コロナで不動産投資家がピンチ!乗り越えるコツを伝授します
【目次】
不動産投資家も「非常事態宣言」を出したい!
コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、日本全国に史上初の緊急事態宣言が出されました。
学校が休校になったり、人と人との接触8割減の推奨など、考えられない事態が今起きています。
「コロナのせいで家にいる子供の面倒を見ることになり、仕事ができない!」
「仕事がなくなり、派遣切りされた!」
「自粛要請で店を営業できない!」
など、多方面から悲痛な叫びが上がっています。
政府も休業補償を行なったり、国民に10万円の一律給付を行うなど対策を講じていますが、不動産投資家には、補償がないどころか理不尽な要求を突きつけようとしています。
不動産投資家が今どんなピンチを迎えているのか、今後の景気はどうなるのか…。
そして、ピンチをチャンスに変える方法をまとめてみました。
不動産投資家の現状とは?
コロナが不動産投資家の立場を、どれほど苦しめているのかを、具体例を挙げてご説明していきましょう。
テナントの賃料支払い猶予法案
大阪の吉村知事が4月に入り、「テナントの賃料支払い猶予法案」を国へ提案しました。
その結果、国は休業した事業者への家賃負担軽減のため、大家がテナントの支払いに猶予を設ける法的措置の検討に入りました。
前向きに検討されているので、今後国から賃料の支払猶予(モラトリアム)を要請される可能性は非常に大きいです。
しかし投資家からすると、これはダメージが大きい話。
不動産投資家の多くは銀行から融資を受けて物件の購入を行い、毎月家賃収入の中からローンの返済を行っているのです。
家賃比率(家賃に対しどの程度の割合を返済するのか)は人によりけりですが、大体30〜70%の割合で設定されています。
つまり、毎月100万円の家賃収入があれば、30〜70万円の支払が待っているのです。
そして不動産投資家が支払うお金は、ローン費だけではありません。
不動産運用のためにかかるそれ以外の経費に、管理費・税金・保険・水道光熱費・修繕費・退去時のリフォーム費用があります。
また、不動産投資において、必ず発生するのが空室リスクです。
空室が発生して家賃収入が入らなくなっても、ローンや諸経費の返済義務は生じるため、投資家は空室にならないためにさまざまな努力をしています。
空室発生によるリスクは投資を行う上で、投資家が理解し、納得していることです。
しかし今回の「テナントの賃料支払い猶予法案」に関しては、投資家からすると空室ではないにも関わらず、一定期間テナント料をもらえなくなる法案なのです。
テナントからの賃料収入がなくなっても、投資家にはローンの返済、諸経費の返済義務が生じ、首が回らなくなります。
家賃保証を利用している投資家は、テナントからの家賃支払がストップしたとしてもある程度はしのぐことができるかもしれませんが、限界があります。
また契約によっては、ウイルスの蔓延に関しては保証の対象外ということもあるでしょう。
不動産投資前にはシミュレーションを行うことが基本ですが、流石にコロナレベルの景気悪化や家賃の支払い猶予要請は予測できません!
大きく利益を出すためにレバレッジをかけていればかけている人ほど、ローンの返済が困難になってしまうのです。
テナントからすれば「通常営業できるまでの辛抱」だと言えるかもしれません。
しかし、投資家は売り上げが減ったのに、銀行からのローン返済は待ってもらえないのです。
不動産投資家の多くは不動産を担保に融資を受けているため、返済が滞れば物件も差し押さえられてしまいます。
一つを守れば、もう一つは泣きをみるというこの現状を、メディアももう少し取り上げてくれれば良いのですが…。
もし「テナントの賃料支払い猶予法案」を成立させるのであれば、ローン返済にも猶予を設ける必要があるでしょう。
家賃の下落に入居者の夜逃げ問題
みなさんも景気の悪化をひしひしと、感じていることでしょう。
お店が開かず物が売れない。
外でお酒を飲んだり、食べたりできないので、店が儲からない。
遊興施設も軒並み営業自粛で、遊び場がない。
旅行に行きたくても行けないし、計画していたものはキャンセルせざるを得ない。
ほぼ全ての業種で、景気が冷え込んでいます。
このままでは日本の経済は、ますますm悪化の一途を辿っていくでしょう。
それによって生じるのが、派遣切りや解雇です。
派遣切りされた人は家賃を支払うことができなくなり、退去します。
投資家は新しく入居者を募集しようにも、以前と同じ賃料を設定しても入居者が集まらず、やむなく家賃を下げることになります。
不動産投資家にとっては、家賃が売り上げですが、この売り上げを下げることを余儀なくされる可能性が高いのです。
この現象は過去にもありました。
大分県のとある町で工場が廃業したことで、多くの労働者がその土地を離れ、町は急速に寂れてしまいました。
家賃も大暴落し、投資家も露頭に迷うことになったのです。
そしてリーマンショックの際には、トヨタ自動車のお膝元である豊田市でも同じようなことが起きました。
当時下落した家賃はその後騰貴しましたが、コロナ不況が続けば、リーマンショック同様、再び下落に転じるかもしれません。
高級物件に住んでいた高所得者も、所得が減り退去する可能性もあります。
特に中小企業の倒産は2020年3月から上昇中。
企業経営者が倒産により所得を失い、家賃の支払いができなくなってしまうケースが後を絶ちません。
前述したように家賃が下がることは不動産投資家にとっては死活問題ですが、景気が悪化すれば家賃の下落は避けられません。
また職を失った入居者は、家賃の支払が遅れ始めます。
同時期には他の入居者からも、家賃の支払い猶予や減額についての相談が持ちかけられ、個別に対応しなくてはならないのです。
一軒、一軒実情や要望を聞き、交渉を行っている間に、家賃滞納者は1ヶ月、2ヶ月と支払が滞り、最終的に夜逃げされるリスクも0ではありません。
夜逃げされた場合、入居者を捕まえるのも一苦労です。
仮に捕まえられたとしても、刑事ではなく民事問題になるので、民事裁判が待っています。
自分で弁護士を見つけ裁判を起こさなくてならないので、裁判費用だけでも100万円程度必要です。
仮に裁判で勝ったとしても、被告が自己破産してしまえば家賃の回収はできません。
つまりどんなに支払いを待ったとしても、踏み倒されたら終わりなのです。
テナントや入居者は簡単に踏み倒すことができますが、投資家は銀行に踏み倒すことができず、ローンの支払ができなくなった時点で銀行に物件を取られてしまいます。
また、夜逃げによる空室で部屋を片付け、新しい入居者を見つけたとしても、元の入居者が戻ってきた際に「部屋の中には高額な品や思い出の品があった」と、弁償を求められる可能性も0ではありません。
実際に、入居者が大家と管理会社を相手に訴訟を行い、数千万円の慰謝料を要求したことも。
不動産価値の下落
不動産を自己資金のみで購入する方はごく少数で、多くの人は銀行に融資を申し込むでしょう。
コロナ不況に突入する前は、銀行も低金利で融資を拡大していました。
しかし、コロナ不況の今は破産のリスクを危惧して、銀行からの融資を受けることが難しくなってきました。
またコロナ関連の融資相談が急増しており、不動産投資に関する有志の相談は、後回しになっているそう。
さらに、外国人の入国が制限されていることも、不動産価値下落に拍車をかけています。
中国人を始めとする外国人富裕層が土地や物件の購入を行い、北海道や沖縄では現地の人が住むことができないほど土地・建物の値段が跳ね上がりました。
しかし今は入国もできない状態なので、富裕層による買い占めもありません。
不動産を売却したくても、売却できない
空室や家賃の下落に悩み、不動産を手放したいと考えるようになった投資家も多いでしょう。
しかし空室が増えたから売りたいと思っても、空室だらけの家を買う人はいません。
例えば1億円で購入したマンションが、不動産価値下落の影響を受け、現在では7000万円の価値にしかならないとします。
この場合3000万円を現金で用意するしか売る方法はありません。
所有するだけで毎月のローンと諸経費の支払いで赤字ですが、売るにも現金が必要で売れないという八方塞がりに陥ってしまいます。損切りすらできないのはかなり痛いですね。
コロナショック後に買い時がくる?
コロナが長引けば長引くほど、資産価値の低下や不動産投資家の破産は深刻度を増します。
そうならないためにも、私たちは外出自粛や新薬の開発がなるべく早く進むことを祈るしかありません。
これまでコロナによる悪影響ばかり紹介しましたが、最後にこのピンチをチャンスに変える方法をご紹介します。
もしこれを読んでいるあなたが資金に余裕があるのであれば、”今”物件を購入することです。
リーマンショックの時を思い出してください。
リーマンショックでも、今と同じように不動産価格の下落が起こり、物件が投げ売りされていました。
その際に売り出されていた物件が、リーマンショック後に価値が上がり、結果キャピタルゲインを得ることができたのです。
今はこれによく似た状況のため、物件を安く買うチャンスだと言えるでしょう。
かといって安い物件ならどんな物でも買えばいいわけではないので、納得がいくまでとことん見極めることも大切です。
将来値上がりが期待できる物件、空室リスクが少なく利回りの良い物件をこの時期に購入しておけば、コロナ後の景気回復により大きく儲けることも不可能ではありません。
コロナでピンチの不動産投資家の形成逆転まとめ
現在、数多くの不動産投資家がコロナにより苦しめられていますが、その現状はなかなか世間一般に理解されず、救済の対象になっていません。
しかし、方法次第ではこのピンチをチャンスに変えられるのです。
もし資金に余裕があるのであれば、”今だからこそ”信頼できる人に相談し、不動産投資を行うべきでしょう。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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