本的に大きい工場でも危険性、環境悪化の恐れがなければ建設が許可されます。
 
工業地域は、基本的にどんな工場でも建てられる地域です。
そのほかにも住宅・店舗(10,000㎡以下)は建てられますが、学校・病院・ホテルといった工業地域には合わなさそうな建物は建てることができません。
工業専用地域は名前の通り工場のためだけの地域です。基本的に工場以外は建てることができませんが、例外的にカラオケボックス・保育所は建てられます。
  

まとめ

都市計画や用途地域は各役所で管理しているので、インターネットで検索するとすぐ調べられます。
  
例えば、東京都はこちらのページで開示されています。
  
把握しておくとその街のイメージがしやすくなり、例えば空き地があった時に、将来このぐらいの高さまでの建物が建てられる可能性があるなどと予測できます。
用途地域は人によってあまり関わる事がない内容かもしれませんが、覚えておいて損はありません。

このコラムを書いている人

柏井 優輝

柏井 優輝

東京都出身 2015年新卒入社 FGHフットサル部キャプテン 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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