オーナーチェンジ物件は本当に売れない?マンション売却専門業者が語る“オーナーチェンジ売却”のリアル

公開日2025/05/24
更新日2025/05/24

オーナーチェンジ物件は本当に売れないのか?

  • オーナーチェンジ物件を上手に売却するにはコツが必要です。
  • オーナーチェンジ物件で損したくない方必見の売却のコツをご紹介します。

オーナーチェンジ物件は本当に売れない?マンション売却専門業者が語る“オーナーチェンジ売却”のリアル

マンションを手放したいけれど、入居者がいる「オーナーチェンジ物件」は売れにくいと聞いて不安…そんなお悩みを抱えていませんか?
売却のタイミングや見せ方を工夫すれば、どのようなオーナーチェンジ物件でも十分に高値で売却できる可能性があります。
本記事では、成功事例や対処法を交えて、売却のポイントをわかりやすく解説します。

オーナーチェンジ物件売却の現実とは?

近年、投資用マンション市場や空き家活用市場は活発化しており「オーナーチェンジ物件」の数も増えています。
入居者がいる物件を売却するスタイルは、安定した家賃収入を背景に魅力的なようにも見えます。
しかし「オーナーチェンジ=売れにくい」というイメージを持たれることも少なくありません。
 
実際は、投資用ワンルームマンションの場合は入居者がいる方が空室の状態より高く売れる可能性が高いです。
それでもオーナーチェンジが売れにくいと言われてしまうのは、ファミリータイプのマンションで入居者がいる場合は売れにくいという現実があるからです。
 
入居者がいるマンションが売買された場合は賃貸用の物件として買主に引き継ぐことになります。
自分で住むことができないとなると、自己居住用で探している方の候補から除外されてしまうためターゲットはおのずと狭まります。
 
賃貸中の物件は投資目的の買主が対象になるため、購入希望者は投資家に限定されることになります。
さらに、ファミリータイプのマンションは利回りが低い場合が多く、投資家にとってもあまり魅力的には映らないため、投資家からも敬遠されがちです。
 
このように、元々投資用につくられたワンルームマンションのように売りやすいわけではありませんが、「売れにくい=売れない」わけではありません。
収益性の高さや立地の良さが伝わるような見せ方を工夫することで、オーナーチェンジ物件でもしっかり売却できている事例は多数あります。
 
正しい知識と準備があれば、ファミリータイプのオーナーチェンジ物件でもスムーズに売却できるチャンスは十分にあります。

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ファミリータイプのオーナーチェンジ物件が「売れにくい」とされる理由

ファミリータイプののオーナーチェンジ物件が「売れにくい」と言われるのには5つの共通した理由があります。
5つとも買主にとって判断材料や条件として重視される部分であり、売却時のハードルとなることがあります。

1. 購入希望者が限定的になる

オーナーチェンジ物件は基本的に「投資目的の買主」が対象となるため、自宅として探している人(実需層)からは選ばれません。
結果として、販路が狭まりやすくなります。

2. 室内の確認ができない

入居者が住んでいるため、内見ができないケースが多く、買主が物件の状態を直接確認できません。
「中が見られない」という不安が、購入をためらわせる原因になります。

3. リフォームの自由度がない

現状のまま引き継ぐことになるため入居者が退去するまではリフォームができません。
古くなった内装などがマイナス評価になりやすく、買主にとっての魅力を下げてしまうこともあります。

4. ワンルームマンションに比べ利回りが低い

ファミリータイプのマンションの場合、ワンルームマンションより利回りは低くなりがちです。
投資家心理としては、ファミリータイプを1部屋買うより、ワンルームマンションを2部屋買った方が利回りも高くリスク分散もできると考えてしまうのも無理はありません。

5. ローン審査のハードルが高い

オーナーチェンジ物件は基本的に投資用ローンの対象となるため、審査基準が厳しく金利も高めです。
住宅ローンに比べて買主の資金調達が難しくなる場合があります。
また、ファミリータイプの物件はワンルームマンションと比較すると高額になる場合が多く、出せる頭金の額や収入により借りられる人が限られてくるのが実情です。
 
5つの点でオーナーチェンジ物件ならではの制限や条件が「売れにくさ」につながることがあります。
ただし対策次第で解消できることも多く、必ずしも売却が難しいわけではありません。

オーナーチェンジ物件でも「売れる」ための3つの視点

オーナーチェンジ物件でも視点を変えてアプローチすれば十分に売却のチャンスがあります。
「どんな情報を、どのように伝えるか」が重要です。
 
✅購入者目線のメリット整理(利回り、安定収入)
✅不安要素の開示とデータ提示(入居率、管理履歴)
✅投資家向けに売却できる業者の選定
 
本章では買主に響く3つの視点から、売却を成功へ導くためのポイントを紹介します。
 

購入者目線のメリット整理(利回り、安定収入、空室時の売却額)

オーナーチェンジ物件は「入居者がすでにいる=すぐに家賃収入が得られる」という安心感が強みです。
物件の強みをしっかりと買主に伝えることが、売却成功のカギとなります。
利回りが安定している物件であれば将来の収益見通しが立てやすく、投資家にとっては魅力的に映ります。
また購入後の空室リスクが少ないことや、入居者対応をすぐにスタートできる点も評価されやすいポイントです。
オーナーチェンジ物件はメリットを曖昧な表現ではなく数字やシミュレーションを交えて明確に伝えることで、信頼性も高まり売却に向けた一歩を踏み出しやすくなります。
 
ファミリータイプのオーナーチェンジ物件を購入する投資家の出口戦略として、「空室になったらリフォームして転売する」という方法があります。
もしご自身が住んでいたことがある物件であれば、実際のマンションの住み心地や、周辺にどのような方が住んでいたかなどをアピールすることもできるでしょう。
出口のイメージを持ってもらうことがプラスに繋がることがあります。
 

不安要素の開示とデータ提示(入居率、管理履歴)

オーナーチェンジ物件では室内の状態が見えない分、これまでの入居状況や修繕履歴・管理体制などの裏付けが大きな判断材料となります。
たとえば長期入居者が続いている実績や定期的な清掃・点検が行われている管理記録があれば、資料として提示するのがおすすめです。
不安を減らすだけでなく「しっかり管理されている物件だ」という好印象にもつながります。
購入後のトラブルを避けたい買主にとって、事前の情報開示は安心感を与える大きな要素です。
 

投資家向けに売却できる業者の選定

オーナーチェンジ物件の売却では「誰に売るか」よりも「誰を通して売るか」が成否を分けることがあります。
一般的な不動産会社は実需物件の扱いに強い一方で、投資用物件に特化した知識や販路を持っていないことが多いためです。
投資家ネットワークや利回り計算に精通した業者であれば、物件の魅力を的確にアピールでき購入希望者とのマッチングもスムーズに進みます。
過去の取引事例やオーナーチェンジ物件の取り扱い実績があるかどうかを確認し、売却戦略に強い業者を選ぶことが早期かつ高値での売却につながります。

サブリース物件にご注意

ファミリータイプの物件を相続で思いがけず所有することになったり、急な転勤で空室になってしまったりという経緯から安易にサブリース契約を結んでしまった方もいらっしゃるかと思います。
サブリース契約付きのマンションは安定収入が期待できるように思えますが、売却時には注意すべきポイントが5つあります。
 
①サブリース契約の「内容」を事前に精査する
②「実質利回り」と「表面利回り」の乖離に注意
③サブリース契約の「引き継ぎ条件」に注意
④売却価格が通常より下がる可能性を考慮
⑤売却対象は「実需要ではなく投資家層」に絞られる
本章では、売却にあたって特に気をつけたい5つの視点を整理して解説します。
 

①サブリース契約の「内容」を事前に精査する

サブリース契約とは管理会社などがオーナーから物件を一括で借り上げて、第三者に再貸し出す仕組みです。
表面的には「空室リスクがない」「家賃が安定して入る」といったメリットが強調されがちですが、契約内容をよく確認せずに売却に踏み切ると思わぬトラブルに発展することがあります。
たとえば家賃の見直し条件や中途解約時のペナルティ、修繕負担の範囲などは契約によって大きく異なります。
売却を検討する際は契約書を一度見直し、不明点があれば専門家に相談するのが安心です。
買主側もサブリース契約の内容を引き継ぐことになるため、事前の情報開示が信頼につながります。
 

②「実質利回り」と「表面利回り」の乖離に注意

サブリース物件を売却する際に注意したいのが、「表面利回り」と「実質利回り」の違いです。
 
表面利回りは物件価格に対する年間家賃収入だけをもとに算出されるため、高収益に見えることがあります。
 
しかし、実際の運用では以下のようなコストやリスクが発生します。
✅管理費や修繕費などの運用コスト
✅空室や賃料減額による収益の変動リスク
✅サブリース契約の解除や打ち切りによる損失
 
コストやリスクを差し引いた実質利回りが、表面利回りと大きく乖離している場合「思っていたよりも収益性が低い」と投資家に判断される可能性があります。
表面利回りと実質利回りのギャップが大きいほど買主はリスクを感じて、売却価格が下がります。
 
投資家から信頼される物件として評価されるためにはオーナー様が、実際の運用状況に基づいた収益データを整理し、正確で透明性のある情報として提示することが重要です。
表面利回りなどの見た目だけの数字ではなく管理費や空室リスクなどを考慮した実質的な利回りを示すことで、買主に安心感を与えスムーズな売却につなげることができます。
 

③サブリース契約の「引き継ぎ条件」に注意

サブリース契約が付いている物件を売却する場合、サブリース契約は基本的に買主へ引き継がれるのが一般的です。
 
しかし契約内容によっては売却の妨げになるケースもあるため、事前の確認と対応が重要です。
たとえば、サブリース契約に以下のような内容が含まれている場合は注意が必要です。
 
✅家賃の減額が可能となる条項
✅契約更新に関する制限や条件付きの継続条項
✅所有者の変更時に契約が自動的に解除または見直しとなるケース(管理会社による対応)
 
サブリース契約の条件が不透明なままでは買主にとってリスク要因となり、購入をためらわれる可能性があります。
 
引き継ぎの条件次第で売却そのものがスムーズに進まないケースも少なくありません。
スムーズな売却を目指すためには、まず管理会社に確認しサブリース契約の引き継ぎ条件や必要な手続きについて明確にしておきましょう。
 
さらに買主に安心してもらえるよう契約内容を整理した説明資料を用意しておくと、信頼性を高めて取引も円滑に進めやすくなります。
 

④売却価格が通常より下がる可能性を考慮

サブリース契約付きの物件は自由な運用が難しくなるため、一般的な賃貸中のオーナーチェンジ物件よりも価格が下がる傾向にあります。
サブリース契約条件に制限が多い場合、買主が自由に家賃設定や運用方針を決められないことがデメリットと見なされるからです。
定期的な家賃の見直し条項や一方的な契約更新条件があると、将来的な収益性にも疑問が生じやすくなります。
 

社長

代表取締役社長
山丸慎太郎

できれば違約金も極力少ない状態でサブリースを解除してから売却するのが理想ですよね。
サブリース物件の扱いの上手さは、今まで会社としてどれだけの経験値を積んできたかによるかと思います。
高額な違約金がかかるとなっていても実際は交渉で多少融通をきかせてもらえたり、長年投資用マンション業界にいるからこそお手伝いできることもあります。
当社では多くの売却事例をもとに、数字や実情に即したご提案が可能ですので、オーナー様にとって最適な方法をご一緒に考えられればと思います。

 

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⑤売却対象は「実需要ではなく投資家層」に絞られる

サブリース物件は、すでに入居者がいる上に賃貸借契約も別の管理会社を通じて行われているため自分で住みたいと考えている実需層には販売できません。
売却のターゲットは必然的に「投資家」に限定されることになります。
投資家の目はシビアで、利回りや契約内容・立地・資産価値の推移などを総合的にチェックしています。
物件の強みを数字やデータで明確に伝えられるかどうかが成約率に直結します。
オーナー様が市場を探すのではなく、投資家とのつながりを持つ業者を通じて売却を進めるのが現実的な方法です。
サブリース物件は、売却戦略も投資家目線で立てることが求められます。

成功する売却のためのステップ

オーナーチェンジ物件を納得の条件で売却するには感覚や思い込みではなく、データと戦略に基づいた準備が欠かせません。

Step1 相場と成約事例の正確な把握
Step2 実質利回りの整理
Step3 賃貸借契約の整理・改善
Step4 専門業者による査定と売却活動

本章では売却を成功させるために踏むべき4つのステップを順に解説します。
 

Step1 相場と成約事例の正確な把握

売却を検討しているオーナーチェンジ物件が「現在どのくらいの価格で売れているのか」を正しく把握することが重要です。
相場データだけでは実際の取引価格と差があるケースも多いため、成約したオーナーチェンジ物件の事例を不動産業者から見せてもらいましょう。
同じエリア・類似条件の事例が確認できると、売却価格の目安をより正確にイメージできます。
また成約事例を積極的に提供してくれる業者を選ぶことで、信頼できる情報をもとにスムーズな売却活動を進めることができます。
 

Step2 実質利回りの整理

オーナーチェンジ物件の購入希望者が特に重視するのは「実際にどれだけ利益が出ているか」という点です。
 
表面的な家賃収入だけでなく、管理費・修繕費・固定資産税などの支出も含めた「実質利回り」を整理しておくことが大切です。
物件ごとの収支バランスが明確になっていると買主にとって判断材料になりやすく、物件に対する信頼感も高まります。
 
家賃収入・管理費・修繕積立金・固定資産税・火災保険料などの項目を含めた「年間の収支一覧表」をExcelなどで作成しておくと、売却活動をスムーズに進めるうえで役立ちます。

Step3 賃貸借契約の整理・改善

 
オーナーチェンジ物件の入居者と交わしている賃貸借契約については、売却前に以下の項目を確認しておくことが重要です。
 
✅契約の更新日
✅解約の条件(退去予告期間や違約金の有無など)
✅家賃の見直し時期と改定ルール
✅敷金・礼金などの初期費用の扱い
✅原状回復の範囲や修繕義務の内容
 
賃貸借契約に買主へ不利となる内容が含まれている場合は、売却前にできる範囲で契約条件の見直しや修正を行っておくことが重要です。
事前に整理された契約は買主にとっての安心材料となり、スムーズな売却にもつながります。
 
契約内容が明確で必要に応じて柔軟に対応できるものになっていれば、売却後も買主が安心して契約を引き継ぐことができます。
 
また契約締結から年月が経ち内容が現状と合っていない古い契約書を使い続けている場合は、最新の法令や実態に即した契約書に差し替えることも忘れずに対応しておきましょう。
 

Step4 専門業者による査定と売却活動

 
オーナーチェンジ物件に強い専門業者を選び、売却活動を進めましょう。
収益物件に精通している業者は購入希望の投資家リストを保有していたり、魅力的な資料を作成するノウハウがあります。
複数社に査定を依頼して比較検討することで、より条件の良い売却につながる可能性が高くなります。
専門業者の強みや実績・対応の丁寧さも確認しながら、自分に合ったパートナーを見つけましょう。

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まとめ

オーナーチェンジ物件は「売れにくい」と不安を感じる方も多いですが、売却のコツを押さえれば十分にスムーズな売却を目指すことができます。
不動産売却の経験がなくても正しい情報と信頼できるサポートがあれば、空室リスクへの不安も含めてしっかりと対策が可能です。
最後に、売却成功のために押さえておきたい2つの大切な視点を整理しておきましょう。
 

売却成功には専門知識と経験値が鍵

オーナーチェンジ物件の売却は、一般的な居住用マンションの売却とは異なるアプローチが必要です。
オーナーチェンジ物件は購入層が投資家に限られるため、実質利回りや家賃設定・賃貸契約の内容といった数字や条件が重視されます。
物件の情報を正しく整理し魅力をわかりやすく伝えることで、買主の信頼を得やすくなります。
投資家向けの販売ネットワークを持つ業者を選ぶことで、成約までのスピードや価格にも大きな差が出てきます。
不安や手間を減らしながら売却を進めたい方は、経験豊富な専門業者と連携することが成功への近道です。
 

まずは「自分の物件が売れる条件」を知ることから

 
オーナーチェンジ物件の売却を考えたとき「本当に売れるのかな?」「いくらくらいで売れるのか知りたい」と感じるのは、ごく自然なことです。
 
売却時の不安を解消するには、オーナーチェンジ物件がどのような条件で市場に評価されるのかを把握することが大切です。
オーナーチェンジ物件の売却に向けて、以下のような情報を整理しておきましょう。
 
✅同じエリア・似た条件の成約事例をもとにした相場の把握
✅家賃収入や経費を含めた収支状況の確認
✅修繕履歴や日常の管理状況などの情報整理
 
また査定を依頼する際には希望価格や売却スケジュール・やり取りのスタイルについても率直に伝えることで、ミスマッチを防ぎスムーズな対応が期待できます。
不動産売却が初めてでも事前に正確な情報を集めて準備しておくことで、オーナーチェンジ物件でも納得のいく結果が実現できます。
もし迷うことがあれば専門家の意見を聞いてみるだけでも、新たなヒントが得られるかもしれません。

株式会社FGHは全国のワンルームマンション売却に特化した収益不動産の仲介業者です。

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

Sayuri Takahashi

Sayuri Takahashi

マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャルプランニング技能士/インテリアコーディネーター

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