【購入目的別】ワンルームマンション売却のコツをご案内!
【目次】
ワンルームマンション投資をする目的は、副収入を得るために・老後の年金代わり・節税のため・生命保険の代わりと大きく4つに分けられます。
購入目的によって、おすすめの売却のタイミングや相談先が異なります。
目的に沿った不動産投資を成功させるにはコツがあります。
あらかじめ把握しておきましょう。
副収入を得るのためにワンルームマンションを購入した場合の売却のコツ
毎月の手取り収入を増やすためにワンルームマンションを購入する方も多いです。
副収入目的で購入する方が利益を出す方法としては、インカムゲイン(賃貸収入)とキャピタルゲイン(売却益)の2つがあります。
副収入目的で購入した方がおさえておくべき売却のコツをご紹介します。
おおすすめの売却タイミング
副収入のためにワンルームマンションを購入した場合、売却を考えるべきは“収支がマイナスになる前”です。
実需用のマンションとは違い、投資用不動産は売却時点での利回りが売却価格に大きな影響を与えます。
収支が悪化してから売却しようとすると、赤字が広がってしまう可能性が高いので売却タイミングを見極めることが大切です。
では、どのようなときに収支が悪化してしまうのでしょうか。
収支がマイナスになる要因その1. 家賃の下落
新築時からから10年、20年と同じ賃料を取れるということはなかなかありません。
一般的には年数が経つほど、家賃は下落するものです。
大学が誘致される、新駅ができるなど家賃相場が上昇するような計画がある場合は別として一度下がった賃料が大幅に上がる可能性は少ないです。
収支がマイナスになる要因その2. 長期の空室
空室期間は当然家賃収入はありません。
しかし管理費・修繕積立金などは払い続ける必要があります。
1.2ヶ月の空室期間であればそれまでの更新料や礼金などで補填できるかもしれませんが、数ヶ月続くと赤字が大きくなってしまうでしょう。
収支がマイナスになる要因その3. 金利の上昇
多くの投資家は不動産を購入する際に 変動型金利で投資用ローンを組みます。
金利の変動は、借入金額が大きければ大きいほど返済額にインパクトを与えます。
例えば2,000万円を35年返済で借り入れした場合、0.5%金利が上がると月額の返済額は約8,300円増加します。
収支がマイナスになる要因その4. 維持費の上昇
既存設備の突然の故障などで支出が発生する可能性もあります。近年の原材料費や人件費の高騰で、リフォームにかかる工賃・設備費などは値上がりしています。
また、築年が浅いうちは安かった修繕積立金が急に何倍にも変更される物件もあります。
キャピタルゲインを狙うなら
売却価格が高くなっている時期を狙いうちしよう
副収入を目当てとして不動産を所有する場合、再販売価格も投資計画に含めた出口戦略も大切です。
エリアによって変動するケースがありますので、キャピタルゲインを目的としている方は近隣相場を把握しておきましょう。
また最近では日経平均株価の変動が大きくなっていますが、この変動は不動産価格にも影響します。
セオリー通りにいけば、株式などの利回りが上がれば不動産価格は下落する傾向にあります。
誰に相談すればいい?
物件を管理してくれている賃貸管理会社など、複数の不動産業者の意見を聞きましょう。
ワンルームマンションの取り扱いに慣れている賃貸管理会社や不動産業者であれば、修繕積立金の値上げ情報などに詳しいです。
このマンションシリーズに決まってこの時期に値上げされる、などの情報を知っていることもあります。
年金のためにワンルームマンションを購入した場合の売却のコツ
将来の公的年金を見通す財政検証によると、将来の年金支給額は減少し続ける見込みとなっています。
そのため、老後資金として不動産投資を始める方も多いでしょう。
年金対策として不動産を購入した方はどのような売却計画を立てればよいのでしょうか。
おすすめの売却タイミング
・他の投資のほうが利回りがいいと判断できるとき
不動産投資以外にも、iDeCoやNISAなど複数の金融商品が年金対策の選択肢として挙げられます。
短期的な利回りで見るのではなく、年金を貰えるタイミングでの収支がどうなっているかを計算した上で投資するべきです。
それぞれの資産形成は、メリット・デメリットが異なります。そのためこのなかから1つだけを選ぶというよりも、自分に合った複数の項目を選んだほうがよいでしょう。
資産の入れ替えを検討することも必要です。
・将来的な収入が見込めないと判断できるとき
例えば40代で築20年のワンルームマンションを購入した場合、自身が年金を貰いたいと考える30年後には物件も30年分古くなってしまいます。
築50年の物件がどれほど収益をもたらしてくれるか想像し、資産の入れ替えも検討しましょう。
誰に相談すればいい?
さまざまな投資用商品の知識があるファイナンシャルプランナーと定期的にライフプランをシミュレーションしてみましょう。
その上で、各投資の正しい知識を持っている専門業種に相談する必要があります。
金融商品であれば銀行や証券会社、不動産であれば不動産仲介会社に相談しメリット・デメリットや最近のトレンドを知ることが大切です。
節税のためにワンルームマンションを購入した場合の売却のコツ
そもそもワンルームマンションは、規模が小さいために計上できる経費も少なく節税効果は低いです。
しかし年収1,000万円を超えると所得税の税率も23%と税負担も大きくなるため、区分マンションを入れ替えながら複数所有する投資家も少なくありません。
おすすめの売却タイミング
初年度は購入にかかる費用を経費算入することができるため節税効果は大きくなりますが、翌年から効果は薄くなります。
譲渡所得税額が大きく変わる購入から5年を目処に売却を検討する方が多いです。
誰に相談すればいい?
最新の税制に詳しいのはやはり税理士です。
お付き合いの税理士がいればよいですが、そうでない場合は不動産の税金知識がある不動産業者に相談してみましょう。
中には確定申告のサポートをしてくれる税理士と提携している不動産業者もあります。
保険のためにワンルームマンションを購入した場合の売却のコツ
不動産をローンで購入する場合、団信と呼ばれる制度に加入することができます。
これは、借主が万が一死亡したり高度障害になったりした場合に、ローンの残高が保険でカバーされる保険制度です。
借主の死亡後、ローン返済の必要がなくなった物件から賃貸収入を得たり売却益を得たりすることにより、残された家族の生活が保障されます。
おすすめの売却のタイミング
・維持コストが保険以上に高くなったとき
生命保険代わりにと不動産業者に勧められて購入したものの、収支が悪化し一般的な保険に加入した方がかえって安くなることがあります。
例えば死亡保障が2,000万円の生命保険に加入した場合、年間の保険料は約37万円、月額では約3万円程度と言われています。
保険金額以上に手出しがある場合は、売却し生命保険へと切り替えを検討した方がよいでしょう。
・ライフスタイルや家族構成が変化したとき
生命保険は残された家族のために加入するものです。
例えば配偶者に先立たれたり、子供が独立したりといった場合は資産を残す必要がなくなります。
ご自身の生活をより豊かにするために売却を検討してもよいでしょう。
誰に相談すればいい?
将来必要となる補償額はライフステージによって変わります。
ご自身や家族の健康状態・寿命は誰にも確実な予測はできません。
だからこそ、定期的に見直しライフシミュレーションすることが必要です。
保険代理店やファイナンシャルプランナーにシミュレーションを出してもらいましょう。
必要額に応じて、不動産の売却や買い増しを検討することが大切です。
どのような購入目的であっても押さえておきたいポイント
出口戦略をきちんとたてる
物件購入前に出口戦略を立てていない方は、今からでも不動産仲介業者に相談しキャッシュフローを見直してみましょう。
また、ワンルームマンション仲介を得意としている不動産業者であれば、物件の価格変動をエリアごと・マンションシリーズごとに把握しているのでおすすめの売却時期についてアドバイスを受けられる可能性も高いです。
サブリースや管理委託の解除で損しないように立ち回る
投資用不動産を売却する際にネックとなるのがサブリース契約や管理委託契約です。
解除条項は管理会社によってさまざまですが、中には解約時に家賃の半年分以上の違約金を請求されてしまうケースも目立ちます。
一般的に、サブリース付きの物件は売りづらいと言われていますが、ノウハウがある仲介業者であればどう立ち回るのがベストか提案することができます。
物件の種類によって相談する不動産業者を変える
世の中にはたくさんの不動産業者が溢れていますが、それぞれ得意分野は違います。
一棟物件が得意な会社、一戸建てが得意な会社、手広く扱っている会社。
大手の仲介業者なら安心かというとそうでもなく、仲介手数料の単価が低いワンルームマンションの仲介を依頼してもなかなか積極的に動いてもらえなかったという話もよくあります。
ワンルームマンションの売買は専門の知識があるかないかで売却価格が変わりやすいため、ワンルームマンションの仲介を得意としている不動産会社にお任せしましょう。
このコラムを書いている人
Sayuri Takahashi
マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/インテリアコーディネーター