サブリース契約の落とし穴!物件収支に及ぼす影響や不動産売却時の注意点を解説

公開日2024/11/15
更新日2024/11/15

  • 不動産投資をする際に、空室リスクの軽減や収入の安定を目的として、サブリース契約を利用するオーナーも多くいらっしゃいます。
  • 一見すると空室リスクを軽減し、安定した収入を得る手段にみえますが、実際には物件売却や収支に関わる深刻なリスクが潜んでいます。
  • 特にサブリース契約が原因で「物件売却が困難になる」「収支が悪化する」という事態が起こり得ます。
  • 本コラムでは不動産オーナーが知っておくべきサブリース契約のリスクについて詳しく解説し、どのような対策が必要かを考察します。

サブリース契約の落とし穴!物件収支に及ぼす影響や不動産売却時の注意点を解説

サブリース契約が売却に与える影響

売却時に解除できないリスク

サブリース契約を結ぶ際、物件を売却したいと考えた時に契約の解除が難しい、あるいはできない場合があることは多くのオーナーが見落としがちなポイントです。
 
多くのサブリース契約では、物件売却時も契約を継続しなければならない「譲渡承認条項」や「譲渡制限条項」が含まれており、新たな買主にもその契約が引き継がれることになります。
 
そのため自由な売却ができずオーナーの意向に反して物件を手放せないケースが出てきます。
さらにサブリース契約の解除が可能な場合でも、高額な違約金や解約手数料がかかる可能性があり、売却のハードルが非常に高くなります。
 

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そもそも売却が難しいリスク

サブリース契約がある物件は、投資家の間でも敬遠されがちです。サブリース契約の条件が買主にとって不利な場合、魅力が下がり、買い手が見つかりにくくなることがあります。
 
特に契約解除に高額なコストがかかる場合や、家賃保証の金額が相場より低く設定されている場合、買主にとっても収益性が悪化するため、売却はさらに困難になります。このようにサブリース契約を結んでいることで、売却可能な市場が狭まり、希望するタイミングで物件を売却することが難しくなるというリスクが生じます。

サブリース契約が収支に与える悪影響のリスク

収支が悪化するリスク

サブリース契約は家賃保証があるため一見安定しているように見えますが、実際には収支が悪化するリスクも抱えています。その一つが保証家賃の見直しです。
 
サブリース契約により一時的な家賃保証が得られたとしても、長期的に見れば契約の見直しが頻繁に行われ、家賃保証額の減額が求められることが多々あります。
 
この減額リスクが発生すると、当初の期待収益が得られないだけでなく、ローン返済や管理費用などの出費が増加し、収支が急激に悪化するケースも少なくありません。
 
また家賃保証が一方的に解除される可能性もあり、最悪の場合赤字経営に陥るリスクも考慮する必要があります。

 

ランニングコストの増加による収益性の低下

サブリース契約にはサブリース会社が家賃保証を提供する代わりに、管理手数料や修繕費用などのコストが増えることが一般的です。
 
これらのランニングコストは年数がたつことに増加する傾向があり、物件の収益性が次第に低下する原因となります。
 
このようにして収支が圧迫され、物件売却に考えるに至った際には、契約上の制約が障害となり、収支が悪化したまま身動きが取れない状態に陥る可能性もあります。

リスクを避けるために取るべき対策

前述したリスクを回避するために、以下のような対策を講じることが推奨されます。

契約内容の慎重な確認と交渉

サブリース契約の解除条件、売却時の成約事項、家賃保証の見直しルールなどを十分に確認し、条件があいまいな場合は契約内容の見直しを交渉することが重要です。また契約書の内容を専門家に確認してもらうことでリスクを事前に把握し、適切な対策を立てることが可能です。
 

サブリース会社の信頼性確認と他社との比較

サブリース会社の経営状態や財務状況、過去のトラブル事例を調査し、信頼性を確認することも必要です。複数のサブリース会社を比較することで、条件がより有利な契約を結ぶことができ、将来的な収支の悪化リスクを軽減できる可能性があります。
 

自主管理のオプションも検討する

サブリース契約をせずに自主管理を行う選択肢も視野に売れておくことで、売却時や収支悪化のリスクを回避することが可能です。プロパティマネジメント会社を利用することで、空室リスクを管理しつつ安定した収益を確保することができ、自由に売却ができる状態を維持できます。

まとめ

サブリース契約には、一見すると安定収益や空室リスク軽減といったメリットがありますが、裏には売却できない、収支が悪化するといった重大なリスクが潜んでいます。
 
サブリース契約を検討する際には、リスクをしっかり認識したうえで契約内容を精査し、慎重に判断することが不可欠です。
契約後に後悔することのないよう、事前にリスクと対策を十分に理解し、不動産投資を安定して運営するための準備を整えておくことが重要です。

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

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