ゲストハウス事業投資はローリスク・ハイリターン?実状に迫る!

公開日2020/06/02
更新日2022/12/23

ゲストハウス事業投資とは?

ゲストハウス
不動産投資の中でも”ローリスクでハイリターン”だと言われているゲストハウスへの投資。
 
古民家を改装したゲストハウスへの投資であれば、数千万円の資金で始められるのも、注目を集めている理由のひとつでしょう。
 
マイホームを建てる額と変わらないため、サラリーマンであっても始めることができる投資額です。
 
賃貸投資の実質利回りは3~5%と言われていますが、1棟貸しゲストハウスの実質利回りは6~9%
 
更に都内の人気ゲストハウスの稼働率は、90%を超えています。
 
つまり、上手く事業を回すことができれば、賃貸経営を行うよりも遥かに大きな収益を上げることができるのです。
 
しかもゲストハウス投資は、中・大型ホテルの実質利回り5~6%さえも上回っているのが現状。
 
2021年には東京オリンピックの開催を控えいることもあり、ゲストハウスの需要は今後ますます高まっていくでしょう。
 
今回は、そんなゲストハウス事業への投資を、ゲストハウスとはどういう施設なのかということからもう一度整理し、投資の流れを詳しく解説していきます。

ゲストハウスとシェアハウスの違い

シェアハウス
まず最初に、ゲストハウスとシェアハウスの違いを明確にしておきましょう。
 
実は法律を調べてみても、ゲストハウスとシェアハウスに明確な定義づけはありません
 
業界団体もゲストハウスとシェアハウスに基準を設けていないので、オーナーがゲストハウスだと言えばゲストハウスになり、シェアハウスだと言えばシェアハウスになってしまうのです。
 
これではゲストハウスとシェアハウスの違いが分からず、混乱する人や誤解する人が出るのも当然のことでしょう。
 
ゲストハウスとシェアハウスの一番の違いとしては、利用者の利用期間が大きく違います。
 

ゲストハウス

ゲストハウスは一般的に安価な簡易宿泊施設で、1泊からの利用が可能です。
 
リビング、キッチン、トイレ、バスルームを宿泊者全員で共用し、部屋は一人部屋もあれば、2段ベッドなどが設置された相部屋もあります。
 
皆でシェアして使う分ホテルよりも宿泊費が安く、1泊数千円で泊まることができます。
 
宿泊施設のため、泊数に応じて費用がかかりますが、敷金・礼金などの入居費はかかりません。
 
ゲストハウスには管理人が24時間常駐し、チェックインやチェクアウト、掃除、ゴミ出し、お風呂の用意などを行ってくれます。
 
古い一軒家をリノベーションしたゲストハウスもあり、家にいるような感覚を味わうことができます。
 
共有スペースには漫画やビリヤード台が置いてある施設もあり、ゲストハウスそれぞれに特徴があるので、滞在そのものを楽しむことができるでしょう。
 
ゲストハウスのデメリットは、毎日のようにチェックインやチェックアウトする人がいるので、稼働率が安定しません。
 
管理人を24時間常駐させるので人件費もかかる上に、閑散期は人が集まりにくく、経営が安定しにくいです。
 

シェアハウス

シェアハウスは一つの住居を複数人で共有して暮らす賃貸物件です。賃貸物件のため1泊~という短期宿泊はできません。
 
賃貸で借りるので、短くても1か月以上の契約で入居する必要があります。
 
ほとんどのシェアハウスでは、リビング・キッチン・トイレ・バスルームを入居者全員で共用します。
 
シェアハウスは皆で家を借り切るので、1人頭の家賃の負担を抑えることができるため、安く入居できるのが特徴。
 
共用で使うスペースがあるものの、完全個室の部屋が一人一人に与えられるので、プライバシーもある程度確保できます。
 
ゲストハウスのように相部屋ではないため、入居者と適度な距離感を保つことができる一方、一人暮らしではないため寂しさも感じにくいでしょう。
 
シェアハウスのデメリットは、賃貸物件のため、敷金・礼金といった入居費用が必要になるケースがあることです。
 
入居者との距離も近いので人間関係が悪化すると、家にいてもストレスを感じてしまいます。
 
ゲストハウスであればチェックアウトし他の場所に移ることもできますが、シェアハウスは最低でも1ヶ月の契約のため簡単に退去ができません。
 
また、ゴミ捨てや自分の部屋の掃除は、自分ですることになりますが、共有部分の掃除は大家や当番制で行うのが一般的です。

ゲストハウス事業投資の流れ

ゲストハウスイメージ
ゲストハウスとシェアハウスの違いやそれぞれのメリット・デメリットを理解したところで、実際にゲストハウス事業に投資する際の流れを抑えていきましょう。
 

⑴投資の目的を整理し、事業計画を練る

ゲストハウス事業を行う上で大切なことの一つに、利回りがあります。
 
利回りが低いと収益を上げることが難しいため、利回りは徹底的に追求しましょう。
 
利回りが宿泊費や物件の購入費、リノベーション費の予算も左右します。
 
予算をあらかじめ定めておかないと、内装や配置する家具などにこだわってしまい、建設費がオーバーしてしまうかもしれません。
 
初期投資が増えると利回りも悪くなってしまうので、投資の上限を定めておく必要があります。
 
また上限を定めておいてもオーバーするケースが多いため、余裕をもった資金計画も大切です。
 
出口戦略としてゲストハウス事業投資に上手くいかなかった場合、物件をどうするのかも考えておく必要があります。
 
ゲストハウスは最終的に売却するのか、セカンドハウスにするのかなどによって、計画も変わってくるでしょう。
 
投資の目的が税金対策という人もいますが、その場合は相続税や所得税の節税として有効になるかシミュレーションをしておく必要があります。
 
最初の事業計画を入念に作っておかなければ、ローリスクであるとは言え、ゲストハウス投資に失敗してしまう可能性が高くなるので、注意してください。
 

⑵物件を選定する

事業計画が出来上がったら、エリアを決定し物件を選定します。
 
その際には旅館業許可を取得できる物件を選ばなくてはいけません。
 
どの物件も旅館にして良い訳ではなく、旅館にできるかどうかは物件それぞれに制約があります。
 
そもそも旅館として利用できない物件を選んでしまうと、ゲストハウスとしてオープンできません。
 
観光客がターゲットのゲストハウスは、交通アクセスの良さも必須です。近くに観光スポットや飲食店があるとより良いでしょう。
 
物件に目星をつけたら、マーケティング分析も必要です。
 
近隣の競合物件や宿泊単価などを調査し、収益シミュレーションをより細かく行っていきましょう。
 
成功するゲストハウスの条件に4人以上が、広々使うことができるということが挙げられます。
 
安く購入できるからといって狭い物件では、宿泊者がゆっくり滞在できません。
 
ホテルとの違いを打ち出すためにも、「広く使える」ということを立地と同じくらい重視しましょう。
 

⑶リノベーションプランを作る

物件を選定した後は、どのようにリノベーションを施していくのかプランを立てましょう。
 
ターゲットを明確化することで、設計のコンセプトも決まります。
 
外国人旅行客向けの場合は、和を取り入れたデザインに、女性客をターゲットにするのであればオシャレで可愛い部屋が好まれます。
 
写真を撮るのが好きな女性をターゲットにして、インスタ映えするような部屋に仕上げると、自身のSNSなどに写真を掲載してくれるので、宿泊者がゲストハウスの宣伝に一役買うこともあります。
 
コンセプトや設計が決まると、それに合わせて家具や家電、インテリア小物も購入する必要があります。
 
こだわって設計すればするほど、他の宿泊施設と差別化を図ることができますが、こだわりすぎると予算をオーバーしてしまうので、予算内でできることにフォーカスしましょう。
 

⑷工事の着手と完成

設計図が完成したら、後は業者に依頼しそれを形にしてもらいます。
 
古民家を改装する場合は、耐震補強や雨漏りの補修なども必要になります。
 
古民家を改装したゲストハウスの場合工事にかかる期間は、だいたい半年ほど。
 
工事期間が他の宿泊施設よりも短いので、早く営業を開始することができ、早期に投資の回収がスタートできるの傾向にあります。
 
工事が完成するまでに、旅館業の営業許可証を取得しましょう。
 
許可を取るための検査や基準はなかなか厳しいため、早めに営業許可の申請を出しておくことをオススメします。
 
個人で営業許可の取得まで漕ぎつけることは難しいため、業者に許可証発行の手伝いを依頼するケースが大半です。
 
ゲストハウスは民泊ではないため、一般的なホテルと同じ分類になり営業日数に制限はありません。
 
工事前後には、近隣住民への挨拶周りも大切です。
 
トラブル防止のため近隣住民には丁寧な説明を行いましょう。
 

⑸運営の準備

ゲストハウスが完成したら、家具や照明など備品を配置しましょう。
 
宿泊者のために、アメニティも準備する必要があります。
 
格安ゲストハウスとして売り出す際には、アメニティ類を置かないという選択肢もありますが、その場合はホテル情報にアメニティがないことを明記しておきましょう。
 
備品の配置が終わったら、予約サイトに掲載する写真を撮ります。
 
宿泊者は宿泊場所を決める際に、写真の情報を重要視します。
 
特にオープンしたばかりで口コミの評価もない場合は、どんな施設なのか判断がつかないため、写真が宿泊を決める際に大きな役割を果たすのです。
 
部屋を魅力的に、広々と写すためには、プロのカメラマンの力を借りると良いでしょう。
 
写真一枚で宿泊者を獲得できるかどうかが決まると言っても過言ではないため、写真代をケチってはいけません。
 
近隣住民と宿泊者がトラブルにならないように、ハウスルールも決めましょう。
 
特に外国人旅行客は日本の1棟貸しゲストハウスの宿泊ルールを知らない人もいるため、土足厳禁といった当たり前に思うようなことも明記する必要があります。
 
禁煙、ペット禁止、小学生以下宿泊禁止などハウスルールは、ゲストハウスにより様々です。

ゲストハウス事業投資のまとめ

ゲストハウス
古民家に投資する場合、ゲストハウスにするのが最もリスクが低く、大きなリターンを得ることができると言われています。
 
ゲストハウス投資には賃貸経営とは違う成功のポイントがあるので、賃貸経営の経験がある人でも、ゲストハウスを運営する際には新たな知識を得る必要があるでしょう。
 
空き家を買い取り、改修することは社会的にも意義があることです。
 
自分だけのオリジナリティを出したゲストハウス作りも可能なため、楽しんで事業を進めていくことができるのも、ゲストハウス投資が人気を集める理由の一つとなっています。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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