【不動産投資 一棟編③】不動産投資<賃貸事業の概念と投資目的の明確化

公開日2021/05/17
更新日2024/01/11

2021.5.17
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

投資イメージ
 

【不動産投資 一棟編③】不動産投資<賃貸事業の概念と投資目的の明確化

 
前回は、一棟投資の魅力を私の主観も踏まえてお伝えしました。
 
今回は、不動産投資は事業性が強い事と投資目的について語らせて頂きます。
 
不動産投資を既にやっている方も、これから始められる方にも分かって頂きたいのは、不動産投資は、事業性がかなり高いという事です。
 
いわば、起業するまでの心構えまでは必要ないかもしれませんが、それに近いことを分かったうえで投資して頂きたいですね。
 
大切なことは、目的をしっかり決めて物件を選定していくということではないでしょうか。
 
よくある目的をいくつか紹介します。
 
A様:将来の老後に備えて今から資産運用したい 
→選定するべき物件:好立地の区分マンション
B様:いま、キャッシュが欲しい 
→選定するべき物件:利回り重視で一棟物件
C様:いま、キャッシュも欲しいし、将来の老後に備えて対策もしたい
→選定するべき物件:区分と一棟のポートフォリオ化
 

A様の目的なら、好立地で資産性の高い物件を選ぶべきだと思います。
 
多少利回りは低くても将来的に家賃下落リスクが低いエリア=資産性があるエリアなので、立地選定が肝です。
 
築年数よりもエリアだと思います。
 
棟物で立地が抜群だとかなり値が張るので、自己資金と融資可能額にもよりますが、いわゆるワンルームマンション投資といわれる間取りが1Kの区分マンションの方が現実的なケースが多いです。
 
築年数は、築浅が良いですが、最近はかなり金額が上がっているので、1990年前後の築古をお勧めします。探せばよい物件も出てくることもあります。
 
B様の目的なら、間違いなく高利回りの棟物への投資だと思います。
 
区分のCF(キャッシュフロー)は、たかが知れています。
 
戸数にもよりますが棟物の場合、30万くらいのCFを出せる物件はまだまだあると思います。
 
区分を先に3~4戸購入している場合、いざ棟物を購入しようとしても融資が組めないケースがありますので、ご自身の目的をまずしっかり決めてから投資する物件を選定することが重要です。
 
首都圏の国道16号線付近でさえも、最近は金額が高止まりしていますので、地方の賃貸需要があるエリアを調査してみるのも良いかと思います。
 
C様の場合は、区分と棟物をうまくポートフォリオを組むことですね。
 
こちらが一番目的として多いパターンです。
 
いま、キャッシュの目的が強いのか?将来の備えが強いのか?優先順位を決めてから、物件選定をしましょう。
 
物件選びと並行してどこの不動産会社を通じて購入するかという課題もありますね。
 
新築ワンルーム販売会社、中古ワンルーム販売会社、一棟物件専門の販売会社、様々な物件を仲介している不動産会社と実に様々な不動産会社が存在します。
 
選定ポイントとしては、「目的にあった物件を提案してくれる会社」だと思います。
 
自社の在庫を抱える会社は、どうしても在庫を提案しがちです。
 
顧客目線で物件を選定できる実績とスキルを兼ね備え、購入後の管理をしっかり任せられる会社かどうかがポイントかと思います。
 
全てにおいてご注意頂きたいのが、「物件買いたい病」にならないことです。
 
いざ、不動産投資をすることを決めたら、すぐに買いたい気持ちは分かりますが、そこは、ブレずに我慢です。
 
数百万から数千万、数億円するのが不動産です。
 
目的が達成できる物件なのかどうか、きちんと試算してイケそうなら、迷わず買付を入れましょう。これは結構メンタル必要なんですね。
 
ここまでのお話で少しお分かりいただけたと思いますが、不動産投資は、様々な調査、試算、判断が重要です。
 
購入後には、賃料維持の工夫、様々な業者とのコミュニケーション、PL(損益計算)、BS(貸借対照)CF分析もあり、そして確定申告があります。
 
また様々な場面で都度判断が必要になってきます。
 
いわば事業を経営しているのと同じなんです。
 
そこが他の投資と違うところです。
 
ある程度、覚悟をしてチャレンジして頂きたいですね。
 
ただ、やればやるほど、面白いことも事実なので向き不向きはあると思いますが、やりがいがあると思います。
 
もちろん全て自分で行うのは大変ですので、実務は不動産会社等にお任せいただき、意思決定に集中していただくことが理想だと思います。
 
我々もお客様から選ばれるプロフェッショナルを目指して日々業務に励んでおります。
 
今回は、以上になります。
 
次回は、「利回りの落とし穴」についてお話したいと思います。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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