その入居者、サクラかも?高利回りにご用心~不動産投資コラム~
投資用物件の場合、賃料の多寡が物件の価値(価格)を試算する基準、収益還元法ともいいますが、その家賃が水増しされていた場合はどうでしょうか。
実際に水増しされていた事例をご紹介します。
法人でカモフラージュ
ある相談があったときのことです。
相談内容は「最近買った物件を売ってくれないか」というものでした。
物件は辺鄙な田舎にある空室のワンルームでした。
お話を伺うと買った当初は相場よりも高く賃料がついていて利回りが高く飛びついてしまったとのことでした。
仲介会社からは法人がついているから相場よりも高く貸せているんですよとそれっぽいことを言われて納得してしまい、しばらく運用した後売ってしまおうかと考え買ったとのことでした。
しかし現実は買ってから1か月で入居が終了してしまい、新しく募集するも全く入居がないので困っての相談でした。
後に分かったことでしたが、売主と法人は繋がっており名義は別人でしたが自作自演の賃料でした。
相談者の方は最後には地元の方にご売却されてほっとされていましたが、高利回りに飛びついてしまったことは最後まで後悔されていました。
売却になってようやく
別の方からも売却相談があったときのことです。
物件は横浜駅の近くの1LDK。
東京を離れ、実家にもどるついでに売却を考えているとのことでした。
常に進化し続ける横浜駅は弊社でも人気エリアの一つ。
すぐに資料を売主さまから貰いました。
見ていくと、集金代行契約にも関わらず賃貸借契約書が見当たりません。
実務上良くあることなのですが、売却の際には必要になるので管理会社に連絡してみるとなかなか出そうとしてきません。
1週間ほどたってようやくFAXで送られてきました。
契約書を見てみると、入金額は125,000円にも拘らず、入居者の契約は118,000円でした。
差額の7000円はなぜか管理会社が補填して払っていたのでした。
元々販売した会社に管理もお願いしており、入居者は一度も変わったことがないと仰っていた売主もこれにはびっくりされていました。
そんなトラブルがあったものの売買も済んだ今となってはなにがあったのかはわかりません。
投資だからこそ
現地にもいかないまま売買が行われることが多い投資用不動産ですが、しっかり調べていれば防げるトラブルも少なくありません。
そんなトラブルを防ぐのが我々売買仲介のお仕事の一つです。
しかし投資として行うのであればしっかり周辺相場や書類の確認はご自身でも必ず行うようにしましょう。
このコラムを書いている人
渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士
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