ワンルームマンションを高く売るために知っておくべきこと

公開日2025/05/05
更新日2025/05/05

ワンルームマンションを高く売るために知っておくべきこと

はじめに

ワンルームマンション売却を最適なタイミングと方法で成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが不可欠です。このガイドでは、売却に向けた準備から実際の売却までの流れ、さらに売却価格を高くするためのコツを詳しく解説します。正しい知識と戦略を持って、理想的な売却を実現しましょう。

売る前に確認するべきワンルーム売却の流れ

ワンルームマンションを売却する前に、まずはワンルームマンション売却の流れを知っておきましょう。
ワンルームマンションを売却する基本的な流れは次のとおりです。
売却の流れ

それぞれの流れで注意すべきポイント等について詳しく解説していきます。

①相場を調べる

まずは、売主自身で売却したいワンルームマンションの売却相場を把握しておくことが重要です。
最初から不動産会社に査定を依頼すると、不動産会社の査定額が相場から見て適正なのかどうかが分かりません。

不動産売却サイトなどを確認し、面積、築年数、設備、立地が同じ程度の不動産を探して、売却価格の相場感をまずは把握しましょう。

②不動産会社に無料査定を依頼する

次に不動産会社から無料で査定を取りましょう。
不動産会社は物件の状態を詳細に確認し、適正な売値を算出してくれます。

ただし、不動産会社によって査定額は異なるので、できれば複数社から査定を取ることが重要です。

不動産売却査定サイトなどを活用し、複数の不動産会社から査定を取るようにしてください。

③売出価格の設定と媒介契約

次に売出価格を設定し、不動産会社と媒介契約をおこないます。
不動産売買では、買主から値引き交渉がおこなわれるのが一般的です。
そのため、値引きを見込んで実際に売却したい価格の1割程度上乗せした価格を売出価格とするのが一般的です。

不動産会社と相談して、適正な売出価格を設定しましょう。
なお、媒介契約の形には3つの種類があり、それぞれの違いや特徴は次のとおりです。
複数社との契約 レインズへの登録 売主への報告義務 自己発見取引

一般媒介契約 専任媒介契 専属専任媒介契約
複数社への依頼 可能 不可 (1社のみ) 不可 (1社のみ)
自己発見取引 可能 可能 不可
レインズ※への
登録義務
任意 義務あり
(契約から7日以内)
義務あり
(契約から5日以内)
業務状況の報告義務 任意 義務あり
(2週間に1回以上)
義務あり
(1週間に1回以上)
契約の有効期間 法令上の定めなし
(標準媒介契約約款では3ヶ月以内)
3ヶ月以内
(宅地建物取引業法で定められている)
3ヶ月以内
(宅地建物取引業法で定められている)

※Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称。登録すると全国の不動産会社に物件情報が共有されます。

信頼できる1社を見つけたのであれば、専任(専属)専任媒介契約、複数の不動産会社へ売却を依頼したいのであれば、一般媒介契約というように適切に使い分けることが大切です。
稀に専任媒介の取得件数が営業ノルマになっている不動産会社がありますが、無理に専任媒介契約を迫る業者には要注意です。
本当に売る力がある不動産業者は、媒介契約の形式を問わずきっちりと売却まで伴走してくれます。

④売却活動

不動産会社と媒介契約を締結したら媒介契約のスタートです。
基本的な売却活動は不動産会社や自社のネットワークや自社サイトなどの媒体を活用して実施します。
入居者や近隣住民のことでわかる情報があれば、個人情報保護法に抵触しない範囲で安心材料として購入希望者に提供しましょう。

長く入居してくれている、近隣住人とのトラブルの履歴がない、などは新たな購入者にとってメリットとなります。
逆に心配な点がある場合には、引き渡し後のトラブルを避けるためにも事前に報告しましょう。

また、空室時の内見対応は売主自身でおこなわなければなりません。
(鍵を不動産業者に預けて対応してもらう方法もあります。)
空室時には、掃除やクリーニングなどで美化するとともに、内見時に物件のストロングポイントを積極的にアピールするようにしてください。

⑤契約締結と引き渡し

買い手が見つかったら、契約締結と引き渡しです。
契約書の作成や、引き渡しの手続き等は不動産会社がおこなってくれます。

鍵や必要書類など、不動産会社が引き渡しに必要なものをリスト化してくれるのが一般的ですので、漏れのないよう準備しましょう。

また、ローンでワンルームマンションを購入している方は、あらかじめ金融機関に売却と同時に返済すると伝えることを忘れないようにしてください。

査定前に絶対やるべき5つのチェックリスト

ワンルームマンションを少しでも高く売却するため、査定を受ける前に絶対にやるべき5つのポイントは次のとおりです。

✅現在の賃料・入居状況の整理
✅物件の管理履歴を確認
✅税金や手数料の確認
✅ローン残債と売却希望価格の差を把握
✅近隣・類似物件の「リアル成約価格」を調べる

マンションからどの程度の収益が上がっているのか、所有にかかるコストはどの程度か、またローン残高なども確認しておきましょう。

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

現在の賃料・入居状況の整理

まずは現在の賃料や入居状況を確認しておきましょう。

例えば、ここ3年は入居状況に空きがない物件であれば、今後も同じ家賃で不動産経営ができることが見込めます。

一方で、空きが発生する期間が多いのであれば、家賃の引き下げを検討すべきかもしれません。

査定を受ける上で、平均利回りは非常に重要になるため、現在の家賃と入居状況を整理しておきましょう。

物件の管理履歴を確認

物件の管理履歴とは次のような情報を指します。

✅建物情報の構造、設備、図面
✅新築時の情報
✅改修工事
✅修繕工事
✅リフォームの記録
✅過去の点検結果
✅瑕疵の有無
✅修繕の履歴

これらの情報を詳細に不動産会社へ提供することによって、不動産会社が適正に査定をおこなうことができます。

税金や手数料の確認

売却時にどの程度の税金がかかるのか、不動産会社へ支払う手数料がどの程度なのかを確認しましょう。

不動産売却の際には次のような費用がかかります。
・譲渡所得税
不動産売却によって所得が出た場合には、譲渡所得税がかかります。
 

区分 所有期間 (売却した年の1月1日時点) 所得税(※) 住民税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15.315% 5% 20.315%

 
※所得税には復興特別所得税(所得税額×2.1%)が含まれます。

・抵当権解除費用
ローンを利用していた場合には抵当権解除費用が発生します。
✅登録免許税:不動産1筆につき1,000円
✅司法書士報酬:1万円〜2万円程度

・不動産売却仲介手数料
仲介手数料は売却価格によって次のように上限が定められています。
売却金額 仲介手数料
200万円以下の部分 売買価格の5%+消費税
200万円超400万円以下の部分 売買価格の4%+消費税
400万円超の部分 売買価格の3%+消費税

・ローン繰り上げ返済手数料
金融機関によっては、ローンを繰り上げて返済する際には繰り上げ返済手数料が発生します。
金額は金融機関によって異なり、1万円〜5万円程度が相場でしょう。

これらの費用も勘案し、ワンルームマンションを売却しても損にならないような査定結果を得る必要があります。

ローン残債と売却希望価格の差を把握

ローンを利用してワンルームマンション投資をおこなっている方は、ローンの残高と売却希望価格の差を把握しておきましょう。

売却と同時にローンを完済しないと金融機関は売却を認めることはありません。
そのため、売却額がローンの残高を下回る「オーバーローン」の状態の場合、自己資金を用意して、売却と同時にローンを返済できない限りは売却そのものを進めることができません。

自己資金を用意できない人にとっては、ローンの残債が売却価格の最低ラインということになるで、必ずローンの残債がいくらなのかを把握し、不動産会社へ伝えるようにしてください。

近隣・類似物件の「リアル成約価格」を調べる

近隣の類似物件の「リアル成約価格」を調べておき、相場感をご自身でも把握しておきましょう。
実際の相場感を把握しておかないと、不動産会社の査定額が高いのか低いのかを判断できないためです。

不動産の成約状況を調べる方法やいくつかありますが、国交省の不動産情報ライブラリであれば、登録なしで成約価格を調べることができるのでおすすめです。

ワンルームを売るときの業者選びのチェックリスト

ワンルームマンションを売却する際の業者を選ぶ際には次の5点を確認するようにしてください。

✅専門業者か
✅近隣の成約実績があるか
✅マンションシリーズの成約実績があるか
✅査定額や売却戦略が具体的な根拠に基づいているか
✅無理に売却を勧めてくる業者は注意

専門業者か

不動産売却を専門におこなう業者かどうか必ず確認しましょう。

不動産会社の業務は主に、売買、仲介、開発の3つです。

例えば、不動産開発を専門におこなっている業者にマンション売却を依頼しても成功する可能性は低いです。

必ず、売却を専門におこなっている業者へ依頼するようにしてください。

近隣の成約実績があるか

売却したいワンルームマンション近隣の成約実績があることも重要です。
実績がある業者は近隣に何らかのコネクションを持っていることも多く、他社よりも買い手を見つけやすい傾向があります。

一方、近隣の実績がない業者は、サイトやレインズなどからしか買い手を見つけられない可能性があります。

例えば、都内の不動産売買の実績しかない業者に地方の物件の売却を依頼しても、買い手を見つけることは困難です。

主に日本国内でのワンルーム市場は東京・名古屋・大阪・福岡がメインとなりますが、それぞれ地域によって特色が違えば購入層も違います。

必ず、周辺での成約実績のある業者を選択するようにしてください。

マンションシリーズの成約実績があるか

マンションシリーズとは、特定のデザインやコンセプト、ブランドイメージを共有しているマンションのブランドのことを指します。

新築ワンルームマンションを販売するときには、そのデベロッパーごとのシリーズ名を冠して町名や駅名・シンボルを付加したマンションの名前を付けることが多いのでわかりやすいと思います。
一例をあげると、「メインステージ+○○○」や「スカイコート+○○○」などです。個人が建てる一棟賃貸と違い、名前を見れば一目でどこのデベロッパーの物件かわかります。

同じマンションシリーズの売却実績がある不動産会社は、当該マンションシリーズの長所やセールスポイントを理解しているので、買い手を見つけやすいといえます。

売却を希望するワンルームマンションと同じマンションシリーズの売却実績がる業者を探しましょう。

査定額や売却戦略が具体的な根拠に基づいているか

不動産会社から査定を取ったら、当該不動産会社の査定額が適正で、売却戦略に具体性があるかを確認しましょう。

中には、媒介契約の締結だけを目的として高い査定額を提示し、具体的な戦略が何もないという悪徳業者も存在するためです。
そのような業者と媒介契約を締結してしまうと、時間ばかりが経過して、売り時を逃してしまうリスクがあります。

査定額が相場に近く、売却戦略に具体性があり、納得できる業者と媒介契約を締結するようにしましょう。

無理に売却を勧めてくる業者は注意

売り手側の意思に反して強引に売却を勧めてくる業者には注意しましょう。

そのような業者は、早期に売却して、仲介手数料を得るために、相場よりも安値で売却を進めるリスクがあるためです。

不動産売買は売り手にとってある程度納得できる金額で売ることが重要で、金額的に納得できないのであれば、少し売却のタイミングを待つことも大切です。

自社の都合や担当者個人のノルマばかりを考えて、強引に売却を勧めてくる業者とは基本的に取引しないようにしてください。

よくある失敗パターン

不動産の売却でよくある失敗パターンは次の3つです。

【失敗例】査定額だけで仲介会社を選んだ結果、長期化

査定額の高い仲介会社を選択した結果として、売却活動が長期化してしまうケースです。

売り手にとって「少しでも高い値で売却したい」と考えるのは当然です。

そのため、査定の際に最も高い金額を出した業者と媒介契約を締結した結果、なかなか買い手を見つけられず、売却活動が長期化してしまうことがあります。

不動産は適正価格で売却することが最も重要です。

不動産業者の中には媒介契約を取るために意図的に高値を設定することがあるので、その価格が適正な価格かどうかを把握できるようにしておきましょう。

【失敗例】空室なのに賃貸付けずに売り出してしまった

空室のまま売りに出し、買い手を見つけるのに時間がかかった上に、相場よりも安値での売却になってしまうケースです。

投資物件の借主がすでに存在し、購入した直後からすぐに家賃収入が上がる物件の方が、素早く高値で売りやすくなります。

空室のワンルームマンションを所有している方は、まずは賃貸付けしてから売却活動を始めた方がよいでしょう。

【失敗例】サブリースを無理して解約して大赤字

売却のためにサブリースを中途解約して違約金で大赤字になってしまうケースです。
サブリースとは不動産会社などに不動産を貸し出して、不動産会社が第三者へ転貸する仕組みです。

家賃収入は少なくなりますが、安定した家賃収入を得られ、借主を探す必要がない点がサブリースのメリットです。
売却の際にサブリース契約を解除すると、月額賃料の3ヶ月から12ヶ月程度の高額な違約金が発生する可能性があります。

サブリース契約を締結している方は、売却前にサブリース契約が解約できるかどうか、違約金がいくらなのかを確認してください。
 

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売却成功を左右する「買い手の質」

売却活動は「買い手の質」によっても左右されます。

買い手は個人投資家、不動産ファンド、不動産業者などさまざまです。
そして、売却活動の際に何を優先するかによって、適切な買い手は異なります。

例えば、買い手が個人投資家であれば売値は高くなりますが、売却にかかる時間は長くなります。

一方、買い手が不動産業者の場合、売値は安くなりますが、スピーディーに売却できるなど、買い手によって売却活動の内容は大きく異なります。
つまり、売却先が多数ある仲介業者に任せるほど売却を成功させる確率が高くなります。

ワンルームマンションを売却する際には、豊富な買い手とコネクションがある不動産会社へ依頼していください。

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

Sayuri Takahashi

Sayuri Takahashi

マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャルプランニング技能士/インテリアコーディネーター

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