【2024年最新】不動産投資で自己破産?失敗例と対策を徹底解説!
【目次】
不動産投資における自己破産とは?
不動産投資は、リターンが大きい一方でリスクも大きいものです。
リターンを求めるあまり、不動産投資で失敗するケースは少なくありません。
最近では「スマートデイズ」と「スルガ銀行」による不動産投資の不正融資問題が起こり、一部投資家は大きな損害をこうむるに至っています。
この騒動については、他人事のように感じるかもしれません。
不動産投資に関わっている以上、やはり大きな損害を受けることはあるのです。
最悪の場合、「自己破産」という選択をする人も。
不動産投資で自己破産となれば、その後の人生は大きく狂ってしまうでしょう。
不動産投資における自己破産率はどのくらい?
不動産投資での自己破産率は、統計として取られていません。
ただし、ある程度推測することは可能です。
主な金融機関は、「リスク管理債権比率」や「延滞率」という数字を公表しています。
これらは基本的に「返済が延滞されている貸出金の、全債権における割合」を意味するものです。
つまり「貸しているお金のうち、どれくらい返済に延滞が出ているか」を示します。
そして、国内の主な111銀行における「平均的なリスク管理債権比率」は、1.2%でした。
要するに、100人に1人はローン返済が滞っているとわかります。
返済と自己破産が両立することは通常考えられないので、自己破産率も1.2%に近しい数字だと推測できます。
(参考:東京商工リサーチ)
不動産投資における自己破産には、免責が適用されるのか?
そして、自己破産するのであれば、「免責があるかないか」も重要です。
免責とは、一言で言えば「借金を帳消しにする」ということ。
自己破産したからといって、かならず借金を帳消しできるわけではありません。
自己破産したうえで借金を支払う必要がある、というケースもあります。
不動産投資における自己破産では、「免責されない」されないケースが多々あります。
なぜなら不動産投資は、「免責不許可事由」に該当する可能性があるから。
「免責不許可事由」とは、要するに「借金帳消しにはできないお金の使い方」のこと。
たとえば、ギャンブルや遊興費で作った借金が、免責不許可事由の対象になります。
そして、不動産投資における借金も、免責不許可事由になる可能性があるというわけです。
よって「不動産投資で失敗しても、自己破産すればなんとかなる」とは限りません。
失敗したらどうなる? 不動産投資で自己破産した具体例
不動産投資で自己破産してしまうと何が起こるのか、実例をとおして考えてみましょう。
とあるサラリーマン投資家「A氏」は、東京都内の賃貸マンションを購入しました。
営業担当者が提示した金額は、不動産そのものが2,500万円。
そこにリフォームや客づけ費用が重なり、初期費用のトータルは3,000万円ほどになりました。
その後マンションの入居者を募りますが、思うように借り手がつきません。
やむをえず家賃を下げて貸し出しましたが、家賃を下げても入居率は改善せず、とうとうローン返済が遅延するようになります。
のちに不動産を査定し直したところ、そもそも不動産価格自体が相場外れでした。
A氏は相場1,900万円の不動産を、2,500万円で購入させられていたのです。
さらに、リフォームや客づけがおこなわれた形跡は、ほとんどありませんでした。
簡単なハウスクリーニングと、いいかげんなWEB広告が掲載されていたわけです。
つまり、不動産と諸費用双方で、不当に過剰な費用を支払わされていたのだと発覚します。
しかし、契約書に捺印したのはA氏本人であったため、この契約を覆す方法はありませんでした。
結局「売却しても多額のローン返済が残り、支払える見込みはない」という状況に陥ります。
最終的に、A氏は自己破産を選択。
自己破産では、99万円以上の資産がすべて没収(換価処分)されます。
よってA氏は、持ち家や車など、あらゆる資産を失うこととなりました。
なぜ不動産投資で、自己破産まで至るのか?
というように、不動産投資に失敗して、自己破産まで至るケースは多々あります。
なぜそのような事態になるのか、少し考えてみましょう。
そもそも不利な契約をしている
もっとも多いのが、そもそも不動産投資で不利な契約をしているという理由。
ただでさえ難しい不動産投資で、不利な契約を結んでいて、うまくいくはずがありません。
具体的には、上記の例のように
・相場よりも高い家賃で購入させられている(いわゆる「高値づかみ)
・諸費用を不必要に請求されている
・信用できない家賃保証がある
といったところです。
こういった契約を結んでしまうと、当然ながら不動産投資はうまく行きません。
しかし営業担当者は、さも「素晴らしい投資物件である」という体裁で勧めてきます。
その話を信じ込んでしまい、「いい話が転がってきた」と思って、むしろ不利な契約を結んでしまうというわけです。
こういったケースでは、「不動産を手放して離脱する」というのも難しくなります。
なぜなら「不動産を売却しても、ローン残債が補填されないから」。
よって、売却する前に、自己破産を選択するというケースが多々あるわけです。
そもそも素晴らしい投資物件であれば、営業をかけなくても勝手に買い手がつきます。
投資対象としてすぐれた面がないから売れ残り、営業をかけないと売れないのです。
諸費用に対する見通しが甘い
また、諸費用に対する見通しが甘いというケースも考えられるでしょう。
不動産投資には、不動産(躯体)そのもの以外に、さまざまな費用がかかります。
たとえば、
・修繕費
・リフォーム代
・賃貸管理会社への管理費
・ハウスクリーニング代
・固定資産税
・設備費etc…
というように、実にさまざまな費用がかかるわけです。
こういった諸費用の存在を見落としていれば、不動産投資はほぼ間違いなく失敗します。
また、諸費用の中には、「いつ・いくら発生するかわからない費用」もあります。
管理費や固定資産税は、最初から「年間でいくらかかるか」というのがほとんど明らかです。
しかし設備費や修繕費は、いくらかかるか不透明なもの。
不透明なはずの費用について「まあ大丈夫だろう」などと考えていると、後々で計算が狂うわけです。
リスクに対する見通しが甘い
また、不動産投資について回るリスクを甘く見てしまうというのも、たいへん危険なものです。
不動産投資においては、「入居者がうまく見つけられない」「滞納されたあげく、入居者が姿を消す」「家賃が下がってしまう」といった、さまざまなリスクが存在します。
あらゆるリスクの発生は、自分ではコントロールしづらいものです。
たとえば、家賃が下がってしまうというリスクは、避けようとしても簡単に避けられるものではありません。
しかしリスクについては「問題ないだろう」と決め込み、不動産投資へ踏み切るケースもあるわけです。
そもそもリスクについて知りもしない、というケースもあるでしょう。
となると、想定外のリスクによって収益性が損なわれ、ときには自己破産せざるえなくなるというわけです。
フルローンを利用している
融資においてフルローンを利用しているというのは、自己破産する人に多くみられる特徴です。
フルローンでの投資とは、「不動産の購入費用を全額ローンでまかなっている」という状態を指します。
つまりローンの返済額が高く、なおかつその期間も長くなるというわけです。
頭金を入れているのであれば、ローン返済の負担が下がるため、自己破産は遠ざかります。
しかしフルローンだと、少し不動産投資の計画が狂えば、すぐに返済は苦しくなるでしょう。
最悪なのは「オーバーローン」という状況に陥ること。
オーバーローンとは、「ローンで購入したものを売却しても、ローン残債が相殺されない」という状態を指します。
となると、不動産投資から撤退しようにも、手出しでローン残債を補填しなければいけません。
もし「補填しようもない」ということであれば、自己破産が選択肢として出てくるというわけです。
金利が高すぎる
借り入れる金額のほか、金利についても懸念があります。
金利が高ければ、いくら安い不動産だったとしても、ローン返済は苦しくなるでしょう。
特に、不動産投資初心者には、きわめて高い金利が提示されることもあります。
また属性(≒年収や勤務先から割り出される社会的な信用度)が低い場合も同様です。
「借りられる」からといって飛びつかず、無理な金利があれば借りないという姿勢でいなければいけません。
ここで高い金利を受け入れてしまうと、一気に自己破産へと近づきます。
セールストークにハマっている
セールストークにハマってしまうのも、自己破産への入り口と言えるでしょう。
不動産投資は、初心者が気軽に手を出して稼げるほど甘い世界ではありません。
むしろ大きなリスクと隣り合わせの、非常に厳しい世界だというのは、多くの人が肌感覚で理解できるでしょう。
にもかかわらず、失敗する人が出てくるのは、営業担当者のセールストークにも原因はあるでしょう。
営業担当者は、
・銀行ではなく不動産投資をすればお金が増える
・年金や生命保険代わりになる
・節税効果が得られる
・地方の物件ならローリスクで収益化できる
・サブリースだからリスクはないetc…
というように、いかにも不動産投資が簡単であるかのように、語ってきます。
しかし彼らは、「営業」です。
彼らの口からは、いくらでも好都合な話が展開されます。
営業担当者の話を真に受けず、自分自身でも判断する力を養うことが大切なのです。
不動産投資での自己破産を避けるには?
不動産投資では、自己破産につながりかねない、さまざまなリスクが存在します。
自己破産まで至らないまでも、大きな負債を抱える、貯蓄が失われるといったケースもあるでしょう。
そういったケースを避けるためには、不動産投資において以下のような姿勢や立ち回りが求められます。
いずれも「当たり前」の話なのですが、意外にもこれができていない初心者は多いものです。
そして何がなんだかわからないまま、自己破産へ追い込まれるというわけですね。
同じような失敗を繰り返さないよう、しっかりとおさえておきましょう。
じゅうぶんな知識を身に着ける
もっとも大切なのは、当然ながら知識を身に付けること。
不動産投資においては、知識が何よりも重要です。
しかし、じゅうぶんな知識もない状態で、不動産投資へチャレンジするというケースがあとを絶ちません。
不動産投資をするなら、不動産そのものの知識に始まり、税制や経理・建築法など、幅広い分野について精通しているべきでしょう。
不動産を取得する、あるいは融資申請する前に、じゅうぶんな知識を集めておきましょう。
不動産を適切に評価する
もちろん、取得する不動産を適切に評価することも重要です。
具体的には、「投資したとして、収支が見合うか否か」を見極めなければいけません。
・提示されている価格は適切か
・将来的に家賃はどのように変動するか
・リフォームや修繕にはどの程度の費用が必要か
・入居者がつくかetc…
見極めるべきポイントはさまざま存在し、そしてそのすべてで高い判断力を問われます。
知識や経験を活かして、常に適切な評価ができるようにしたいところです。
ちなみにここでネガティヴな材料が出てくると予測されていても、営業担当者はあまり口にはしません。
しっかりと、自分の眼で見定めることが重要です。
市場を冷静に換算する
不動産そのものではなく、不動産を取り囲む市場についてもリサーチします。
たとえば、
・地域ではどのような需要がある
・競合はいくらで貸し出しているか
・今後、開発の見込みはあるか
・家賃相場はいくらくらいかetc…
というようなところですね。
ここでネガティヴな材料があった場合も、営業担当者は伏せたりします。
自己資金に応じた、適切な借り入れ
また、自己資金に応じた借り入れをすることも重要です。
少なくとも、フルローンのような、オーバーローンが見えている融資を受けるべきではありません。
きちんと頭金を入れて、返済可能な金額の借り入れにとどめるのが基本線です。
不動産投資における自己破産まとめ
不動産投資において自己破産を選択するというのは、当然ながら最悪の結果です。
自己破産することになれば、家賃収入を得るどころの話ではありません。
所有している自宅や自動車など、ほとんどのものは失われます。
自己破産にまでは至らないまでも、不動産投資で大きな損失を出すというのは、決して珍しい話ではありません。
過去、失敗した人たちと同じことを繰り返さないようにしましょう。
そのためには、じゅうぶんな知識や賢明な判断能力が求められるのです。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
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