【会長ブログ 第12回】インフレ・金利上昇時代、不動産投資はどう変わるのか?

更新日2026/10/19
投稿日2026/10/19


皆さん、こんにちは。

前回のコラムから約1年が経ちました。
昨年10月、私は「日本はこれからさらにインフレが進みます! “今”こそ行動を!」というテーマで、現金だけで資産を保有するリスクや、不動産・株式などへの資産分散の重要性についてお伝えしました。

あれから1年、日本経済はどう変化したでしょうか。
物価上昇は私たちの日常生活に定着し、食料品や外食費、サービス価格など、あらゆる場面でインフレを実感するようになりましたね。
不動産市場においても、建築資材や人件費の高騰、都心部を中心とした旺盛な需要などを背景に、価格の上昇が続いています。

しかし、ここで一つ大きな変化があります。
それが「金利の上昇」です。

日本は長年、世界的に見ても異例の超低金利政策を続けてきましたが、いよいよ金利のある世界へと移行しています。
今回は、インフレと金利上昇が同時に進む日本で、不動産投資をどのように考えるべきなのか、私なりの見解をお伝えしたいと思います。

不動産市場にも変化の兆しが見えてきました

これまで首都圏の不動産市場は価格上昇が続いてきましたが、足元では明らかに変化の兆しが見えてきています。
先日公表された東日本レインズの2026年9月の首都圏中古マンション市場データをご存じでしょうか。

前年同月比で成約件数は22.7%減少、成約㎡単価は4.8%下落、成約価格も4.5%下落しています。

一方、新規登録件数は15.4%増加し、在庫件数も15.1%増加しています。
つまり、売りたい人は増えているのに、買う人は減っているという状況です。
もちろん、成約件数についてはレインズの集計方法の変更による影響も考慮する必要がありますが、在庫の増加と成約価格の下落が同時に進んでいる点は見逃せません。
不動産価格は需要と供給のバランスで決まりますので、この傾向が続けば、今後さらに価格の調整が進む可能性があります。

また、投資用マンション市場でも、購入者の融資条件が徐々に厳しくなってきています。
金利が上昇すれば、同じ収益性の物件でも購入者が許容できる価格は下がっていきます。

私は、これからの不動産市場は売却のタイミングが非常に重要になると考えています。
特に来年売却を予定されている投資用マンションがあるのであれば、年内の売却を前倒しで検討することも有効な選択肢ではないでしょうか。
不動産投資は、購入することだけでなく、いつ、いくらで売却するのかという出口戦略が非常に重要なんですね。

金利上昇が不動産投資に与える影響

例えば、借入金3,000万円、金利1.5%の場合、単純計算で年間45万円の利息ですが、金利が2.5%になれば年間75万円になります。
年間30万円、月額25,000円の負担増です。
※借入元本を一定とした単純計算です。

特に投資用ワンルームマンションでは、毎月のキャッシュフローがそれほど大きくないケースも多く、この差は決して小さくありません。

一方、インフレによって賃料が上昇すれば収入が増える可能性もあります。
重要なのは、物件価格や賃料だけでなく、借入金利、管理費、修繕費、将来の売却価格まで総合的に判断することです。

私自身も資産の組み替えを実践しています

前回のコラムでは、2018年に取得した一棟RCアパートの売却を検討していることをお伝えしました。
こちらは無事に今年9月末に売却・引渡し・決済を完了しました。

では、この売却資金をどのように活用するのか。
実は、現在保有しているハワイのコンドミニアムの借入金返済に充てることを検討しています。
この物件は、日本の金融機関から円建てで融資を受けて購入したもので、現在の固定金利は2.8%です。
ただし、来年には30年返済の融資契約における5年目の更新時期を迎えます。
最近の金利上昇を踏まえると、更新後の金利は3.5%程度になる可能性もあると予想しています。
仮に金利が3.5%になるのであれば、借入金を一括返済することで、将来の金利負担を軽減する方が合理的だと考えています。

一方、現在の2.8%程度の金利条件が維持されるのであれば、あえて借入金を返済せず、債券ETFへの投資や海外不動産への再投資に資金を回すことも選択肢になります。
つまり、借入金を返済することも、別の資産に投資することも、資産運用における一つの投資判断だということです。
金利上昇局面では、保有資産だけでなく、負債の管理も重要になってきます。

これからの不動産投資に必要なこと

私はこれまでのコラムで何度も「行動することの重要性」をお伝えしてきました。
この考え方は今も変わりません。

ただし、これからは行動力に加えて、投資対象を見極める判断力がますます重要になってくると思います。
インフレだから不動産を買えば良い、金利が上がるから売却した方が良い、という単純な話ではありません。
すでに不動産を保有されている方は、ご自身の物件の収支や借入条件、現在の市場価格を一度確認してみてはいかがでしょうか。

保有を継続するのか、売却するのか、あるいは別の資産に組み替えるのか。

大切なのは、経済環境の変化を恐れることではなく、変化を理解し、自ら判断して行動することです。
これからも皆さんの資産形成に少しでもお役に立てるよう、私自身の経験や考えを発信していきたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 
2026年10月18日
株式会社FGH
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

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このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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