ワンルームマンションを売りたい!売却の準備と成功のコツ
これって、本当に“資産運用”ですか?
- 賃料収入の減少で収支悪化
- 修繕費や管理費の上昇で赤字転落
- 入居者対応のストレスやトラブル対応の負担

いざマンションを購入したけど、想像を絶して時間もお金も手間もかかる、さらに利益は意外に少ない。
「マンションを売りたい!」と、頭によぎるオーナー様もいるはず。
しかし、将来の資産を守ろうと考えているあなたにとって「売るべきか、それとも持ち続けるべきか」の判断は、軽く下せるものではありません。
本記事では宅地建物取引士・FP2級の専門家監修のもと、ワンルームマンションを売却すべき理由・判断の軸、そして後悔しない準備の進め方までを丁寧に解説します。
今が本当に“売りたい”タイミングなのか。
本記事を最後まで読めばマンションを売る適切なタイミングと方法を知ることができるはずです。
ワンルームマンションを売りたいと思ったきっかけは?
将来の資産形成のために購入したワンルームマンションも、時間の経過とともに収益性や管理の負担に変化が生まれることがあります。
多くのオーナー様が「そろそろ売却した方がいいかもしれない」と感じるきっかけを抱えています。
✅家賃下落
✅管理コスト増加
✅賃借人トラブル
✅ローン残債と売却価格の逆転懸念
✅資産整理・ライフプラン変更
✅次の投資チャンスを狙いたい
✅税金対策・相続対策
✅周辺市況悪化の兆候
本章では売却を考え始めた主な理由について具体的に見ていきましょう。
家賃下落
築年数が15年を超えるワンルームマンションでは、設備の古さや周辺の新築物件との競合により家賃相場が下がりやすくなります。
エリアによっては供給過多となっており、空室が長期化するリスクも高まっています。
空室期間が続けば収入がゼロになるだけでなく、募集費用や清掃・修繕などの出費も重なってしまいます。
家賃下落が続き、思うような収益が得られない状況が続く場合は無理に保有を続けるよりも、今の相場を見極めて早めに売却することが手残りを確保するための一つの選択肢になります。
収益性が下がりきる前に動けるかどうかが、将来の資産を守るカギになるでしょう。
管理コスト増加
毎月支払う管理費や修繕積立金は、築年数の経過とともにじわじわと上昇していきます。
共用部の設備更新や大規模修繕が近づくと、特別負担金が求められるケースもあります。
「利回りは悪くない」と感じていても、実際に手元に残るお金が少なくなっているという声もよく聞かれます。
築10年以上の物件では給排水設備や外壁の劣化が進み、想定外の出費が発生するリスクも高まります。
将来的な負担を考えると現時点で収支が安定しているうちに売却し、資金を他の用途に活かすことも選択肢の一つです。
見えにくいコストが将来の資産形成を圧迫する前に、一度立ち止まって見直してみる価値はあります。
賃借人トラブル
家賃滞納や近隣住民とのトラブルといった賃借人との問題は、オーナー様にとって大きな精神的負担となりがちです。
例えば、家賃の支払いが遅れがちで何度も連絡を取らなければならなかったり、夜間の騒音やゴミの出し方をめぐるクレームが管理会社経由で届いたりと、想像以上にストレスがかかります。
管理を委託している場合でも、最終的な判断や責任を求められる場面も少なくありません。
長く運用している物件では、トラブルが続くことで「このまま賃貸経営を続けていくのは難しいかも」と感じることもあるでしょう。
負担を軽減し、気持ちの面でも安心を得るためには、売却という選択も一つの方法です。
生活や仕事に影響が出る前に、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。
ローン残債と売却価格の逆転懸念
ワンルームマンションは築年数の経過とともに資産価値が下がっていきます。
一方でローンの残債がまだ多く残っている場合、売却価格が残債を下回る“オーバーローン”の状態になってしまうリスクも考えられます。
金利上昇や市場の冷え込みが起きると、査定額が想定より低くなることもあります。
「今のうちに売却すればローン完済後に手元に現金が残る」という状態であれば、一つの判断ポイントです。
将来の相場を読み切るのは難しいからこそ、損を出さずに売れるうちに動いておくという決断が後悔のない選択につながることもあります。
一般的に、35年で組んだローンの元本が実際に“目に見えて”減り始めるのは10年目から15年目あたりからになります。
残高が減るスピードと築年の経過により物件の価値が下がるスピードを見極める必要があります。
以下のグラフは、35年完済時に物件の価格が購入時の50%を切ると想定した場合のシミュレーションです。
物件価格がローン残高を上回るタイミングで売却することができれば、手出しなく売却を完了することができます。
資産整理・ライフプラン変更
子どもの進学や塾・習い事など、教育資金がこれから本格的に必要になるというご家庭は多いのではないでしょうか。
定年後の生活費や老後資金について考え始めたとき「今のうちに資産を整理しておいたほうがいいかもしれない」と感じる方も少なくありません。
ワンルームマンションは、まとまった資産として現金化しやすい点がメリットです。
売却すれば、一時的な出費にも対応しやすくなり、ライフプランの変化にも柔軟に対応できます。
今後の生活を見据えて、運用が不安定な不動産を手放し、必要なところにお金を使える状態を整えることは、将来の安心感にもつながります。
資産の見直しは、早めに行動するほど選択肢が広がります。
次の投資チャンスを狙いたい
現在所有しているワンルームマンションの収益性に限界を感じ、「もっと利回りの良い物件に乗り換えたい」と考える投資家は少なくありません。
築年数が経ち家賃が下がり始めていたり、管理コストが増えてきたりすると「このまま保有していても収益が先細りするだけでは」と不安になる場面も出てきます。
一度売却して資金を回収し、今後の成長が見込めるエリアや物件へ投資先を変えるのも一つの手です。
エリアの再開発や人気の移り変わりを見ながら、より効率的な資産運用を目指す動きは非常に現実的です。
投資は一度始めたら終わりではありません。
状況に応じて柔軟に動くことが、長期的な収益確保につながります。
税金対策・相続対策
将来の相続を見据えて、ワンルームマンションの整理を考える方が増えています。
相続時には不動産の評価額や登記・分割の手間が大きな負担になることもあり、生前のうちに現金化しておくことで遺族のトラブルを避けやすくなります。
築年数が経過し価値が下がり始めている物件や、今後の修繕負担が大きいと見込まれる物件は元気なうちに処分しておくのが賢明です。
税制の変更も考慮に入れつつ損をしない売却を実現するためには、タイミングを逃さず行動することが大切です。
不動産の整理は、将来の安心を作る大きな一歩になります。
周辺市況悪化の兆候
近隣エリアの空室が目立つようになったと感じている場合、地域全体の賃貸需要が落ちているサインかもしれません。
周辺に新築物件が増えている・駅前の商業施設が閉店した、といった変化も市況悪化の前兆となります。
大規模修繕の時期が迫っている物件では、数十万円規模の追加費用が発生することもあります。
負担が重なる前に売却を進めておけば、資産価値が下がるリスクを避けやすくなります。
市場が冷え込む前に動けるかどうかは、オーナー様の将来の収益にも大きく影響します。
地域の変化に敏感に反応しタイミングよく手放すことが、損をしない不動産運用のポイントです。
今後の動向をしっかり見極めて判断していきましょう。
売るなら「今」?それとも「待つ」?市場を読むポイント
現在の不動産市場で「売るべきか、待つべきか」を判断するには、金利動向、在庫状況、海外投資家の動向など、複数の要因を総合的に考慮することが重要です。
金利動向:上昇傾向が続く
楽天銀行の住宅ローン金利推移によると、2025年1月から5月にかけて、変動金利は1.654%から1.918%へ、10年固定金利は2.533%から2.730%へと上昇しています。
参考:楽天銀行 2025年の変動金利や固定金利の推移
上昇傾向は借り手の負担増加を意味し、住宅購入の意欲を減退させる可能性があります。
金利がさらに上昇する前に売却を検討することは、賢明な選択と言えるでしょう。
在庫状況:供給過多のリスク
新築マンションの供給が増加し、中古物件の在庫も積み上がっている地域では、価格競争が激化しています。
都市部では空室率の上昇が顕著で、売却価格の下落リスクが高まっています。
市場が飽和状態になる前に、早めの売却を検討することが望ましいです。
海外投資家の動向:市場への影響
円安や日本の不動産市場の安定性を背景に、海外投資家の参入が増加しています。
特に東京や大阪などの都市部では、海外資本による物件取得が活発化しており、価格の押し上げ要因となっています。
このような動きが続く中で、売却を検討することは、好機を逃さないためにも重要です。
これらの要因を総合的に判断し、金利がさらに上昇する前、在庫が増加する前、海外投資家の需要が高まっている今こそ、売却を検討するタイミングとして適していると言えるでしょう。
売るべきか持ち続けるべきか判断するポイント
ワンルームマンションを手放すべきか、それとももう少し保有を続けるべきか。
判断は簡単ではありません。
ただ漠然と悩むのではなく物件の現状や将来の見通しを整理することで、自分にとって最適な選択が見えてきます。
✅現在の賃料・入居状況の整理
✅築年で値上がりを予測する
✅地域需要や、人口問題を考える
✅困ったらプロに相談
本章では判断材料となる4つの視点をご紹介します。
現在の賃料・入居状況の整理
売却を考える前に、まずは現在の賃料と入居状況を整理してみましょう。
家賃が購入当初と比べて下がっていないか、空室期間が長引いていないかをチェックすることが大切です。
家賃収入からローン返済や管理費を差し引いてどのくらい手元に残るかを数値で把握することで、持ち続ける価値があるか判断しやすくなります。
収支がギリギリだったり赤字になっているようであれば、今後の運用リスクを避けるためにも、売却を前向きに検討するタイミングかもしれません。
築年で値上がりを予測する
ワンルームマンションは築年数によって資産価値が大きく変わります。
一般的に、築10年〜15年を超えると売却価格は下がりやすくなり、家賃相場にも影響が出てきます。
ただし立地や管理状況が良ければ、一定の価値を保ちやすい傾向もあります。
将来的に価格が上がる可能性があるか、もしくは下落リスクが高まるかを判断するためには、周辺の売却事例や過去の相場データを確認しておくと参考になります。
築年数と市場の関係を見極めることで、売り時をつかむヒントになります。
地域需要や、人口問題を考える
不動産の価値は立地に大きく左右されます。
エリアの人口が減っているか、若者や単身世帯の流入があるかといった動きは、今後の賃貸需要を左右する重要な要素です。
特に郊外や地方エリアでは少子高齢化や空室率の上昇が影響して、資産価値が急速に下がるリスクもあります。
逆に再開発や駅周辺の整備が進んでいる地域であれば、今後の値上がりも期待できるかもしれません。
エリアの将来性を冷静に見つめることが、売るか持ち続けるかの判断材料になります。
困ったらプロに相談
「売るべきか、このまま保有するか」で悩んだときは、無理に一人で判断しようとせず、不動産の専門家に相談するのがおすすめです。
第三者の視点からアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった選択肢やリスクを知ることができます。
無料で査定やシミュレーションをしてくれる業者も多く、情報収集の一環として相談してみるだけでも価値があります。
経験豊富なプロと話すことで、より納得のいく判断ができるようになります。
よくある失敗パターン
オーナーチェンジ物件の売却では、正しい判断ができるかどうかで結果が大きく変わります。
実際に多くの方が、思い込みや情報不足によって損をしてしまうケースも。
本章では、ありがちな3つの失敗パターンをご紹介します。
どれも「最初に知っていれば避けられた」ものばかりですので、チェックして今後の判断に役立ててください。
【失敗例その1】査定額だけで仲介会社を選んだ結果、長期化し売り時を逃す
売却を検討するとき「高い査定額を出してくれた会社にお願いしよう」と思ってしまいがちです。
しかし査定額が高いからといって、実際にその価格で売れるとは限りません。
中には契約を取りたいがために、相場以上の金額を提示する業者もあります。
結果、売却活動が長引きタイミングを逃して価格を下げることになるケースも多く見られます。
仲介会社を選ぶときは査定額だけでなく、会社の販売力や実績・対応の丁寧さなども総合的に比較することが大切です。
【失敗例その2】現在の家賃収入だけに目を向けて、将来的な価値や物件の維持コスト、修繕費などを見落としてしまう。
今の家賃収入が一定程度入っていると、「このまま持ち続けた方がお得」と感じるかもしれません。
しかし築年数が進むと家賃は徐々に下がり、同時に修繕費や管理費などのコストも増えていきます。
目先の収入だけを重視して判断してしまうと、将来的に赤字になるリスクを見落としてしまいます。
売却を考えるときは、今後の収支予測や建物のメンテナンス状況・資産価値の推移なども含めて判断することが、後悔のない選択につながります。
【失敗例その3】市場が変動しているにも関わらず、過去の成功体験で売却のタイミングを逃してしまう
「前回は高く貸せたから、今回もきっと大丈夫」「前に売ったときはこの価格だったから、今もそれくらいで売れるだろう」過去の成功体験に引っ張られてしまい、今の市場の動きを見誤ることがあります。
不動産市場は常に変化しており、金利や人口動態、投資家の動向などさまざまな要因で価格が上下します。
過去の経験は参考程度にとどめ、最新の市場情報や専門家の意見をもとに判断することがタイミングを逃さないコツです。
まとめ
ワンルームマンションの売却を成功させるには、今の市況を定期的にチェックし、自分にとってベストなタイミングを見極めることが重要です。
特に金利の動きや、エリア内の物件数など需給のバランスを冷静に分析することで、損を避けやすくなります。
感覚や過去の経験だけに頼らず、現状に合わせた判断をすることが後悔しない売却につながります。
迷ったときは専門家の力を借りるのも一つの方法です。
株式会社FGHは全国のワンルームマンション売却に特化した収益不動産の仲介業者です。
過去10,000件以上の取引実績、最新の取引事例、今後の経済情勢も踏まえ、お客様の様々な状況にあったオンリーワンプラン型のコンサルティングをさせて頂きます。

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 2級ファイナンシャルプランニング技能士 / インテリアコーディネーター
株式会社FGH マーケティング部
新卒以来、不動産業界・建設業界に一貫して従事し、投資用ワンルームマンションの売買・管理・活用に関する豊富な実務経験を積む。
専門知識を活かしつつ、初心者の方にもわかりやすく情報を届けることをモットーに、コラム執筆や監修にも携る。
プライベートでは2児の母。家庭でも「お金の大切さ」を子どもと一緒に学びながら、楽しく金融教育に取り組んでいる。
このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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