【第5回】不動産投資のスタート

公開日2019/07/30
更新日2024/01/11

2019.7.30
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

 
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【第5回】不動産投資のスタート

初めて不動産投資をする人がスタートするに際して、どういうところから勉強や行動をすればいいのでしょうか?
 
まず、購入のためのセミナーに事前学習なく行ってしまうと、物件を安易に購入してしまう可能性があります。
 
大事なのはスタートの時点で「出口」を決めること。
 
不動産投資をはじめるなら、「売るときを考えて買いなさい」ということです。
 
私の経営する会社では売却のためのセミナーを開催していますが、それを行っているのは非常に珍しく、多くの不動産業者は購入セミナーばかりです。
 
それというのも「買ってからのその後」を考えていないからです。
 
不動産投資をはじめるにあたって、サラリーマン投資家の皆さんは買うことばかりに執着しますが、本来であれば先に売ることを考えなければいけません。
 
どうやって投資を終着させるのか、利益を確定するのか。先を見据えておかなければ、失敗する可能性があります。
 
しかし、これがほとんどの人ができていません。
 
目先にばかり囚われて、売ることを考えないで買ってしまうため、失敗の落とし穴にハマってしまうわけです。
 
たとえば中古マンションを2000万円で買って10年間保有したら、いくらで売れるのでしょうか?
 
それを販売担当の営業マン・レディに聞いてみてください。
 
ただ聞くだけでなく、その根拠も確認します。仮に購入時の相場の利回りが5%だとしましょう。
 
時と共に物件の価値は下がっていきますから、10年後には利回り7%なければ売れないかもしれません。
 
家賃にもよりますが、2000万円で購入した物件は売却時に1400万円ぐらいに下がる可能性があります。
 
ただし、これは中古マンションの場合なので、新築で購入した場合は、もっと値下がりする可能性があります。

 
そのように想定したら、1400万円で売れることをフィックスさせ、10年間の収益がどうなるのかを予測して、この投資が果たして「勝ちなのか」それとも「負けなのか」を最初に見極めなければいけないのです。
 
それでも購入する人は頭に血が上っているせいか、なかなか冷静な判断ができないものです。
 
物件を買いたくて仕方がないような状況になることを「物件欲しい病」と呼びますが、この病にかかった人は要注意です。
 
多くの投資家は「とにかく欲しい!」と先々を考えずに購入してしまいます。
 
これだけは絶対に避けて、必ず「出口」から逆算して物件を購入しましょう。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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