不動産管理会社とは?客付けに強い不動産管理会社を見極める方法とは?

公開日2020/01/27
更新日2022/12/05

不動産管理会社とは?

不動産管理会社というのは、家主から頼まれて賃貸マンションや賃貸アパートを管理するところです。
 

不動産管理会社の仕事内容

一般的に、不動産管理会社の仕事内容としては、次のようなものがあります。
 

  • 家賃の徴収
    家賃を入居している人から集めて、家主に送ります。
  •  

  • 家賃の督促
    家賃を入居している人が滞納したときに、督促して家賃を回収します。
  •  

  • クレーム応対
    入居している人から要望やクレームなどが発生したときに応対します。
  •  

  • 契約の更新
    契約を更新するときに、窓口として応対したり、更新料を受け取ったりします。
  •  

  • 退去するときのチェック
    入居している人が退去するときに、原状回復をチェックします。
  •  

  • 敷金の精算
    家賃を入居している人が滞納したなどのときに、敷金を精算します。
  •  

  • 掃除
    物件の屋外や共用部分などを掃除したり、植栽に散水したりします。
  •  

  • 設備の管理
    建物、電気設備、屋外施設などを点検などします。
  •  

  • 警備
    管理人として定期的に物件の周りを警備します。
     
    なお、このような一部の仕事は、不動産管理会社から外部の業者にさらに委託するときもあります。
     
    また、不動産管理会社に不動産管理を頼むと、このような仕事の他に、次のような賃貸借代理の仕事も一緒に契約するときが多くあります。
     
    しかし、オプションになるときもあり、不動産管理会社によって違っています。
  •  

  • 入居する人の募集
    空室が発生すると、入居する人を募集するために広告を行います。
  •  

  • 物件の紹介
    空室を入居したい人に案内します。
  •  

  • 入居したい人の審査
    家賃が支払いできるかなどの入居したい人の審査を行います。
  •  

  • 契約の締結
    賃貸借契約を入居したい人と結びます。

 
賃貸借代理の仕事は、空室に影響する大切な仕事になっています。
 

不動産管理会社の不動産管理の種類

ここでは、不動産管理会社の不動産管理の種類についてご紹介します。
 
特徴がそれぞれの種類によってあり、どの種類を選択するかによって収益が違うため、十分にチェックしておきましょう。
 
・管理委託契約
管理委託契約というのは、不動産管理会社に不動産管理を頼むスタイルです。
 
管理委託契約は、最も代表的な以前からある不動産管理方式で、管理手数料を不動産管理会社に払うようになります。
 
管理委託契約は、容易に解約ができます。
 
そのため、不動産管理会社を変えたいと考えれば、すぐに変えられるというメリットがあります。
 
しかし、管理委託契約は賃貸借契約を入居しているそれぞれの人と結ぶ必要があります。
 
一棟賃貸マンションや賃貸アパートのように多くの戸数があれば、契約するときに煩雑な手続きになるというデメリットがあります。
 
また、家主が空室リスクは負うようになります。
 
管理委託契約のときは、不動産管理会社が一手に入居する人を募集することができないので、一般的に賃貸代理契約も「賃貸借代理及び管理委託契約書」ということで結びます。
 
賃貸代理契約を結ぶと、入居する人を募集するときに、家主の代理人に不動産管理会社がなることができます。
 
賃貸代理契約は、不動産管理会社が物件の賃貸仲介を独占しているのとほとんど同じです。
 
管理委託契約では、実際には管理契約以外に、賃貸代理契約も含まれていることを把握しておきましょう。
 

サブリース(パススルー型)

サブリース(パススルー型)というのは、一棟を不動産管理会社が借上して転貸するものです。
 
サブリース(パススルー型)では、家主が家賃を不動産管理会社からもらうようになります。
 
不動産管理会社からもらう家賃は、実際の家賃から一定の金額を差し引きした後のものが振込されます。
 
家賃は空室によって変わるため、家主が空室リスクは負います。
 
管理委託契約とサブリース(パススルー型)は、空室リスクを負うということでは同じです。
 
サブリース(パススルー型)は、家主が賃貸借契約を不動産管理会社と1本結ぶのみになります。
 
そのため、賃貸借契約を入居する人が入れ替わるごとに結ぶ必要がないため、管理が楽になるメリットがあります。
 
しかし、賃貸借契約を不動産管理会社と結ぶので、解約が容易にできないというデメリットがあります。
 
サブリース(パススルー型)では、法律上は不動産管理会社の位置づけは借主ということになります。
 
借主であるため、借主の権利が借地借家法によって強く保護されているので、基本的に一方的に家主が解約することはできません。
 
不動産管理会社をサブリース(パススルー型)で変えたいときは、十分に不動産管理会社と協議する必要があります。
 

サブリース(賃料保証型)

サブリース(賃料保証型)も、一棟を不動産管理会社が借上して転貸するものです。
 
しかし、サブリース(パススルー型)とは違って、不動産管理会社が払う家賃は月々一定額になります。
 
空室になっても月々の家賃は変わらないので、空室リスクを家主が負わなくていいというメリットがあります。
 
しかし、サブリース(家賃保証型)も借主という立場に不動産管理会社はなります。
 
借主であるため、家主に対する賃料減額請求権は借地借家法によって認められています。
 
そのため、空室が多くなり過ぎると、家主に払う家賃の減額を不動産管理会社も要求してきます。
 
サブリース(家賃保証型)は、最終的に空室は保証されていないので、空室リスクを家主が間接的に負うようになります。
 
また、3つの不動産管理の種類の中で、最も収益性が低いというデメリットがあります。
 

不動産管理会社の管理手数料

ここでは、不動産管理会社の管理手数料についてご紹介します。
 

管理委託契約

管理委託契約の管理手数料の目安は、家賃の3%~8%になります。
 
普通の賃貸アパートのときは5%くらいです。
 
また、規模が大きな都内のワンルームマンションなどのときの管理手数料の目安は、スケールメリットがあるので家賃の3%くらいになります。
 
なお、管理手数料については、宅建法が適用されないので規制は特にありません。
 
また、管理手数料には消費税が別に掛かります。
 

サブリース(パススルー型)

サブリース(パススルー型)については、管理手数料として入居している人の家賃の3%~8%くらいが差し引きされて家主に入金されます。
 
一般的な賃貸アパートのときは、家賃の5%くらいが差し引きされます。
 
そのため、基本的に収益性は管理委託契約と違いはありません。
 
サブリース(パススルー型)は、1本の賃貸借契約になり、家主の手間が少なくなるので、サブリース(パススルー型)を管理委託契約よりも選択する人が近年は多くなっています。
 
賃貸仲介に不動産管理会社が強いときは、サブリース(パススルー型)がおすすめです。
 

サブリース(賃料保証型)

サブリース(家賃保証型)は、管理手数料として満室のときの家賃の13%~17%くらいが差し引きされて家主に入金されます。
 
そのため、満室のときの家賃の83%~87%くらいが家主に入金されるようになります。
 
サブリース(家賃保証型)も、条件がいい都心部のワンルームマンションなどであれば満室のときの家賃の87%くらいになります。
 
しかし、ファミリータイプの郊外の賃貸アパートや賃貸マンションであれば、満室のときの家賃の83%くらいになります。
 
サブリース(家賃保証型)はある程度の空室リスクが防げますが、3つの不動産管理の種類の中で最も収益性が低いというデメリットがあります。
 

客付けに強い不動産管理会社を見極める方法とは?

初めて賃貸経営をする人は、不動産管理会社はどこでも同じだろうと思っているのではないでしょうか。
 
しかし、実際には、不動産管理会社によって特徴が違っています。
 
そのため、このような特徴を把握しておかないと、影響が客付けに及ぶことがあります。
 
例えば、不動産管理会社としては客付けが得意なところもあったり、家主との関係性を重要視しているところもあったり、強みを発揮するためにエリアを特化しているところもあったりします。
 
不動産管理会社によって違いがあるため、選択を適切に行う必要があります。
 
特に注意する必要があるのは、客付けに不動産管理会社が注力していないために空室が長期間になることです。
 
例えば、客付けに強い不動産管理会社に変えたのみで、入居する人が意外にすぐに決まったようなケースがあります。
 
それほど、不動産管理会社は大きな役目があるといえるでしょう。
 
ここでは、客付けに強い不動産管理会社を見極める方法についてご紹介します。
 

不動産管理会社の大手と地元の違いを把握する

大手の不動産管理会社と地元の不動産管理会社の違いを把握しておきましょう。
 
支店を全国に展開しているような大手の不動産管理会社は、物件がどのエリアでも管理できるでしょう。
 
また、豊富に人的資源もあるため、入居する人の募集だけでなく、修繕や家賃保証についての手厚いサービスをいろいろ提供していることもあります。
 
しかし、管理手数料などがその分高くなります。
 
一方、地元の不動産管理会社は地元に密着して営業していることがメリットです。
 
そのため、狭い特定のエリアの情報に詳しく、しかも周りの住民と良好な関係を築いているケースが多くあります。
 
しかし、得意なエリアではない物件での入居する人の募集や、周りのエリアや遠くのエリアから入居したい人を募集するのは得意でない傾向があります。
 
このように、大手の不動産管理会社と地元の不動産管理会社はいずれもメリットとデメリットがあります。
 
そのため、このことを考慮して、不動産管理会社を見極める方法としては管理手数料とサービス内容とのバランスをとったり、広い範囲から客付けする物件にお客さんを集めたりすることが大切です。
 

専門に客付けを行う不動産管理会社もある

賃貸仲介業者という専門に客付けを行っている不動産管理会社もありますが、注意する必要があります。
 
このような賃貸仲介業者は客付けについては確かに得意でしょうが、入居した後の不動産管理を行っていないので客付けで終わりというようなところもあります。
 
客付けをこのような賃貸仲介業者に依頼すれば、入居させるために入居するときの審査が厳しくなかったり、不備が賃貸借契約を結ぶときの説明にあったりして、トラブルが入居している人と家主との間で発生する可能性が大きくなります。
 
当然ですが、賃貸仲介業者は悪いとは必ずしも限りませんが、客付けを頼む不動産管理会社を選択するときは、入居するときの審査の基準や方法、賃貸借契約を結ぶときの説明の方法について十分にチェックしましょう。
 

スムーズに応対してくれるかがポイント

不動産管理会社は、スムーズに応対してくれるも大切です。
 
例えば、トラブルが何らか発生したときに、すぐに応対してくれるような不動産管理会社であれば安心です。
 
このような応対に対する姿勢に関しても十分にチェックしておきましょう。
 
客付けのときは、募集する条件の初期費用や家賃というようなものが適正でないと、入居する人を安定して獲得できないでしょう。
 
そのため、周りの家賃の相場を十分に調査すること、入居するターゲットになる人をイメージして初期費用や家賃以外についても気配りすることが大切です。
 
しっかりとこのことをアドバイスできるような不動産管理会社であれば、客付けに力を最も発揮するといえるでしょう。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

関連する記事