不動産投資の繰上返済 メリットや注意点を解説

公開日2020/07/23
更新日2023/01/07

不動産投資において金融機関から融資を受けて物件を購入し、不動産投資ライフをスタートしている方は多いかと思います。
 
実住用物件を購入するために融資を受ける「住宅ローン」の場合は、繰上返済を行っている方も多く、馴染みがあるかもしれませんが、不動産投資の分野においては意外に活用されている方は少ないのではないかと感じます。
 
今回のコラムでは、「繰上返済」について触れていきたいと思います。

繰上返済とは

繰上返済とは、月々の返済とは別にプラスして借入金の一部を前倒しで返済していくことです。
 
また、繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」が2つの種類があり、どちらかを選ぶことが可能です。
 

①「期間短縮型」

「期間短縮型」で繰上返済をした場合は、毎月の返済額は変わりませんが、ローンの返済期間を短くすることができます。
 
期間が短縮された分、支払う予定だった利息分の負担が無くなります。
 

②「返済額軽減型」

「返済額軽減型」は、ローンの返済期間はそのまま据え置きになりますが、毎月の返済金額を引き下げられます。
 
ライフプランの変動によって生じる、将来的なローン返済の負担が大きくなることが予想されるときは、家計を安定させるのに効果的です。

繰上返済のメリット


繰上返済を行うことによって、ローンの返済期間を短くしたり、毎月の返済金額を減らしていけるということは、不動産投資において支出を抑えられるということです。
 
「返済額軽減型」で繰上返済を行えば、月々のローン返済額が減った分、家賃収入で得られる収益は増えることになりますので、空室時の必要経費等の予備費用として貯えておけば、リスク対策に活用可能です。
 
ローンの元金が減れば、金利は元金に対して算出されますので、最終的な利息分の支払いを減らすことができ、繰上返済していく金額やスパンによっては、大幅に利息分を抑えることが可能になります。

繰上返済の注意点


不動産投資ローンでお借入れされている方の大半は、ノンバンクで融資を受けている方が多いと思います。
 
このノンバンクでは、ローン返済期間中の繰上返済を行う際、『返済手数料』が掛かる場合があるので注意が必要です。
 
一度の繰上返済を行うのに対して、数千円~から、借入年数に応じて元金に対して〇%の手数料を設定している金融機関も中にはあります。
 
ですから繰上返済の度に手数料が発生することを考えると、ある程度手元に資金が貯まってからまとめて返済をしないと手数料が勿体ない場合も出てきますので、ご注意ください。

繰上返済という戦略


本来であれば、自己資金を多く準備し借入金額を少なくして不動産投資を始められれば、キャッシュフローも良く、投資としての安全性は高まりますが、最初から自己資金を多くご用意できる方は少なくありません。
 
ですが、『自己資金を後から出すことも出来る』という発想もあります。
 
最近お取引させていただいた投資家様からお伺いしたお話しになりますが、『たとえ自己資金を少額で始めて、DCR(返済余裕率)が1.3を下回っていたとしても、キャッシュフローを地道に貯めて繰上返済をすればDCRは改善できます。』というもの。
 
このように自己資金を後追いで出すことをしっかり考えていれば、自己資金を少額でスタートする投資方法も私はアリなのではないかと感じました。
 
ローンを組むということは、リスクを抱えるということでもありますが、そのリスクを取るからこそ賃料収入という配当が得られるということでもあります。
 
繰上返済は、計画性を持って上手に行うことができれば、だんだんと所有物件を増やして拡大していくこともできますし、不動産投資家としてステップアップしていくことが可能になりますので、ひとつの投資戦略としてご参考になれば幸いです。

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このコラムを書いている人

渡邉 幸也

渡邉 幸也

1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士

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