
はじめに
投資用不動産を売りたいけど、いつ・どうやって売るべき?という疑問をお持ちの方が多くいらっしゃると思います
投資物件の売却はタイミング・方法・税金がポイント。
本記事では「売りたい理由別の最適な売却方法」と「成功のコツ」を詳しく解説します。
なぜ投資用不動産を売りたいと考えるのか?
投資家が大切に運用してきた不動産を手放そうと考える背景には、さまざまな動機が存在します。ご自身の状況と照らし合わせることで、売却への考えが整理されるかもしれません。ここでは、投資用不動産を売りたいと感じる主な理由を見ていきましょう。
✅利益確定したい
✅空室が増えて利益が下がった
✅修繕費や管理費が増えて負担が大きい
✅市場価格が高騰している
✅ローン返済の負担を減らしたい
✅ライフステージの変化
利益確定したい
不動産投資の利益には、家賃収入(インカムゲイン)以外にも、購入時よりも高い価格で物件を売却することによって得られる売却益(キャピタルゲイン)があります。
不動産価格は景気や市場動向、金利などによって変動しますが、仮に購入時よりも値上がりしていたとしても、それはあくまで「含み益」に過ぎません。実際に売却して現金化して初めて、実際の利益として確定するのです。
不動産投資をしている方のなかには、不動産価格が上昇したこのタイミングを逃さずに利益を確定させたい、と考える方もいらっしゃるでしょう。確定した利益を元手に、さらなる不動産投資や他の資産形成へとステップアップすることも可能です。
空室が増えて収益が下がった
安定した家賃収入(インカムゲイン)は不動産投資の根幹ですが、さまざまな理由で空室が増え、収益性が悪化することがあります。
主な理由としては、周辺エリアの人口減少、競合となる新しい賃貸物件の増加、あるいは所有物件の老朽化による魅力低下などが考えられます。
空室期間が長引けば、収益が下がるだけでなく、維持費の負担だけが残ります。空室対策を講じても改善が見られない場合、これ以上損失が膨らむ前に資産を整理したいと考えるのは合理的な判断といえます。
修繕費や管理費が増えて負担が大きい
不動産は保有しているだけで、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金(マンションの場合)、火災保険料や地震保険料などの維持コストがかかります。
とくに築年数が経過した物件では、水濡れをはじめとした経年劣化による修繕費が増大する傾向にあります。
給湯器やエアコンなどの設備交換、外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕が必要になると、時にはまとまった高額な支出が発生します。これらのコスト負担が重くなり、想定していた利回りを維持できなくなった場合、売却を検討する大きな動機となるでしょう。
また、毎月固定でかかる管理費・修繕積立金の値上げはキャッシュフローに大きなインパクトを与えます。
株式会社FGHがワンルームマンション情報4,000件以上を分析し、築年数ごとの管理費修繕積立金合計中央値の推移をグラフにしてみました。
※本グラフは、株式会社FGHが2025年に自社で集計した、2021年以降に当社で取り扱ったデータ(4,379件)を基にしたものです。実際の管理費・修繕積立金は物件や管理組合の状況により異なる場合があります。
築20年あたりまで、新築時比の2倍程度まで上昇することがおわかりいただけると思います。
築年が浅ければ浅いほど安く、築年が経過するほど値上がりしていきます。
修繕の原材料や管理人件費のコスト増やインフレによって変化します。
購入時の資金計画が甘いと、築年が経ったときに赤字に転落するという事態も起こり得ます。
市場価格が高騰している
個々の物件の状況とは別に、不動産市場全体の価格が高騰している時期も、売却を考えるきっかけとなります。
需要が供給を上回り、全体的に価格が上昇している局面では、自身の保有物件の価格も上昇して高値で売れる可能性があります。
ただし、市場のピークを見極めるのは困難であるため、日頃からこまめな情報収集と比較検討を心がけることが大切です。
ローン返済の負担を減らしたい
投資用不動産をローンで購入した場合、毎月の返済額は不動産投資のキャッシュフローに影響します。もし金利が上がったり、家賃収入が減ったりすると、手元に残るお金が少なくなり、返済が苦しくなることもあります。
また、ローンがたくさん残っていると、事業用ローンやマイカーローンといった他のローンを組みたいときに、審査で不利になる可能性も考えられるでしょう。
「この物件を売ってローンをまとめて返し、毎月の負担を軽くしたい」「手元のお金の流れを良くしたい」こうした理由から、売却を決める場合もあります。
ライフステージの変化
個人のライフステージの変化も、不動産売却を考える大きな要因です。例えば「子供の教育資金や自身の老後資金など、まとまった現金が必要」あるいは「相続を見据えて資産を整理・現金化しておきたい」といった場合です。また、転勤や移住、健康上の理由などで、遠方の物件管理が難しくなるケースも考えられます。
不動産投資の目的や優先順位は、ライフステージによって変化するため、その時々の状況に合わせて資産ポートフォリオを見直し、売却を選択することがあります。
投資用不動産を売るベストなタイミング5選
投資用不動産を高値かつスムーズに売却するには、タイミングが非常に重要です。市場動向やローンの残債状況、物件の築年数、空室リスク、収支バランスなど、さまざまな要因を見極めることで、より有利な条件での売却が可能になります。ここでは、投資用不動産を売却するうえで知っておきたいベストなタイミングを5つ紹介します。
✅市況が良いとき
✅ローンの残債と売却価格のバランスが取れたとき
✅築年数が影響するタイミング
✅空室率が上昇しているとき
✅キャッシュフローが悪化したとき
市況が良いとき
不動産市場全体の市況が良い時期は、売却にとって有利なタイミングといえます。
たとえば、不動産価格が上昇傾向にある場合です。このような価格上昇局面では、不動産投資家をはじめとする買主が、今後のさらなる値上がり期待や資産価値向上を見込んで購入意欲を高める傾向にあります。そのため、買い手の需要が高まり、売主にとっては希望価格に近い条件で、あるいはそれ以上の価格で売却できるチャンスが広がります。
また、金融機関のローン金利が低い時期も狙い目です。低金利であれば、買主は少ない負担で融資を受けられるため、不動産を購入しやすくなり、市場全体の需要が高まる傾向にあります。
市場の動向を把握するには、国土交通省が公表する不動産価格指数の推移を確認したり、不動産会社が発表するマーケットレポートを読んだりするのが有効です。
日々の経済ニュースにも注意を払い、金利動向や政策の変化などをチェックすることも大切になります。
ローンの残債と売却価格のバランスが取れたとき
投資用ローンの残債額と、想定される売却価格とのバランスも、売却時期を判断する重要な要素です。理想的なのは、「売却価格(手取り額) - ローン残債 = プラス」となる状態、つまりアンダーローンの状態といえるでしょう。この場合、売却代金でローンを完済し、さらに手元に現金が残るため、売却による経済的なメリットが得られます。
逆に、売却価格よりもローン残債の方が多いオーバーローンの状態だと、売却時に自己資金で不足分を補填する必要があります。また、銀行が売却を認めないため、そもそも売却自体が難しいケースもあります。どうしても売却が必要な場合は、金融機関への相談や、任意売却といった手段も検討する必要が出てくるかもしれません。
売却を考え始めたら、まずは金融機関に現在のローン残債額を確認しましょう。そのうえで、不動産会社に査定を依頼し、売却価格の目安を把握します。査定価格から仲介手数料などの諸費用を差し引いた金額が、ローン残債を上回る見込みが立った時期は、売却の好機と判断できるでしょう。
築年数が影響するタイミング
一般的に、建物の価値は築年数の経過とともに下落していく傾向があります。とくに中古マンションなどでは、明確な根拠はありませんが、築10年、15年、20年といった節目で価格が段階的に下がる傾向が見られることがあります。
また、法定耐用年数が近づくと金融機関からの評価も厳しくなり、買主が融資を受けにくくなる可能性も考慮すべき点です。
一方で、築年数が浅いうちに売却すれば、比較的高値での売却が期待できるといった点はメリットといえるでしょう。買主にとっても、新しい物件は修繕リスクも少ないため、買い手がつきやすい傾向があります。
しかし、所有期間が5年以下の場合、売却益(譲渡所得)に対して、所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて39.63%の税率がかかるため注意が必要です。なお、5年超であれば20.315%に軽減されます。
築年数と価格の関係、税金のルール、そして将来的な修繕コストなどを総合的に考慮し、どのタイミングで売却するのが最も合理的かを判断することが求められます。
築10年、15年、20年といった節目も、意識されやすいという点も知っておきましょう。
空室率が上昇しているとき
保有している物件の空室が増えたり、空室期間が長引いたりする状況は、賃貸経営の収益悪化に直結するため、売却を検討する一つの目安となります。空室率の上昇は、周辺の賃貸市場における競争が激化している、あるいは物件自体の魅力が低下しているサインかもしれません。
競合となる新しいマンションやアパートが増えれば、入居者募集はより困難になります。また、建物の老朽化や設備の陳腐化が進めば、家賃を下げざるを得なくなる可能性もあります。
まずは周辺の家賃相場や競合物件の状況を調査し、自身の物件の競争力を客観的に評価しましょう。リフォームや家賃の見直しといった対策を講じても空室状況が改善しない場合は、賃貸市場での競争力がさらに低下する前に、売却を検討するのは有効な戦略といえます。早めの判断が、より有利な条件での売却につながる可能性があります。
キャッシュフローが悪化したとき
不動産投資の健全性を測る重要な指標の一つに、キャッシュフロー(CF)があります。これは、不動産投資における現金の流れを示すもので、不動産投資の場合、年間の家賃収入から、ローン返済額、管理費・修繕費といった運営経費、固定資産税などの税金を差し引いて計算されます。
キャッシュフローがプラスの場合、賃貸経営によって手元にお金が残っている状態です。一方、キャッシュフローがマイナスということは、収入よりも支出が多く、不足分を自己資金などから持ち出している状態を示します。
そのため、当初の想定よりもキャッシュフローが大幅に少ない、あるいはマイナスになっている状況は、経営が悪化しているサインといえるでしょう。
キャッシュフロー悪化の主な原因としては、空室の発生や家賃の下落などによる家賃収入の減少や、突発的な修繕費の発生、管理費や税金の値上がりなどによる運営コストの増加が考えられます。
とくに築年数が経過した物件では、修繕費の負担が増加し、キャッシュフローを圧迫しやすくなる傾向があります。
キャッシュフローの悪化が一時的な要因ではなく、物件の競争力低下やコスト構造の変化といった構造的な問題に起因するようであれば、そのまま保有し続けることがさらなる損失拡大につながりかねません。
定期的に収支状況を確認し、利回りやキャッシュフローの悪化傾向が続く場合は、売却も視野に入れる必要があるでしょう。
高く売るためのポイント
投資用不動産を少しでも高く売るためには、いくつかのコツが必要です。ここでは、高値売却成功の鍵となる「査定依頼」「物件の魅力の伝え方」「売却戦略の立て方」という3つの重要ポイントを解説します。
✅複数の不動産会社に査定を依頼
✅物件の魅力を最大限に伝える
✅適切な売却戦略を立てる
複数の不動産会社に査定を依頼
物件の適正な価値を知り、有利な条件を引き出すためには、査定を1社だけに依頼するのではなく、必ず複数の不動産会社に依頼することが重要です。目安として、3〜5社程度に声をかけるとよいでしょう。
複数社に査定を依頼するメリットは主に次の3つです。
1. 適正価格の把握:各社の査定額を比較することで、おおよその相場観をつかみ、安値で売ってしまうリスクを防ぎます。
2. 競争原理の活用:不動産会社間に競争が働き、より高い査定額や積極的な販売活動が期待できます。
3. 信頼できる会社の見極め:査定額だけでなく、その根拠や担当者の対応、提案内容などを比較し、安心して任せられるパートナーを選定できます。
最近では、インターネット上で簡単な物件情報を入力するだけで、複数の会社に一括で査定依頼ができる一括査定サイトもあります。無料で利用できるものが多く、手間をかけずに複数社の査定結果を集められます。
ただし、査定額の高さだけで会社を選ぶのはリスクが高いかもしれません。なぜなら、契約を取りたいがために相場より高い査定額を提示するケースもあり得るためです。どのようにしてその査定額になったのか、具体的な根拠や販売戦略をしっかり確認し、納得できる説明をしてくれるなど、投資用不動産に強い会社を見極めることが重要です。
投資物件の売買実績が豊富かどうかも、会社選びの重要な判断基準となります。
物件の魅力を最大限に伝える
一般的に、投資用不動産の買主は、その物件が生み出す収益性を重視します。そのため、売却を成功させるには、その物件の収益性の高さを買い手に効果的にアピールすることが重要になります。
具体的には、以下のような情報を整理し、分かりやすく提示すると効果的です。
• 利回り:現在の家賃収入に基づいた表面利回りやNOI(純営業収益)利回りなどを正確に計算し提示します。将来的な賃料上昇の可能性なども補足できると良いでしょう。
• 入居率:現在の入居状況だけでなく、過去の入居率の推移を示すことで、安定した賃貸経営が実現できていることをアピールできます。満室であれば大きな強みになります。
• 立地:最寄り駅からの距離、周辺施設の充実度、将来的な開発計画など、賃貸需要に影響を与える立地条件の良さを具体的に説明します。
• 管理状況:建物の修繕履歴や管理状態の良さを伝えることで、買主の将来的な修繕リスクへの不安を軽減できます。管理会社に管理を委託している場合は、その実績もアピールポイントになり得ます。
さらに、これらの情報をもとに収支シミュレーションを作成し提示することも、売却成功率を高める有効な手段です。購入後のキャッシュフローを具体的にイメージできるよう示すことで、買主の購入判断の後押しができます。
適切な売却戦略を立てる
投資用不動産を高値で売るためには、適切な売却戦略を立てる必要があります。ここでは売却方法と媒介契約という2つのポイントから解説します。
売却目標(高値か早期か)で仲介か買取かを選ぶ
売却戦略の第一歩として、「高値」と「早期現金化」のどちらを優先するか明確にすることが大切です。高値売却を優先する場合は、時間をかけて高価格を目指しますが、売却期間が長引く可能性も考慮しましょう。この場合、一般的に仲介による売却を選択します。
一方、早期売却を優先するなら、不動産会社に直接買い取ってもらう買取という方法を選択すれば、よりスピーディーな現金化が期待できます。ただし、一般的に買取価格は市場価格よりも低くなる傾向があります。ご自身の資金計画や売却理由に合わせて、どちらの売却方法が最適か慎重に判断しましょう。
物件特性や戦略に合わせて最適な媒介契約を選ぶ
売却の優先順位に合わせて、不動産会社と結ぶ「媒介契約」の種類を選ぶことも重要な戦略です。主な契約形態は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。
一般媒介は、複数の会社に依頼でき、広く買主を探せますが、販売活動が手薄になる可能性もあります。専任媒介は、依頼先を1社に絞る(ただし自己発見取引は可)ため、より積極的な活動と定期的な報告が期待できるでしょう。専属専任媒介は、依頼先が1社で自己発見取引も不可という最も制約の強い契約ですが、最も熱心な販売活動が期待できます。
需要が高いと予想される好立地・人気エリアの物件なら、一般媒介で不動産会社間の競争を促し、高値売却を狙う戦略も有効です。
一方、競合が多いエリアなど、売却に時間や工夫が求められそうな場合は、専任媒介や専属専任媒介で1社に販売を託し、集中的な活動によって有利な売却を目指すのが良いでしょう。
このように、物件の特性や売却戦略、不動産会社との信頼関係などを踏まえ、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで最適な契約形態を選択することが重要です。
「売りたいけど売れない…」よくある問題と解決策
投資用不動産を「売りたい」と思っても、なかなか買い手が見つからないケースもあります。ここでは、売却活動中によく直面する問題とその解決策について解説します。
売却価格が高すぎる
売れない最も一般的な理由の一つが、設定した売却価格が市場相場と比較して高すぎることです。少しでも高く売りたいという気持ちは多くの方が思うところでしょう。しかし、相場からかけ離れた価格では、購入希望者の検討対象にすらならない可能性があります。
解決策としては、まず、再度周辺の類似物件の取引事例や現在の売り出し価格を調査し、客観的な市場相場を把握しましょう。不動産会社の査定額も参考に、現実的な価格に見直すことを検討します。
必ずしも大幅な値下げが必要なわけではありませんが、市場の状況に合わせて柔軟に価格調整を行う姿勢が重要です。信頼できる不動産会社の担当者に相談し、適切な価格設定についてアドバイスを求めるのも良いでしょう。
空室が多いと売れにくい?
アパートや一棟マンションなどで空室が多い状態だと、利回りが低く見えるうえ、入居者募集の手間も懸念されます。そのため購入後の収益性に不安を感じ、買主から敬遠される場合もあるでしょう。
基本的な対策としては、売却活動と並行して、広告活動や家賃、敷金・礼金といった募集条件を見直し、積極的に入居者を募集して満室に近づける方法が考えられます。これにより物件の印象は大きく改善されるでしょう。
さらに、買主の空室リスクへの不安を和らげる代表的な方法として、サブリース契約を利用し、一定の家賃収入を確保する方法があります。ただし、これらの契約を利用する際は、保証される賃料の額や免責期間、手数料、契約解除の条件などを十分に確認することが大切です。
築年数が古い物件の売却方法
築年数が経過した物件は、金融機関の融資が付きにくい、あるいは買主が将来の修繕コストを懸念するなどの理由で、売却が難しくなることがあります。
主な対応策としては、リフォームやリノベーションを行ってから売却するか、現状のまま売却するかの選択が考えられるでしょう。
リフォーム等を行う場合、物件の価値や印象を高め、買い手がつきやすくなる効果が期待できます。しかし、投資した費用が必ずしも売却価格に反映されるとは限らない点に注意が必要です。費用対効果を慎重に見極め、どの程度の改修が有効か不動産会社に相談してみることをおすすめします。
一方、現状のまま売却する場合は、リフォーム費用はかかりません。ただし、価格設定は相場より低めになるのが一般的です。しかし、購入後に自分の好みでリフォームしたいと考える買主にとっては、かえって魅力的に映ることもあります。
また、早期に現状のまま現金化したい場合には、不動産会社による買取も有力な選択肢ですが、価格は仲介で売るよりも低くなるのが一般的です。
どちらの戦略を選ぶかは、ターゲットとする買主の層や物件の状態を考慮して決定することが重要です。
不動産投資の売却でよくあるQ&A
投資用不動産売却に関するよくある質問と回答をまとめました。不安の解消や、より良い意思決定を行うためにお役立てください。
ローンが残っていても売れる?
投資用不動産のローンが残っている状態でも売却することはできます。一般的には、売却によって得た代金を使ってローン残債を一括返済し、物件に設定されている抵当権を抹消する手続きを行います。
ただし、注意点として、売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの状態だと、差額を自己資金で用意しなければ抵当権抹消ができないため、売却ができません。
売却を検討する際は、まず金融機関に連絡して正確なローン残債額をご確認ください。
購入時より価格が下がっていても売るべき?
一概にお答えするのは難しいケースといえます。重要なのは、キャッシュフローの状況と、今後の出口戦略(売却計画)です。
たとえ購入時より価格が下がっていても、毎月のキャッシュフローがプラスで、今後も安定した賃貸経営が見込めるのであれば、保有し続けるという選択肢もあります。しかし、キャッシュフローが悪化している、あるいは将来的に大きな修繕費が見込まれるなど、保有し続けることのリスクが高いと判断される場合は、損失を確定させる、いわゆる損切りのための売却も有効な戦略となり得ます。
含み損の状況だけでなく、運用全体の収支や将来性を考慮して判断することが大切です。
個人と法人、どちらで売却する方が得?
個人所有と法人所有の不動産売却では、利益に対する税金の仕組みが異なります。
個人の場合、売却益(譲渡所得)に対しては、所得税・住民税が課税され、所有期間に応じて税率が変わります(長期保有で約20%、短期保有で約39% ※)。一方、法人の場合、売却益は法人の事業利益などと合算され、法人の種類や所得金額によって税率は異なりますが、法人税(実効税率 約23.2~30%)の対象となります。
どちらの税負担が軽くなるかは、売却益の額、所有期間、個人の他の所得状況、法人の経営状態、さらに法人設立・維持のコストなどを総合的に考慮する必要があり、一概には言えません。
最終的な判断や具体的な税額については、税理士などの専門家へ相談し、ご自身の状況に合わせたシミュレーションを行ってもらうことをおすすめします。
※復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含む概算の税率です。所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。個人の所得状況や各種控除、法人の状況によって実際の税負担は異なります。詳細な税率や計算方法については国税庁のウェブサイト等で最新の情報をご確認いただくか、税理士にご相談ください。
売却までどのくらいの期間がかかる?
平均3〜6ヶ月が目安です。ただし、投資用不動産の売却にかかる期間は、マンション、アパート、一棟ビルといった物件の種別や、価格、立地、市場の状況などによって大きく異なります。
人気物件であれば1ヶ月程度で売れることもありますし、条件によっては1年以上かかるケースも珍しくありません。売却を急ぐ場合は価格交渉で譲歩が必要になることもあります。希望する売却時期から逆算し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。
株式会社FGHでの大阪府の物件の平均売却期間は93.6日でした。
※売却活動開始から決済日までの日数を算出しています。
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まとめ・まずやるべきこと
最後に、売却を成功させるために、とくに重要な点を再確認し、具体的な最初のステップについてお伝えします。計画的な行動が、満足のいく結果につながるでしょう。
投資用不動産を売却するタイミングが重要
投資用不動産の売却においては、そのタイミングを見極めることが極めて重要です。市場の動向、ローンの状況、物件の状態、ご自身のライフプランなど、さまざまな要因を総合的に考慮して、最適な時期を逃さないようにしましょう。
「高く売るコツ」を実践すれば損せず売却できる
売却タイミングと並んで重要なのが、いかに高く売るかという点です。複数社への査定依頼、投資物件に強い不動産会社との連携、物件の魅力の効果的なアピール、そして適切な売却戦略。これらのポイントをしっかりと実践することで、大切な資産の価値を最大限に引き出し、有利な条件での売却を実現できる可能性が高まります。
まずは「無料査定」で相場を確認することが大切
売りたいと思ったら、まず、複数の不動産会社に「無料査定」を依頼し、現在の物件価値と市場相場を把握することが大切です。
まずは気軽に利用できる無料査定で、ご自身の物件の現在価値を確認してみることをおすすめします。
株式会社FGHは全国のワンルームマンション売却に特化した収益不動産の仲介業者です。
過去10,000件以上の取引実績、最新の取引事例、今後の経済情勢も踏まえ、お客様の様々な状況にあったオンリーワンプラン型のコンサルティングをさせて頂きます。

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。